ライン

演 奏 曲 目


モーツァルト(1756−1791 Aust)  フルート協奏曲 第2番 ニ長調 KV314

 T.Allegro Aperto. U.Adagio ma non troppo. V.Rondo Allegretto.

 この協奏曲は、オーボエ奏者ジョゼッフォ・フェルレンディスのために、1777年ザルツブルクで書かれていたオーボエ協奏曲ハ長調の編曲である事が分かっている。性急な作曲依頼者ド・ジャンの注文に答えるため、モーツアルトはニ長調に書き直し、独奏パートに若干手を加えて急場を凌いだのだが、編曲だったため、ド・ジャンは支払いを拒否したのだった。しかし、フルートのパートにはオーボエより華やかな生気をおびた部分もありモーツアルトは、ド・ジャンのために筆を加えた後がうかがえるのである。

 第一楽章は、アレグロ・アベルトは通常のソナタ形式をとっており、一番と変わるところはない。第二楽章もソナタ形式だが、全体の楽想は第一番とは異なり明解なものになった。

 第三楽章は複雑である。楽曲の性格はロンドであるが、主題の呈示法からすれば、変則的なソナタ形式を示しているのである。第一主題、第二主題は性格的に類似し、しかも同一調で現れるなど奇妙な構造をとっている。
 とはいえ、軽快な気分に満ちあふれた楽章である。なお、この主題は、オペラ「後宮からの誘拐」K384の第12曲ブロンデのアリア<なんという喜び Welche Wonne>で再び使用されている。


第一楽章

メール アイコン
メール
トップ アイコン
戻る

ライン