■一分間劇場〜シーザーとトーマス
新年を迎えたビュッデヒュッケの大広間で、城主トーマスがなにやら準備をしている。彼の周りには大量の衣類、どうやらそれを整理しているようだ。
シーザー
「?トーマス、何してるんだ?」
トーマス
「あ、シーザーさん。あけましておめでとうございます。」
シーザー
「あ、ああ。おめでとう。…で、それ、何?」
トーマスの手の中の小さな布地は、シーザーの見間違いでなければどうみても下着だ。
トーマス
「これですか?これは…」
トーマスはシーザーの目の前にトランクスを掲げ、
トーマス
「下着です。」
何故だか、妙に嬉しそうにそう言う。
シーザー
「…いや…それはみれば判るけど…。」
トーマス
「僕の生まれ故郷には、新年に新しい下着をはく習慣があるんです。一日遅れちゃいましたけど、みなさんに配ろうと思って。」
これがシーザーさんの分ですから、と差し出された下着を受け取るシーザーには乾いた笑顔が浮かんでいる。
シーザー
「あ、ありがとう…。」
トーマス
「いえ、どういたしまして。あ、そうだ。今からヒューゴさんのところに新年の挨拶に行かれるんでしょう?だったら、一つお願いしてもいいでしょうか?」
シーザー
「?ああ、何?」
トーマスは下着をもう一つ、シーザーに差し出し
トーマス
「これ、ヒューゴさんの分です。ついでに渡しておいてもらえますか?」
シーザー
「…いいよ……?…っと、トーマス、ヒューゴはこのタイプの下着はつけてなかったから、別のに変えてもらっていいかな?」
トーマス
「あ…そうなんですか……シーザーさん、よくご存じですねえ。」
シーザー
「う…い、いや…あ、ほら…そ、そうだ、俺って軍師だからさ!」
トーマス
「なるほど。」
シーザー
「…………。」(ばれたかも…と考えている。)
トーマス
「………。」(軍師って何でも知ってるんだ…と考えている。)
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