モドル
■一分間劇場 遥かなる時空の中で 橘少将と藤姫様


友雅
「ごきげんよう、藤姫。神子殿はおいでかな?」
藤姫
「友雅殿・・・申し訳ありません、神子様は方違えでお留守ですの。」
友雅
「それは残念、それではまた出直すことにしよう。」

――後日

友雅
「神子殿のご機嫌はいかがだろうか。」
藤姫
「今宵は物忌みで、お部屋に篭っていらっしゃいますわ。もうお休みだと思います。」
友雅
「私も運がないね、またの機会にしようか。」

――また後日

友雅
「神子殿は何をされているかな?」
藤姫
「お留守ですわ。」(にっこり)
友雅
「……」

――またまた後日

友雅
「藤姫・・・私は神子殿にお会いしたいのだがね。」
藤姫
「駄目ですわ。お通しできません。」
友雅
「・・・おやおや、一体、私はどうして星視の姫君のご機嫌を損ねるような羽目になってしまったのだろう。」
藤姫
「友雅殿、どうしても神子様にお会いになりたいのですか?」
友雅
「この数日 神子殿をみていないし、藤姫のお許しが貰えれば、是非お会いしたいね。」
藤姫
「…でしたら、燕の子安貝を取ってきていただけませんでしょうか?」
友雅
「え?」
藤姫
「蓬莱の玉の枝でも、火鼠の皮衣でも構いませんことよ。」(にっこり)
友雅
「私を神子殿に会わせる気はありませんね、藤姫。」
藤姫
「ふふふ、ようやくお気づきになりましたのね。そのとーりですわっ!」
友雅
「…こ、これは困った。」
藤姫
「私、友雅殿のことを、鷹通殿よりすべてお聞きしました。星視の一族の一人としてそのような方を神子殿に会わせる訳にはいきません!」
友雅
「…な、な?一体、何のことですか、藤姫。」
藤姫
「ご自分の胸にお聞きあそばせ。それでは、失礼いたします。」

 藤姫、退場

友雅
「…鷹通…私に何か恨みでもあるのかな…?ふふふ。」

 胸に覚えがありすぎる友雅さんは、密かに鷹通さんに復讐を誓うのであった…。

(2002/04/07)

※キリ番から派生した代物。オチがどっかにいっちゃってて見つかりませんね(笑)私が書くと橘少将さんはとことん損な役回りを演じることに…。


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