GRAPEVINE
 
 2004.02.29 沈黙の臓器@広島CLUB QUATTRO
■セットリスト
1.鳩 2.ナポリを見て死ね 3.シスター 4.Let me in〜 -MC- 5.太陽 6.Sabbath -MC- 7.BREAKTHROUGH 8.リアリティ 9.会いにいく -MC- 10.そら 11.それでも 12.公園まで 13.ぼくらなら 14.It was raining 15.11%MISTAKE 16.豚の皿 17.SEA 18.愁眠 -MC- 19.マダカレー〜 20.BLUE BACK 21.アンチ・ハレルヤ 22.Suffer the child 23.ミスフライハイ 24.Good bye my world
En1.スロウ 2.白日 3.SOUL FOUNDATION 4.R&Rニアラズ
 
 ずきん的臓器ツアー初日でございます。の割には今いちテンションが低いのですが(苦笑)。ここんとこのライブがずっとアレだったからな・・・。
 さてステージ上は特に目新しいものも無く・・・と思ったら西川さんマイク横にテーブルらしきものが!さては何か新兵器を持ち出してきたか・・・と思いきや単なる物置きでした(残念)。
 田中氏は白のシャツ。何か髪モサってませんか?;;; 西川さんはブルーグレーっぽいストライプのシャツ。何か髪型四角くありませんか?;;;;; 亀ちゃんは白のTシャツ。何か髪が見る度に短くなってませんか?;;;;;(その内坊主になりそうで怖いです)。金やんと高野さんは憶えてません(汗)。いや見てなかったわけじゃなくてほんとに。
 
 でライブは・・・まさか鳩始まりとは思いませんでした(^^;) しかも田中氏が出すフィードバック音にドラムのビートがおもむろに入ってくるという、一曲目だというのにこのヌル〜〜っとした始まり方はどうなのよ(;´Д`) ところでイントロや間奏でのハンドクラップ、田中氏前ブロックでは割と起こってましたけど、メンバー的には煽る気は一切無いようですね。ふれていたいとか南行きみたいに開き直ってとことん遊んだ方がいっそ潔いと思うのですが。
 で鳩が終わってここで田中氏が「グレイプバインで〜〜す!」って叫んでたかな?でもって金やんがガーーッて前に出てくるわけですよ。バリバリベースソロぶちかますわけですよ。「えっまさか;;;」・・・そのまさかのナポリですよ(;´Д`) いつまで引っ張れば気が済むんだーー!!!?(広島といえば何故か2ツアー続けて特別にナポリ始まりという快挙を成し遂げているのでその関係かもしれません)。
 シスター、原曲と”調”が違ったのかちょっとコード感が変、って感じたな。。。まぁそんな違和感は最初だけですけど。西川さんの入れてくるフレーズが不協和音ギリギリというか歌メロやバッキングから微妙に浮いた感じでそれがちょっとカッコ良かった。
 おれがおれがの後一旦区切ってもう一度「こんばんは〜〜、グレイプバインで〜〜す!」って田中氏が叫んで太陽へ。曲に入る前に田中氏が”ボーカルの音上げて”みたいな仕草してたんですけどこれちょっと上がり過ぎ(^^;) なんかボーカルだけがやけに突出した感じ;;; Sabbathも同じく。なーんか納まりが悪い・・・・・・
 うむ。ここまで演奏的には正直あまりいい出来と思えなかったです。何ていうか音が一つところに集まってないんですよね。それぞれが出してる音があっち向いたりこっち向いたりしてるみたいな。
 ただ、”ライブの流れ”はすごいいいと思った。ここんとこのライブがイベントだったり新曲披露会だったり企画ものだったりしたせいかブツ切り感有りありだったんでナポリ・シスター・おれがおれがの暗黒系3連コンボには感動さえ覚えました(爆)。
 
