ジツコ・スセディック

  子供の能力は親が作っている

「瞑想と退行催眠」 第32号       2005年1月13日発行

  ◆◆◆ 1、今回のトピックス  
        「親の愛情と子供の能力」 ◆◆◆
                 http://www.radiance.gr.jp/mm/mm32.htm

催眠療法をしていると、子供の能力は親が作っていると痛感します。子供の能力に親が大きく関与しているという事実は誰もが認めることですが、これまでに、その能力を発揮させる具体的な方法とその成果を紹介している情報はありませんでした。
  子育ての成果というのは、「万事塞翁が馬」の話のように結果が非常に分かり難いので、親も努力が長続きし難いものです。いろんな話を聞いても、みのもんたのTV番組の類を見たときの反応と同じになってしまいます。
  また、単に、受験戦争をあおるような情報だと、今の韓国のように、教育にお金がかかるので、子供は一人しか産めないになってしまいます。

 ラディアンスの催眠療法時に、
「子供の体は、衣食住を整えれば成長し、衣食住の過不足は子供の時に分かる。」
「子供の心は、両親の愛情によって育ち、愛情の過不足は大人にならないと分からない。」
と説明しています。

私は日頃、適切な愛情を子供にかけることの動機付けをどうにかしたいと思っていましたが、それをしてくれる本を紹介しましょうこの本を読んだとき、「私ももう一人子供が欲しい」と思ってしまいました。

 「胎児はみんな天才だ」最新の胎内教育−”子宮対話”の驚異 ジツコ・スセディック著 (詳伝社)です。

この著者は、アメリカ在住の日本人の女性です。この本は1986年に出版されています。ソニーの創立者の故・井深大 翁も会いに行ったと井深翁の著書「胎児から」(徳間文庫)に書いてあります。また、2001年には、著者は異なりますが、6500人の実践者を追跡調査した「やっぱり胎児は天才だ」という本も出されています。

 今回は、「胎児はみんな天才だ」から抜粋してみましょう。

 先ず、この本の内容は、「平凡な両親から生まれた四姉妹すべてが、IQ160以上の天才。その秘密は遺伝ではなく、愛に満ちた”胎内教育”にあった。”子宮対話”など、驚くべき実践胎教のノウハウをここに公開」と本の裏側に書いてあります。
  IQ160と聞くと、天才を作るためのものかと勘違いしますが、実は「愛に満ちた」というのが重要なんですね。子供への愛情と、子供の幸福を願う心が大切なのだそうです。本の中にも「私達の”胎内教育”をマスターする秘訣は”愛情と忍耐”だということです」と付け加えてあります。


 【愛情をかけるとIQがあがる】

 アメリカは学校の飛び級制度があるそうですが、ジツコさんの
長女のスーザンさんは16歳でイリノイ大学大学院の医学部の2年生。年齢的には高一なのに大学院生です。
次女のステーシーさんは、13歳でマンダレイン大学1年生。中一の年齢で、大学生。
三女のステファニーさんは、11歳でジョングレン高校3年。小5の年齢で、高3。
四女のジョアンナさんは、9歳でマスキンガム中学3年。小3の年齢で中3。
  スーザンさん曰く「私は、もちろんすべてのクラスメートより年下だったけど、彼らと一緒に学ぶことに特に抵抗は感じなかったわ」
だそうです。
また、ジツコさん曰く「日本の子供達が受験戦争に巻き込まれ、学校で家庭で、あるいは塾や予備校で毎日遊ぶ時間もないほど鍛えられているという話を良く耳にしますが、私達家族には、そのような状況は想像だにできません。・・趣味や遊びに興じる時間もたっぷり持っています。」 余裕を持って勉強や日常生活を送っているようですね。
  更に、奨学金や特別奨学金としての生活費ももらっているそうです。親孝行までしてもらってます。

