■雁夜 in 蟲蔵 誕生日編
ぞうけん
「誕生日じゃと。呵呵呵々。それはなんともめでたい話ではないか。人生最後の誕生日であろう、盛大に祝わずしてなんとする。」
かりや
「そりゃどうも。でも、祝ってくれる気持ちがあるのなら、形で示してもらえると嬉しいけどな。お父さん。」
ぞうけん
「形でとな。構わぬぞ、かりや。今日は気分がよい、大盤振る舞いじゃ。」
かりや
「は。で、何を贈ってくれるつもりなんだ?」
ぞうけん
「1.刻印蟲。2.わしからの魔力供給。3.遠坂の小倅とその愛妻のらぶらぶ写真。さあ、どれでも好きなものを選ぶがよいて。呵呵呵呵々。」
かりや
「4.アンタの命、ってのはどうだ?それだけ生きたんだ、そろそろ人生飽きてきただろ?」
ぞうけん
「可愛い子供たちの行く末が心配でな。まだまだ安心して目を閉じれんわい。」
かりや
「よくもそんな空々しい台詞が言えたもんだ。思ってもないくせに。」
ぞうけん
「妻に先立たれて酒びたりの長男と、初恋を忘れられずに、ずるずる一人身の次男。もう心配で心配であの世にも旅立てん親心ではないか。」
かりや
「気にかけてくれて有難う、お父さん。でも、俺たちのことはもう心配いらないから、安心してあの世に旅立ってくれ。なんなら手伝ってやろうか?」
ぞうけん
「何を言うか、親不孝者め。まあ、お前の子供の一人や二人、わしに見せてくれたら考えてやってもよいぞ、かりや。もっともタイムリミット的に無理じゃがな。呵呵呵呵呵呵呵々!」
かりや
「孫が見たいなら、しんじとさくらちゃんで十分だろう?俺はアンタの希望通りにはなれないし、出来損ないに期待してないのはわかってる。バレバレの嘘なんてやめとけよ。」
ぞうけん
「?・・・かりや・・・もしやお主・・・?」
かりや
「なんだ?」
ぞうけん
「まさか、お主の真の望みは5.わしからの愛情・・・か?」
かりや
「ど、ど、ど、どこに耳付けてんだ、クソジジイ!!んなもんいるか!!!!」
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