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宵の明星 【この美しい星】
①【特集】宵の明星・金星(2013年) - アストロアーツ
(星を見る・宇宙を知る・天文を楽しむ)
http://www.astroarts.co.jp/special/2013venus/
宵の明星・金星
2013年の秋は、明け方のアイソン彗星が話題ですが、夕方の空
では金星が見ごろを迎えています。夕焼けの中で存在感のある
輝きや他の天体との接近に注目です。
金星をさがそう
金星が「宵の明星」として見えている期間は、夕方の空で圧倒的な明るさで輝いているので一目でそれとわかります。2013年はちょうど大晦日ごろまで「宵の明星」としての金星を見ることができます。ただし、今シーズンは高度が低いので地平線付近が開けているところで観望するとよいでしょう。日没30分後(9月なら午後6時前後、12月なら午後5時前後)に西の空のやや低いところを眺めればすぐに見つかります。
ここが見どころ
1回見ただけでは飽きたりない、金星はそんな天体です。空の色は時間に応じて変化し、見る場所によって地上の風景もまったく異なるので、金星は観察するたびに別の表情を見せ、さらに共演者の存在がショーを盛り上げます。
特に注目したいのは三日月との接近です。金星の鋭い明るさと、暗い部分が輝く地球照も含めた月の表情のコントラストが美しく、写真に撮るのもおすすめです。
この他にも一等星や惑星との接近が起こりますが、いずれも低空での現象で空も明るいので、できれば双眼鏡を用意して観察したいところです。
2013年9月~12月、金星と他の天体との主な接近現象 日にち 現象(クリックで星図を表示) 9月6日 おとめ座の1等星スピカと接近 9月9日 月と金星が接近、近くにスピカと土星も 9月18日 土星と最接近。9月中旬から下旬にかけて土星と金星が近い 10月8日 細い月と金星が双眼鏡の視野に収まる距離まで接近 10月16日 さそり座の赤い1等星アンタレスと接近 11月7日 三日月と金星が縦に並ぶ。6日も横に並んでいる 12月6日 最大光度の頃、月と接近 宵の明星、暁の明星
夕方の空で圧倒的な存在感を示す金星ですが、決して真夜中の空で見ることはできません。下の図でわかるように、金星が地球より内側を回っているからです。
金星が太陽の東側にある時は、夕方の西の空で見えます(宵の明星)。この時期の中でも、離角が最大になった状態を「東方最大離角」(下の図中【1】)と呼び、金星がもっとも見やすい時期の目安となります。地球から見た金星と太陽の角度(離角)は最大でも約47度なので、日没直後の金星の高さは47度が限界です。次回の東方最大離角は11月1日です。ちなみに金星が一番明るくなるのは東方最大離角の少しあと、12月7日です。
ところで、金星は来年1月11日に地球を追い抜いて(内合…上の図中【2】)、太陽の西に移るので、明け方の東の空で見えるようになります。これを暁(あかつき)の明星、または明けの明星と言います。宵の明星しか見たことがない方は、来年の早春は早起きに挑戦してみましょう。来年3月23日の「西方最大離角」(上の図中【3】)前後が一番見やすい時期です。
②【特集】宵の明星・金星 - アストロアーツ
(金星ってどんな星?)
http://www.astroarts.co.jp/special/2009venus/about-j.shtml
金星ってどんな星?
