〜クリスタルレッドを爆繁殖させる飼育環境について考えましょう〜
クリスタルレッドを今まで一度も飼育したことの無い私に爆繁殖させるノウハウなど全くありません。 どうしたら成功するのでしょうか?
わからないものは仕方ないので、発想を逆転させましょう!
どうしたら爆繁殖できないか?
これを考え、不成功要因を一つ一つつぶしていけばその先には・・・?飼育環境を考えていく前に、よく知られているビーシュリンプの基本的なタブーについて押さえておきましょう。
- pHの急変に弱い
- 水質の悪化に弱い
- 底床の汚れに弱い
- 酸欠に弱い
- 高水温に弱い
これらのタブー(不成功要因)を一つ一つつぶしていきましょう!
1.水槽
私は個人的に水量の小さい小型水槽が好きです。
飼育環境を考えると、水量は多ければ多い方がよいのですが・・・。
小さな水槽ではさまざまな不成功要因が考えられます。
1)水質の変動が大きく、そのスピードも速い。
2)水温の変動が大きく、そのスピードも速い(夏場は高水温になりやすい)
3)底面積が狭い為、糞の密度が高くなり、底床の汚れが早い。
このように考えると、クリスタルレッドにとっては致命的ともいえる条件が揃ってしまいます。
そこで、水質と水温の急変を出来るだけ避け、高水温にはなりにくい小さめの水槽を探しましょう。
まず、水質と水温の急変を避けるためには、水量は多ければ多いほど良いです。
いくら小型水槽が好きだからといっても、最低水量40リットルはほしいものです。
夏場、高水温になりにくくするためには水面面積を広くとり、ファンでがんがん風を送って水分蒸発量(気化熱量)を多くする。
底面積を広くとり、糞を広く分散させ、密度が高くならないようにする。
底床掃除を水槽内くまなくしやすくする為に、高さは低い方が都合が良い。
このように考えた結果、幅60×奥行き30×高さ23cmで水量40リットルというランチュウ用水槽に決めました。
2.底砂
底砂を選ぶ上でポイントとなる不成功要因は、底砂の汚れ及びそれに伴う水質の悪化があげられるでしょう。
クリスタルレッドは水中を泳ぐ魚と違い、底砂の上など水底で生活します。
底床に汚れが溜まっているということは、汚れの上で生活することになります。
これではたまりませんね。
私がビーシュリンプを飼育していた経験から考えると、急変さえしなければ、思ったよりも水質には幅広く順応できるように考えています。
水質よりもむしろここでいう底床の汚れが致命傷になっているようにおもいます。
同じぐらいのサイズの小型魚が元気に泳いでいるのにビーシュリンプが全滅すると、ビーシュリンプは弱いと思われがちですが、魚は汚れに直接触れながら生活することは無いですからね。
それと、ビーシュリンプはあの小さな体で驚くほど大量の糞をします。
この糞の量が底床の汚れを早くしてしまいます。
ではどんな底砂が良いのでしょうか・・・?
汚れのたまりにくい底砂が良い! といってもそんな都合のよいものはありませんね。
そこでこう考えましょう。
- 粒のサイズが大きければ糞やエサが中に入りこみ、汚れが蓄積されてしまう。
- 粒が小さすぎ、比重が重ければ、経時的に締まっていき通水性が悪くなり、底床の腐敗を起こす。
- 粒が小さすぎ、比重が軽いものは、底床掃除時に水と一緒に吸いこんでしまい、底床掃除が大変 → 掃除の頻度が落ちる → ☆
- 材質がpHや硬度など、水質に影響を与えるものは水質が安定しにくい。
- ソイル系のように長時間使っていると粒の崩壊をおこすものは、うまく飼育すれば年中稚エビを生みつづけるクリスタルレッドの事を考えるとリセットのタイミングをつかめず、底床の汚れの原因となる。 底床掃除も困難。
- 色が白っぽいもので、レイアウト的に底砂が多く露出する場合には色飛びの原因になる。
このような不成功要因をある程度払拭するものとして、私は大磯の極小粒を選びました。
通水性が良く、糞が入りこまない適度なサイズ、色が濃い目、比重が重く掃除しやすい。
これがポイントですね。
左がどこにでも売っているノーマル大磯。
右が極小粒です。
極小粒はなかなか売ってませんが、東京方面の方はショップ紹介のコーナーで見て下さいね。
3.フィルター
クリスタルレッドは水質の急変に弱いので、水質を急激に悪化させないフィルターを選びましょう!
