「水草の気泡」
十分な光量下では水草は気泡を一杯付けて私達の目を楽しませてくれます。
この気泡、実は酸素ではないんです。
一般的には光と水と二酸化炭素を利用して水草(植物)は光合成を行い、植物の体を作るための糖類(炭水化物)と酸素を生成するということになっています。
学校教育でもそのように習いましたね。
これを化学反応式で表すと、
6CO2+12H2O → C6H12O6+6O2+6H2O
二酸化炭素 水 糖 酸素 水
確かに二酸化炭素と水から糖と酸素が出来ますね。
しかしながら、水草が付けている気泡の成分を分析してみると、酸素は約30%で、約70%は窒素だそうです。
私たちが吸っている空気は窒素が約80%で酸素は約20%なので、水草の気泡は“酸素を少し多く含んだ空気”と言えますね。
学問として光合成の仕組みをわかりやすくするために上述の反応をクローズアップして教えられていたんですが、実際のところはそんな単純ではないようです。
この気泡、アクアリウムの世界での常識として一般的に言われているのは・・・。
水草は光合成を行い酸素を出す。
その酸素は水中にどんどん溶け込んでいく。
水槽内の酸素含有量が飽和状態になったときに溶けきれない酸素が気泡として現れる。
こんなところでしょうか?
この考えって少々無理がありますね。
気泡中の窒素はどこいくの?
実際には、照明を点灯した瞬間から水草は急激に光合成をはじめるのではなく、徐々に光合成を活発に行うようになっていくので、それに伴い気泡を付けだしていきます。
試しに水草が全く入っていない60cm水槽に、リシアを巻きつけた小さなリシアストーンを一つだけ入れてみてください。 見事な気泡を付けるはずです。
ということは、酸素の飽和状態云々というのは・・・。
ただし、水草が放出する気泡は大変小さい為、気泡中の気体が水中に溶け込む効率は高く、酸素供給と言う点ではやはり抜群の効果があります。
小さな気泡が集まってあの綺麗な気泡になるんですね。
「水槽の中の酸素と二酸化炭素」
それでは本題に入りましょう。
水槽の中の酸素と二酸化炭素ってどのように変動するのでしょうか?
まず、水槽内の酸素を消費する(二酸化炭素を排出する)要素は、
昼(照明点灯時)
夜(照明消灯時)
- 魚やエビなどの飼育生体。
- 生物濾過でお馴染みのバクテリア
- ミジンコをはじめとするプランクトン
- その他の生物。
ここでポイントになるのが水草の存在です。
- 魚やエビなどの飼育生体。
- 生物濾過でお馴染みのバクテリア。
- ミジンコをはじめとするプランクトン。
- その他の生物。
- 水草。
昼間は活発に光合成を行って酸素を多く含む空気を排出して酸素供給源となる水草ですが、夜になると他の生物と同じ様に呼吸をし、二酸化炭素を排出します。
ということは夜の水槽内では酸素の供給源が水面から溶けこむ少量の酸素だけとなってしまい、水草が大量にある水槽ほど酸欠状態になってしまいます。
二酸化炭素を添加している場合は消灯時に水中の二酸化炭素を追い出す為にエアレーションしましょうと言われていますが、酸素を供給する為にエアレーションしましょうという方がしっくりといきますね。
もう一つ興味深いことは、酸素を供給する為に行われるエアポンプを使ったエアレーションは、場合によっては二酸化炭素の供給も行うんです。
生体が少なく、水草大量の水槽内で水草が活発に光合成を行っているときには水中の二酸化炭素はどんどん水草に吸収されていきます。
すると水槽内の二酸化炭素濃度が低下していきますね。
その様な状態でエアレーションすれば、空気内に含まれる二酸化炭素が水中にどんどん溶け込んでいくんです。
塩水には塩が溶けにくいですが、真水には塩が溶けやすいのと同じ理屈ですね。
下の写真は私のエビ水槽のリシアの写真です。
二酸化炭素を添加しないと気泡が見れないと言われているリシアが、二酸化炭素無添加、24時間エアレーションという環境で綺麗な気泡をつけています。
二酸化炭素を添加していない水槽で水草に元気がないという場合には、一度エアレーションしてみては?
ただし、二酸化炭素を添加している場合には、エアレーションによる爆気作用によりせっかく添加した二酸化炭素を追い出してしまうので、御注意を!