太陽、月に次ぐ明るさ
金星が宵の空にあるときは、日が沈んだ後どの星よりも先に輝き始め、明け方の空にあるときは、最後まで輝きつづけます。一番明るいころの金星は、視力がよい人なら白昼でも肉眼で見えるほどです。
太陽と月を除けば、金星より明るい天体は存在しません。肉眼で観察できる時期の金星はおよそ-4等級で、明るいときには-4.7等にもなります。参考までに、ほかの主な惑星の最大光度は火星が-3.0等、木星が-2.8等、水星が-2.4等、土星が-0.5等。全天一明るい恒星、おおいぬ座のシリウスは-1.5等ですが、金星の最大光度はその20倍近くもあるのです!かつてその明るさと美しさは、ローマ神話に登場する美の女神ビーナス(Venus)に例えられました。現在も金星は英語でVenusと呼ばれています。
真夜中に見えない理由
太陽系の8惑星は内側から順番に水星-金星-地球-火星-木星-土星-天王星-海王星です。第2惑星・金星は地球のすぐ内側を回っているので、地球から見て決して太陽の反対側に来ることはありません。金星が明け方か夕方にしか見えなくて、真夜中に観測できないのはこのためです。
金星の動きをもう少し詳しく追ってみましょう。
金星が地球から見て太陽と同じ方向にあるときを「合」といいます。合の時には、地球からその姿を見ることはできません。そして、太陽の向こう側での合を「外合」、こちら側での合を「内合」といいます。
さて、内合を過ぎた金星は太陽の周りを反時計回りに移動し、太陽の西側に見えるようになります。このとき、地球からは日の出前の東の空に見えるようになります。金星は太陽から徐々に離れていきますが、ある点を境に今度は太陽に近付き始めるようになります。この点にきたときを、「西方最大離角(太陽の西側で起きる最大離角)」といいます。金星は明け方の東空で明けの明星として輝く姿を見ることができます。
西方最大離角を過ぎた金星は、しばらくは朝焼けの空に残って見えていますが、その後は急加速しながら太陽に近付いていきます。そして、「外合」を迎えます。地球の動きを加味して考えれば容易に理解できますね。やがて金星は太陽の東側に姿をあらわします。そして「東方最大離角」のころには夕方の西空に輝くようになるのです。このころの金星が宵の明星とよばれます。
地球と似て非なる「兄弟星」
太陽系の惑星で一番地球に似ている星、というと火星を挙げる方が多いのではないでしょうか。かつて液体の水が豊富に存在した強い証拠がありますし、生命の痕跡があるとする研究者もいます。北極や南極は氷で覆われていて、その面積は季節と共に変動します。しかし、火星の半径は地球の半分、質量は10%しかありません。
それに対し、金星の半径は95%、質量は80%と、地球にとても近い数字です。距離の上でも近い両者は、「兄弟星」と呼ばれることもありました。にもかかわらず現在、金星よりも火星の方が地球に似ているという方が多いのは、探査機などの活躍で金星の過酷な環境が明らかになったからでしょう。
生まれたばかりの金星と地球は、お互いによく似ていたと考えられています。どちらも高温で、水蒸気、二酸化炭素、窒素、塩素、硫黄などからなる原始大気で覆われていました。その後地球では気温が下がり、液体になった水が海を作り、二酸化炭素が海洋に溶け込んで石灰岩として取り込まれた結果、窒素を主体とした大気ができあがったのです。
ところが金星は太陽に近かったため、温度が下がることはありませんでした。水蒸気は太陽の紫外線で分解されてしまい、二酸化炭素97%、窒素3%、90気圧もの大気が残されました。濃硫酸の厚い雲で覆われて、太陽光の80%近くを反射しています(金星が明るく見える理由の1つです)が、二酸化炭素の強烈な温室効果によって地表付近は500℃もの高温に保たれています。
金星が地球どころか、ほかのすべての惑星と異なるのは、逆向きに自転している点です。しかも、自転周期は243日(以下、「日」は地球における1日のこと)と、225日の公転周期よりも長いため奇妙なことになります。金星では日の出から日の出までの時間、つまり「1日の長さ」は、自転周期よりはるかに短い117日間。しかも日は西から昇ります。とても想像できない世界ですね。もっとも、分厚い雲のおかげで、そもそも太陽を見ることができないと思いますが…
③宵の明星,明けの明星
http://star.gs/cgi-bin/scripts/wakusei_i.cgi
< 上記のURLを開き、下記のような選択により、各地の水星か金星の観測ができます >
水星と金星は、地球より太陽の近くを回っています。この2つの惑星は地球から見ると、太陽から大きく離れない為、日の出前や日の入り後のみ観測することができます。宵の明星、明けの明星と呼ばれる由縁です。
水星、金星の、日の出、日の入り時刻の高度、方位を計算します。
◆惑星名
水星 金星 いずれか選択します
◆観測する地域
1 日本国内 全世界 いずれか選択します
2 地名または都市名 いずれか選択します
◆年月日
紀元前 西暦 年 月 日 いずれか選択します
◆何日分の計算
10日 1月 1年 いずれか選択します
④レミオロメン「風の工場」で、 宵の明星という歌詞がでてくるので、 この曲は春の...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1424683249
レミオロメン「風の工場」で、
宵の明星という歌詞がでてくるので、
この曲は春の曲なのですかね?
