昭和ジャズ歌謡天国

戦前ジャズソングを私の好みだけでちりばめてみました

★テイチク編

 

★ポリドール編

 

★ビクター編

 

★コロムビア編

コロムビアのジャズソングと言えば「ブルースの女王・淡谷のり子」と「中野忠晴」が膨大な数の量を吹き込んでいるが、これはコロムビアには適当な歌手を獲得できなかった悲しい現実を踏まえて考えねばならない。そもそも淡谷は声楽家出身だけあって、そのプライドを捨てきれずにこれといった吹き込みを残していないのが残念である。同じく中野忠晴についてもそもそもがジャズ歌手のペーソスが薄く、完全に流行歌歌手の松平晃よりもスマートさに欠けている。
ただ、下手な鉄砲ではないが、あれだけ膨大に吹き込んでいるので中には傑作も確かに存在する。

アレンジとしては服部良一と仁木他喜雄の功績は大きく、前者はオリジナル曲の妙曲を多数生み出し、後者はアレンジ、特に先端のトレンドをいち早く咀嚼して楽曲に用いるのは天才的。

コロムビアは二世歌手の吹き込みも積極的で、川畑文子などの初期吹込み盤などはドル箱で、今でも中野・淡谷と同等によく見かけるレコードである。他にベティ・稲田、リキー・宮川等が相当数吹き込んでいるのを筆頭に、なかなか妙味のある歌手が吹き込んでいるのが面白い。各社比べてみても、二世歌手のチョイスの質は高かったのではないかと思う。

流行歌
チャイナ・ダンゴ

藤浦 洸作詩
服部良一作曲

中野忠晴

30202

★数ある中野忠晴の曲の中でヒトツだけ傑作を挙げるならば
やはりこれに尽きるだろう。特に服部の流行歌にも比較的近いテイストの
楽曲が功を奏したともいえる成功曲で、甘いメロディーに中野の歌が絶妙。

現在でも人気の一曲だが、このパンチの効いたアレンジは今では表現しにくいが
なんとも甘美であり、広く親しまれる理由もきっと歌詞の抽象的平易さがかなり
影響しているようにも思える。(保)

 
欧米流行歌
ビア樽ポルカ

藤浦 洸作詩
仁木他喜雄作曲

藤山一郎

100048

★藤山一郎のジャズソングに見るべきものは殆ど無いが、ここで挙げるこの曲は
ご存知のカバー曲で、編曲が仁木他喜雄だということがミソ。
解説したように、仁木のアレンジ能力は天才的で、いかにピンちゃんの歌唱が
なってないものでも余りあるほどアレンジが魅力的過ぎる。この一枚を聴くと、
さながら日本にもビックバンドがあたかも存在していたかと錯覚する程の出来栄え
は贔屓しすぎと言われ様と書かずにはいられない。

ところで、ピンちゃんは楽譜どおりに歌うと思われているが、この曲では意識的か
テンポを逸したり、珍妙な崩した歌唱がある意味笑いを誘うトンデモ盤なのかも
しれない。これほどの珍唱はテイチクの愛国行進曲に匹敵。(保)

 
ジャズ・ソング
おしゃれ娘

久保田宵二作詩
服部良一作曲・並編曲

淡谷のり子

28835

★服部の曲で評価が高いが、意外にも個人的にがっかりだったのがこの一枚。
どうやらあまり意識しすぎて何度も聴いていると疲れる曲で、確かにノリにのった
いい曲ではあるが、いろいろと詰め込みすぎ。特にリズムシスターズが親の敵
とばかりに延々と邪魔をするのがどうしても納得いかないが、まぁウケがよい
曲なのである意味カリスマ性はあると思う。

淡谷はブルースよりも、こういったアップテンポの曲だと比較的コミカルな妙味を
醸し出すのでなかなか聴ける物もあるが、ブルース物は工夫が無く別に淡谷が
歌わずとも二葉あき子の方がかえって良かったりする場合もあるようだ。(保)

 
童謡
オ人形ダイナ

藤浦 洸作詩
仁木他喜雄編曲

マーガレット・ユキ

29071

★ちょっと趣向をかえて子供の歌を。
吉本系の子供タップダンサーだという程度しか判明していない彼女だが、
ともかく童謡として子供にジャズを歌わせてタップまで踏ませた録音を発売する
というコロムビアの感覚がニクイ。他にもニラ・ハマダやミミー宮島等、童謡を巧みに
アレンジしてジャズにした物もコロムビアには存在していて、なかなか集めてみると
面白い。

曲はご存知のあの曲だが、編曲が仁木だけにこれまたニクイ。スマートさたっぷり
であるが、シンプルなダイナはテイチクのL・Aキング盤に匹敵する小気味よさがある。

ところでタップのレコードというのはこの時期よく作られたが、今ではこの手の
ジャンルのレコードは皆無に等しいのではないだろうか。メディアの進化もあるが、
タップ自体があまりにスタンダードすぎてしまったのかもしれない。レコードで聴いて
みると意外にもタップもいいものである。(保)

 
ジャズ・アルバム
春のジャズ祭

服部良一編曲

二葉あき子・森山 久
岡本八重子
コロムビア・ナカノ・リズムシスターズ

29232

★敢えて片面を取り上げるのは、片面の中野・淡谷のテイクに採るべき物がないのと
代わってこの面が俄然異彩を放っているからである。

まず、岡本八重子のタップが実に小気味よい・そして森山久(森山直太郎の祖父!)
が歌うマイ・ブルー・ヘブンが傑作。これはたまたま録音に来れなかった歌手の
ピンチヒッターとして吹き込んだのだが、原語で歌う彼の歌唱は甘美でたまらない。

二葉はこれを聞くにいたってやはり上手いと確信する。ジャズ的な歌謡曲も何曲か
入れている二葉だが、もっとその辺りを評価されてもいいのではないかと
再考させられる一枚でもある。(保)

 
       
       
       

Home