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 2003.07.21 小谷美紗子「Concert Tour 2003 "night"」
                                   @ON AIR OSAKA
 どこに置こうか迷ったけど一応ここに。
 ええーとこのライブ、ぶっちゃけた話ほぼ100%”西川さんを見に行った”ものです。よってこのライブレポも”小谷さんのライブにおける西川さん”レポとなっております。小谷さんのライブとしての感想はほとんどありません(死)。その点ご了解の上お読みください。
 
 西川さんの外仕事です。こーんな面白そうなモン見ないでか!とはいえ小谷さんの音楽性を考えて、そのライブでのギター、言うてもちょっとした味付け程度の位置付けだろーなーとタカを括ってたのですが(過去の小谷ライブは観たことないです)、とんでもハップン歩いて十分、もうこれが
 
目からウロコどころか目玉が落ちた( ̄□ ̄;)
 
 凄い。本当に凄い。西川さんのこんなギターを聴くのは初めてです。こんなギター弾いちゃう人だったんだ・・・!
 何ていうか、バインでの西川ギターってアクセント的な使われ方をしてることが多いじゃないですか。ピンポイント的にオイシイ音をピッ、ピッと入れてくる、言わば”差し色”みたいな役目の。それがこの日のギターってのは言うなればキャンバスに”西川色”のペンキをドバーーッて流したような感じ。全面的に大フィーチャーされておりましてその存在感はもう主役であるべきピアノを喰っちゃってる位。目新しさも手伝ってもう終始目が、耳が、釘付け。っていうかそもそも西川ギターがこんなマトモに鳴ってたライブってある?西川さんにこんなにライトが当たってたライブってある!?(泣)。それだけでもバインのとは印象が全然違うっちゅーねん(怒)。どこかの曲、イントロのソロでスポットライト一つに照らされた姿、涙出るかと思ったよ・・・・・・。
 ともかく、西川さんの新しい魅力に触れた、そんなステージでありました。
 
 さてライブの方ですが、客席はフロアに椅子をギッシリ並べたセッティングになってました。ついつい習慣で(笑)後ろの方に座りかけたのですが折角なので(←何が?)前から7列目位のステージ向かって右端に陣取りました。が、失敗した;;; 西川さんの立ち位置はステージの本当に端っこ、まさにスピーカーの死角となりギリギリ見えるか見えないかってところなのです(泣)。うわ〜〜、やってもうた(鬱)。でも実際は常に身体の8割(笑)は見えてたのでちょっとホッ。ちなみにステージの配置は舞台中央にグランドピアノとスタンディングボーカル用のスペース。それを取り囲むように向かって左からエレピ・高野さんの居城(笑)・ドラム・ベース・ギター。あ、高野さんは私の位置からはほとんど見えてませんでした〜ヽ(´ー`)ノ 西川さんのお召し物は白の控えめなイラストが入った黒(?光の関係で紫っぽくも見えた)のTシャツにジーパン?靴はハイカットっぽかったけど・・・ゴメン、あんまりちゃんと見えなかった(汗)。
 
 大体音源を全くと言っていい程聴いたことがなかったので曲名がほとんどわからなかったんだけど;;; ライブスタートは爽やかに駆け抜ける感じのポップナンバー。ちなみにギターはいつものレスポールJr(だっけ?)。この曲では割と裏方って感じでアルペジオを鳴らしてるぐらいのものだったんだけど心なしか手触りが優しい。弾いてるフレーズが捻りの無いストレートなものだからね。いやぁ新鮮新鮮(笑)。新鮮といえば2曲目のOff you go(これはわかった)。おおおおっっ、西川さんのワウペダル踏み踏みのカッティング!いつもの”ヴゲココヴゲココ(と私には聴こえている・・・)”っつー重い響きではなくもっと軽い”ケコッケコッ”って響きが何ともいい感じ!ソロもすごいいい味出してたなぁ・・・。西川さんのリードで始まる曲とかギターとピアノ(と控えめにベースも入ってたかも)で歌われる曲とかもあって、繰り返しになりますが、かつてこんなに西川ギターが前面に出てきたことがあったでしょうか!?(感涙)。動きもいつもより大きくない?大きいと言ってもガーーッと前に出るとかギターを振り回すとかそういうのじゃなくて(^^;) 自然に出る動きに加えて”見せる”ことを意識したようなちょっとポーズちっくな仕草。一つ一つの動作に思わず「うわー・・・」「うわー・・・(惚)」とため息をついてしまうような。ほんっと素敵。ほんっとカッコよかった。
 