1.上部フィルター
濾材さえうまく選べば濾過能力という点では上部フィルターでも可能でしょう。2.底面フィルター
上部フィルター内では生物濾過を十分に出来るように物理濾過用プレフィルターとして吸いこみ口にはスポンジフィルターをつけましょう。
弱点としては、上部フィルターはその名が示す通り水槽上部に設置する為、どうしても水槽上部の密閉度を高めてしまいます。
夏場には高水温対策の為に、水槽上部をフルオープンにしてファンで風をがんがん当てたいので、そういう点ではちょっと不利な所もあります。
ポンプの位置が水面に近い為、熱源にもなってしまいますね。
底床掃除を水槽内くまなく行おうとしたときにはじゃまになったりもします。
濾過能力は意外と高いのですが、粒の小さな底砂を使えないという点と、底床全体を濾材とするので底床掃除をするとバクテリアにダメージを与えてしまうという点を考えると選択肢からは除外されてしまいます。3.外掛けフィルター
それと、これは致命傷となるのですが、何らかの原因で底面フィルターの動力が止まった場合、底砂内に蓄積された汚れが一気に溶け出して急激に水質を悪化させてしまいますので、やはり厳しいですね。
どうしても使いたいという場合は吹き上げ式にしましょう。
外掛けフィルターはエビ水槽を立ち上げる時に私も選択肢の1つに入れていました。4.外部フィルター
上部フィルター同様濾材をうまく選択し、複数使用すれば濾過能力という点では可能でしょう。
故障が多いのと、濾過能力を考えて2個付けようと考えたのですが、そうなると外部フィルターとそれほど値段が変わらなくなってしまうので、今回はやめました。
最近は外部フィルターかなり安くなってますからね。
故障しにくい、濾過能力が高い、プレフィルターとして吸いこみ口にスポンジフィルターをつければ長期間安定した水質を維持できる等々、やはり総合的に考えるとウイークポイントが少ない外部フィルターがベストチョイスでしょう。フィルターが決まれば後は濾材の選択です。
濾材は、水質の急変を避けるという点を考え、濾過能力の追求よりも、目詰まりしにくく、長期間安定した水質を維持出来るものを選びましょう。
いくら濾過能力が高くても、すぐに目詰まりしてしまうような孔の小さな濾材では、目詰まりした時点で一気に濾過能力が低下し、水質が急激に悪化してしまいます。
そういう意味ではセラミック系の土管のような形をした表面がつるっとした感じのものは・・・。
私は、他の水槽で使用していて自信が持てる自作スーパー濾材を使用しています。
4.レイアウト
レイアウトは、底床掃除がしやすく、余分な肥料分を水槽内に持ちこまないという点を考慮して考えましょう。
まず、底床掃除がしやすくということは、水草を極力植え込まないないということです。
水草を植えこんでしまうと、その周辺は底床掃除できなくなりますね。
といってもクリスタルレッドには水草は必須なので、流木でうまくレイアウトを作り、活着系の水草で水景を作りましょう。
活着系の水草でまとめれば、流木ごと取り出せば水槽内が丸裸になり、底床全体をくまなく掃除することが出来ます。
活着系にも、さまざまな種類があります。
ウイローモス、南米ウイローモス、ホウオウゴケ、ミクロソリウムとその仲間、ボルビディス、ナヌビアヌス・ナナとその仲間