 普通の家庭では、学校に行ってからの我が子の尻をたたき「勉強しろ」でしょ。そして、学校教育の腐敗にも頭を悩ませています。学校ってのは我々にとってかなりの負担です。経済的な理由で進学を断念したという話も聞きます。
  胎児の頃に十分な愛情をかけてあげることにより、大学卒業までの苦労が、楽しみに変わるのです。勉強がうまくいかず非行に走り、一生を台無しにしてしまった話は、いくらでも聞きますよね。ほんの短い胎児の頃の面倒をしっかり見てあげることにより、我が子の一生が変わるのです。


 【胎内教育は夫婦で協力して】

胎内教育の主体は母親ですが、父親の役割も重要です。父親は妊娠中の奥さんの心のケアと胎児への語りかけをします。
  朝起きたら、奥さんに「おはよう」キスをして、胎児にも挨拶。今日一日夫婦がどんなことをするか話し合って、出勤の時は、奥さんにキスをして胎児にも声をかける。
  仕事から帰ってきたら、奥さんにキスをして、胎児にも挨拶。残業などしていられません。そして、奥さんのお腹のそばで、胎児に聞こえるように優しく暖かい口調で、社会や科学の話をしてあげるのです。奥さんもその話に耳を傾けます。
  寝るときは、奥さんへのキスと、胎児への「おやすみ」の抱擁です。胎内教育は夫婦仲も良くしてくれますね。
  ラディアンスにいらした方に、聞いてみました。「出勤の時の抱擁とキスってしてますか?」答えは、「新婚時の一ヶ月間位はね」が殆どです。
  

 【夫婦で計画的に受胎を待ち望む】

 「酔った勢いで事に望んで、できちゃったよ」と言う話を聞きます。自分が酔っているときは、精子も酔って性能低下しているんだそうです。アルコールの精子への影響をなくすには24時間かかるんだそうです。基礎体温を測りながら、この日から、この日の間。心身共に清くして、よーし創るぞーって、夫婦で確認しながら受胎を期待するって、感動ですよね。


 【夫婦仲良くなろう】

 イギリスのグラスゴー大学のストット博士の報告によると、1300人の子供とその家族を対象に行った調査では、「互いにいたわり合う良い関係にある夫婦に比べ、いつも喧嘩ばかりしてしっくりいかない夫婦からは、精神的および肉体的に障害がある子供が生まれる危険率は約2.5倍になる。」そして、「この比率は、胎児に悪影響を及ぼす他の原因−−例えば妊娠中の病気や喫煙、仕事上の過労などによる危険率よりも大きい」
という驚くべき結果です。
  また、イギリスの産科学会の研究でも、「母親の高血圧症が胎児に与える影響を1とすると、夫婦の仲が悪くて喧嘩ばかりしているような状態は6になる」と言う報告もあるそうです。
  

【母の心の影響】

 猿を使い、次のような実験をした人がいたのだそうです。
  母ザルの血圧や子宮内圧と、その猿のお腹の胎児の心臓の拍動や血圧を記録しながら、刺激を与え、母ザルのストレスが胎児にどうの程度影響するかを調べました。
  母ザルにリンゴを見せて与えるふりをして、ぱっと隠す。これを何度か続けて繰り返すと、母ザルはわずかながらも、欲求不満が嵩じてきます。しかし、胎児の血圧や脈拍は大きく下がってしまうのだそうです。
  母親が怒ったり、イライラしたり悲しんだりすると、それによって、分泌されたホルモン等は、胎盤を通じて胎児へ流れ込み、母親と同じような精神状態になると言う理論があるのだそうです。
  母親は体が大きいので影響は小さくても、胎児は体が小さいので大きな影響を受けてしまうのです。 

 一つの卵子と一つの精子が結合して、それが急速に細胞分裂を繰り返していく。顕微鏡を使わないと見えない細胞から、心身共に人間の赤ちゃんに成長していくわけですから、一番重要なときですよね。


【胎内教育の概要】

 「妊娠中の母親が見たり聞いたり考えたりすることは、母親の声や身体的変化や精神のありようによって胎児に伝わり、それを受けた胎児は知的な能力、その素質を備えていく」のだそうです。

