その29 「歴史の重み」

気温はまだ高めですが、カラッとした心地よい日和です。
ふと見ると、黒ずんだブロック塀の根元の部分に鮮やかな緑色をした小さな固まりがあるのが目に入りました。
目を左に向けるとコンクリートの溝の際にも小さな緑色の固まりが見えます。
その溝もやはり黒ずんでいて、長い間風雨にさらされながら数えきれない人が前を通りすぎていったであろうという歴史を物語っているようです。
緑色の小さな固まりに目を凝らしてみると、それは丸みを帯びてこんもりと盛り上がったコケの固まりでした。
コケは人間がこの世に生まれるずっとずっと大昔から、進化するのを忘れてしまったかのようにずっと変わらず同じ姿をしています。
そんなコケがほんの数十年前に出来たブロック塀やコンクリートの溝にしがみついて生きている姿を見ると、少し変な気分がしました。
〜おわり〜