 そしてそして。サウンドチェックん時にその姿を見つけて「えっっ、マジ?マジ!?」と胸躍らせてました ―― アコギが登場!自らズズズズ・・・と引き寄せたハイスツールにスイッと腰掛け右足を足掛けに掛け左足を流してアコギを抱えたその姿 ――― 撃沈。
 
 反則だ。これは反則だ(涙)。
 
 曲はフォークっぽいもの悲しげな雰囲気の曲だったけど、そのしっとりとしたムードにマッチした渋ーい弾きっぷり。そしてその画の何とサマになってることか・・・おそらくこの時ずきんの目はハートになってたと思われます(恥)。でももうほんまにほんまに素敵なんやもん!(> <) アコギであともう一曲。この時は足は組んでいて、その宙に浮いた右足のつま先でリズム取ってられました。
 その次は小谷さんとサポートピアノ(?)の梶木さんとでインスト曲Tellus matterを連弾。こーれが素晴らしかったー!2人重なるように座って手を交差させたり(?こっちからはあんまり見えなかったけど)してて、まるで手品でもしているかのような絶妙の手さばき。そして鳴っている音はすごくすごく力強く重々しく実に堂々たるプレイ。迫力ー!こういうドーーンと響く音すごく憧れるんです・・・自分、小手先のチャラチャラした音しか鳴らせないから(涙)。すっかり引き込まれました。
 
 そして後半戦、ここからはギターもテレキャスに変わりノリの良い演奏が続きます。思わず身体がノリノリと動いてしまうのですが・・・周りの人、誰一人微動だにしないんですよねー(苦笑)。むしろ少しでも頭動かしたら後ろの人に「ウザい!動くな!」とか思われるんじゃないかと思うくらい皆1mmたりとも動かずステージを凝視してるわけですよ。仕方なく肩から下だけでリズムを取るというちょっと妙な状態になってしまったのですが、ちょっと・・・辛い。まぁ人それぞれですけど、これだけ”さぁ盛り上がれ”と言わんばかりの音が鳴っているというのに身体がウズウズしたりしないんですかね??普段見るライブとのギャップにちょっと衝撃を受けました。でも誰か立ち上がるかと思ったけど誰も立たなかった、これはありがたかったかも。だって立たれたら絶対ステージ見えなくなるもん(爆)。
 
 それはともかくこの辺のノリになるとさすがに西川さんも地が出てくるというか(笑)”バインの西川さん”の顔がチラホラと。そうだ、全然触れてなかったんですがドラム(玉田豊夢さん)がすっごいパワフルに鳴りまくってて。ベース(キタダマキさん)もアクションはそんなに目立ったようなものはなかったものの終始ズシズシとしっかり低音を響かせて。そこへ来ての小谷さんのパワフルなピアノ・パワフルな声。梶木さんのエレピやコーラス、高野さんのキーボードの硬質な響きと、全ての音が渾然一体となって壮絶な嵐を巻き起こしているような、そんなグルーヴに身を委ねているのがとても気持ち良くて。
 どうやらこのようなノリは本来の小谷さんの持ち味ではないようですね。戸惑いやむしろ否定するような声も見かけました。でも私はこのライブを見て小谷さんが好きになりました。この力強い声・力強いピアノ、自分の中の熱が上がるような感覚を覚えました。ギターとのせめぎ合いというか、お互い音をぶつけ合ってどんどんテンションが上がっていくようなそんな演奏、純粋にカッコいい!って思いました。これこそバンド演奏の醍醐味だと思うんです。単に小谷さんを引き立てるだけのバックが欲しいんだったら打ち込みだって何だって構わないわけじゃないですか。このようなメンバーを揃えてこういうステージを作ったというのは小谷さんがそういう”バンドな”ライブがやりたいと思ってのことだと思うんです。メンバー紹介で小谷さんは西川さんの事を”私の大好きな’ロック’というものを取り入れてくれた人”って風に言いました。まさにその通り。ギターとの絡み、ぶつかり合いはまさに”ロックバンド”を彷彿とさせるものでした。このロックな小谷さん、私はすごく好きだと思いました。今までの音を聴いたことない人間だからこんなことが言えるのかもしれませんが、これもまた小谷さんの新しい魅力ってことにはなりませんかねぇ・・・?
 
