注意: 説明には多少のネタバレを含みます。 恐竜惑星を未見で内容を知りたくない方は、閲覧を控える事をお薦めします。
バーチャル3部作の1作目。恐竜時代(中生代)を再現したコンピュータ上の仮想世界・バーチャル大陸を、主人公の少女・萌が冒険する物語。 最初は只の「恐竜紹介アニメ」であり、その内容は恐竜マニアをうならせるような最新情報でいっぱいだったものの、アニメファンにとっては普遍的なものであった。ところが、途中から2種類の恐竜人類(ギラグール族・フォロル族)が登場して戦争を始めてから内容ががらりと重くなり、量子力学・不確定性理論(難解)を応用した歴史改変機械「宇宙の眼」を巡る戦いに突入するなど、後半はハードSFでスリリングな内容の物語になった。 そして、そのような大風呂敷を広げた物語にも関わらず、最終回では全てをまとめた最高のエンディングを見せる。話を完結できずに消化不良で終わるアニメが昨今多いだけに、恐竜惑星のラストは非常に高く評価できよう。もちろん、主人公キャラ、萌ちゃんのおてんばな可愛らしさ(一説ではオタク用語"萌え"の語源になったと言われているが、真相は定かではない。)も人気の一つ。 放映から10年経った2003年6月、遂にDVDも発売となった。恐竜惑星、この作品の成功があったればこそ、後の2作品が誕生できたのである。この意義は大きい。
注:思いっきり最終回のネタバレを含みます。文字色を薄くしていますので、読みたい方は選択して色反転してから読んで下さい。 地球から銀河系の垂直(極)方向に1000光年離れた所にある、地球に似た惑星。恐竜人類のテラフォーミングにより、白亜紀とほぼ同じ環境となっている。数多くの恐竜や2種の恐竜人類達が共存して暮らす新天地である。
物語の舞台となる場所。本来は「天才てれびくん」本編の番組内世界、つまりスタジオを指し、恐竜惑星も当初はこれとリンクしていた(DVDでは改変されてリンクしていない)。作品内のメディアタワーの位置付けとしては、バーチャル大陸への発着場・バーチャルステーションとしての役割がある。ここのオペレータはアッケラ缶。
メディアタワーのスーパーコンピュータによって作られた、中生代(恐竜時代)を模した仮想世界。外部からはアニメ様に表示されて見える。人間がこの世界に没入して冒険をする事もできるが、非常に現実に近く作られているので、命の危険もありうる。当初は只のシミュレーションに過ぎなかったが、情報量が増大した結果、多元宇宙の交差する世界となり、現実に影響を与えるようになった。
バーチャル大陸へ入ったり、バーチャル大陸内の別の時間・場所へ移動するための手段。一度タイムホールを作動させると、同じ場所へは最低3時間は経たないと再作動できない。速く動いている物体は移動できない等の欠点がある。
バーチャル大陸内で使用する時間加速装置。作動させると周りの時間の流れが1000分の1に減速される、つまり自分の動きが1000倍に加速される。敵に向けて超高速で物を射出、水の上を歩く、等々、時間が加速する故のさまざまな使い方がある。 ただし慣性も1000倍となるので空気は水飴のようになり、呼吸用ボンベ(連続使用5分)が必須、雨や雪、砂埃があると移動すら困難になる等の欠点もある。さらに一度使用するとアッケラ缶のパワーが復活するまで再度のタイムブースターやタイムホールは使えない。
恐竜の絶滅しなかった世界の南極圏で、白亜紀後期初頭の小型草食恐竜レエリナサウラが進化して誕生した恐竜人類・レエリナサウロイド。ギラグールには"草喰い"と呼ばれている。農耕・航海民族で、巣主会を中心とした母系半民主社会を構築している。ギラグール程ではないが、女性が力を持っている。 人口の増加が激しく、文明初期から積極的に北方への移民を開始、南下を続けていたギラグールとの接触・戦争へと繋がった。ギラグールと比べると全体的な技術力では劣っているが、彼らとの5万年に及ぶ戦いでは、人口の多さと技術のコピーで何とか対抗してきた。性格はギラグールよりも人類に近く、感情豊かで陽気的。
恐竜の絶滅しなかった世界の北半球で、白亜紀後期の小型肉食恐竜トロエドンが進化して誕生した恐竜人類・トロエドニアン。狩猟・牧畜民族であり、第一疾走者を頂点としたアリの様な階級社会を構築している。全体的に男性よりも女性が力を持っている。 フォロルよりも技術力に秀で、特にバイオテクノロジーが発達し、遺伝子改良によって職種間の差異や改造恐竜を作って、少子化に悩む社会を維持・発展している。ハイパーバーチャルシステムもギラグールの発明であり、フォロルとの戦争を時間線上に拡大した。性格は好戦的、感情に乏しく機械のように冷徹であり、常に仮面を被っていて表情を見せない。嘘をつくという概念が無い。夜行性で自らを"夕闇の民"と称する。
白亜紀末期に地球に衝突し、恐竜絶滅の要因の一つになった彗星。核の直径24km、比重が0.3(水=1)、地球接近時の速度は秒速60km。彗星としては非常に大型である。名前の元ネタは、アーシュラ・K・ル=グィンの小説から。
ギラグールが作り上げようとした歴史改変機械。「その世界の観測者が世界を見ることで、世界は形作られ決定される」という、量子力学の不確定性理論に基づく人間原理宇宙論を利用して、バーチャル大陸の観測者たる恐竜の、進化上重要な個体の脳を集めて作った、巨大なバイオ・コンピュータである。 バーチャル大陸はその情報量の多さから、単なる仮想空間ではなく、現実の世界にも影響を与えるようになってしまった。この機械が完成すると、バーチャル大陸と交わる全ての多次元宇宙の未来、恐竜人類の世界や我々哺乳人類の世界を、自分達の好きなように作り変える事ができる。一度実行した命令は、例え宇宙の眼が壊されても世界に影響を与え続ける。 名前の元ネタは、P・K・ディックの小説「虚空の眼」から。
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