モドル

■舞台裏の一幕 その1■

アリーナ
「困ったことになったわ。クリフト。」
クリフト
「・・・」
アリーナ
「??どうしたのよ、そんな悲しそうな目をして。」
クリフト
「たった二人でサントハイムを離れて、あてどもなく歩き回った結果、とっぷり日も暮れてしまい、おまけに今自分たちがどこにいるのかも判らない、さらには毒におかされて二人とも体力1、回復しようにも私のMPは空っぽ・・・これが悲しくないわけないでしょう!!」
アリーナ
「まあ、MP0なの?駄目じゃない、そんないい加減なことじゃ!」
クリフト
「・・・いっときますが、姫様。私のMPが空っぽなのは、歩き疲れたからホイミかけろ、というあなたのご命令に従ったからですよ。」
アリーナ
「もう、クリフトったら。男の子がそんな細かいこと覚えてちゃいけないわ。」
クリフト
「・・・・・・はーーーーー、もう、いいです。とにかく、この森から抜け出ることを考えましょう。日も暮れましたから、モンスターもそろそろ出てくるはずです。」
アリーナ
「モンスターですって!大丈夫よ、クリフト!出てきたら私が一撃でやっつけてあげるから!!」
クリフト
「体力1で、ですか?」
アリーナ
「だ、大丈夫よ〜〜、私、素早いもん。」
クリフト
「・・・私は姫様みたいに素早くありませんし、武道の心得もありませんから、瞬殺されてしまいますね。構いませんよ、このクリフト、姫様を守るためなら、見知らぬ土地で果てようとも悔いはありません。どうぞ、私の骸を踏み越えて、姫様は先にお進みください。あ、そうそう、私の墓碑銘には”任務をまっとうできなかった不甲斐ない一神官”とでも刻んでいただければ結構です。」
アリーナ
「・・・あーーーもう!判ったわよ、森の出口か、野宿できそうなとこ、探しましょ。」
クリフト
「野宿・・・ですか。」
アリーナ
「そーよ、この森がどれくらい広いかわかんないし、うろうろ歩き回って疲れるより、朝になってから出口を探したほうが効率がいいじゃない。」
クリフト
「ご尤もなご意見です。が、姫様、野宿は女性の身には少々キツイのではないかと・・・」
アリーナ
「大丈夫よ、クリフトがいるもん!」
クリフト
「え・・・?(思わず、顔を赤らめるクリフト)」
クリフト(そういえば・・・姫様と二人っきりで夜を過ごすなどという事は、初めてかもしれない・・・。
 いつぞやの旅立ちの折もブライ老のオマケ付きで、とてもとてもムーディな雰囲気にはなれなかったが、 だが、心細い状態で夜を過ごす若い二人の男女。幼馴染の柵をなかなか越えられなかっ た二人は、闇の中でお互いの存在を認め合い、そして、若さと激情の導くままに・・・!)

クリフト
「・・・って、姫様!!!勝手にナレーションをつけないで下さい!!!」
アリーナ
「えへへ、ちょっと彩りをつけようと思って・・・」
クリフト
「彩りって・・・一体何を考えて・・・!」
アリーナ
「あ、クリフト!ねえ、あれ、出口じゃない!」
(ぱたぱたと勝手にその方角へと走っていくアリーナ。)
クリフト
「わ、待ってください!姫様、一人で行動してはっ!」
(慌ててそれを追いかけるクリフト)


続く・・・かも。               (2002/01/13)
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