質問日時:2009/3/30 11:10:21
解決日時:2009/4/14 04:46:08
ベストアンサーに選ばれた回答
金星は太陽の東側に見える間が宵の明星、西側に見える間が明けの明星になりますが、恒星と違いますからこの季節には必ずこの位置にある、というわけではありません。
地球の公転周期と金星の公転周期の関係で、約5ヶ月ごとに宵の明星と明けの明星の期間は入れ替わっていきます。
ですから1年12ヶ月の季節の周期とは一致しませんね。
5ヶ月近く宵の明星が見えていて、合の間はしばらく見えず、次は明けの明星になってまた5ヶ月近く見え、少し間をおいてまた宵の明星に、というわけです。
だからある年は春中心に宵の明星が出ていても何年か経つと秋に宵の明星が出ることにもなるんです。
⑤宵の明星 とは - コトバンク
http://kotobank.jp/word/%E5%AE%B5%E3%81%AE%E6%98%8E%E6%98%9F
よいのみょうじょう【宵の明星】 世界大百科事典 第2版の解説
日没後の空に現れる金星の称で,〈明けの明星〉に対する。
《万葉集》には〈明星(あかぼし)〉と〈夕星(ゆうずつ)〉
《和名抄》では漢名による〈明星〉と〈長庚(ゆうずつ)〉で,近世の辞書類も多く後者によっている
なまって〈よいの明神〉という地方も多い
また〈よいぼし〉〈ゆうぼし〉〈くれのほし〉といい
島根には〈よいとどぼし〉の名もある。〈よいとど〉はよいから早く寝る意味
奄美大島では〈ゆうばなぶし(夕飯星)〉で
沖縄では〈ヨーネーヨーファー(よいの明星)〉
〈ゆうばなまんじゅうぼし(夕飯をほしがる星)〉である
⑦金星 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%98%9F
金星(きんせい、ラテン語:Venusウェヌス、英語:Venus)は太陽系の太陽に近い方から2番目の惑星である。公転軌道が地球から一番近い惑星でもある。
地球型惑星であり、太陽系内で大きさと平均密度が最も地球に似た惑星であるため、「地球の姉妹惑星」と表現されることがある[2]。また、太陽系の惑星の中で最も真円に近い公転軌道を持っている。
地球から見ると、金星は明け方と夕方にのみ観測でき、太陽、月についで明るく見える星であることから、明け方に見えるのが「明けの明星」、夕方に見えるのが「宵の明星」という。大昔は別の星と思われていた。
<物理学的性質>
大気と温度
金星には二酸化炭素を主成分とし、わずかに窒素を含む大気が存在する。大気圧は非常に高く地表で約90気圧ある(地球での水深900mに相当)。膨大な量の二酸化炭素によって温室効果が生じ、地表温度の平均で400℃、上限では 500℃に達する。温室効果のため、金星の地表は太陽により近い水星の表面温度よりも高くなっている。金星は水星と比べ太陽からの距離が倍、太陽光の照射は75% (2,660 W/m2) である。金星の自転は非常にゆっくりなもの(自転と公転の回転の向きが逆なので金星の1日はおよそ地球の117日)であるが、熱による対流と大気の慣性運動のため、昼でも夜でも地表の温度にそれほどの差はない。大気の上層部の風が4日で金星を一周していることが、金星全体へ熱を分散するのをさらに助けている。
雲の最上部では時速350kmもの速度で風が吹いているが、地表では時速数kmの風が吹く程度である。しかし金星の大気圧が非常に高いため、地表の構造物に対して強力に風化作用が働く。さらに二酸化硫黄の雲から降る硫酸の雨が金星全体を覆っているが、この雨が地表に届くことはない。その雲の頂上部分の温度は−45℃であるが、地表の平均温度は464℃であり、わかっている限りでは地表温度が400℃を下回っていることはない。
2011年、ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の探査機「ビーナス・エクスプレス」が大気の上層からオゾン層を発見した[3]。
2012年、ビーナス・エクスプレスの5年分のデータを解析した結果、上空125kmのところに、気温が-175℃の極低温の場所があることがわかった。この低温層は、2つの高温の層に挟まっており、夜の大気が優勢な部分が低温になっていると考えられている。この極低温から、二酸化炭素の氷が生じているとも考えられている[4]。
