父さん&Chisekoのお棚訪問


高野さんのお棚〜chisekoは欠席(^_^;)


 千世子は最近、仕事が忙しく時間がないので暇な私が出かけました。京阪電車の沿線大和田駅で下車。 駅前まで迎えに来ていただいたので、お宅までの道順はわかりません。私宅と似たような環境でした。 街中の家々その二階に接しているベランダ。ここに木数にすれば何千もの富貴蘭の栽培をされているのですから 密殖状態に圧倒され、そして良く見れば皆が立派に育っているのには驚かされました。 工夫次第で、富貴蘭はどこでも作れそうです。




高野さんは長く日本富貴蘭会の副会長をされており、毎年の 展示会には立派な木姿の木を展示されているのですから、作に対する熱意・努力には手抜きの多い私などと違い 大いに感得するところがありました。 見たいと思った木も探せそうにもないので展示会で覚えのある、酔仙錦と黎明を出してもらいました。 大きな立派な株です。黎明は中透の木で展示の折に特別に良く育った鳳をイメージしていていました。その違いは 付とか大きさから考えて兆楽から出た中透が渡月橋ではないかと思ったりしていたのですが、ちょうど拙宅の兆楽から去年でた子の一本が 中透なので似ているかな・・など考えて観察しました。高野さんの話では子が全部中透けに出て狂いがないとの事であり、 私の見たところでは腰の泥が少なく縞が鮮やかに浮き出ている事から鳳や渡月橋でもなく一派立つ木だろうと思いました。
 全部が揃って立派に育っているのは、やはり高野氏の平常の手入れ、考え方や努力だと思います。 肥料ひとつにしても、水肥を千倍・二千倍・四千倍の三通りに作っておいて、品種や柄性・強弱によって変えているそうです。 水遣りにしても一週間に一度は一鉢ずつ確認していると聞いては、大いに感心し得心しました。 植替えは毎年一回。正月から短期間に全部植替えをするそうです。温室は二重張りにし、温度と湿度を上げ、絶えず 結露のある状態にする事によって五月ごろまでが最盛期で、良く揃った木に仕上がるのではないかという感想です。

富貴蘭を見、話を聞くにつれて、この時だけは大いに刺激をされてあれこれ考えるのですが、一日に十鉢ほどしか植替え できない私にしてはそれなりに出来ている我が家の富貴蘭を眺めながら、心では負けんくらい大切にしてるで!! 私は私という気持ちで帰りました。



今西さんのお棚




 大阪は北摂の今西さんのお棚に父と訪問して来ました。そこは閑静な住宅街でした。 今西さんは、もともと寒蘭や春蘭をつくっておられました。 今も450鉢ほど作られておられます。


富貴蘭との出会いは奥様が20年ほど前に33万で富貴殿を買ってこられたのが始まりだそうです。
その富貴殿は、無常にも枯れてしまったということです。自然作りではない業者で買うと、環境の変化から そういうことになってしまうので、気をつけないと・・・



 現在お持ちの富貴蘭は350鉢ほど。 冬は温室の中に入れられるのですが、春から秋は屋根の上の手作りの蘭舎の中です。  蘭舎は北側にあるのですが、東西にに開きとてもよく風が通ります。日当たりも北向きとは思えないほどでした。 かえって南向きよりいいかもしれません。肥料は全くやらないそうです。



     物干しも置き場と化し                       その隣に手作りの蘭舎です。

わりと長い時間お邪魔した割に、育て方とかちゃんと取材できてない・・それは、御宅のなかの様子に圧倒されてしまったのでした。 ほんと家の中の至るところにおもちゃが・・・キューピーさんだけでも何百体とあったのではないかしらん。門外漢ではありますが、 コレクター垂涎の的になるのではと思ったのでした。



これだけでは、イメージをお伝えできません。別ページを作りましたので見て下さい。ここをクリック!