活着系ではないですが、リシアも使えますね。
これらをうまく組み合わせて流木に活着させていけば、立体感のあるレイアウトも十分に出来ます。
その他、どうしても縦のラインがほしいという場合には、アマゾンチドメグサは使えるでしょう。
アマゾンチドメグサはれっきとした有茎類なんですが、底砂内にほとんど根を伸ばさずに浮き草のような育ち方をします。
あと、肥料分を吸収させるという意味では浮き草の類も使えますね。
どうしても水草を埋め込みたいという場合は、育成のやさしいものを選びましょう。
育成のやさしい水草とは、CO2無し、肥料無しで育つ丈夫なものです。
水質の悪化などにより水草の元気が無くなったとき、CO2添加していたらCO2を吸収しきれずに、酸欠の原因となります。
また、同じく元気が無くなったときに肥料分を吸収しきれずに水が富栄養化してしまい、
水質悪化 → コケの発生 → 過度の換水 → 水質の急変 → ☆
このような図式になりかねません。
5.照明
活着系の水草は比較的低光量でもうまく育つものが多い上、流木に活着させれば底砂に埋め込むよりも光源に近づきます。
水草が元気に育つ最低限の照明で良いでしょう。(60cmなら20W2本程度でしょうか)
照明は熱源になりますので、やはり低光量下でもうまく育つ水草を選びたいものです。
それでも照明が足りないという場合には、蛍光管の数を増やす、すなわち熱源を増やしてしまうより、蛍光管の種類を検討して明るい蛍光管で光量UPをしましょう!
6.水温
クリスタルレッドは高水温には非常に弱いです。
以前私はビーシュリンプを夏場の高水温で全滅させた経験があります。
28℃までにおさえる必要がありますね。
たとえ冬場に水槽を立ち上げるにしても、水槽の配置を含め、夏場に高水温にならないように考えながらセッティングしたいものです。
ポイントは、
それでも高水温に悩むようなら部屋自体の温度を下げる方法を考えましょう!
- 水槽は直射日光があたらない場所に置く。
- 照明をリフトアップして冷却ファンの風をがんがん当てれるように水槽上は十分に空間を取っておく。
- 夏場には強烈なエアレーション出来るようにエアチューブのとりまわしとエアストーンを追加投入する位置を考えておく。
7.エアレーション
クリスタルレッドをはじめとするエビの仲間は酸欠に弱いです。
生体数が少ない時、夏場の水温が高い時期をのぞけば、CO2無添加で水草が大量にあるならエアレーション無しでも可能ですが、エアレーションは好気性バクテリアの増殖にも役立ちますので、生物濾過能力の向上、すなわち水質の悪化を防ぐという意味でも年中無休でエアレーションはした方が良いでしょう。
水温が高ければ高いほど水中の酸素溶存量が少なくなりますので、夏場はこれでもか〜!というぐらい強めのエアレーションをしたほうが良いですね。
8.底床掃除
ズバリ、この底床掃除をいかにうまくやるかが爆繁殖成功の決め手だと私は考えています。
まず前程として、クリスタルレッドはその小さな体に似合わず大量の糞をします。
実際にどれぐらい大量の糞をするのか確かめたいと思ったら、一度産卵箱で2〜3日飼育してみればわかります。 その糞の量に驚きますよ!
