水槽の中の栄養分

一般的に、水槽の水は徐々に富栄養化していき、コケの発生原因を作り出すと考えられています。
これを防ぐ為に換水し、余分な栄養分を水槽外に排出するんですね。
ただ、水道水をプラケースにでも入れて日の当たる場所に放置するとどうなるでしょうか?
プラケースの中にコケが発生しますね。
これは水道水の中にも微量ながら栄養分があるためです。
今回はこの栄養分について極々シンプルかつ簡単に考えてみましょう。

まず、コケってなんでしょうか?
学術的にはコケとは蘚苔類のことを言います。
リシアやウイローモスがこの仲間です。
アクアリウムの世界で一般的に“コケ”と呼ばれているのは、蘚苔類よりも下等な藻類に分類される植物です。
植物というからには、窒素、リン、カリを主な栄養元として、光合成により成長します。
ということは、水草と同じ栄養を吸収しながら成長していくんですね。


「富栄養化の原因」

水槽の水を富栄養化していく原因ってなんでしょう?
原因は色々あるんですが、なによりも毎日魚に与える餌が一番大きな原因となります。
エサを投入し、魚が食べ、アンモニアとして排出し、それを亜硝酸バクテリアが・・・・おっと、こ難しい話しはやめて、簡単に考えてみましょう。

エサを投入すると魚が食べます。
魚は餌を消化吸収し、大きくなります。
すなわち、餌として投入された栄養分は、魚の体を作ることによって魚の体内に蓄積されます。
この部分は栄養分として水中に放出されませんね。

消化吸収された餌は、一部は魚が生きていく上でのエネルギーとして消費されます。
エネルギーは熱に変換されますので、この部分も栄養分として水中に放出されませんね。

消化吸収されなかった餌は魚から糞などとして排泄されます。
この魚の排泄物と、餌の食べ残しは水中に栄養分として放出、蓄積されます。

次に、投入したエサが魚に消化吸収されたように、魚の排泄物と、魚に食べ残されたエサはバクテリアの体を作り、エネルギーとして消費されます。

魚やバクテリアに排泄された栄養分は植物に吸収されやすい形になっており、次には水草に吸収されます。
水草はこの栄養分を吸収することにより成長していきます。
ということは、栄養分は水草の体となって水草の中に蓄積されます。
この分は水中に放出されませんね。
結局、魚,バクテリア,水草に利用吸収されなかった栄養分(エサ)が水を富栄養化し、藻類に利用吸収され、水槽内がコケまみれになってしまうんですね。
アクアリウムの世界では水量に対して魚の数が多ければ水を汚し,コケまみれになると考えられていますが、これはちょっと違いますね。
多くの魚が生きていくために必要な多くのエサを投入するから水が富栄養化するんですね。
ちょっと乱暴な言い方ですが、エサを一切与えなければ、魚は排泄するものが無くなり、当然エサの食べ残しも存在しませんから水を富栄養化しませんね。
といっても現実的な考えては無いですが・・・。
ただし、魚が植物食性で、水草をどんどん食べ、水草を食べるスピードが水草の成長スピードを上回れば、水草の体内に蓄積される栄養分よりも魚に排出される栄養分の方が多くなり、水は富栄養化してしまいますね。

では、富栄養化を極力抑えるほ方法について考えてみましょう。


「富栄養化対策」

(栄養分を水槽内に持ちこまない)
これが根本的解決の一番の有効策です。
  1. エサの投入量を少なくする。
  2. 魚の食い付きが良く、食べ残しの少ないえさを与える。
    ※エサは魚に食べられた方が、魚に消費吸収されますので食べ残した餌よりも栄養分が少なくなりますね。
  3. 魚に消化吸収されやすく、排泄される量が少なくなるような餌を与える。
    ※理論的には、仮にエサの成分の100%が魚にエネルギーとして利用され、魚の体に蓄積されれば栄養分は一切排泄されなくなりますね。
(栄養分を水槽外に排出する)
水槽内に投入した栄養分(エサ)に相当する量の栄養分を水槽外に排出すれば理論的には水は富栄養化しませんね。
  1. 換水
  2. 水草をどんどんトリミングして水槽外に排出する。
    ※水草の体内に蓄積された栄養分を水槽外に排出することになります。
    ※成長の早い水草を入れると水が汚れにくいというのは、結局多くの栄養分をどんどん水草の体内に蓄積していて、成長が早い分トリミング周期も早くなり、結果水槽外に栄養分を大量に排出することになるからです。
  3. 増えたり大きくなった魚を別水槽に移す。
    ※魚の体内に蓄積された栄養分を水槽外に排出することになります。
    ※もし、5cm程度の魚が死んでしまって、そのまま水槽内に放置したらどうなるでしょう?
    その魚の質量と同等量のエサを水槽内に一気に投入するのと同じ事になります。
    どんな恐ろしいことかわかりますね。
ようは、水槽内に投入する栄養分を少なくし、投入した栄養分と同等量の栄養分を水槽外に排出する、もしくは水槽内に栄養分を投入せずに、水槽内に蓄積された栄養分を循環させるような生態バランスを作る事が出来れば水の富栄養化を防ぐことが出来ますね。
注:1)シンプルかつ簡単に説明する為、濾過の役割については割愛させていただきました。
  2)シンプルかつ簡単に説明する為、水草が必要とする栄養バランスについては割愛させていただきました。
    


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