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道路沿いの「丹霞郷」という案内ポスターが、お母さんの目を引いた。来たとこついでだ、と。すぐ近くかと思ったら、これが結構道のりがあった。
「丹霞郷」ってなんて読むのかも分からない、そこがどんなところかも誰も知らない。だんだん不安になった頃・・・
・・・おお!
桃の木が一面に広がった、気持ちのいい場所に出た。
途中で諦めずに来た甲斐があった。
天気もよくなって、実に爽快だ。しかし暑い。こんなカップルのせいもある。

当てられていてもしょうがないから、ぼくも誰だか知らない人にくっ付いてやった。

ぼくが側に寄って喜んでくれる人間は善人だ。眉をひそめる人間は要注意だ。歩く踏み絵といえよう。
こんなところなら思いっきり駆けずり回りたい。しかし、働かされている馬に気を使って、水とビスケットを食べるにとどめた。お父さんたちは、小布施の栗おこわ弁当だ。

だいぶ日も傾いてきたので、長野市を通ってりんどうの郷に戻った。
善光寺のそばに来て、ML仲間のネネちゃんを思い出した。どうしているだろうか。スーパードックフェスティバルのわんわんサーカスに出演しているのか。いやブルーデーだと言ってたから、多分お留守番だろう。
疲れたので、この晩は早めに寝た。明日もあるし。

夢は「丹霞郷」で頭を撫でてくれたロンゲのお姉ちゃんだ。でれでれみっともないからやめなさいと、横に引っ張られるリードに、夢の中ながら妬心を感じた。

ぼくの隣の人が、何を夢見たかは知る人ぞなし。
