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演 奏 曲 目


モーツァルト(1756−1791 Aust)  弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 KV173(ウィーン四重奏曲 第6番)

 T.Allegro,ma molto moderato. U.Andantino grazioso. V.Menuetto. W.Fuga 
 1773年9月にウィーンでの作品。〈ウィーン四重奏曲〉の第6曲。後年の傑作K421と同じくニ短調で書かれており、初期四重奏曲中ただ1曲の短調作品として、またモーツァルトの個性が統一的な表現に達している作品として、一連の四重奏曲のなかでも最も高く評価されている。アーベルトは、この作品の優れた特質を、調性と関連づけて次のように説明している。「ニ短調の四重奏曲は、この『ドン・ジョヴァンニ』の調の性格のすべてを発揮している。すなわち、憂鬱、宿命論的な忍従、闘争的で陰鬱なかたくなさを」。
 このようなパトス的作品が書かれた背景としては、1770年の前後数年間、ウィーンを中心に展開された音楽上の〈シュトゥルム・ウント・ドランク〉の影響がまずあげられるが、〈ミラノ四重奏曲〉のいくつかの緩徐楽章、とくに第5曲K159のト短調のアレグロが示しているように、少年期を脱して青年期に入ったモーツァルトの内面に、そうした表現への要求が高まっていたことも忘れてはならないだろう。


第二楽章

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