 さてここで西川さんのギターがテレキャスに(喜)。
  田「3月3日、桃の節句に新曲が出ます」
  田「ブレイクスルー」
  田「伝えることはちゃんと言うていかなな」(←うーん意味深。。。)
 ということでBREAKTHROUGH。あぁやっぱりテレキャスの音好き(涙)。ズキーーンと胸の真ん中に突き刺さってきて涙が出そうになる。そしてサビでワッッと溢れる音にもう心持って行かれまくり・・・。これ確か亀ちゃんがコーラスだったと思うんだけどそれがきれいにハモっててそれがまた素敵で・・・。スピード感もあってほんといい曲ですこれ。
 リアリティは初聴きだったんですがこれも淡々とした素朴な雰囲気でありながら優しくもありそして切なくて・・・というとても沁みる一品です。
 MCでは「新曲だけじゃなくシングル集も出ます」と田中氏。「シングル集です。ベストではありません!」の言葉に思わず拍手なんかしちゃったりして(笑)。
 「ちなみに広島は脱退してしまった西原誠の故郷で・・・西原誠抜きでもう2、3回来てますが(苦笑)」。そして「西原誠の曲を」ということで”そら”を。これがすっごい良かった!音源にほぼ忠実なアレンジながら今のバインならではの音の厚みがあり、そこへ金やんベースの推進力が加わってちょっぴり華やかなキラキラした雰囲気に生まれ変わって。原曲はシングルと思えないほど地味〜〜なのに(爆)。ガツガツベースが良い方向に作用しているいい例です。
 ぼくらならの入りは、西川さんがギターのボディを”ガン!コンコンコン”と叩いてカウントを取るという珍しい入り方。イントロ、一つのライトの輪の中でコードを刻む田中氏とあの印象的なフレーズを奏でる西川さんという絵面が何だかとても素敵に見えました。曲自体の方はやっぱり印象が薄くなった感は否めませんでしたが;;; 西川さんの動きがなぁ・・・前やってたとってもお茶目さんな仕草があってこそあの音も映えるということで(w
 重ーーいドラムのビートで幕を開けるIt was〜。これもコーラスワークが非常に映えておりました。サビ&大サビでの音の広がり具合もまたグゥ。
 11%〜はどうやら琴線に触れた人も多いみたい(笑)、Aメロの西川さんのコーラス(というかほとんどツインボーカルですね)姿。これ何がこんなに目に焼き付くんでしょうね(爆)。ただ両手ギターから離してしまって直立不動でマイクに向かっているだけなのに。”カッコいい”ってのもまた違う・・・とにかくやたら目を引く佇まい。これ、見ものです(笑)。
 そしてそのエンディングから不穏なSEへ繋ぎ、その中を厳粛な雰囲気で鳴り始めるキーボード。来た来た来たーーー(奮)、豚の皿!とにもかくにもBメロの緊迫感、それを一気に爆発させるサビ!やっぱ生で聴くと迫力が違います。その姿にも鬼気迫るものがあります。圧倒されます。最後、「鳥インフルエンザ気になりだす」って言ってたのかな。字余り感にちょっと笑ってしまったんだけど(苦笑)。
 一方SEAが、期待していた程来なくてちょっと不本意。っていうか音源が既に完成され切った世界である故にどう展開されたところで違和感を感じてしまって・・・(あとこの曲の途中ですぐ傍で人が倒れてしまってバタバタして気がついたら曲が終わってたってこともあるんですが(^^;))。
 
  田「長い??もうちょっとやってイイ??」
  田「トイレとか行っといた方がええで」
  田「俺らは遠慮無く行くで、行きたかったら(笑)」
 と笑いを取り、「最後のブロック!」とマダカレ。最後の金やんソロのラストの締めのとこがいつもの半分ぐらいの長さになっちゃっててちょっとずっこけた(笑)。
 BLUE BACKが終わったところで金やんが何だか改まってベースを構え直したんで「あ・・・」と思ったらやっぱりのアンチ・ハレルヤ。頑張れ金やん(笑)。途中で「あ〜しんど;;;」みたいに左手ネックから離してプルプル振ってるし(笑)。イントロでは田中氏が駆け足っぽい動きでピョンピョンと飛び跳ねてみせたりと、このお茶目な雰囲気が vv
 ミスフライハイで大いに盛り上がって・・・この勢いで終わった方が後味いい気もするんだけど・・・一転ガラッと空気を変え、ジワリとした緊張感で辺りを包んだところでGood bye〜。
 これもコーラスもすごい良くて良かったんだけどやっぱちょっと取って付けた感が有りありで(^^;) あと個人的な好みとしてこの曲はグヮーーッと弾き倒すアレンジよりは聴かせて欲しいっていうのがあるんですよねー・・・。そして年末と同じ、シャウトしまくり弦掻き鳴らしまくってるところからブチッッとぶった切るという終わり方は絶対納得いかない(涙)・・・・・・
 
 アンコールでは出てきた亀ちゃんが西川さんの立ち位置辺りでコードか何かを引っ掛けた(w 続いて出てきた金やんがそれを見咎めてしゃがみ込んで直してるのに亀ちゃん、西川さんに向かって「いやいやいや;;;」なんて手ぇ振っちゃってるし(;´Д`)
 「えーと、何やるんやったっけな;;;・・・そうや、懐かシングル!」。で、スロウ。でまた「懐かシングル!」と白日。スミマセン、もう勘弁(以下略)。
 最後はSOUL〜で元気良く終わって・・・と思ったら「これで本当にラスト!」とR&Rニアラズ。ウヲ〜〜〜、ニアラズ終わり嬉しいです!(> <) せめて最後はいい気分で終わろうと思いっきり踊って。
 
 はい、ライブはこんな感じでございます。あと全体的に歌詞飛ばしが多かったです。田中氏の足上げも少なかった。西川さんがやたら気にした風に田中氏をチラチラ見るのも気になった・・・。良かったところもいっぱいあったけど気になる点もちょこちょこ、っていう感じですかね。
 
