板橋区立淡水魚水族館 大調査!?


今回も、とある事情???(Do itさんの遠大なる計画)と板橋区“緑と公園課”の方々の寛大なるお計らい、板橋区立淡水魚水族館の管理をされている大沢さんの御協力により、東京都板橋区板橋の東板橋公園内にある板橋区立淡水魚水族館水槽群の水質調査を私kasimaru(これでも板橋区民です!!)と調査員兼渉外部長Do itさんとで行ない、各水槽の水質を調査する事が出来ましたので、皆さんにお教えする事に致します。

大沢さん

<調査の経緯>
初回のかつさん宅水槽調査で終了する予定だったこのコーナーがなぜか隊長の私kasimaruの思惑とは異なり、かつさんと★かつワル★渉外部長Do itさんの遠大なる計画に基づく渉外活動によって、第二弾として公共の水族館調査を敢行する事となりました。
主な内容は次の三点です。

1. 水族館の水槽の水質はどんななのだろう?
2. 水族館の濾過設備ってどんななのだろう?
3. メンテナンスはどんな事をしているのかな?


そこで第一回かつさん宅調査と同様の水質調査を、板橋区立淡水魚水族館の大型水槽二本と熱帯魚用120cm水槽一本の計三本について行ないました。

1. pH(ペーハー)
:水中の水素イオン濃度を指標化したもの。pH=7で中性、7>で酸性、7<でアルカリ性

2. KH(炭酸塩硬度)
:水中の硬度物質(Ca、Mg)と対になっている炭酸塩イオン濃度を測定する指標。
炭酸水素イオン濃度とも言える。

3. CO2濃度(炭酸ガス濃度)
:pHとKHの測定値から計算できる。
CO2(ppm)=KHx(10^(−pH))x3.72x10^7

4. GH(総硬度)
:全硬度とも言い、水中のCa(カルシウム)Mg(マグネシウム)イオン濃度の合計を示す。この数値が高い水を硬水と呼び、軟水を好む魚の飼育や水草の育成に悪影響を及ぼすと言われる。

5. 導電率
:電気の通しやすさの指標。水中のイオン化物質、有機物等、電気を通しやすい物質が多く含まれると数値が高くなる。単位はμS(マイクロジーメンス)。

6. 硝酸塩濃度(硝酸イオン濃度)
:濾過バクテリアによって魚の出す老廃物や残餌が腐敗する事によって発生するアンモニアが濾過バクテリアによって酸化濾過されて出来る最終生成物。
アンモニア、亜硝酸ほど毒性はないが、蓄積すると大きくpHを降下させたり、一般に50ppm以上になると魚に悪影響を与える事があると言われている。

これら6項目に加え、元になる水道水(原水)の塩素濃度も測定しました。

<測定結果>
2001年12月現在 原水塩素濃度(ppm) pH KH
(炭酸塩硬度)
CO2濃度(ppm) GH
(総硬度)
導電率
(μS)
硝酸塩濃度(ppm) 備考
換水用原水 0.7 7.5 3 3.5 5 310
日淡魚展示水槽 7.4 3 4.4 6 360 5 水量約4〜5t?
※オイカワ、ウグイ、コイ他 (100匹ぐらい)
3m五角形展示水槽 7.5 3 3.5 5 330 0 水量約13t
※タナゴ、メダカ等、小型淡水魚混泳 (数千匹)
120cm熱帯魚水槽 7.3 2 3.7 6 640 70 水量約210L
※エンゼルフィッシュ、ネオンテトラなど (200匹ぐらい)
※上記各水槽の画像は下記記事をご覧ください。
<調査結果についての感想>
さすがに水族館の大水量水槽の威力は偉大で、原水との水質変化が非常に少ない理想的な飼育環境だと思いました。
しかし、アクアリストが実現できそうな環境には程遠いので、もっと実現性有りそうな?熱帯魚水槽の例として、120cm熱帯魚水槽を取り上げましたが、このデータは素人アクアリストの我々にも参考になりそうなものでした。
120cm熱帯魚水槽 エーハイム2213
月2回ほどの換水頻度のようですが、生体密度が高いせいと、濾過が我々にもお馴染みのエーハイム2213のみ(写真6)である事が原因なのか、有機物、硝酸塩が他の水槽に比べると多く、導電率640(μS)、硝酸塩70ppmで、データ上ではそろそろ換水時期かな?という感じでした。
ただし、水自体は匂い、着色等は全く無くさらさらしており、我が家の超高密度グッピー水槽(40匹/18L、硝酸塩140ppm)よりは格段に良い状態だと思いました。
(これは当たり前、水量、水草の量が全然違います。・・・・失礼しました。)
また、総硬度GH6は他の水槽と同じなのですが、炭酸塩硬度KH2(原水:3)と低くなっているのは、他の水槽より水草密度が圧倒的に高い影響で炭酸塩が炭酸ガス(CO2)に分解されて消費され、低くなっているのではないかと私kasimaruは、無い知恵を絞って考えました。
<水族館の濾過環境>
また、今回特別に大型水槽群の濾過システムを見学させて頂く事が出来ました。
管理されている大沢さんのお話しによると、だいたい次のような濾過システムを基本としているようです。

