自閉症スペクトラム
※「非定型自閉症」の診断名は初診時のもので、現在は使われていません。
「自閉症スペクトラム」としてまとめられています。

自閉症ってどんな障害?

自閉症は精神の病ではありません。生後、罹るものでもありません。

画像診断技術の発達とともに、生まれつきの脳の障害だということが、続々と証明されつつあります。
その症状や特徴から、「コミュニケーション障害」とも称されます。人との関わりがうまく持てません。物の概念、物と自分との関わりもなかなか理解出来ません。

自閉症については多くのサイトがありますので、ここでは詳しい説明は省略しますが、育て方によるものではないということだけは、書いておきます。

精神発達遅滞

知能の遅れは、自閉症者は皆あるわけではなく、自閉症とは別の障害です。
(併発は比較的多いそうです。)


樹の場合・・

(以下、3歳の時点でのことです。)

◎感覚過敏がある。目(光などの視覚刺激)、肌の過敏。聴覚過敏が特にひどい。
光刺激については、夕方など西日の差す方向へは顔を向けられないために歩けない。夕方以降、車のライトが刺激になり興奮しすぎてしまうため、後部座席に乗せ、景色を見せないような位置に座らせる、など。
肌の過敏は特に掌がひどく、ものをしっかりとつかむことが難しい。
足裏の過敏のため、つま先歩きをする。

◎痛みに鈍感。転んでも泣かない。

◎暑さ寒さの感覚が鈍感。(←理解の問題もあるかも?)体温調整も苦手。

◎言葉がほとんど出ない。オウム返し。構音不明瞭。

◎コミュニケーションが取れない。子供同士でも、一緒に遊べない。

◎視線が合わせづらい。まるで聞こえてないかのように、呼んでも振り向かないことが多い。

◎視界が極端に狭い。(向こうから歩いてくる人を避けられないでぶつかったり、柱や壁にぶつかりそうになったり…。)

◎常同行動(反複的な動作)を繰返すことが多い。(手をひらひらさせたり身体を前後にゆすったり、膝立ちでぴょんぴょん飛び跳ねるといったような、変わった行動)

◎活動範囲が狭い(ひとつのことに没頭し続けるために他の遊びや活動に興味や関心が広がらない)。おもちゃの正しい使い方が出来ない。積み木を積まずに広げる、ミニカーのタイヤを回し続ける、絵本は読むのではなくパラパラめくりつづけ、感覚刺激の道具にする、など。

◎摂食障害(偏食、極端な食欲の波など)がある。

◎睡眠障害(寝付きが異常に悪い、興奮してなかなか寝ない)

◎身辺自立(着替えや排泄など)が遅れている。

◎パニック発作、自傷

◎理由もなくひとりでニヤニヤ笑う。(「ごきげんだね!」ってよく言われるけど、実は 不安で落ち着かない時にも笑う。)

◎バランス感覚が悪い。だが、バランス感覚を刺激したがる。
両手を持ってやるなど、まだ要介助の状態なのに、階段の上り下りや、小高い場所からジャンプしたりを何度も何度も執拗に繰り返す。
足もとが不安定な場所、坂道、でこぼこ道や砂場、柔らかい土の道、草っぱらなどを極端に怖がり、歩かない。

◎絵本の角をなめるなど感覚刺激に没頭することはあるが、基本的に集中力はない。注意力もかなり乏しい。

3歳の診断の時点において、樹が自閉症に当てはまらない(三つ組みを満たさない)部分は、これといった強い「こだわり」行動がなかったことです。

新しい環境に慣れにくい(初めての場所に行くと落ち着かないでずっと大興奮)というのも、少しづつ減ってきましたが、調子に波があるので、調子が悪いと、落ち着きがなくなったり、または部屋の隅で、ひたすら絵本をなめるなどの 感覚刺激に没頭しています。



特別支援学校の一年生(6歳)になりました

2009年4月。特別支援学校に入学しました。
成長と共に、いろいろと出来ることも増えました。
が、より「自閉症」の特徴が出てきた部分もあります。
今までは、知的な遅れが重かった分、自閉症の特徴が見えづらかったんだと思います。
自閉症児の特徴としてよく挙げられるものが、いくつか出てきました。

☆逆さバイバイ:自分のほうから「見えたままの姿」を真似るために起きる。鏡のような模倣。

☆遅延エコラリア:聞いたセリフやアナウンスなどを、その場から離れ、まったく関係のないところで1人で繰り返し言う。

☆こだわり:いろんな面で「自分のやりかた」に固執する。ジャマされたり、中断されると激しく反発したり、パニックを起こしたりする。
(樹は、食事の仕方にこだわりの傾向が出てきました。ひとつづつ、食べていくことにこだわっています。例えば野菜炒めの食材が3品使っていれば、その3品も、きっちり一種類ずつ食べていきます。見えないほど小さなものまできっちりと・・。)

反面、生活上、一番困っていた「感覚過敏」のほうは、徐々に反応が和らいできました。
光刺激に対しては、自分で目を背けたりして対応出来てきています。激しく興奮したりということはほぼなくなりました。
皮膚の感覚過敏も(掌以外は)ほぼ気にならなくなってきています。相変わらず、親や身近な人以外に身体を触られると、スッとかわしたりはしますが、触ったからといって特に問題(パニック)が起こることはありません。

一番の悩みの種だった聴覚過敏は、激変と言ってもいいほどに変わりました。前もって伝えることで、僅かな音によるパニックはなくなりました。赤ちゃんの泣き声だけは相変わらず苦手で逃げますが、それ以外はなんとかやり過ごせてます。