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老人の知恵


  一 姥捨て山
      http://www.geocities.jp/widetown/otona_start.htm


子供の頃、姥捨て山の話は誰でも聞いたことがありました。 今読んでみると、老人の気持ちが身につまされるのです。

‘大人の悪知恵’と題したこのホームページは、驚くほどの幅と分量がありました。 この姥捨て山は《娘への遺言》の目次 姥捨て山』 をクリックすると出てくるのです。 読みやすい大きさにして印刷してみたら、59ページもありました

まずは、沢山伝えられてきた姥捨て山の話を読んでみましょう。 

姥捨山とふつう言っているのは冠着(中央線カムリキトンネルで通過する)山を指しています。 ですから話は信濃民話だけと思っていましたが、筑後地方、奄美地方、沖縄地方、陸奥ミチノク地方(蓮台野、遠野物語)、宮崎〈西都児湯〉、などでも早い話 『お婆すて』 のタイトルで語られてきているのです。

この話は祖型になる話があったのでしょう。 語部(カタリベ)だったのかもしれません。 食い扶持を減らすということが元になり、年寄りが家族の迷惑にならず、家族に寄せる気持ちがしみじみと語り継がれるようになったのだろうと思います。

老人がこのように理解するとすれば、

年寄りが家族の迷惑にならず、家族に寄せる気持ちを語り継ぐとすれば何をバトンタッチしていけばいいのでしょうか


  二 孟母三遷
      http://www.epochtimes.jp/jp/2007/11/html/d88377.html


故事成語のお話によれば。
    http://www.katch.ne.jp/~kojigai/moubo.htm


孟子が幼い頃、彼の家は墓地のすぐ近くにあった。 そのためいつも、葬式ごっこをして遊んでいた。孟子の母は、
『ここはあの子が住むにはふさわしくないところだわ』
そう考えて引っ越すことにした。

移り住んだのは市場の近く。 孟子は商人のまねをして商売ごっこをして遊んだ。 孟子の母は言った。
『ここもあの子が住むにはふさわしくないところだわ』

再び引っ越して、今度は学校の近くに住んだ。 孟子は、学生がやっている祭礼の儀式や、礼儀作法の真似事をして遊ぶようになった。
『ここならあの子にぴったりね』

孟子の母はここに腰を落着けることにした。 やがて孟子は成長すると、六経を学び、後に儒家を代表する人物となった。


… 冒頭の部分 …
孟子の母親の姓は「仇」。父親の名は「孟激」といい、孟子が年少の頃に世を去った。孟母は「胎教」の重要性をよく知っていて、『韓詩外伝』の一節によると、「私はこの子を孕んでから、座席がきちんとしていなければ座らず、きれいに切っていないものは食べない。これこそが胎教である」と口にしていたという。


  孟母三遷の教え 作者:李剣

 【大紀元日本11月18日】孟子の母親の姓は「仇」。父親の名は「孟激」といい、孟子が年少の頃に世を去った。孟母は「胎教」の重要性をよく知っていて、『韓詩外伝』の一節によると、「私はこの子を孕んでから、座席がきちんとしていなければ座らず、きれいに切っていないものは食べない。これこそが胎教である」と口にしていたという。

 実際、胎児は母親のお腹の中にいるときから一個の独立した生命体で、母親とよく意思疎通し、母親の喜怒哀楽を解するものだ。母親の心身がきちんと整っており、心が穏やかであれば、自ずと胎児に良いものが伝わり、胎児の知恵と優良な品格を形成するのに、よい影響を与える。

 日常生活の中でも、孟母は息子の起居や暑さ寒さに気をつけただけでなく、言葉と行動で身をもって教え、その人格形成に努めた。孟母は、息子が良くない環境の影響を受けているのに気が付くと、よりよい学習環境を与えるために、あちこちに引っ越した。最後には、鄒(すう、現在の山東省鄒城市)の街中にある学び舎の付近に落ち着いた。家はボロボロであったが、付近にはいつも学生や知識人が往来し、彼らの高雅な雰囲気、落ち着いてゆったりとした風格、優雅な立ち居振る舞いが、付近の住民に目に見えない良い影響を与えていた。

 物心つき始めた子供たちは、いつも大きな木の下に集まり、学び舎の学生や知識人が行う拱手(きょうしゅ)の礼儀作法を真似ていた。その厳粛な有様を遠くから見ていた孟母は、大いに喜び、息子を安心して住まわせたという。これが歴史に名を留めた「孟母三遷」の美談だ。

 人間の基本的な人格は、6歳以前に形成される。6歳以後、活動範囲が広がるにつれて、おのずと周囲の環境の影響を受けるようになり、「朱に交われば、赤くなり、墨に交われば黒くなり、青に染まれば青くなり、黄色に染まれば黄色くなる」のだ。環境が児童の成長に多大な影響を及ぼすのである。