Mさんのお棚


 四国のMさんのお棚に父と行って来ました。とっても広くて素敵なお庭の一角に温室がありました。
富貴蘭は150鉢ほど、他にも山野草なども。。。
こちらで特筆すべきは自動温度調節。ご自分で作られたそうですが 冬は5℃でファンヒーターがまわり、2℃でとまる。そして、夏は屋根に散水して温度を下げているそうです。これで3℃は変ってくるとか。 扇風機も間歇→連続→換気扇もと温度によって変化すると。


水はこの時期は毎日噴霧器でやり、何日かに一度は液肥を3000倍に薄めたものをたっぷりやるそうです。
そしてその水は甕にためたものを温室の中の水槽(!?) に入れ(金魚が泳いでいます)その水を使うのです。温室の中の金魚というのもなかなかです。


私がとっても気に入ってしまったのは、ここのお庭。
真ん中に大きな欅の木があって、その横に大きめのテーブルと椅子。そこでお茶を飲んだり、時にはバーベキューパーティもするとか。 いいなぁ。奥様はガーデニングがご趣味だそうですから、それで素敵なんでしょうね。
夏になるとその欅に富貴蘭を吊って楽しまれています。よく見るとフウランやセッコクが着生していました。

お庭の横には畑があって、いろいろなものを育てておられます。ほんとに街では望めない贅沢な暮らしだなと思いました。

牧野さんのお棚


 10月16日に、近畿風貴蘭会会長の牧野さんのお棚を訪問しました。今日は父さんはお留守番。 奈良県の大和三山の北にある閑静な住宅地のなかに、そこだけ目立つ温室があるお宅です。 その靴では危ないといわれつつ、大丈夫ですとおそるおそる急な階段を上がり、そこで目にしたのは。。。。
「何なの、これは・・・」 そこにはいろいろな秘密が隠されていたのでした。
 25坪強の温室には約3000鉢の富貴蘭がありました。きっちりと入れると1万はおけるということです。 そして気になるその植え方です。富貴蘭歴46年の牧野さんは、どうすればもっと効率よく増えるのかという事を いろいろ研究してこられました。で、その一つがこの植え方です。高さ22cmのネットを筒にしてそこに苔をまきます。 ネットの中は空洞で、水切りが良く(枯らしてしまう一番の原因は、水が多すぎる事だと)この高さは、根をまっすぐ伸ばすこと。 これ以上の長さになると切ってしまうそうです。
温室は、75%の遮光で最高気温30℃ぐらいまで加温し、25℃以上で扇風機が回るようにされています。夏は朝、温室中に水をかけて温度を さげているそうです。(富貴蘭は昼夜の温度差があるほうが良く育つ〜真夏に成長が止まるのは昼夜の温度差が少ないから。)冬はビニールをかけ、それをめくるのは5月の連休。ということで、一番温室内の温度が下がるのはその頃だそうです。 そのため休眠時期はほとんどなく、花は例年2〜3月に咲くそうです。成長も早く、遅くても2年で子がはずせます。子を増やしたければ、 はずして寄せ植えをするといいとおっしゃっていました。 また、水遣りは夜寝る前が一番いいと。というのも、木に着生しているフウランは夜露が葉を伝って落ちていく。そのため葉の気孔は夜にあくので 水遣りは夜がいい。昼に水をやっても根が傷むだけ、ということでした。他にもほんとうにいろいろ工夫されてやっておられます。私は、ただただ 感心して聞き入るばかりでした。
それから、フウラン酒を頂きました。皆さんご存知ですか?琥珀色のお酒で、口元に持っていくとフウランの香りがするんです。 レシピは35度のホワイトリカーにフウランの花(花軸は苦くなってしまうので入れない)をどんどん入れて、1年ほど寝かして出来上がり。 お好みによって氷砂糖も入れて下さい。梅酒の梅の代りにフウランの花を入れる感じでしょうか。一度お試し下さい。



