お勧めSP用カートリッジ

★電気再生で一番の要は「カートリッジ」と「針先」

カ ートリッジで一番の要は針先の「太さ」であります。昨今の各社製品は周波数特性等の諸条件は殆ど変わらないといってもよいといえまが、なぜか針先の「太さ」に拘った商品が少ないのが現状です。戦前発売された音盤の殆どには「3・5〜4ミル前後」の針先形状が丁度よいという大原則がありますが、もし針先がこれよりも細い場合 には「針音」の増大を招き大変聞き心地が良いものではありません。

では、本題に入る前に鉄針とダイヤ針との違いを説明しましょう。

鉄針はご存知の通り、溝の底を摩る形で運針します。あのサウンドボックスの重量が溝の底一点に掛かるわけですからその磨耗は大変なものです。
ダイヤ針は溝の底を摩るというよりは、溝の壁面を跨いで(またいで)運針していきます。この際、細い針で再生すると勢い鉄針で冒された部分を再生 したり、壁面ではなく溝の底を不安定な形で運針することなり、雑音が目立ってしまいます。そこで「3 ・5ミル」から「4ミル」程度の太い針で「鉄針によって冒されていないところを探しながら」再生する事が重要となってくるのです。

現在市場でよく見掛けるカートリッジは針先が「2・5ミル」と大変細 いものが多く、戦後の最後期の盤に使用するには適切ですが、戦前から終戦直後頃の盤に使用するには針音ばかり目立って聞くに堪えない場合があります。 例えば今一番入手しやすいAT社のカートリッジは構造はなるほどよく出来ていますが、惜しいかな針先が細いので針音レベルが高くて使い物になりません。また他社の製品でテクニカルデータが公開されているものも、大概は2・5ミルの針先が装着されています。

では「3・5ミル」径の針先は無いのでしょうか?

朗報なのはナガオカ製品をヨコハマTVサービスさんのHPにて 特別企画として販売されているMP-11SP・SPHJは、初期販売は「3ミル」タイプとして廉価な上に高性能と言う事でお勧めでしたが、この度交換針として「3・5ミル」 「4ミル」タイプを追加販売なされました。この価格でこの性能ならプロ級の再生が出来る大変高性能な商品です。

★新発売の「3・5ミル」「4ミル」針を使った感想として

●テイチク盤は2・5ミル針にくらべてかなりの針音軽減になる。特に多少聞き込んだ盤の針音軽減が劇的。

●ビクター盤は3ミル針では明らかに溝との格差が目立ち針音が気になるが3・5ミルだとかなりの効果をあげる。

●ポリドール・キング・コロムビア盤はそもそも針音が少なめな音盤であるが、より針音軽減になる。

●全般的に針音と音源の分離がよく、特にボーカルなどのビリ付きが目立たないために聞きやすい。

●旧吹込み盤は4.0ミルを使用すると針音との分離がよく大変聞きやすい。

※注:各社昭和14・5年以降の戦時盤はそもそもの盤質の低下で針の太さだけでは針音軽減に限界がある事は事実。

と、各社の音盤一律針音軽減になるということを確認しております。
厳密には「プレス圧力」「材料の純度」「音溝の使用頻度」などにより条件は変わってくるのですが、「2・5<3・5」である事は間違いないようです。

★今後の課題

この商品は元々ステレオカートリッジに太さの違うダイヤチップを装てんしているだけなので、通常の接続では縦振動を拾ってしまったり、左右別の信号が出力されてしまいます。

この状態を補正するには、画像のように錫メッキ線とハンダにて「RとLのプラスを接触」「RとLのマイナスを接触」させるとモノラル化します。好みによって接触させずに片方のチャンネルの信号を二つに分けてもモノラルになりますので、おのおの実験してみてはいかがでしょうか。

それと、気になるのが「針圧」についてですが、一応規格の針圧は「2グラム」と言うことになっていますが、正直なところSPの針圧として「5〜8グラム」程度欲しいところです。2グラムの低針圧だと回転の速いSPだと、ちょっとした偏芯や段差などですぐ針飛びしてしまいます。実際使用してみて、ポリドールの盤質の悪い時代の盤で、カード跡で段差がついたものはとても2グラムでは運針しません。私は通常アームの高さを高めに設定して、3・5グラムを無理に掛けていますが、この点を製造元にて改善していただくと、かなりグレードの高いカートリッジになるとは思うのですが。。。

※針圧についての追加情報※

当初の規格針圧は「2グラム」とされてきましたが、「これでは針圧が軽すぎて不都合が生じる」との声を受けて、メーカと共に再検証を行ったそうです。

その結果適性針圧の許容範囲は『2.0〜4.0グラム』と言うことだそうです。

以下SERIAさんからのメールの引用


『テストは針の限界時間230時間を通して行う方式と1日3時間程度の使用を繰り返した
状況とで行う2通りの方式にて行いました。
使用プレーヤーはortofonのPRO-JECT9とDENONのDP-35を使用しております。総括と致しまして、アームの状況にもよりますが4.0g迄はダンパーの歪は確認されず、良好な結果と言えましたが、4.0gを越える辺りから微妙にダンパーへの付加が確認され、実働レベルでの適正針圧は2.0〜4.0gと言う値である事が検証されました。そのご、上記2機種のプレーヤー以外の検証においても4.0gは確実に適正である事が確認出来たと言う事です。現在も可能な限りのプレーヤにて実証を行っておりますが、メーカー別で30機種を目処にTESTを終了する予定です。
 適正針圧における商品表記が2.0gになっている事に付きましては、ダンパー等における材質の向上等が要因では無いかとの事で、商品スペックは安全レベルを第一に表記してあり、当初生産開始当時の性能をそのまま継承している状況であると言う事から、多少の性能向上は考えられると言う見解に落ち着きそうです。プレーヤー機種によっては4.8g迄ダンパーの歪が確認できなかった製品もあると言う事で、メーカーの技術責任者に確認を取りましたが、4.0g迄はいけると言う事です。』

 

この報を受けて、僕も早速針圧を4グラムまで掛けてみました。これにより多少の溝の不具合もクリアできるようです。今まで軽針圧カートリッジとして紹介してきましたが、これで一般に手に入る5グラム針圧MCカートリッジに伍する使い勝手がよく、高性能のカートリッジとして改めて推薦させていただきます。
 

皆様もご興味ある方はヨコハマTVサービスさんのHPからお買い求めになってお試しになってはいかがでしょうか???

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