ずきん、トライセラを語る語る
 祝・トライセラ熱再燃ということで(笑)。この機会にひとつ語っておこうと思います。
 トライセラとの出会いは'98年1月、ファン歴としてはバインよりか2年近く長いわけですな。もう相当ハマってました。それが'99年中頃から、結果的には”A FILM ABOUT〜”が決定打になりましたかね、ちょっとトライセラの姿が見えなくなってしまったのです。
 
 このアルバムねぇ、すごいショックでした。今までとコロッと方向性変わってて、私にとってのトライセラの魅力ってのがきれいさっぱり消え失せてて。
 まぁバンドが変化していくってのは当然のことだと思うけど、トライセラの場合は、急ぎ過ぎてる感じがしたんです。”GOING TO〜”で売れて世間に広く知られるようになったじゃないですか。で、トライセラの音楽っていかにも大衆ウケしそうだし実際したじゃないですか。で、彼らはそこでイメージが固まってしまうのを嫌ったんじゃないかと思うのです。無理矢理に今までの自分達を捨てようって焦ってるトライセラ(主に和田唱)が見えてしまって聴いてて苦しかった。彼らがやってることにもいちいち、何で?どうして!?って思わずにはいられなかった。
 
 そもそも私トライセラには格別の思い入れがあって。トライセラの曲って私にとっては、なんていうかこう、懐かしさとか自分にはもう手に入れることのできないものへの憧れみたいなものがダブるのです。1stや2ndの頃のキュートでラヴリーでどことなく小生意気な詞やサウンドとかってのは、昔の事を思い出すようなとてもあったかくて切なくて眩しくて元気が出てほんと幸せな気分になれるのです。絶対壊されたくない大切な場所って感じ。
 そんな気持ちにさせてくれるトライセラってもう、宝物!みたいに思ってました。でもこの頃の彼らってかわいかった子供が反抗期に突入したみたいな感じで(笑)。手におえなくなってしまったんですね。
 
 そんなこんなでなーんか熱は冷めてしまい、ちょうどバインにハマり出したってのもあってトライセラからはしばらく離れてしまってたんですが。
 6月にリリースされた”GROOVE WALK”、これね、何かしらちょっとピーーーンとくるものがあったのです。やっぱり前とは違う路線ではあるけれど、3rdのような違和感は全然なくて素直にかっこいい!って感じたのです。明らかに何か殻を一枚剥がしたような光り方してて。もしかしたらいい方向に向いてきてるのかもしれない!
 そして”Fall Again”ですよ。これ聴いたとき、すっごいすっごい嬉しかったです。いわばトライセラ王道中の王道、またこういう曲も作ってくれるようになったんだ!って。でまた2コーラス目の歌詞がね、3rd辺りでトライセラが見えなくなってしまった人達へのメッセージみたいに感じるのです、『ちょっと迷ってしまったけど、もう大丈夫。また今まで通りいいうたを歌っていくよ』って。なんかねぇ、戦線から逃亡してた大将が戻ってきてくれたような嬉しさ(なんじゃそりゃ)があるんですよねー。
 
 という経緯を踏まえての”KING OF THE JUNGLE”のリリースです。いやーもう感無量です!やっぱり以前のような、キュートポップな印象は影をひそめてますが、そのかわり一回りも二回りも進化してパワーアップしたトライセラがここにあるのです。めちゃめちゃかっこいいっすよ!!!私はもうこれで充分なんですよ。
 トライセラに関しては1st、2ndの頃を回顧する声が多いですよね。私もそうだけど、あの頃の曲に心を打たれた人ってたくさんいるんだなぁとしみじみ思う次第であります。3rdが出た頃は、前のが良かった前のが良かったってさんざん嘆いてたものです。でも新しいアルバムが素晴らしいものだと感じる今は、あの頃はあの頃、今は今として両方ともちゃんと受け入れられるのです。今度のアルバム聴いて良かった。あのまま離れてしまわないで良かった。またこんなにトライセラが好きになれて幸せだと思います。
(2001/3/20)