千野さんのお棚


 9月17日に父さんと一緒に、出石町へドライブ。陶芸作家の千野さんのお宅へ行ってきました。しかし、遠かったです。 お隣の兵庫県だというのに、往復350キロ以上は走った・・・まぁ、天気もよかったし、出石そばも食べたし良かったけど。 さて、千野さんのお棚は〜。お母様にもお話を伺ったのですが、子供の頃からとても植物に興味を示していたと。道端に咲いている 花をじっと観察しているような子供だったそうです。富貴蘭との出会いは大学生の頃。
 それからこつこつ増やされて今温室には 約200鉢育てられています。 寒いところなので、秋の作の期間が短いので、どうしても成長が遅くなってしまうそうです。写真はビニールをあげている状態ですが 冬や夜はビニールをおろして5度以下になれば加温し、夏は25度以上で扇風機がまわるようにしているそうです。 南向きでとても日当たりが良さそうなのですが、夏も寒冷紗で覆ったりしなとか。その理由は・・南に大きな欅の木があって、自然に 日をさえぎってくれるそうです。その欅にフウランを吊り下げれば、自然で良さそうなのですが、一度やってみたところキリギリスと 蝗にかじられてしまったとか。(それも高い葉から・・・)水はからめで、夏でも毎日夕方に一回、葉水だけやって、週に一度 様子をみて、乾きすぎているものは水につけて吸わすということでした。
ほんとうに好きで好きでたまらないという感じで、愛情一杯で育てられているなと思いました。



父さんのお棚


 17年8月はじめ。今回は私が、父さんのお棚訪問です。といってもいつも行っていますが。 皆さんにご紹介しましょう。ガレージの上と2階の屋上に温室があり約1000鉢あります。上の写真はメインの温室、 2階の屋上にあるものです。
南から北を見ています。ここへ行くには庭から外階段を上がって行くのですが、狭くて急な場所や 私はいまだに頭を打ってしまう場所などあり、スリルに満ちています。 この間、扇風機が壊れたので新しいものに取り替えるのを手伝ってきました。今は30度を越えると回るようにセットしています。

まずは遮光について
温室の側面は30%の寒冷紗を年中はっています。そして5月になると、60%の寒冷紗を上部に1m間隔で覆います。 側面は東側に60%の寒冷紗、西側は葦簀。南北はそのままです。これらは10月にははずします。

次は水について
水は甕(右写真参照)に汲み置いたものをポンプでやっています。夏は一日1回夕方に。場所によって掛かり方が違うので気を使います。 父が不在の場合は私がやることもありますが、いろいろ作法があり覚えるのは大変です。 冬は噴霧器で2日に1回です。そして1週間に一度は水の確認をし、乾いているものはしっかりやっているということです。

そして最後は肥料について
肥料は月に一度程度、活力剤を晴天で乾きが良いと思うときに噴霧器で全体にかけています。殺虫剤はスミチオンを春に2回 梅雨明けにもう一度やります。今年から、植え替え時にマグアンプを入れています。ただ、縞ものは柄が消えると云われているのでほとんど いれていないということでした。