スーパーローテーション
金星大気の上層部には4日で金星を一周するような強い風が吹いている。この風は自転速度を超えて吹く風という意味でスーパーローテーションと言われる。風速は秒速100mに達し、金星の自転の実に40倍の速さを持っていることになる。このことが実際に確かめられるまでは、昼の面で暖められた大気が上昇して夜の面に向かい、そこで冷却して下降するという単純な循環の様式が予想されていた。この現象は多くの人々の興味を引くこととなり様々な理論が提示されてきたが、未だに解明には至っておらず、金星最大の謎の1つとされている。
金星の両極付近で巨大な渦が観測されている。北極の渦は1978年にアメリカ航空宇宙局 (NASA) の探査機「パイオニア・ヴィーナス」によって、南極の渦は2006年にヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の探査機「ビーナス・エクスプレス」によって発見された[5][6]。ビーナス・エクスプレスは南極の渦の観測を続け、2011年までにその詳細な構造を明らかにした[7]。
金星と地球の大気
一見したところ、金星大気と地球大気は全くの別物である。しかし両者とも、かつてはほとんど同じような大気から成っていたとする以下の説がある。
太古の地球と金星はどちらも現在の金星に似た濃厚な二酸化炭素の大気を持っていた。
惑星の形成段階が終わりに近づき大気が冷却されると、地球では海が形成されたため、そこに二酸化炭素が溶け込んだ。二酸化炭素はさらに炭酸塩として岩石に組み込まれ、地球大気中から二酸化炭素が取り除かれた。
金星では海が形成されなかったか、形成されたとしてもその後に蒸発し消滅した。そのため大気中の二酸化炭素が取り除かれず、現在のような大気になった。
もし地球の地殻に炭酸塩や炭素化合物として取り込まれた二酸化炭素をすべて大気に戻したとすると、地球の大気は約70気圧になると計算されている。また、成分は主に二酸化炭素で、これに1.5%程度の窒素が含まれるものになる。これは現在の金星の大気にかなり似たものであり、この説を裏付ける材料になっている。
一方で、地球と金星の大気の違いは地球の月を形成したような巨大衝突の有無によるという考え方があるが、金星の地軸の傾きの原因は巨大衝突だという説もあるため、これらは両立しない。
また、地球に生命が誕生した、という事実も見逃すべきではない。なぜなら、地球に生命が誕生していなければ、金星のような姿になっていた、という以下のような仮説も存在するからである。
地球では海が形成されたため、そこに二酸化炭素が溶け込んだ。二酸化炭素はさらに炭酸塩として岩石に組み込まれ、地球大気中から二酸化炭素が取り除かれた。だが、生命が誕生し、微生物によって二酸化炭素の吸収及び固定が進まなければ、海が形成されたとしても、温室効果のため後に蒸発し消滅した可能性がある。その場合は、海中ならびに岩石中の二酸化炭素が再び放出され、金星のような大気になっていたとも考えられる。
さらに生命がなければ植物による光合成も起こり得ないため、大気中に酸素が放出される事もなく、地球上において冷却効果による寒冷化は起こらなかった。もちろん、オゾン層も形成されないので陸上に生命が進出する事もなかった。
二酸化炭素の固定に伴う大気中の二酸化炭素の減少は、多細胞生物が出現する古生代に活発になる。しかし、生命が地球上にいなければこのような変化は起こらないので、現在に至るまで金星のような大気を持ったままであったという可能性もある。
このように、生命誕生がなければ、金星と地球はほぼ同じ姿になっていたとも考えられている。
自転
金星の赤道傾斜角は178度である。即ち、金星は自転軸がほぼ完全に倒立しているため、他の惑星と逆方向に自転していることになる。地球など金星以外の惑星では太陽が東から昇り西に沈むが、金星では西から昇って東に沈む[8]。金星の1日は金星のほぼ半年(約0.52金星年)である。金星の自転がなぜ逆回転をしているのかはわかっていないが、おそらく大きな星との衝突の結果と考えられている。また、逆算すると金星の赤道傾斜角は、2度ぐらいしか傾いておらず、自転軸が倒立しているとは言え、軌道面に対してほぼ垂直になっていることになる。このため、地球などに見られるような、気象現象の季節変化はほとんどないと推測されている。
