夫婦関係論・第4章
会話に潜む、もめ事の種。その1
  
こんな夫婦の会話があります。

妻「たまには、子供の面倒を見てよ。今日は私出かけたいところがあるんだから!」
夫「・・・・・・」
妻「聞こえてるの!?」
夫「聞こえてるよ。」
妻「いつも私ばっかり、子供の面倒を見て・・・大変なんだから・・・」
夫「俺だって、子供の面倒を見てるだろぉ!こっちは仕事で疲れてるんだ!」
妻「あ〜そう!あ〜そうなの!毎日毎日、掃除して、ご飯作って、ストレスたまってるんだから!
私だって、あなたのように外で伸び伸び仕事したいわよ!」

夫「だったら、働けば良いじゃないかっ!誰も家にいてくれって頼んだ覚えはないぞ!
疲れて家に帰ったら、いつもグチグチとうるさいんだよ。」
妻「私がいつグチグチ言ったのよ!?
あなたは、自分の好きなことばっかりして良いでしょうけど、だいたい私は好きで主婦やってるんじゃないのよ!
私が家にいなければ子供の面倒は誰が見るのよ!あなたが見るの?!」

夫「あ〜見るよ!ついでに掃除でも洗濯でもやってやるよ!毎日、主婦やってりゃいいのなら気楽なもんだっ!」

一度、こんな会話になると、それは永久に続けることも出来ます。
最初は、”出かける間、子供のこと任せたよ”ということでした。
しか〜し、 妻「たまには、子供の面倒を見てよ。今日は私出かけたいところがあるんだから!」
この言葉には、夫に対する積年の恨みがこもっています。
長い間、夫に不満があったことが、夫に対する攻撃となって現れています。
きっと、それなりのことが過去にあったのでしょう。
どちらの言い分が正しいとかではなく、確実にそこには不満があると言うことですね。
そして、夫の沈黙!
子供の面倒を見るか見ないかではなく、この沈黙は攻撃に対する構えです。
そして、戦闘態勢準備OK!
後は戦いあるのみ!
10年でも20年でも戦い続けることが出来ます。
こんな感じで、夫婦の会話の中には多分に攻撃が含まれ、夫婦げんかの引き金を引きます。
それは、かねてより沸々と煮えたぎる不満の噴出のようです。
人は会話の中に含まれる攻撃には敏感です。
「あっ!嫌みな言い方っ!」と、すぐに気がつきます。
そして、話の主旨はどこかに消えてしまって、攻撃が攻撃を呼ぶように、攻撃するために会話を続けます。

こんな会話もあります。

妻「今日、ちょっと出かけるからね。」
夫「どうして?」
妻「ダンス教室の日だから。」
夫「ふ〜ん」
妻「帰りはちょっと遅くなるかも・・」
夫「どうして?」
妻「発表会の打ち合わせもあるし・・」
夫「ふ〜ん」
妻「今日、何か用があったの?」
夫「別に・・」
妻「じゃあ、行って来るけどかまわないでしょ。」
夫「なぜ?」
妻「行っちゃいけないの?」
夫「別に・・」
妻「何が言いたいのよーっ?」
夫「何を怒ってんだ!」

この会話には、表だった攻撃はありません。
でも、暗黙のうちの反対があります。
夫「どうして?」という言葉には、素朴な疑問であることの他に、「どうしてそうなるんだ!」という不満が感じられます。
それに、いちいち理由を問いただされるとイライラしますね。
例えば、
a「今日はいい天気ですね。」
b「どうしてそんなこと言うの?」
a「・・・・・・」
b「なぜ、黙ってるの?」
どうして?どうして?なぜ?なぜ?
何か言うたびに、このように問いただされると、説明しきれないですよね。
さらに、「別に・・」とか「ふ〜ん」とかの、煮え切らない返事!
「何か文句あるか!!」
と、喧嘩を売りたくなってきます。
ここにも不満が現れています。
夫は妻が出かけることに不満を持っています。
しかし、それを表現していないつもりになっています。
しか〜し、充分表面に現れています。
でも、それを表に出していないつもりなので、”妻が怒り出すのはおかしい”と思うのです。

このように、どんな話題でも、何を言おうとも、その中に不満を込めることが出来るのです。
人間はとても器用に様々なやり方で不満を表現できます。
そして、それらは不満を解決しようとする努力です。
でも、そのやり方に問題がありそうですね。
  
夫婦関係論目次
Theme夫婦
心の話サイコロTown!