 本編ラストはバンドメンバー捌けて小谷さん一人残っての暁の星(これもわかった)ピアノ弾き語り。弾き語り物ってそれ程好きではないんだけど、小谷さんのは本当に声に音に力があって胸にズドーーンと来るものがありました。
 
 さてアンコール。まず小谷さんがステージに登場し、バンドメンバーを一人ずつ紹介しながら呼び出して握手、そして腕相撲をする要領でのガッツリ握手。高野さんはバンマスって紹介されてました。あらそうだったの。玉田さん、梶木さん、キタダさん(「私にとって”クールなお兄さん”って感じ」と仰ってました)と続いて西川さん、上記↑のような紹介で、何故かホップ・ステップみたいな感じでピョンピョンと駆け込んで来られて(笑)。ちょっと遠慮気味な感じで2回手を合わせた後客席に向かってペコリとお辞儀。この時近くの人が「髪の毛がモサってる(プッ」とか言ったのを聞き逃さなかったぞ(-_-) いや、これでもいつもより全然マシなんだよー・・・。
 
 アンコールは2曲。何と言っても最後の曲”音”(試聴しまくって見つけた)。イントロ、いきなりの超高速トレモロ!腕の筋肉が張りつめてるのがわかる位の渾身のプレイ。それが数小節に及び・・・あー、いつものあの”顔で弾く”アレが(^^;) 最後は舌までベーーッと出しちゃう気合いの入りよう。そして弾き切ったその勢いでフイと後ろに下がって削れたピックを取り替えて今度は一転鐘の音のようなカラーンとしたフレーズ。その響きったらほんと眩しくって(涙)。で1コーラス終わって再びの超絶トレモロ。今度はガーーッと弾き切ったピックをステージ足元にバシーーン!と投げつけた!うわぁぁぁぁぁ(TДT)(隣の人が一瞬ビクッッとしていたぞ;;;)。
 曲ラストはもう弦も切れてしまえと言わんばかりの勢いでかき鳴らし(現に一本切ってました)、高野さんも(やっと姿を見ることができた(涙))バリバリのヘッドバンキング。全ての音が渾然一体となって荒れ狂う音の濁流を生み出しその迫力に圧倒されていたかと思ったら突然スッと引いていく熱 ―――
 ふあぁぁぁぁ、何かもうため息というか声にならない声しか出ないっすよ。痺れたーー!本当に凄い演奏でした。凄い凄い!盛大な拍手の中引き上げて行くメンバー、そして小谷さんなのでした。
 
 というライブ、もとい西川さん。BBSの方にも書きましたけどほんとこんな表情を持ってられたなんて・・・!今までどーして見せてくれなかったの!(大泣)。でもバインではこういうのは出せないだろうなーとも思いつつ・・・そうだ、MCで小谷さん、「バンドのメンバーと『もう最後になっちゃって寂しい』って話をしてました」と。またこういうバンド形態で演りたいとも。おおおっっ!その時はまた是非西川さんを!(> <) よろしくお願いします。