金星の自転は、地球との会合周期とシンクロしており、最接近の際に地球からはいつも金星の同じ側しか見ることができない(会合周期は金星の5.001日にあたる)。これが潮汐力の共振によるものなのか、単なる偶然の一致なのかについてもよくわかっていない。
2012年、欧州宇宙機関 (ESA) の探査機ビーナス・エクスプレスから得られたデータにより、16年前より6.5分遅い周期で自転していることが判明した[9]。
地形
金星の地図。金星はきわめて自転が遅いため、回転楕円体ではなく球形となっている。しかしながら、地表には凹凸があり最も高い白い部分は黒で示した平均半径 (6,052km)、いわば「標高0m」から約12km程度持ち上がっている。経度0度、北緯65度の地点である。白と赤、黄色、緑はこの順で高く、青は標高0m未満の部分であり、最大1.5km窪んでいる。
金星表面には地球にある大陸に似て大きな平野を持つ高地が3つ存在する。イシュタル大陸はオーストラリア大陸ほどの大きさで北側に位置する。この大陸には金星最高峰であり高さ11kmのマクスウェル山[10]を含むラクシュミ高原などがある。南側の大陸はアフロディーテ大陸と呼ばれ、南アメリカ大陸ほどの大きさである。さらに南の南極地域にはラーダ大陸がある。
金星が出来たのは約46億年前だが、表面の大半は数億年前に形成されたと見られており、過去に活発な火山活動があったことを示す地形が多く存在する[11]。ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の金星探査機ビーナス・エクスプレスの観測により、比較的最近(数百年から250万年前)にも火山活動が起きていたことを示す証拠が得られた[12]。
有名な金星表面の立体画像としてマゼランが観測したデータに基づくものがある。しかしこの画像は、レーダーによって観測された地形データに着色し起伏を10倍に強調したコンピューター画像で、実際の金星の地表の様子からかけ離れたものであるので注意が必要である。実際の金星の表面は地球や火星と比較するとむしろ起伏に乏しいとされる。
地名
金星の地形には Terrae(大陸)、Regio(地域、区域)、Planum / Planitia(平原)、Chasma、Vallis / Valles(峡谷)、Tesserae(モザイク状の地形)、Rupes(断崖)、Tholus / Tholi(丘、台地)、Lineae(線状地形)、Paterae(火山)、Fluctus(溶岩流)、Coronae(火口)、Mons(山)などがあり、主に各民族の神話における女神や精霊の名が多く冠せられている。例えばアフロディーテ大陸、メティス平原、フェーベ地域、ディオーネ地域、レダ平原、ニオベ平原、アルテミス峡谷(以上ギリシア神話)、ディアナ峡谷(ローマ神話)、イシュタール大陸(バビロニア神話)、ラクシュミ平原(インド神話)、セドナ平原(イヌイット神話)、ギネヴィア平原(アーサー王伝説の王妃)などがある。日本神話などに由来するものとしては、ユキオンナ・テセラ、ニンギョ・フルクトゥス、ウズメ・フルクトゥス(天鈿女命)、ヤガミ・フルクトゥス(八上比売)、セオリツ・ファッラ(瀬織津姫)、ベンテン・コロナ、イナリ・コロナ、カヤヌヒメ・コロナ(鹿屋野比売)、オオゲツ・コロナ(大宜都比売)、トヨウケ・コロナ(豊受大神)、ウケモチ・コロナ(保食神)、イズミ・パテラ(和泉式部)、オタフク台地、オトヒメ台地、キンセイ谷、カムイフチ・コロナ(アイヌ神話)などがある。
クレーターには各国語の女性名が付けられている。日本語および日本人に由来するものとしては、晶子(与謝野晶子)、千代女(加賀千代女)、林(林芙美子)、卑弥呼、市川(市川房枝)、政子(北条政子)、吉岡(吉岡彌生)、ふきこ、ひろみ、いさこ、まりこ、なみこ、のりこ、れいこ、せいこ、やすこ、ようこ、などがある。
<観測>
目視