 そこで、胎児との対話をします。母親が登場人物となって、見たもの感じたことを、母親の五感すべてを使ってお腹の赤ちゃんに伝えます。

 文章を読むような書き言葉でなくて、母親の話し言葉で伝えます。子供はお腹の中にいて、見たり触ったりできないので、内容を視覚的、感覚的にとらえて、子供に話しかけるように伝えます。但し赤ちゃん言葉は使わずに伝えます。
  父親も早めに帰ってきて、父親の方が得意な分野を伝えます。いつも子供は母親の声ばかりを聞いているので、父親の声を聞くことにより、脳がより刺激されます。胎内でもお父さんの声を聞いているので、出産後、お父さんに抱かれると泣いちゃうことを軽減できます。

 妊娠前期には、胎児は大脳がどんどん成長し、妊娠後期には音をしっかり感じ取れるようになるのだそうです。

 胎内教育には、かなりの時間を割かれますが、親が感覚と思考を活発に働かせることが、赤ちゃんにも大きな影響を及ぼします。両親がものに無感動であれば、赤ちゃんも無感動で向上心に欠ける子供になります。

 音楽は、激しいロックやジャズ、愁いを含んだブルースや鎮魂歌ではなく、心休まるクラシックで、歌う歌は童謡が良いそうです。目の前に赤ちゃんが聞いていると想定すると理解できます。
  読んであげる本も、勇気や希望や幸福や愛情を伝えるものが良く、暴力や戦いなど恐怖心を抱く内容が含まれているものは避けるべきだそうです。

●妊娠前期
  ・朝食の前後に音楽を聴く。
  ・部屋の掃除をしながら歌を歌う
  ・昼食前 創作物語や絵本を読んで聞かせる (2時間程度の子宮対話)
  ・昼食後の昼寝
  ・編み物や手作業をしながらの子宮対話
  ・散歩やショッピングをしながら、自然科学の学習
  ・夕食の準備をしながら音楽を聴く
  ・夫婦の語らい
  ・夫による社会・科学の子宮対話

●妊娠後期
  ・朝食前後に音楽を聴く
  ・洗面所やキッチンでの行動や、食事の内容について話す。
  ・部屋の掃除をしながら、歌を歌う。
  ・文字の綴りや読み方、単語の学習をカードを使って行う。
  ・創作物語や絵本を読んで聞かせる
  ・昼食後の昼寝
  ・数字と足し算、引き算、図形の学習
  ・散歩やショッピングをしながら自然科学の学習
  ・夕食の準備をしながら、音楽を聴く
  ・夫婦の語らい
  ・夫による社会・科学の子宮対話

 ●出産後
  ・目の前にいる赤ちゃんに上記と同じ事を繰り返す。

 既に兄姉がいるときは、そばで見ている兄や姉たちに、「愛情」の尊さを教えます。母親がお腹の赤ちゃんのためにどれほどの時間と労力を費やしているかを知ることによって、兄姉達は自分のなすべき事を理解します。そして、兄姉達に「あなたがお腹にいるときに、パパもママもこうして、あなたにいろんなお話をしたり、歌を歌ってあげたのよ」と諭すことによって、良くありがちな弟や妹への嫉妬は愛となって育っていくのだそうです。


 如何でしたか?

龍村仁のガイアシンフォニーという映画の中で、たった一粒のごく普通のトマトの種から、バイオテクノロジーも特殊肥料も一切使わず、一万三千個も実のなるトマトの巨木を作ってしまったと言うシーンを思い出す方もいるでしょう。
  トマトだけでなく人間も、この世の全ての存在は、両親の深い愛情を感じ取り、自分が全く不安のないところにいるのを知ると、持てる力を存分に発揮できるものなのです。

 残念ながら、我々は、まだ多くの力に気付かないでいます。気付かなくても平温に暮らせているのなら良いのですが、気付かないがために、マスコミが多くの暗いニュースを報道しています。この機会に、自分の中の秘めた力を目覚めさせて下さい。

