モドル

一分間劇場 〜グレンシールとアレン編〜


グレンシールとアレン、連れ立って登場。が、二人とも一言も言葉を発しないまま、一分経過……二分経過……。

アレン
「おい、なにか喋ったらどうだ?」
グレンシール
「お前の方こそ。」

沈黙……また、一分経過……。

アレン
「なんで、なにも言わないんだよ!」
グレンシール
「それは、こっちのセリフだ。」
アレン
「これは、"応援"FAXなんだから、俺たちが応援しないと、話が進まないだろう!」
グレンシール
「なら、おまえがやればいいだろう。私は軍人なんでね。そんな芸当はできん。」
アレン
「……なんだと、もう一回言ってみろ……」
グレンシール
「何度でも言ってやるよ、こんなくだらん仕事は、お前にはお似合いだ。」
アレン
「……!」

かっとなったアレンが、グレンシールに掴みかかろうとしたその時。二人の間にわって入ったのは、苦笑まじりの声。それを耳にした途端、アレンの動きがぴたりと止まった。

??
「ふふ。喧嘩したら、応援にならないよ、二人とも。」
グレンシール・アレン
「!エティン様!!」
エティン
「今日は、修羅場に立っている女の人から、本拠地で一二を争うハンサムの君たちから応援の言葉をっていうのを依頼されているんだから。」

エティンはそこでふと目を伏せて、本拠地の台所も苦しいんだよ、と付け加える。

エティン
「ゴメン、二人に苦労かけて……。」

しおらしく、そう言うのも忘れない。敬愛していたテオ将軍の忘れ形見にここまで言われれば、いくらクールなグレンシールとて心を動かされずにはいられなかった。それに、本拠地一二を争うハンサム、と言われて悪い気のする奴もいないのだ。

エティン
「この紋章に魂を宿す父さんの為にも……この仕事をやりぬいてくれないかな?」

 エティンの手の甲に輝くソウルイーター。その静かな輝きの中に、二人は確かにかつて忠誠を誓った主の姿を見た……ような気がした。

アレン
「エティン様!」
グレンシール
「テオ様の為にも、我ら二人、この任務をやり遂げて見せましょう!」
エティン
「有難う……二人とも。それじゃあ、あとはよろしく頼むよ。」

俄然、はりきりだした二人をよそに、エティンは一人ほくそえむ。

エティン
(……ほんっとにあの二人って単純だよね……ま、似た者同士ってことか……。)


※エティン  エティン・マクドール。幻想水滸伝1の主人公。

(2002/11/09)


※ 再アップ…。最近こればっかり。これは誰に向けて書いたのかは憶えていますが、一体どういう経緯で書いたのか、全く憶えてなかったり。何故にグレアレなのでしょう…??
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