■間桐館の三人組　その壱

かりや
「6月に嫁いだ花嫁は幸せになる、か。はは、思い出すなー、葵さんの結婚式も6月だったっけ。」
かりや
「・・・葵さんのウェディングドレス姿、綺麗だったよなー。俺、あの時写真何枚撮ったかなあ？そうそう、時臣の顔が微妙なところで切れるように撮ってやったんだった、へへん、ざまあみろ。」
かりや
「さくらちゃんも10年たったらお嫁さんに行くんだろうなあ。着物も似合いそうだけど、やっぱりウェディングドレスだよな、うん。純白でレースがこういっぱいついててさあ。」
かりや
「かりやお父さん、今まで育ててくれて有難う、って言ってもらえたら、俺、その場で死んでもいいかも・・・。」
びゃくや
「・・・・・。」
かりや
「何だよ？なんか文句あるのか？いいだろ、本当は叔父だけどその時くらい。」
びゃくや
「いや。それは別に気にしてない。」
かりや
「ふん。・・・あー、でも、お父さん、私やっぱりお嫁になって行きたくない、ずっと間桐にいたい、って言ってもらえたらなー。」
びゃくや
「・・・・・。」
びゃくや
――お前余命一カ月だろ・・・。