 昨今、社会の道徳が衰退するにつれて、人々の心は荒み、自己中心的になった。大人は、将来子供が人の上に立ち、損をしないようにと、「ずる賢く」なるよう教える。その結果、子供たちはますます我儘になっている。現代の人々は、事にあたって相手を考慮することがなく独りよがりで、互いに傷付け合う。

 そんな中、母親は自ら行動を起こし、身を修め品性を養い、言葉と行いで身をもって子供に教えなければならない。そうしてはじめて、子供たちは立派な道徳と品格を身につけることができ、社会全体が安定し、調和することになるのである。

 孟家がまだにぎやかな街中に住んでいた頃、東の隣人が豚を殺した。孟子は不可解に思い、母親に「隣の家が豚を殺したのはどうして?」と尋ねた。母親はその時、とても忙しかったので、口から出まかせに「食べさせてくれるのよ」と言った。すると、孟子が本当に豚を楽しみにして待っていたので、孟母は、子供との約束を破ってはならないと考え、切り詰めた生活費の中からなけなしの銭をはたき、肉を買って、子供に腹いっぱい食べさせた。

 孟母は実際の行為によって息子を教育し、「言ったら必ず行ない、行なったら必ず結果をもたらす」ことを示した。子供を有言実行の、信頼できる人物にするためには、母親は身をもって示さなければならないものである。

 或る日、孟子は学校をさぼって、長いこと外で遊んでいた。息子が帰宅すると、孟母は何も言わずはさみを取り上げ、仕立て上げた錦絹を両断した。孟子が驚いて立ちすくんでいると、孟母は、「あなたが学業を放り出したのは、私が絹織りを切断するのと同じことです!」と述べた。孟母は、「絹織りを断つ」ことを「学を捨てる」ことに譬えて警告し、一旦やり始めたことを途中で放り出さないよう厳粛に戒めた。

 このできごとは、孟子の幼少の心に深く焼きつき、鮮明な印象を残したという。彼は、ことをなすには強い意思が必要であり、一旦目標を見定めたら、外界の誘惑に負けてはならないということがわかった。これ以降、孟子は倦まずたゆまず、日夜、勉学に励んだ。

 孟母の息子に対する教育は隅々まで行き渡り、息子が結婚してからも、夫婦和合の道について指摘した。『烈女伝』の記載によると、孟の妻・由氏が寝室で裸のまま歩き回るのを見た孟子は、顔色を変えて怒った。由氏は夫があまりにもよそよそしいのを見て、姑にどうにかしてほしいと求めた。

 孟子は久しく自分の妻に不満をもっており、暇を出したいとまで思っていた。孟母は息子に対して大義をもって諭し、孟子は自分の軽率さを深く反省した。それ以来、心中のわだかまりが取り除かれ、新婚のときのように妻と仲睦まじく楽しく過ごせるようになった。

 孟子は、宋国でなら自分の政治的抱負を実現できると考えていたが、老母を養わなくてはいけないため、外遊を先延ばしにしていた。

 30数年の時が過ぎ去り、孟子はすでに天命を知る年となり、終日しきりにため息をつくようになった。その様子を見た孟母は、その原因を問いただし、息子に昔の名言を話して聞かせた。「婦人の礼とは、五味に精通し、酒に長じ、舅姑を養い、衣服を縫うのみ。故に閨内に修めて、境外の志なし。婦人は、制度上の義に長ずることはなく、三従の道があるのみ。すなわち、年少時には父母に従い、嫁に行ってからは夫に従い、夫の死後は子に従う、これが礼なり。今、子は成人し、自分は老いた。子は子の義を行い、私は私の礼を行うだけだ」。このことばによって、孟子の心中にあるわだかまりが解け、そこで彼は再度列国を周遊して、尊敬と歓迎を受けた。

 一人の女性として、孟母の偉大な所は、ただ「五味に精通し、酒に長じ、舅姑を養い、衣服を縫い」、「三従の道」をよくしただけではなく、数十年間倦むことなく、息子の成長過程に気を使い、慎しみ深さ、志の精励、実直さと品格、勉学ならびに礼を尽くすことに至るまで、諄々と教え諭した。

 これらの孟母の逸話は、現在の母親たちにも多くのヒントを与えてくれることだろう。

孟母三遷の話では、しばしば知識偏重だという批判があります。 たしかに子供の教育目標として知徳体という三本柱を考えますと、知識教育に偏ったように見えます。 でも一つ一つそれぞれの基本になる部分として考えるとすれば、ちっともおかしくはありません。

