■一分間劇場 エステラさんと嘘
エステラ
「軍曹はね、本当はファレナ女王国の軍人なの。十年前の女王国での建国パーティで、ハルモニアの魔法使いの北京ダックを食べちゃったせいで、呪いをかけられてしまったのね。彼がダックの姿をして、自分がダックだと思っているのはそのためよ。その呪いを解くためには、ドミンゲスの尾羽、リザードの涙、白竜の鱗、蟲の触角を煎じたものを飲ませて、海に放り込まなければならないの。そうすれば、軍曹は本当の姿に戻れるのよ。」
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ナッシュ
「……などということを……。」
デュパ
「……どう考えても嘘くさい話を……。」
フッチ
「あの素直なヒューゴに……。」
フランツ
「なんのつもりかしらないが……。」
ジョー軍曹
「おかしなことを吹き込んでくれたのは……。」
一同
「貴方か!!??」
エステラ
「あら、お揃いで。どうかしたの?」
ナッシュ
「不機嫌になったドミンゲスに八つ当たりされるのは俺なんだよ。」
デュパ
「玉葱攻撃から始まって、挙げ句の果てには頭上から胡椒と金タライがふってきたぞ。リザードクランの民を引き合いに出すのはやめてくれ。」
フッチ
「いくらブライトが大人しいからって、逆鱗に触ったらヒューゴだって無事にはすまないんだぞ。」
フランツ
「ルビは触角がないと、上手く飛べなくなってしまうんだが…。」
ジョー軍曹
「……あんたのせいで、俺は三日三晩死にかけたんだぞ。あんたの楽しみに口を出す気はさらさらないが、ヒューゴに余計なことを言うのだけは勘弁してくれよ……。」
エステラ
「……私……何か言ったのかしら……。」
ジョー軍曹
「……。」
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