マリク
「エルレーン、その格好暑くないかい?」
エルレーン
「別に暑くない。カダインで十年以上暮らせばある程度は暑さにも慣れるからな。」
マリク
「だけど、今年はカダイン始まって以来の猛暑熱夏で、ウェンデル様が暑さよけのブリザーの使用を許可されたくらいなんだよ?」
エルレーン
「……。」
マリク
「でもね、許可されたとはいえ、ウェンデル様はブリザーに頼ることには賛成じゃないと思うんだよね。だから、エルレーンがそんなに暑そうな格好をして周りの不快指数をあげてると、自然みんなのブリザー使用率が上がるだろ?それってウェンデル様にはあまり嬉しくないんじゃないかなと思うんだけどな。」
エルレーン
「……わかったよ。髪の毛をくくるとか、上着の布を夏用にするとか…やっとけばいいんだろ?」
マリク
「…それだとあんまり今と変わらないよ…もっと思いきらなくっちゃ。」
エルレーン
「…………まさかとは思うけど、お前と同じように半ズボン、髪の毛ショートにしろ…っていうんじゃないだろうな?」
マリク
「え?駄目なの?」
エルレーン
「………。」
マリク
「ウェンデル様も昔は半ズボンだったんだよ。だから、エルレーンもそうしなよ。似合うよ、きっと。」
エルレーン
「……………ブリザー。」
かちん。
エルレーン
「夏中そこで凍ってろ、馬鹿マリク。」
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