■イリアの手紙

たいちょーへ。

あ、じゃなくて、ディークさんへ。


えーっと、えーっと、シャニーです。
ディークさん、こんにちは。
あれ?おはよう?それともこんばんはかな?
まいいや。

いきなりこんな手紙がやってきて
ディークさん、吃驚しました?
それとももう忘れられちゃってるのかな?

イリアの人間は、生きている間に
伝えたいことがある相手に
手紙を書いておくんです。で、
死んだらイリアの天馬騎士がその手紙を
宛先に持っていってくれるんです。

そう、今、ディークさんが読んでいるのがその手紙。
えへへ、ディークさん、あたし、死んじゃったみたい。

死んじゃう前に、どうしても
ディークさんに言わなきゃならないことがあったから、
だからこうして今手紙を書いてます。

ごめんなさい。ディークさんがロットさんとチェスしてた
ときに、武器をひっくりかえして逃げちゃったの
あたしなの。
二人ともすごく驚いていたから、なんだか言い出せなくて。
本当にごめんなさい。
それと…実はもう一つあったりして。
ワードさんの斧を落っことしたのもあたしです。
あと、イツラの町で食事の味付け失敗したのも
あたし。
ごめんなさい。


あー、言わなきゃいけないことを言って
すっきりした。死んでから謝るなんて
卑怯かな?

実はもう一つだけ。一番言いたいことがあります。


あたし、ディークさんたちと一緒に戦えて
よかったと思ってます。
とても幸せだと思ってます。
この思いは、きっとイリアへ戻って、
ほかの戦場へとでたとしても
きっと変わらないと思います。
だから、だからね、ディークさん。

本当に、ありがとう。

 

●FE封印の剣のイリアキャラ同盟サイト「冬将軍-イリア同盟-」の企画への投稿作品です。
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(2002/10/12)