水島さんのお棚

 16年12月に水島さんを訪ねました。富貴蘭の愛好家として小生より古く、お年も90歳になられたとか。 角谷信次さんとも親しく親交があり、同じ大阪の玉造商店街の近くに住まれていました。現在のお住まいは大阪環状線鶴橋駅から 少し玉造駅よりのマンションの11階で富貴蘭を楽しんでおられます。お棚はベランダの壁面の30cmの幅にL字金具で長さ3cm程、高さ50cm程で 外側と天井をビニールで囲っただけの中の2段に気に入った品種だけがきっちりと並んでいました。
 縞や覆輪の上柄が多く、冬越しができるか気になり、また部屋側は全くの吹きさらしで冬はとても無理かと思ったのですが、水島さんは 「大丈夫だ。風蘭は強いから水さえ控えめにすればいいし、散水も自在に細かく水が出るものがあるので、この場所を乾燥は速いが高いところでも 風蘭は上手にできる見本にしたい。」と言われたのでした。
 しかし私としてはなんとも気になり、4月2日に再度いかがかとたずねてみました。戦前の風蘭を知る方でもあり、すべての人が冬眠法を採用しており 、近畿風貴蘭会の設立時に栽培法に関し、冬眠か休眠か、はたまた加温に踏み込むべきかと皆でわいわい言った頃の中心人物であったのですから、 マンション11階の吹きさらしの中でも三方を囲えば、大阪であれば寒風も温度も意に介せず作れるとの自信があるのかもしれません。
 小生などは休眠に始まり、冬は何度の最低気温で水はどれくらいかと毎冬毎冬考えていたのとは少し違うようです。このマンションの11階では始めての 冬越しだそうですが、風蘭歴は僅かなブランクがあったとはいえ、60年にもなるのですから当然かもしれません。
 しかしこんなに高い所で90歳というお年で風蘭栽培に挑戦されるのは、大感激でした。

-2006年7月21日にご逝去されました。心よりご冥福をお祈り致します。




松本さんのお棚

 展示会や交換会で松本さんの出される富貴蘭はすんなりと大きく、そして子付記が良いのが目に付き、水の加減はどのくらいかと尋ねたところ、 大体1週間に一度と聞き、驚きました。
 私も乾かし作りから次第に水を多くし、最近では水の量を加減しながらですが、殆ど連日の水遣り、夏季は一度では足りずに更に噴霧器で水を やるほどにしているのに、夏でも4〜5日に一度だけでこんなに立派に育つとは、作場や環境にも違いがあるはずだと、これはお棚訪問でこの目で 確かめなくてはと初秋の一日お宅に伺いました。
 お宅は大阪の生駒さんの山麓にあり、蘭舎は南西に面し、幅一間長さ三間ほどの中になんと千鉢を超える富貴蘭が二寸五分の素焼き鉢にぎっしりと 並んでいました。見た目には苔はからからに見えたのですが、松本さんは鉢底に指を入れまだ2〜3日は水遣りをしないといわれたのには驚きました。 しかし見るだけで愛情たっぷり大切に扱われているのが判る状態でした。
 早速お尋ねした栽培法ですが、まず植え方に驚きました。富貴蘭を松本さんの感性で男系と女系に分け、上苔を左巻きと右巻きにして植えていると 聞き、そこまで行き届いた心遣いこそ上手に繋がるのだと思いました。次に水遣りですが、週に一度の水遣りでは一つずつ水に浸け、あげるときは 鉢底を上にして十分に水を吸わす。また時に水掛けで済ます時は順番に掛けて行って再度また再度と三度くらいかけるそうです。要するに充分に水を 遣りそして乾かすのが上作のコツなのでしょうか。
 肥料は月に一回で四月から九月まで、浸ける水桶に入れるそうです。水遣りの時間は三時間もかかると聞き小生などは一回に15分あまり、夏は 朝晩にして短い時間で済ませているとふと思いました。
 植え替えは年に1〜2回で、置き場所は水遣りの度に変わるので、温室内の日照場所などを勘案して、木の強弱に合わせ、全体の平均を考えるそうです。 そして日が当たるか、光の強い方から子の出る可能性が高いとの事で、私などのように植え替えて置いたら次に植え替えるまで触りもしない木が殆どというのは 考え物かもしれません。
 室内は換気扇を両端に置き、26℃に設定すると冬の日中と夏は殆ど稼動しているそうです。冬の最低気温は7〜8℃にされていて、熱源は温床線の1KWを 二本入れてあります。  それぞれの場所と栽培法があるのでしょうが、松本さんの木は全体にのびのびとし、増殖率が非常に良いと拝見しました。



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