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Borland C++ Compiler 5.5日本語版を簡単に使うための資料
言語の入門に最適なBorland C++ Compiler のインストールから環境設定、サンプルコードのコンパイルまでの流れを順を追って紹介しています。
Borland C++ Compiler 5.5とは

まず、Borland C++ Compiler 5.5とは何か?その位置づけは?について話します。

Borland C++ Compiler 5.5はINPRISEが2000年3月9日から配布を行っている、フリーのコマンドラインツール群です。Borland C++ Compiler 5.5 無償ダウンロードサービスからダウンロードでき、サイズは8MBほどです。

ダウンロードして得られるツールは下記となります。 専用のエディタ・デバッガなどは付属しません。
・C++コンパイラ
・リソースコンパイラ/バインダー
・C++プリプロセッサ
・ANSI/OEM文字セット変換ユーティリティ
・DLLの情報を提供する定義ファイルを作成するユーティリティ
・インポートライブラリを作成するためのユーティリティ
・EXE、OBJ、LIBファイルなどを解析できるダンプユーティリティ
・ライブラリの作成や修正を行うためのライブラリアン

コマンドラインツールということでソースの編集は自前のエディタで行うことになりますし、デバッガが無いと言うことから大規模な開発には向いていないように思われます。INPRISEの方もコマンドラインツールのユーザーがC++ Builderに移行することをねらっての無料リリースでしょう(個人的見解です・・)。が、C++の学習には十分使えますので、紹介しておきます。

Borland C++ Compiler 5.5の導入

それではCompilerでWindowsアプリケーションが作成できるまでのインストール・設定について解説していきます。

まずBorland C++ Compiler 5.5 無償ダウンロードサービスからダウンロードしてきた自動解凍型のEXEを実行してください。自動に解凍されインストールウィザードが開始されます。コマンドラインから使用することを想定してなるべく簡潔で覚えやすいフォルダにインストールすることをおすすめします。

インストールしたフォルダは、以下のようなフォルダ構成になっています。

 <インストールフォルダ>
     ├ Bin          ・・・コマンドラインツール
     ├ Examples
     │   └ StdLib  ・・・STLの利用例
     ├ Help         ・・・ヘルプ
     ├ Include      ・・・ヘッダファイル群
     │   ├ Rw      ・・・ヘッダファイル群
     │   └ Sys     ・・・ヘッダファイル群
     └ Lib          ・・・LIBファイル群
          └ PSDK    ・・・Windows用の開発ライブラリ

以降インストールフォルダはD:\BCCと仮定して解説を進めていきます。各自がインストールしたフォルダ名に置き換えて読み進めてください。

まずD:\bcc\Help\bcb5tool.hlpというファイルの存在を覚えておいてください。このファイルには有益な情報が詰まっています。とりあえず、困ったことがあれば、このヘルプファイルを見る習慣を付けましょう。

では、早速、環境の設定に移ります。D:\bcc\bin\にbcc32.cfgというテキストファイルを作成し、以下のように入力し保存してください。

 -ID:\bcc\Include
-LD:\bcc\Lib

このファイルはbcc32.exeの検索パスを設定するためのものです。まず1行目の-ID:\bcc\Includeという部分ですが-Iは次に続くディレクトリを検索パスに指定するというスイッチです。複数指定する場合は以下のようにします。

-IC:\abc;C:\def;C:\ghi

これでC:\abcとC:\defとC:\ghiが検索パスに設定されます。パス名にスペースなどを含む場合は""で囲んでください。

続く-Lスイッチも同様に設定できます。これはライブラリファイルの検索パスの指定です。

ここではデフォルトのD:\bcc\IncludeをインクルードパスにD:\bcc\Libをライブラリパスに指定しています。

次は検索パスの設定です。Windows95/98系ではautoexec.batなどでbcc32.exeのあるパス(筆者環境ではD:\bcc\bin)を検索パスに登録しておく必要があります。WindowsNT系では検索パスの設定ツールで設定する必要があります。

以下にautoexec.batの設定例を挙げておきます。autoexec.batをメモ帳で開いて最後の行に追加してください。

 path D:\bcc\bin;%PATH%
簡単な使い方

これまでの設定でBorland C++ Compiler 5.5は動くようになっているはずです。使い方を覚えながらあとは実際に動くかどうかをチェックしてみましょう。

まず、新規に作成するプログラムのためにフォルダを作成しましょう(筆書はD:\test1としました)。

#include <stdio.h>

int main(void)
{
    printf("This is a pen.");
    getchar();
}

コマンドプロンプトを起動しカレントフォルダをD:\test1に移動して

bcc32 test1.cpp

と入力してください。これはtest1.cppをコンパイルしてEXEを作るというコマンドです。問題がなければtest1.exeという名前で実行ファイルが作成されます。このファイルを実行するとThis is a pen.と表示されます。

次にWindows用のソフトを作ってみます。

test1の場合と同様にtest2のフォルダを作成します。

#include <stdio.h>
#include <windows.h>

int WINAPI WinMain(HINSTANCE,HINSTANCE,LPSTR,int)
{

    MessageBox(NULL,"これはペンです。","test2.exe",MB_OK);

    return 0;
}

というファイルをD:\test2\test2.cppというなで保存したとします。

再びコマンドプロンプトに戻りD:\test2にカレントフォルダを移動します。その後以下のようなコマンドを実行します。

bcc32 -tW test2.cpp

ここで-tWというスイッチがあります。これはWindowsモードで処理を行うとです。コンパイルが完了するとtest2.exeという実行ファイルが生成されます。

実行するとこれはペンです。というメッセージボックスが表示されます。

以上でBorland C++ Compiler 5.5の基本的な使い方を修得できたと思います。

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