脳内麻薬 (99/5/25)作・つめきり 今年のセリーグ6球団の監督は大きく分けて2通りのタイプに別れると考えられる。
まず、脳内麻薬タイプ。これは監督自身が強力な脳内麻薬を持っていてそれを選手に散布するタイプ。 このタイプが監督のチームの利点としては、一つは調子が良い時は他の追従を許さないほど独走することが可能である事。もう一つは飛びぬけてすばらしい「核」となる選手がいなくても選手個々が欠点をカバーし合い比較的バランスのとれたチームになり易い事。 野村阪神はその利点において現在もっとも典型的なチーム作りを行っている。 今年の阪神は確かに強いが、前回優勝時のようなバース、掛布、岡田のような「核」となる選手は一人も居ないと言ってもいいであろう。 しかし、何故か勝ってしまう。バランスが良いのである。 打線では今岡が打てなくても坪井が打つ、坪井が打てなくても新庄が打つ。 投手では先発が崩れても伊藤敦、遠山がきっちりゲームを作る。 こういった状態の時は他のチームが必死に切りかかっても返り討ちに遭う事が多い。 反対に欠点としては、まさに反対で一つは負け始めるととどまる事を知らないほど負け続ける可能性がある、と言う事。 監督が脳内麻薬の噴霧を一手に引き受けている以上、監督一人の麻薬が切れれば自然にチーム全体が禁断症状にかかり坂を転げるように堕落してしまう。 今の星野中日がまさにその状態である、と言えよう。 今のところなんとか自力という貯金を使って5月はなんとか5割前後の成績であるが、ファンから見ればいつ大連敗をしてもおかしくない状況である。 もう一つの欠点は、多少重複してしまうかもしれないが、監督のワンマンチームになりがちである、という事。 監督ワンマンも調子の良い時は問題ないが、一旦監督の麻薬噴霧が途絶え、チーム全体の調子が悪くなってきても選手個々に自浄能力が無い為、いつまでたっても、選手が自信を持ったプレーをすることができないのである。 一方、もう一つのタイプである脳内麻薬促進タイプとは、監督自身はあまり脳内麻薬を選手に散布する事はない。したがって爆発力のあるチームにはなり難い。 しかし、このタイプの監督は選手が個々に持っている脳内麻薬を活性化させる能力に長けているのである。 横浜・権藤監督を例に取ると彼は非常に選手をその気にさせるのが上手い。 選手を信頼する、と言う事をいとも簡単にやってのけるのである。 これは案外難しい事で、能力の高い選手を信頼するのは簡単だが明らかに欠点がある選手を信頼する事はなかなかできない。 しかし、権藤はそれを実践してしまう。その結果、斎藤隆、戸叶、川村、福盛等を育てる事に成功する。今挙げた選手達について欠点を明言できる一般野球ファンも多い事であろう。しかし、そのような選手達で横浜は日本一になってしまったのである。 ただ、このタイプの監督にももちろん欠点はある。 絶対的な「核」がチーム作りに必要不可欠なのである。 それが無いとチームとして一定レベルの強さすら保てない。 昨年までの阪神がまさにそうであったように・・ このタイプのチームは脳内麻薬は監督からは噴霧されない為、選手個々が自分で排出しなくてはならない。 しかし、まだ野球人としては未熟な選手に1年間乗り切るだけの麻薬が出せるはずはない。 そこでそういった選手の麻薬不足を補えるだけの力を持つ「核」となる選手が必要なのである。 今年の横浜がここまで苦戦しているのは「核」となる投手がケガで出場できないから、と断言する。ただし、打線に関してはローズ、鈴木尚という「核」がしっかりしているので問題はない。 問題である投手陣は野村・五十嵐がいかにもイタい。 戦力という意味での二人の欠場ももちろん大きいが、他の投手の麻薬不足を補う事ができる二人である、という部分においてイタいのである。 具体的に言うと、例えば三浦が「オレが負けても野村さんで勝つから」「7回まで踏ん張ればあとは五十嵐さんが」等の力を抜いた考えに繋げることができないのである。力が入っていると麻薬は効きが悪い。 もちろん大魔人・佐々木は超強力な脳内麻薬の持ち主であるが、いかんせん味方がリードしていないと欠場しているのと同じである。 したがって野村・五十嵐が帰ってくるといよいよ横浜の追い上げは十分に予測できる。 ・まとめ 優勝するにはどちらのタイプの監督が適しているだろうか? 筆者が思うにどちらのタイプであれ、優勝するならば結局「核」の選手が必要になってくるだろう。 今まで優勝したチームを考えてもらえば分かると思うが、今の阪神のように際立った「核」の無いチームが優勝した事は無いと思う。 打者で言えばバース、落合、オマリー、古田、投手では斎藤雅、佐々木、郭源治、工藤 などの選手は素晴らしい「核」であった。 ただ、今年の阪神が例えばブロワーズが突如「核」になるような事になればひょっとしたら・・という可能性はもちろんある。 今年の優勝チームという話は置いておいて、チームとしての完成度という事であれば「脳内麻薬促進タイプ」のほうが高い、と考える。 結局「脳内麻薬タイプ」の監督というのは1年毎に極端に言えば監督の気分の乗る年にしか上位を狙えない、というチームになってしまう可能性があるからである。 しかし、「促進タイプ」はいわば選手個々が主体のチームである為全員が調子が悪い、という事はまず無い。そういったチーム作りを権藤が完成させるような事がもしあれば、恐らく以前の西武のような常勝球団になる可能性があるであろう。 以上が野球における脳内麻薬の働きというバカみたいな論文いかがでしたか? ここまで読んだ人、ダルいでしょうに ハハ だまされてやんの(笑) っていうかスマン、文章のデッサン狂ってるわ。 やっぱ無理して2時間で長文を書き上げるもんじゃないね。 いずれ書き直します・・・ 戻る |