| わかりやすいに気をつけろ! | |||
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さて、毎度ややこしいお話を一席。
八、「旦さん、旦さん!」 旦那、「いつも騒々しいやっちゃな。どないしたんや?」 八、「一目、あなたに会いたくて・・・」 旦那、「あほか!いつまでたってもあほが直らん!」 旦那、「ところでお前、うちに奉公して何年になる?」 八、「もうかれこれ1年と23ヶ月」 旦那、「ややこしいやっちゃな。そういうときはな、ちょうど1年半といわんかい!」 八、「旦さん、ちょっと違う・・」 旦那、「やかましい!だいたいお前はな、ものを知らん。ボケーッと日々暮らしとるからあかんのや!」 八、「わてかて日々学問に精出したいのは山々でっけど、どこかのじじいがつまらん用事を言いつけくさる。とても学問どころやおまへん。」 旦那、「口数のへらんやっちゃな。いっぺん首しめたろか!」 八、「無学無知ゆえの無礼じゃ!そう角を立てるでない!」 旦那、「このあほは、誰にいうとるんじゃ!・・まあええ!・・ええか、よう聞けよ。わしはな、何もたいそうな学問をせえとはいうとらん。 例えばや、昨日雨が降ったやろ。どうせお前のこっちゃから、”わー雨や、お使いだけは行きとうない”、 くらいのことしか思わんやろ。」 八、「そんなことおまへん。わてかて、お使いを言いつけられる前に、便所に隠れるくらいの知恵はおまっせ!」 旦那、「お前、そんなことしとったんか。昨日お前に使いを頼もう思て探したけどおらんかった。お前便所に隠れてたな!」 八、「そんなこと、誰から聞かはりました?」 旦那、「今お前が言うたやろ!」 八、「すんまへん。もう2度としまへん。今後このようなことがないように・・・・・」 旦那、「謝るお前が、世の中で1番信用できへん。・・・・わしが言いたかったんは、 ”雨がどんな仕組みで降るんやろか”くらいのことを考えたことがあるか?と言いたかったんや! どこから便所の話になったんや。」 八、「旦さん、それやったら早よう言うとくんなはれ。な〜んや、そんなことでっかいな。」 旦那、「ほ〜う、お前、雨が降る仕組みを知っとるんか。知っとるんやったら言うてみい。」 八、「へえへえ、まず空には雲がおまっしゃろ。」 旦那、「ほうほう。」 八、「雲の上には神様が住んではります。」 旦那、「ん?まあええわ。それで?」 八、「神様の便所も近頃は水洗便所!」 旦那、「汚いやっちゃな!」 八、「水洗になる前は、どんなものが降ってたか!」 旦那、「もうええわ。お前に聞いたんが間違いや。」 八、「そうや!間違いや!」 旦那、「お前が言うな!」 八、「お言葉でっけど、旦さんは知ってはりますのんか?」 旦那、「知ってはりますも、知ってはりませんもあるかいな。ま、大きな事を言うわけやないが、 店がここまで大きくなったんも、いわばわしの博識のおがげやちゅう人はぎょうさんおるやろな。」 八、「えっどこに?」 旦那、「憎たらしいガキやな!ええか、よう聞けよ。雲があるっちゅうとこまではお前の言う通りやが、 雲があったらいっつも雨が降るか?」 八、「へえ いっつも降りま。」 旦那、「せやから、お前はあほやっちゅうねん。脳みそかっぽじってよう聞けよ!お前のおつむの中には、 曇りの日っちゅうもんがないんか!このあほ!」 八、「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 旦那、「おい!何してんねん。」 八、「脳みそかっぽじってまんねん。」 旦那、「あのなあ・・・脳みそかっぽじんのは明日にせえ!雲があっても雨が降らん事もあるっちゅうとるんじゃ!」 八、「旦さん、雲があっても雨が降るとき、降らん時があるのはなんででっか?」 旦那、「ええ質問や!少しかしこなってきよったな。そうや!そういう質問をせなあかん。ほな教えたろ。 雲いうてもいろいろあるんや。薄い雲、厚い雲。それだけやないで。空に浮かんどる塵が雨をつくるんや。」 八、「旦さん、わてが何も知らん思て無茶言うたらあきまへん。今の今まで雨は水や思てましたで。へー塵でっか。 ほな雨が降った後、道に溜まっとるのは、水たまりとちごて塵だまりでっか。」 旦那、「ちょっと誉めたらすぐこれや。雨は水にきまっとる。雲の中に塵があると、小さい水の粒が大きなってきて、 しまいに地面に落ちてきよる。これが雨や。」 八、「さすが旦さん、よう知ってはる。よっ日本一!」 旦那、「お前まじめに聞いとるんか。」 八、「もちろん!ほな雨を降らす雲がよりによって、昨日なんでうちの店の方に来たんでっか。」 旦那、「それは雲の勝手や!と、言いたいとこやけど、それにもわけがある。この世の中にはな、 大きな風の流れがあるんや。その風に乗ってきたんやな。それだけやないで。温い空気と寒い空気が ぶつかったら、ごっつい雲ができるんや。どの辺でぶつかるかによって、雨の降るとこが決まるんや。」 八、「ほな、その大きい風の流れっちゅうのは、なんでできるんでっか。それに温い空気と寒い空気は、なんでできるんでっか。」 旦那、「ええ質問や。お日さんがあたったらよう温もるとこと、あんまり温もらんとこがあるんや。それにや、 地球が回っとるのも大きな風をつくるんや。よう温もった空気は軽い。あんまり温もらん空気は重い。 そんなんも風をつくるんや。」 八、「なんでお日さんがあたったら、よう温もるとこと、あんまり温もらんとことがあるんでっか。」 旦那、「ええーっ、えっええ質問や、ええ質問やでえ。それはええ質問や。」 八、「旦さん、まさか知らんっちゅうことはおまへんな。」 旦那、「知っとる!もちろん知っとる!ええ質問やから、ええ質問と言うたんや。それはやな、 ちょっと気にさわること言うても、熱うなって怒るやつと、冷静なやつがおるやろ。それといっしょや。」 八、「さ〜すが旦さん!よう知ってはる。ほな地球が回ったらなんで風が吹くんでっか。なんで大雨やったり小雨やったり するんでっか。お日さんは何で温いんでっか。なんで毎年梅雨になるんでっか。なんで台風ができるんでっか。 川の水が流れんのはあたりまえでっけど、なんで海に海流があるんでっか。」 旦那、「おーっ、うおーっ、全部、全部、全部ええ質問や!ええ質問やでえ。そらええ質問や。 知ってるでえー。全部知ってるでー。ほんまや、うそやないでー。けっけっけどなお前みたいな、 まだ子供にそんな悪いこと教えたらあかん。ほんまやー。うそやないでー。教えてやりたいけど お前が大人になってからや!ほんまやでー。」 八、「旦さん、なんで教えたら悪いんでっか。」 旦那、「世の中複雑なんや、いろいろと子供にはわからん事情っちゅうもんがあるんや。せやから言うて 誰も教えへんとは言うてへんで。大人になってからや。けっして知らんわけではないで。」 八、「ほな質問を変えまひょか。」 旦那、「いやもう堪忍・・・・・・ということはないで。その・・・あれや・・世間ではよう言うやろ。その・・そうそう、 過ぎたるは及ばざるがごとしっちゅうやっちゃ!・・ああそれや!もうええ、もうええ。」 八、「旦さん、目から雨が降ってまっせ!」 お後がよろしいようで。
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