
輝宗の正室となった義姫は文武の誉高い男子を授かりたいと伊達家の祈祷師である修験者の天海上人に出羽三山のひとつである湯殿山へ祈祷を頼んだ。天海上人は湯殿山の湯に浸した弊束を義姫に渡し、義姫はそれを寝所の屋根に祀った。その日の晩義姫は白髪の老僧の夢を見、夢の中で老僧が義姫の胎内に宿を借りたいと言い、その結果男子を身ごもった。修験道では「弊束」のことを「梵天」といい、その男子は「梵天丸」と命名された。後の政宗である。出羽三山とは山形県にある「羽黒山」「月山」「湯殿山」の三山で古くから信仰と修験の山である。「羽黒山」と「月山」には神殿があるが、「湯殿山」には神殿はなく、温泉を吹き出す褐色の岩が御神体である。「湯殿山」に行った人間は「ここで見たことは語るなかれ、聞くなかれ」と戒められる。よって御神体までの道のりや、その様子はお話できません。
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