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解 題本書の作品は、力任せに玉を追い回す長編作が多く傑作は少ない。余詰・不詰作も多く、六割弱を占めている。 『宥鏡』の名前は、元禄10年(1697)刊の无住僊良撰『作物象戯大矢數』の序文末尾に『僊良』を表す「□」印と「宥鏡」印が上下に並んで押されていて、これが初出である。三年後の元禄13年(1700)刊の『先達宗桂諸國象戯作物集』序文の末尾には、「僊良宥鏡」の横並び一体印が押されている。更に29年後の本書で「…宥鏡…」が初めて文字となって登場してくる。 これらを勘案すると『无住僊良』と『宥鏡』は同一人物である可能性がかなり高いといえる。しかし、ここでは別人として紹介しておく。 『古今妙術象戯勇士鑑』は、出版まもなく前年発行の『象戯手段草』と共に禁書になっているが、そこにも何か謎が隠されているようである。 『宥鏡』とは誰なのか、なぜ禁書になったのか、今後の研究が待たれる。 天保9年(1838)刊の赤池賢齋(嘉吉)著『象戯解頤』(しょうぎかいい)50番本に『古今妙術象戯勇士鑑』から43図もが剽窃されている。 |