日本淡水魚展示水槽(約400Lクラスの濾過漕2基の並列濾過)
日本淡水魚展示水槽(水量約4〜5トン) 濾過漕

3m五角形展示水槽(同上濾過漕3基の並列濾過)
3m五角形水槽(水量約13トン)

濾材はすべて"砂"で物理濾過、生物濾過兼用だそうです。
濾過漕の掃除は1基づつ濾過システムから切り離し、入水口、出水口を逆転させて(水を逆流させる)、ゴミを流し出すそうです。
また、濾材の砂は何年かに一度総入れ替えをするそうで、砂入れ替え後はやはり魚の状態には気を遣い、亜硝酸をこまめにチェックされるそうです。
<番外編:水族館の舞台裏のお仕事>
濾過システムを見せて頂いた折りに、バックアップ水槽も見学する事が出来ました。
この板橋水族館は、日本淡水魚展示をメインにしているのですが、その延長として日淡魚の繁殖を行なっていらっしゃいました。
たとえば、絶滅が危惧されているメダカやタガメの繁殖。
あと、アクアリストにもファンが多い、オヤニラミの繁殖を行なっているオヤニラミ繁殖水槽もありました。



その他、実験用水槽として淡水モナコ式水槽も有り、普通では見られない貴重な体験をさせて頂きました。



また、一番身近に感じたのは、使っている餌です。生餌しか食べない魚には餌金を与えていましたが、その他は我々がよく見慣れたテトラミン、クリルを餌に使っており、餌は1日一回、夕方与えるそうです。

<kasimaruの感想>
今回はとても貴重な体験をさせて頂いたのみならず、水族館の方々が日夜魚の生態の研究や実験にも取り組まれている事を知る事が出来ました。
しかし、飼いきれなくなった大型魚を水族館に持ち込む例もしばしば有るらしく、アクアリストの端くれとして、もっと生き物を飼育する事に対する心構えをしっかりと持ち、責任を自覚する必要を感じました。

最後にあらためて、板橋区"緑と公園課"の方々と、気さくに応じて下さった板橋区立淡水魚水族館の大沢さんに心から感謝致します。

<測定機器、測定キット>
1. pHメーター :KS−701 (新電元 製)
2. KH(炭酸塩硬度)測定キット :炭酸塩硬度試薬KH (テトラ製)
3. GH(総硬度)測定キット :総硬度テスター (ドギーマン 製)
4. 導電率計 :マイクロTDSメーター(マーフィード 製)
5. 硝酸塩濃度測定キット :硝酸塩テスター (ドギーマン 製)

かつのコメント
kasimaru調査隊隊長さま、スーパーへなちょこ渉外部長のDo itさま(失礼!ははは!)、お疲れ様でした。
今回は、調査から、この記事をUPするまで紆余曲折いろいろと有りましたが、最終的にはすばらしい内容の記事をUPすることが出来、やれやれですね。 お二人様にはご苦労をおかけし、感謝感謝です!
また、板橋区“緑の公園化”及び板橋区立淡水魚水族館の方々に、心より感謝申し上げます。


記事の内容については、私個人的には各水槽の水質の部分よりも、濾過システムや舞台裏のお仕事の部分を大変興味深く読ませていただきました。
見に行きたかったな〜〜〜〜!

濾過層はかなり古いものだそうですが、丁寧に手入れし、使用されていたそうですね。
大切な税金で運営し、入場無料とするにはこういうスタンスが必要なんでしょうね。
下手に最新式の濾過層を入れ、その分を入場料を取って賄おうとはせず、ずっとずっとそんなスタンスを貫いていただきたいものです。

さあ隊長! 次どこ行きますか! 山盛り期待してまっせ!  ははは!




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