 
 でここからちょいとずきんの超個人的な御託を並べさせていただきます。まぁ生温かい目で読んでやってください;;;
 
 カリーツアー以降のライブに今イチ納得いってなかったということもあり多少不安比率高めで迎えた今日のライブでしたが、トータルではまぁ満足です。満足というか・・・「どんなライブになるかと思ったけどまぁこれなら合格点かな」という感じなんですけど(すみませんほんと偉そうに;;;;;)。
 とりあえず懸案だった事項が結構解消されてたんですよね。まずは金やんのベース。カリーツアーからこっち、散々言い倒してきた”曲のイメージに合わないものがある”ということはこの日は感じませんでした。やっぱりね、ああいう個性の強いベースだと合う合わないがどうしても出てきちゃうんですよ。この日のラインナップには金やんベースが合わないなぁと思う曲は一つも無かったです。音のバランスも比較的マトモでした。これだったら安心して聴いてられます。ただそうなると今度はベースのインパクトが前より弱くなったなぁって思っちゃうんですよね(^^ゞ すっかり裏に回ってしまったというか大人しく感じる。もっとバリバリ前に出てきていいんじゃないでしょうか?うーーん、ワガママですかねぇ(^^ゞ でも白木屋ツアーの金やんは本当に凄くてカッコ良かったんだよ・・・・・・
 
 それからライブの流れ。これまでバインのライブってやたら”間”が多かったんですよ。それはギターチェンジだったりチューニングタイムだったりするんだけどそれはもう2曲単位で挿まれてたりするわけですよ。その度に生じるブツ切り感がすごい気になってたんですね。他のバンドのライブだとドラムのビートで繋いだりSEを入れたりという工夫があるのにバインはどうしてこうなのかなぁといつも思ってたのがこの日はそういう”止まる感じ”があまり無かったんじゃないかな。
 セットリストの組み方も結構新鮮。序盤にダークめの曲をまとめてぶちかまし、中盤歌ものから恒例の音響系(?)ゾーン、後半は縦ノリ有り横ノリ有り斜めノリ有り(笑)のごった煮グルーヴでただ元気に飛び跳ねるだけではないちょっぴり大人なノリを。こういう雰囲気すごく好き!(なだけにGood bye〜の取って付けた感が惜しいところ・・・←愁眠と入れ替えた方がしっくり来る気が)。ラストもSOUL〜で大ハシャギ☆で締めるかと思いきやニアラズの横ノリダンシン♪を持ってきたのが何とも憎いねぇ!バインの進化を垣間見たところでありました。
 大人なノリと言えば(?)、今日は暗転の時とかにいつもなら「田中さん!」とか「亀ちゃん!」とか掛かる声が一っつも無かったんですよね。バインライブ見てきて初めての事ではないでしょうか??あれねぇ、たまーにものすごいシーーンとした空気の中で、「あ・・・あれ?誰も呼びかけないの?じゃ・・・じゃあ私がやっとこうかな・・・」みたいにものすごい中途半端に声が飛んで場が和むというよりは失笑を買ってる場合があるんだけど(苦笑)、そのぐらいならやらない方がマシだと常々思ってたんでちょっと嬉しかったです。
 
 コーラスの進化(笑)も大きなポイントです。今まではほとんど西川さんが背負ってたのが割とメンバー総動員というか3人・4人でのハモもあったりして、これがまた結構上手かったんですよ(笑)。
 
 な感じでいいとこもそれなりにあったわけですが、やっぱり気になる点が。
 バインのライブの魅力の一つに”ライブならではってものが見れる(聴ける)”ってところがあると思うんですけど、その点に関しての点数がちょーーっと低いです。今回のライブって「化けたなぁ」って思える曲が無いんです。生ならではの迫力ってのは感じても、「うわやられたっっ!(> <)」みたいな一本取られたような感動が無かった。ぶっちゃけて言ってしまえば今回のライブってCDの再現に終わってしまってるように感じるのです。CD聴いてて「これライブでやったらこんな感じになるんだろうなぁ。それ聴きたいなぁ」って期待してたものが聴けたって意味での満足感はあるんだけど、「そう来たか・・・」って唸らせられるようなものが今イチ足りなかったような・・・・・・
 これ仕方ないことなのかな。だって今までって音源作ったメンバーとステージで演奏するメンバーって違うことがほとんどだったじゃないですか。また別の人が入って新たに組み直すその過程で自ずと”ライブバージョン”というものが生まれていたところもあったんじゃないかな。それが今は音源作ってるのもこの5人、ステージで演奏するのもこの5人・・・起こる化学変化にも限度があるってことなのかなぁ。。。これまでのような劇的な変貌を求めることは無理なのかも・・・。でも何か一つでもいいから、こっちの予測もしない飛び道具をひとつ、見せて欲しいものです。ライブバンドの名にかけて(←おぉ)。
 次の大阪に期待です。