ハルモニアン一分間劇場 その七 ディオスとササライ
ササライ
「ディオス、最近ちょっと不思議に思っていることがあるんだ。」
ディオス
「どうかなさったのですか?」
ササライ
「いや……大したことではないんだけど……このところ、僕が朝、執務室に入るとね……。」
ディオス
「はあ。」
ササライ
「昨日、戸棚から出しておいた書類がみんな元の場所に戻ってるんだよ。」
ディオス
「!……それは元に戻してはいけないものだったのですか?!」
ササライ
「?いや、ただ単に片づけるのが面倒なだけなんだけどね。僕はあまりそういったことが気にならないから。それにしたって、毎日毎日誰が片づけてくれてるのかなと思って。」
ディオス
「…………。」
ササライ
「ディオスは片づけてくれてる人のこと、何か知らないかな?」
ディオス
「………。」
ディオス
(……ここで正直に答えるか否か。どっちが私の出世のためなんだろう……。)
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