そういう視点に立ってみれば孟子の母の考え方は素晴らしいと言わなければなりません。 教育環境というのは母親だけが築き上げるものではないからです。 教育環境は至極大事なことなんですね。

私たち老人がこのように理解するとすれば、

年寄りが家族の迷惑にならず、家族に寄せる気持ちを語り継ぐとすれば何をバトンタッチしていけばいいのでしょうか

『姥捨て山』へ送られる私たち老人は知識も、徳育も、体育も、或いは食育についても、基本になる部分についてしっかり整備していきたいものです。


  三 朱に交われば赤くなる
      http://kotowaza-allguide.com/si/syunimajiwarebaaka.html


【出典】 傳玄『太子少傳箴』  ‘近墨必緇、近朱必赤’
【類義】 麻に連るる蓬
     麻の中の蓬
     虱は頭に処りて黒し
     墨に近づけば必ず黒く朱に近づけば必ず赤し
     炭屋の丁稚は黒くなる
     善悪は友による
     丹の蔵する所の者は赤し
     血にまじれば赤くなる
     水は方円の器に随う
     藪の中の荊



大げさに言えば、地球上のあらゆるものは、《その時の環境によって変化することを理解していること》がきわめて合理的な考え方でしょう。

春が来れば木の芽は萌え出でるし、嵐も気象の変化によって生じます。 オオカミに育てられればアマラやカマラになり、動物は食料が無ければ飢えて死んでしまいます。 孔子は論語の第一に 《 学而時習之。 不亦説乎。 有朋自遠方来。 不亦楽乎。》 を揚げて、人が生きていくのには学問を身につけることが大事だと説いています。

これらすべて合理的な化学変化であり、合理的な考え方をもととしているのです。

老人がこのように理解するとすれば、

年寄りが家族の迷惑にならず、家族に寄せる気持ちを語り継ぐとすれば、合理的な化学変化や物理変化、或いは合理的な考え方をどのようにバトンタッチしていけばいいのでしょうか



この課題の中味を時間の上で考えてみると、一般的な考えとして自然現象の変化や動植物の長い歴史や生滅の原則をわかっていることが大事なことだと思うのです。

地球の誕生から始まって陸地、海洋、気象などの変化は極めて合理的な理由があって変化してきております。 動植物にしても長い間の環境の変化に適応して進化をしてきたことが理解されます。 高山植物にしても日陰のシダ類にしても種の伝承のために、長い間その環境に順応して生きる術(すべ)を獲得してきたものです。 土中生物にしても青虫にしても、鳥にしても魚にしても、私たち人類にしても、同じように環境に応じて変化し今日を迎えているわけです。

人の生涯を見ていっても、年齢に応じ環境に応じ人それぞれの変化をして一生を閉じています。 人それぞれの生きざまがありますけれど、心のしなやかな安らぎが誰にしても一番大切だろうと思います。



そう考えてきますと、歳を拾ってから姨捨山の意味にきづき、おさない時からの環境こそ大事だときづくのです。 おさない時代は何で大事なのかと思いますと、こんな風に理解できるのです。

私たちは、母親の胎内で生命をスタートしはじめてから、人類の何十万年という長い進化の過程をわずか10ヶ月あまりで終わり、この世に生を享けたのです。 そして生まれて一年足らずで日本語をまねはじめ、また一年足らずで日本語を間違いなく話すことができるようになるのです。

こん変化は天才的な変化なのです。 神業としか言いようがありません。

私たちはこの尊い厳粛な事実を理解しなければなりません。 現代では神業のような変化を理解できるまでになっているのです。

こうしたことを理解して、よい環境で子育てすれば、超一流の能力を持つ人を育てることができるのです。 素晴らしいことです。 私たちは、姨捨山で最期を迎える年齢になったからこそ、この事実を次代の人たちに語り継ぐことを大事にしたいのです。




   http://ja.wikiquote.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%AB%BA
   <中国の諺>

   http://www.geocities.jp/tomomi965/index2.html
   <くろご式 慣用句辞典>

   http://www.geocities.jp/tomomi965/index.html
   <くろご式 ことわざ辞典>

   http://apopharma.exblog.jp/9912132/
   <近墨必緇、近朱必赤>

   http://www.wa.commufa.jp/~anknak/index.htm
   <英語ことわざ教訓事典・教訓のテーマから索引できる>



おうち外食

   http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120704/prl12070416080083-n1.htm
   主婦の間で“おうち外食”が流行ってます! - MSN産経ニュース

   http://wm.benesse.ne.jp/stores/ehonnavishop/item/1152.html
   レシピ 大絶賛おかず決定版

     http://allabout.co.jp/gm/gc/380029/
     鶏の唐揚げのレシピ
     http://matome.naver.jp/odai/2133424266153597701
     絶品餃子