去就 〜ミレニアムストーブリーグ閉幕の祝辞に代えて〜
(01/02/21)
作・つめきり
早いもので、今シーズンの開幕も約1ヵ月後となりました。
裏を返せば2000年度のストーブリーグも総括となる時期とも言えるでしょう。
川崎・新庄・イチロー等移籍関係も一応のカタもつき、ファンの間でそれらも既に語り尽くされた感もあります。
プロ野球が3度のメシよりも好きなヤキュタリアン(舶来語)にとってはこの時期はいやがおうにも現実世界に引き戻される頃ではないでしょうか?
そんな中、今年度のストーブリーグニュースの中で唯一未だにファンの間で語られる話題といえば、
ローズの去就。
引退宣言、涙の会見、復帰宣言、巨人か中日か、代理人、任意引退、自由契約、キャンプ不参加
詳細は省きますが、このような様々な話題を振り撒いた彼は、どのチームも欲しがる選手であるにもかかわらず現在もその去就は決まっていません。
ローズが移籍を希望する巨人や中日は、様々な問題を抱える彼を獲るリスクを恐れ獲得の意思はないようです。
私自身、最近ネットなどファンの間で交わされる議論を目にする時間があまり無いのですが、そんな限られた情報においては、両球団の意思と同じく「獲得するべきではない」と唱える者、逆に「勝つ為にはリスク覚悟で獲得するべし」と息巻く者。「あれほどの選手をみすみす引退させるには惜しい」とバース引退の二の舞を恐れる者。
主にこのような意見があるようです。
私としてはもちろん「獲るべきではない」と考えます。
というより「獲りようがない」とも言えます。
理由はただ一つ。
ローズが最後に掲げた宣言である「キャンプ不参加」です。
善悪は別として「キャンプ至上主義」がまかり通る日本野球においては主力選手がキャンプに参加しないのは間違い無くチームワークへの大きな障害となるでしょう。
これではファンも納得できないはずです。これを球団は一番恐れます。
あの厚顔無知とも言える巨人ですら獲得を断念しました。
もちろん「優勝を金で買った」というレッテルが予想外に大きかったこともあるでしょうが逆に言えばそれほどプロ野球球団というのはファンの声に神経質なのです。
ましてや巨人と違い「優勝<ファン」が基本である中日を始め他球団が巨人を出し抜くことなどできるはずもありません。
(巨人が「優勝>ファン」というのは「これが昨年だったらローズを獲得していた」と思うからです。巨人の思惑は「今年も間違い無く優勝できる。ファンを逃がしてまで独走する必要は無い」と考えているはずです。)
であるならば、ローズはやはり引退、
いや、しない可能性があると私は見ます。
ここから先の私の意見は、限られた見聞にて得ることはできなかったのですが「ローズ問題」が起こった瞬間に真っ先に考えたことなので恐らくどこかで語られていることかもしれません。
理由は至極簡単です。
ファンの謗りを受けない球団ならばローズ着手は自然と行われるでしょう。
阪神?
いや、確かにローズ獲得を批判するファンが多いとは思いませんが少なくとも野村監督はそこまで能天気にファンをバカにはしていないはずです。
もっと簡単なことです。
それは、「外国人助っ人が外れた球団」です。
ファンとはある部分では現金なもので、主力として期待した外国人が大外れであれば頭の中で夢を見ていた理想を実現させる為には手段を選びません。
選手を作成できる野球ゲームにおいて贔屓球団に何故かゲームバランスを崩す程の能力の高い架空の選手が4番に座ってたりしませんか?
私のパワプロのデータには中日の4番に「松井の2倍長打力のある『井野』という選手」が居たりしますが。
話が逸れましたがそういうことなのです。
ケースが違うかもしれませんが、昨年不思議に思ったこととして広島にロペスが復帰した時、あれほどの選手を以前「年俸が高いから」という理由で他球団に放り出した球団の節操の無さを批判した広島ファンは皆無だったことがあります。
これだけ自重している巨人であれ、例えば仁志やマルティネスがケガをしてシーズンに入ってチームが低迷するようなことがあれば十分ローズの途中入団は考えられます。
シーズン途中入団であればファンに謗られず「キャンプに参加しない」ことも自然と達成されるのです。
もちろんローズを獲得する為には「先立つもの」が大いに必要な訳で、そういった部分で入団を実現させることのできる球団は限られるのでしょうが少なくともあの勇姿をまた拝む可能性は残っていると思われます。
つまり、金があって外国人が外れそうな球団?
え?
中日?
バカモノ!何を言うんだ。あの二人はやってくれるさ!ローズなんかいるか!
何ィ?ティモンズやアンローが練習試合や紅白戦で全く打てない?
それがどうした。あん?
これぞ
フィルダーの再来や!
タイガァマスク
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