山田温泉では別に書くこともないが・・・
 格式も由緒もあるんだそうだが、犬を泊めないとんでもない旅館だ。犬公方様の時代からあれば、取り潰しになっていたであろう。二百年の歴史しかないから助かっている。
 温泉にも入らず、ぼくはちょっと離れた駐車場で寝た。
 効能は何か、旅館の人や旅人、地元の人に訊いたが、おかしなことに誰も知らない。唯一の答えが「温まる」であった。そんなんなら、うちのツムラ温泉の素「由布院の湯」入りお風呂も一緒じゃん。
 日没前に温泉街から山田温泉スキー場まで、お父さんとお母さんを連れて、一時間ほど山道(獣道といっていい)を散歩したこともあって、車の中でひとりぐっすり眠れた。後で様子を見に来るからね、なんて言ってたが、誰も来なかった。口先人間めが。後で聞いたらシャンパンを飲みすぎたとか。忌々しい限りだ。
 

 明け方の四時ごろ、悪い悪いと言いながら、朝風呂に顔を熱らせてお父さんがやってきた。小一時間ほど散歩しただろうか。山道を行きたかったが、真っ暗だったし、また体中草の実がくっついても困るので車道を歩いた。
 日の出になるとお母さんの出番だ。一応ぼくに気を使ってくれているらしい。

 朝食を早めに済ませて出発。タマちゃんには悪いが、ジュータイは誰も望まない。ひたすら中央高速のインターに向かう。

 道すがら寄ったのは、小布施だけだ。それとリンゴ園での記念撮影。いやまあ、長野はリンゴばかりだ。ブドウもあるが、防犯ネットで隠れて見えない。リンゴは盗む奴がいないらしい。そうだろうなあ。ぼくも食べないし。



  おばあちゃんと記念写真。おなじみ竹風堂にて。
クリ落雁はどこにも売ってなかった。


原料はあった。


高い空に赤いリンゴ。これが秋なのだ。

黄色いリンゴもあるが、味はともかく写真映りは赤には勝てない。




 午後3時半に芝浦に無事着いた。
 ぼくはそのまま中央公園でくつろいだ。いつも思うのだが、旅行もいいけど、やっぱり地元だ。歩いていても、ほっとする。
 お兄ちゃん夫婦は、それからおばあちゃんにドジョウを奢ってもらったらしい。
 ドジョウって細くて長い円筒形とばかり思っていたが、駒形だったとは!

ちゃんちゃん