 愛情が全ての鍵です。催眠療法で、これまで自分がどのように力を制限してしまっているのかに気付き、瞑想セミナーでその力を覚醒して下さい。

 あなたのために、あなたのパートナーのために、お子さんのために、そして、宇宙のために。



「瞑想と退行催眠」 第33号    2005年4月14日発行

  ◆◆◆ 1、今回のトピックス    「親の愛情と子供の能力−2」 ◆◆◆
           http://www.radiance.gr.jp/mm/mm33.htm

 前回の「胎児はみんな天才だ」 ジツコ・スセディック著の話は、如何だったでしょうか。このメールマガジンを見て、写真週刊誌フラッシュの記者の方々がインタビューに来てくれました。

 今回は、その続きです。「ジツコさんの話、それは凄いんだけど、ジツコさんの家の特別な話でしょう、私には無関係」と言う方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今回は、ジツコさんの本の監修をした日本潜在脳開発事業団と言うところが、6500人の実践者のアンケートからまとめた本が出ていましたので、それを紹介しましょう。
  もう、子供は大きくなってしまったと言う方は、あなたと、あなたの子育ての様子を振り返りながら読んでください。現在のあなたの様々な悩みの解決の参考となるでしょう。

 本の題名は前号でも紹介しましたが、「やっぱり胎児は天才だ」− 伸びる伸びないは10ヶ月で決まる 千国宏文 監修 です。
  ジツコさんの本が出たのは、1986年。それから15年後の2001年に出版されています。
  まだ、この本には、実践者のIQについては触れられていません。日本潜在脳開発事業団に問い合わせてみたところ、この本は、この事業団販売の教材の使用者へのアンケート結果から書いたと言っていました。教材使用者が感想を送るのは生後数年のうちですから、まだ、IQを計っていない時期です。そこで、IQのデーターが出にくいのだと思います。
  また、IQを計るのは、就学時が一番多いので、教材使用者が、就学まで至っていないのではと思われます。人情としては、この本には、IQまで、きちんと発表して欲しかったですよね。今後の調査発表を期待するところです。

 しかしながら、様々な興味深いデーターがありました。
1,赤ちゃんが喃語(ウックンとかという言葉)を発するのは、通常は平均的に生後5ヶ月なのですが、このプログラムを実践した赤ちゃんは、生後3ヶ月以前に集中しています。
2,片言で話し始めるのは、通常は生後10ヶ月くらいなのですが、実践した赤ちゃんは、生後6ヶ月くらいに話し始めている子が多くなっています。
3,特筆すべきは、夜泣きする事があまりなかったという赤ちゃんが8割なんだそうです。通常の赤ちゃんは、よく夜泣きをするのだそうですが、それに悩まされないというのは、その子や親にとっては、かなりの朗報です。私にも子供がいますが、この胎教を知らなかったので、夜泣きには悩まされたものです。この3点。これはかなり、驚異的なことです。他にも多くの例が載っています。


 ジツコさんの本では、この胎教に使う教材は、自分で作ると書いてあるのですが、分量が多く、かなり大変です。日本潜在脳開発事業団に問い合わせてみたところ、税込み144900円で、専用の教材が手に入るそうです。
  金額的には高いですが、これで、我が子が「愛に満ちた天才」になると思えば、かなり安い金額です。更に、大きくなってからの教育費を想定すると、お金の価値ある使い道です。

 かつて、日本潜在脳開発事業団のホームページがありました。ここに、胎児教育システムキット内容が紹介されています。これから、子供を設ける機会のある方は、是非是非試してみてください。


 ジツコさんの本、そして、今回の本を、読んでみると、胎教成功の秘訣は、夫婦間の愛情と、夫婦の子供への愛情です。「愛情」というと、いろいろと、揶揄される方もいらっしゃいますが、我々が求める究極です。

