■計画概要
 敷地面積: 173.82F
 建築面積: 75.52F(建ぺい率:43.45%< 60%)
 延床面積: 106.24F( 容積率:61.12%< 200%)
   2階: 30.72F
   1階: 75.52F
   合計: 106.24F(32.14坪)
           
■設計趣旨
:骨董品の収集が御趣味である御夫婦のための住宅。
 約53坪の敷地は、現在、南側、東側共に開けているが、
 将来的には、北側の接道部以外の3方向は、建物が建ち、
 十分な光を確保できないことが予想されるため、
 近隣の状況にできるだけ左右されない光を確保しながら、
 日常的に骨董品を楽しむことができるスペースが要求されている。
 東西方向いっぱいに、大きな2層分のボリュームを計画し、南側に大きな開口を確保しても、
 南からの単一な光しか確保できず、
 また、南側に予想されている2区画分の大きな建物が建った場合、
 常に南側隣地の裏側を見ながらの生活を余儀無くされる。
 検討の結果、敷地の豊かな長さを生かした、1層分のボリュームと、
 光を求めて立ち上がる2層のボリュームを、
 要求されている2台分の駐車スペースと庭を確保しながら、
 それぞれのボリュームを、東西の境界から後退し、重ね合わせることで、
 近隣にできるだけ左右されない、多様な光を室内に導きたいと考えた。
 具体的には、玄関、リビング(一部畳コーナー可)、和室(主寝室)からなる
 東側に配された1層のボリュームは、約11mの視線の抜けを感じられ、
 その先で南側、西側の庭へと解放されている。
 西側に配された1階ダイニングキッチン、2階書斎及び寝室(子供室)の2層のボリュームは、
 南側隣地から7m、東側隣地から3m程後退し、2階で確保された南東の光は、
 西側の階段、吹抜け部で、1階へと浸透していく。
 これらの枠組みを成立させるため、
 骨董ギャラリーを兼ねた継続可能なブロックと珪藻土の呼吸する壁で、
 光を選びながら、内部を包み込み、
 内部は、自由に生活が衣替えできるように、
 できるだけ面をなくし、オープンにしている。
 外皮を兼ねた骨董ギャラリーは、日中は上部からの柔らかな光で照らされ、
 夜は、下部からライトアップされ、日々の生活の一部として、
 骨董品を楽しむことができる。
 可能であれば、ハニカムブラインドやポリカーボネイト複層板などの
 空気を含んだ、簡易な建具で、ギャラリーの室内側を包み込み、
 さらなる熱的なバッファーにできたらと思う。
 時間が経過しても、その美しさや価値を失うことのない骨董品のように、
 周辺の状況や、内部の機能に左右されることなく、
 継続的な光と、骨董ギャラリーを兼ねた長持ちする外皮に包まれ、
 建築が長く存在し、
 風雪に耐えた美しい街並の一部になれたらと考えた。