とある神社で、二羽のハトが淡々と地面をつついています。
グレースーツの男性が、食べているパンを少しちぎっては投げています。
二羽のハトは、パンの欠片を競い合って食べています。
しかし、争うことは無いようです。
グレースーツの男性が立ち上がると、二羽のハトは驚いたように飛び退きますが、すぐに何事も無かったかのように淡々と地面をつついています。
二羽のハトは、グレースーツの男性が立ち去った後も同じ場所で淡々と地面をつついています。
二羽のハトは、食べものを投げてくれる人が来るのを待っているかのように、同じ場所で淡々と地面をつついています。
二羽のハトは、明日も同じ場所で淡々と地面をつついているのでしょうか?
明後日も、その次の日も、その次の日も、二羽のハトは同じ場所で淡々と地面をつついているのでしょうか?
自由に空を飛び、どこにでも行くことができる“つばさ”を持っていることを忘れてしまったかのように。
〜おわり〜