分析心理学

フロイトの精神分析に対して、ユングは自分の心理学をそう呼んだ。
フロイトと並んで、有名なユング。
もともと、フロイトの精神分析学会に所属していたことは、知る人ぞ知るお話。
精神分析に納得いかなかったユングは、独自の心理学をうち立てるべく、ずいぶん苦労したそうな。
ユングが精神分析を離れて、まず、とてもわかりやすい類型論を発表しました。
類型論とは、性格診断のようなものです。
つまり、あんなタイプ、こんなタイプという風に性格を区分けする論理!
コンプレックス、外向性、内向性
ユングの心理学を知らなくても、この言葉は知っているというほど、日本ではおなじみの心理学ですね。
現在では、ユングが言った意味とは少し違う意味として、広まっています。
自分の理論とは違う意味となって、それらの言葉が様々な学派の間で使われていくことに対して、ユングはとても不愉快だったそうです。
コンプレックス
正式には「フィーリング・トーンド・コンプレックス(Feeling Toned complex)」
コンプレックスとは「複合体」「組合わさったもの」と言う意味です。
実は、本来「フィーリング・トーンド」の方に大切な意味があるのです。
フィーリングとは、感情のこと、ある感情により意味づけ、または、色づけられた、一連の記憶の集合体と言う意味です。
今では、なにやら、劣等感と同じ意味のように使われておりますが、違うものです。
劣等感による、一連の心のわだかまりは、劣等コンプレックスと言います。
母親に対する感情による一連の強い思いは、ご存じマザーコンプレックス。
コンプレックスという言葉自体は、ユングのオリジナルではありませんが、ユングはこのコンプレックスをとても重要視して、多くの研究を行ったそうです。
ある時は、自身の心理学をコンプレックスの心理学と呼んでいたそうな。
このコンプレックスという概念は、ユング心理学とともに世界に広まったのかもしれません。
外向性、内向性
ユングの初期の理論、類型論で登場した言葉です。
心が自分以外の外的な要因によって、動く性質を外向性、自分の心の内面の影響で動く性質を内向性と呼びました。
ちょいと、わかりにくいな!
少し、極端な例かもしれませんが、
カッコイイ車が走っていたとします。
それを見た外向性の高い人は「そのかっこよさに心が向きます。」
それを見た内向性の高い人は「その車が自分にとってどうなのかに、心が向きます。」
外向性の人は、自分以外の事柄に関心があるので、他人と意見がよく合います。
内向性の人は、自分自身の心に関心があるので、他人とは違った独自の考えを持ちます。
ところが、アメリカで、この外向性、内向性の意味を、
外向性・・明るくて活発
内向性・・おとなしくて陰気
という風に単純な意味合いに解釈されてしまったことで、ユングは大のアメリカ嫌いになったとか!
類型論
先ほどの外向性、内向性に加えて、心の機能をシンプルな4つの機能に分類しました。
思考、感情、直感、感覚
思考型・・考えることが得意で、それを頼りに判断する人
感情型・・感情がゆたかで、悲しいこと、うれしいことという風に判断する人
直感型・・思いつきやひらめきを重視する人
感覚型・・手触り、香りなどの感覚で判断する人

そして、それぞれの人がその4つのうち得意でよく使う機能があるとしました。
それで、次の8つのタイプに分類できます。
外向思考型、内向思考型・・・思考という機能をよく使う人
外向感情型、内向感情型・・・感情という機能をよく使う人
外向直感型、内向直感型・・・直感という機能をよく使う人
外向感覚型、内向感覚型・・・感覚という機能をよく使う人

しかしながら、ユング自身は「人間を分類することは無意味なことであり、類型論は人を知る上での単なる手がかりにすぎない。」と言っております。
無意識
ユングもまた、フロイト同様に無意識というものを重視しました。
ただユングの言う無意識は、フロイトの言うものと、大いに違います。
もともと、この意見の相違が原因で、精神分析学会を去ったと言われています。
ユングは、無意識の中には心の元となる「元型」があると考えました。
生まれながらに、人間として最初から持っている心です。
動物で言うところの本能に相当すると考えるとわかりやすいですね。
そこで、ユングは世界を訪れて回り、文化に左右されない人類共通の特徴を調べて回ったとか。
(日本にも来たらしい。)
人類共通の特徴ならば、文化によって培われたものではなく、生まれながらに人類が備えている特徴に違いない・・と言うわけです。
なるほどね!
そして、無意識には、多数の元型がある。という考えに至りました。
それらは、人類共通の無意識であるとして、特に「集合無意識」と名付けられました。
晩年のユングは、人の直感の不思議さに興味を持ち、超能力の研究をやったとか・・
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