公転軌道が地球より内側にある金星は、天球上では太陽の近くに位置することが多い。地球と金星の会合周期は583.92日(約1年7か月)であり、内合から外合までの約9か月半は日の出より早く金星が東の空に昇るため「明けの明星」となる(ただし内合・外合の前後は太陽に近すぎるため、太陽の強い光に紛れて肉眼で確認することは極めて困難である)。明けの明星の見かけ上の明るさが最も明るくなるのは内合から約5週間後[13]である。そのときの離角は約40度、光度は-4.87等で、1等星の約170倍の明るさになり、明るくなりかけた空にあってもひときわ明るく輝いて見える。内合から約10週間後[13]に西方最大離角(約47度)となる。外合を過ぎると日没より遅く金星が西の空に沈むため「宵の明星」となり、東方最大離角、最大光度を経て内合に戻る。
その神秘的な明るい輝きは、古代より人々の心に強い印象を残していたようで、それぞれの民族における神話の中で象徴的な存在の名が与えられていることが多い。また地域によっては早くから、明けの明星と宵の明星が(金星という)同一の星であることも認識されていた。
金星では「新月」形と「半月」形の間で最も明るくなる。これは軌道径の(地球軌道に対する相対的な)長さに関係しており、水星とは異なる。
朔望
金星の観測モデル。満ち欠けがない外合時に観測上の視直径は最小となり、地球に最も近づく内合時(の直前)に視直径が最大となる。
地球から見た金星は、月のような満ち欠けの相が見られる。これは内惑星共通の性質で、水星も同じである。内合の時に「新金星」、外合の時に「満金星」となる。内合のときに完全に太陽と同じ方向に見える場合、金星の日面通過(あるいは太陽面通過)と呼ばれる現象がまれに起こる。最大離角の時には半分欠けた形になる。西方最大離角の時には日の出前に最も早く上り、東方最大離角の時には日没後に最も遅く沈む。
金星による影
金星が最も明るく輝く時期には、金星の光による影ができることがある。オーストラリアの砂漠では地面に映る自分の影が見えたり[14]、日本でも白い紙の上に手をかざすと影ができたりする[15]。なお、過去には SN 1006 のような超新星が地球上の物体に影を生じさせた記録も残っているが、現在観測できるそれほど明るい天体は太陽、月、金星、天の川のみ[15]である。
<人類と金星>
歴史と神話
欧米ではローマ神話よりウェヌス(ヴィーナス)と呼ばれている。メソポタミアでその美しさ(明るさ)故に美の女神イシュタルの名を得て以来、ギリシャではアフロディーテなど、世界各国で金星の名前には女性名が当てられていることが多い。
日本でも古くから知られており、日本書紀に出てくる天津甕星(あまつみかぼし)、別名香香背男(かがせお)と言う星神は、金星を神格化した神とされている。時代が下って、平安時代には宵の明星を「夕星(ゆうづつ / ゆうつづ)」と呼んでいた。清少納言の随筆「枕草子」第254段「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。」にあるように、夜を彩る美しい星の1つとしての名が残されている。
ヨーロッパでは、明けの明星の何にも勝る輝きを美と愛の女神アプロディーテーにたとえ、そのローマ名ウェヌス(ヴィーナス)が明けの明星すなわち金星を指す名となった。
キリスト教においては、ラテン語で「光をもたらす者」ひいては明けの明星(金星)を意味する言葉「ルシフェル」(Lucifer) は、他を圧倒する光と気高さから、唯一神に仕える最も高位の天使(そして後に地獄の闇に堕とされる堕天使の総帥)の名として与えられた。
仏教伝承では、釈迦は明けの明星が輝くのを見て真理を見つけたという。また弘法大師空海も明けの明星が口中に飛び込み悟りを開いたとされる。
アステカ神話では、ケツァルコアトルがテスカトリポカに敗れ、金星に姿を変えたとされている。
マヤ創世神話内では、金星は太陽と双子の英雄であるとされ、金星を「戦争の守護星」と位置付け、特定位置に達した時に戦を仕掛けると勝てると考えられた[16](一種の軍事占星術であり、金星の動きと戦争が繋がっていた)。
占星術
金星は七曜・九曜の1つで、10大天体の1つである。
「金星」の名は中国で戦国時代 (中国)に起こった五行思想とかかわりがある。また、中国ではかつて金星を太白とも呼んだ[17]。
西洋占星術では、金牛宮と天秤宮の支配星で、吉星である。妻・財産・愛・芸術を示し、恋愛、結婚、アクセサリーに当てはまる[18]。
惑星記号
女性を象徴する手鏡を図案化したものが、占星術・天文学を通して用いられる。また、転じて女性を示すシンボルとしても利用されている。