夫婦関係論・第3章
夫婦生活の中の個人
  
多くの夫婦は生活をともにしながら、実は夫と妻は全く違う世界に生きています。
例えば妻が専業主婦の場合、夫が毎日体験する通勤ラッシュを実感できないかもしれません。
夫は食事の洗い物がどれほど腰に負担をかけるかわからないかもしれません。
妻は妻の友達を持ち、夫は夫でつきあいがあります。
互いに生活を一つにしながら、違った生活をしています。
そのことは共働きの夫婦であったとしても同じことですね。
つまり、別々の個人が互いに何かを出し合って、「夫婦」というスタイルを作っているわけです。
ここで、考えてみてほしいのは、「夫婦は互いの生活を互いに本当に知らない!」と言うことなのです。

試しに、夫と妻の生活を入れ替えてみたらどうなるでしょう? もし、共働きの夫婦ならば、夫は妻の勤めている会社へ!
そして、妻は夫の勤めている会社へ!
もちろん、現実には出来ないことですが、想像してみるだけでもわかると思います。
妻が、妻の勤める会社でどのようなことを期待され何をしているのか?
会社に着けばまず何をすればいいのか? 夫が、夫の勤める会社で起こる出来事にどのように対応しているのか?
もし、わかっているなら、互いに代理が勤まるはずですね。
夫が風邪で寝込んだとき、妻が代わりに会社に行っても大して問題ないはずです。
共働きではなく、専業主婦だったとしても同じように入れ替えてみるとわかります。
買い物のノウハウ!献立!など、そこには独自の技術があるのです。
妻も夫も個別に社会への窓口を持っています。
人脈を持っています。
そして、「主婦なんて、遊んでいるようなもんだ。」
「外で好きなことができて、いいわね。」と、互いに相手の暮らしを知っていると錯覚しています。
大切なのは、
「本当に知らない!」ということを知ることですね。
「互いに知らない」ということを知るとは、

「相手が、自分のことを知らなくて当然!」
そして、もう一つ
「自分も相手のことを知らない!」
この2つのことを知ることですね。
  
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