■一分間劇場 クラウスとシエラ
シエラ
「クラウス。」
クラウス
「シエラさん?どうかしたのですか?」
シエラ
「今日こそははっきりさせておきたいことがあるぞえ。」
クラウス
「は?」
シエラ
「おんしは、妾のことを、どう思っておるのじゃ!?」
クラウス
「って……ええぇぇぇ?!」
シエラ
「おんしの部屋に入り浸る妾をいやがるそぶりもない。かといって、手を出してくるわけでもない。普通、あんなに非常識なことをすれば、正常な男ならどっちつかずを続けるなんて不可能なはずぞ!それなのに……。」
クラウス
(……シエラさんも、自分がすごいことをしてるっていう意識はあったんだなあ。)
シエラ
「ま、まさか、クラウス……おんし、女に興味がないのか?」
クラウス
「まさか!とんでもない!」
シエラ
「ならば、妾のことをどう思っておるのじゃ?!」
クラウス
「し、シエラさん……もしかして、酔っておられますね?」
シエラ
「ええい、五月蠅い!妾は酔ってはおらぬ!」
じたばたじたばたじたばた。
クラウス
「…………。」
クラウスは黙ってシエラの体を抱き上げた。
シエラ
「……!!」
クラウス
「シエラさん、ベッドをお貸しいたしますから、どうぞ今夜は休んで下さい。」
シエラ
「…………。」
シエラ
「クラウス。」
クラウス
「はい?なんでしょうか。」
シエラ
「妾のことが嫌いなら、そう言ってくれぬか……頼むから。」
クラウス
「………。」
クラウス
「……嫌いなわけが……ないでしょう。」
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