クリスタルレッドは水中を泳ぐ魚とは違い、低砂の上を歩きながら生活しています。
底床掃除を怠ると、糞やエサの食べ残しがどんどん堆積していき、しまいには汚物の上で生活するということになってしまいます。
これではどんなに丈夫な生き物でもたまったものではないですね。
混泳させている小型魚は何ら問題なくてもエビが全滅してしまうということは少なくはないでしょう。
これは、魚に比べてエビが水質悪化に弱いというよりも、汚物に直接接触しながら生活しているというのも大きな原因の一つであると考える事が出来ます。
※水質の急変については魚に比べてかなり弱いです。
底床掃除は毎日やってもやり過ぎではないです。
本当に大げさじゃなく、それぐらいエビ水槽の底床は汚れます。
かといって毎日底床掃除なんて出来たものではないですから、一度全体を一気にやってみて、どこが1番汚れるか把握できれば、底床掃除ポイントの優先順位をつけましょう。
1番汚れる所はこまめに、2番目は定期的にという具合。
底床掃除をする武器としては、プロホースが頭に浮かびますが、プロホースは吸いこむパワーが強烈すぎて、稚エビどころか親エビまで吸いこんでしまう可能性があります。
私が使っているものを参考までに。
以前使ったことのあるCO2リキッド(効果は??)の容器をぶち切ってエアチューブを突っ込んだだけです。
アンプル状の物なら園芸肥料の容器でもなんでもよいでしょう。
これは吸いこむ水量が少ない為、エビ達は底床掃除をしているのに気付かないぐらいソフトな使い心地です。
また、一気に水を吸い尽くすこともないので、時間をかけてゆっくりと、水槽内をくまなく掃除できる、かなりの優れものです。
9.換水
換水はさまざまな条件によって変わるので、簡単に説明するのは難しい問題ですね。
換水は、はっきりとした目的を持って行う必要があります。
では、換水の目的について考えてみましょう。
主なところはこんなところでしょうか。
- アンモニア、亜硝酸、硝酸など、エビに有害な物質を水槽外に排出する為。
- 不要な栄養分を水槽外に排出する為。
- pHを調整する為。
1についてのみ考えると、換水はすればするほど良いというように考えることが出来ますが、過度な換水は、水質やバクテリアの勢力バランスなどが安定せず、いつまでたっても良い水が出来ません。
また、水草が必要とする栄養分も排出してしまうことになりますので、やはり換水は状況を見ながら適度に行わないといけません。
換水をする上で注意しなければならないのは、水槽水のpHと水道水のpHです。
これが大きくかけ離れているようなら、多めに換水した場合にpHショックを起こしてしまい、エビにとって非常に危険です。
水槽水と水道水のpHをきちっと把握した上で換水量を決めましょう。
もしpHが0.5以上離れているようなら、一度の換水量を少量にして、こまめに行う方法をとりましょう。
pHがほとんど変わらないようなら多めに換水しても問題が起こりにくいものです。
ちなみに私のところでは、水槽水、水道水共にpH7.1程度なので、換水量はあまり気にしたことがありません。
10.エサ
クリスタルレッドは植物食性の強い雑食なので、魚が食べるものならなんでも食べます。
繁殖まで狙わないのなら餌は何も与えなくても、水草や流木、コケなどを食べて生きていけます。
繁殖まで狙うのなら、健康に育つように、栄養バランスを考えながらいろいろな餌を与える必要があります。
これはクリスタルレッドに限らず、人間でも栄養が偏ると健康を害しますからね。
「主食」
熱帯魚用の人工エサを主食とします。
エビは水底でエサを食べますので、沈降性の顆粒状エサが良いです。
自分の使用している底砂の粒サイズを考え、底砂内に入りこまないようなサイズを選びましょう。
私はシュリンプ栽培センターが出しているュリンプフード、バクテリア酵素の働きで残りエサで水を汚さない「クロマフード」、プレコタブレットをゴマすり器でつぶして顆粒状にしたもの、「テトラプランクトン」等を与えています。
「野菜」
ウイローモスなど、柔らかい新芽を常時出しているような水草が豊富にあるのなら特に植物性の餌は与えなくても良いでしょう。
また、水槽内に発生するコケ(藻類)も植物性のエサとなりますからね。
「肉類」
たまには栄養価の高い肉類もあげましょう。
手軽な所で冷凍赤虫が良いでしょう。(奪い合いながらよく食べます)
11.混泳魚
混泳魚がいるとクリスタルレッドが警戒して流木などに隠れてなかなか出てこなかったり、小さくて動きの遅い稚エビが食べられてしまったりするので、出来れば単独飼育でいきたいものです。
何とか混泳できる魚は、
植物食で小型のオトシンクルスかオトシンネグロ(コケ取り役としても活躍してくれますね)
コリドラスの小型種であるピグミー、ハスタートゥス、コティー、ハブロススなどが良いでしょう。
コリドラスの仲間は餌を探し当てるのがうまくないので、稚エビを狙って食べることができませんからね。
ちなみにこれらの種類は成長しても3cm程度です。