 前回も紹介しましたが、ジツコさんの本に書いてあるように、「互いにいたわり合う良い関係にある夫婦に比べ、いつも喧嘩ばかりしてしっくりいかない夫婦からは、精神的および肉体的に障害がある子供が生まれる危険率は約2.5倍になる。この比率は、胎児に悪影響を及ぼす他の原因−−例えば妊娠中の病気や喫煙、仕事上の過労−−などによる危険率よりも大きい」なんですが、夫婦仲を良くしようと努力してもそう簡単にはいかないのが現実です。

 そうなのです、一番重要なこととは、大きな愛の表現なんですね。催眠療法をしていると、この世の中には、愛情不足の人達だらけだと言うことがはっきり分かります。そして、その愛情不足を補う方法が、催眠と瞑想なのです。ジツコさんのお子さんが、この本の実践者の誰よりも大成功した理由は、この愛情なのです。

 ジツコさんと旦那さんとの年齢差は23歳、親子ほどの年齢差です。包容力の大きな、とっても優しい旦那さんである事が、本の随所からうかがえます。旦那さんの大きな愛がジツコさんを包み込み、旦那さんとジツコさんの大きな愛が子供を包み込んだのです。


 さあ、この「やっぱり胎児は天才だ」から、抜粋してみましょう。下記文章は、催眠療法で幼児期を探っていくと、同様の結論を得られます。とても、納得のいく内容です。


【心待ちにすれば、健康な子が生まれる】
   
  ザルツブルグ大学のゲルハルト・ロットマン博士が行なった調査も、「出産を楽しみにしている女性は、健康な子どもに恵まれる」ということを示しています。ロットマン博士は、411名の妊婦に対して心理テストを行ない、彼女たちを四つの精神的カテゴリーに分類しました。

 一つ目は「理想的な母親」と名付けられたグループです。
  ここに属する母親は、いずれも子どもの誕生を心待ちにしています。「理想的な母親」には安産が多く、ほとんどが肉体的、精神的に健康な赤ちゃんを産んでいます。愛情という「防護壁」に守られた胎児はストレスがかかっても心身ともに健康に育ちます。

 二つ目は「破滅的な母親」と名付けられたグループ。
  これは自分の妊娠に対して否定的な態度を示している母親で、ここに属する母親には早産が多く、四つのグループのうち最も高い確率で低体重児や精神が不安定な子どもを産んでいます。

 三つ目は「二面的な価値の母親」。
  夫や家族、友人など、周りの人たちはすべて彼女が母親になることを喜んでいて、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていますが、無意識のうちに子どもを産むことを拒否している母親です。このグループに属している母親からは、行動や胃腸に問題のある子どもが多く生まれています。

 そして、四つ目は「冷淡な母親」。
  ここに属する母親は、「仕事に就いている」「経済上の問題を抱えている」「母親になる心構えができていない」などの理由で出産に対して否定的です。しかし、無意識のうちに子どもを待ち望んでいます。このグループからは、無気力で、感受性の乏しい子どもが多く生まれています。

 「二面的な価値の母親」や「冷淡な母親」が問題のある子どもを産む可能性が高いのはなぜなのでしょうか。
  それは、母親が矛盾した二つのメッセージを送っているからです。あるときには「早く生まれてきてね」というメッセージが届き、あるときには「あなたの誕生は望んでいない」というメッセージが届くために、胎児が混乱してしまうのです。

 「二面的な価値観の母親」から胃腸に問題のある子どもが生まれるのは、そうした混乱によって自律神経系の発育がうまくいかないからです。行動に問題のある子どもか生まれるのは、矛盾した二つのメッセージを受けつづけた結果、二面的な性格になってしまうからです。

 「冷淡な母親」から無気力で感受性の乏しい子どもが多く生まれる理由もこれと同じですが、混乱の度合いはより大きいと推測されています。あまりにも激しく混乱するために、思考回路の機能が停止してしまい、無気力で、感受性の乏しい子になってしまうと考えられます。


【性格の基礎は、出生直後にもつくられる】

 ケネル博士の調査によると、出産直後に赤ちゃんと隔離された母親には、子どもに対して愛情を持てなくなってしまうケースが多く見られると言います。隔離されていた