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折々の記 2012 ⑥
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 04 】07/20
07 20 W 免疫 その一 『免疫のしくみ』① 総合的理解のために
07 20 (金) 免疫のしくみ 総合的理解のために
W 免疫 その一 『免疫のしくみ』① 総合的理解のために
http://www.menekiplaza.com/
この【免疫プラザ】 (スペイン⇒plaza=広場,市場) というHPは、免疫(病疫を免れる)の最新のレベルの全体解説が載せられているように思う。 その主な内容は次の通りです。
ずゥ~ッと見て、主要な個所を載せようと手をつけ始めたけれど、分量が多すぎます。 それでサイトマップを載せ、マップに載せられていない『免疫力と言う神秘!』と『免疫のしくみ』を載せてあとは省略しました。
後期高齢者の健康維持や食生活の在り方を求めていると、医食同源という言葉の意味の深さに驚いています。 基本的に西洋医学よりも東洋医学の理解を深めることのほうがいいようです。
そしてそれは、代替療法でありました。 代替療法は人のもつ免疫力や自然治癒力、それと健康食や日常の過ごし方に帰するということでした。
代替療法は
1 免疫力や自然治癒力を身につけるにはどうすればいいのか?
2 望ましい健康食や日常の過ごし方にするにはどうすればいいのか?
この二つが ‘高齢者が子供や孫のためになる生き方を求める基本’ になるのです。
【免疫プラザ】のサイトマップ
【免疫プラザ】のサイトマップ
① 免疫力と言う神秘!
② 免疫とは
③ 免疫は自然治癒力の主役
④ 免疫の仕組み
⑤ 免疫細胞は頼もしい戦士たち
① 免疫力と言う神秘! http://www.menekiplaza.com/
私たちの身体は、免疫という自然治癒力 のお陰で、さまざまな病気から日々守られています。しかし私たちの身体には、免疫と言う特定の器官などはありません。それは骨随、胸腺、脾臓、リンパ節、扁桃、血管、皮膚、腸管などの各器官や組織が協力しあって構成された免疫系によるものです。
これらの各器官や組織などによる免疫系(自然免疫系、獲得免疫系)では主に、白血球(リンパ球、単球、顆粒球=好中球・好酸球・好塩基球)の、マクロファージ(単球から移行した貪食細胞=体内の細菌や異物を食べてしまう細胞)、リンパ球(NK/ナチュラルキラー細胞、T/ヘルパー細胞、T/キラー細胞、B細胞)、および樹状細胞(自然免疫系と獲得免疫系をリンクする重要な細胞)といった活性化した免疫細胞とサイトカイン(リンパ球やマクロファージなどで作られる生体機能調節タンパク質)や抗体(抗原の侵入に対してB細胞によって作られるタンパク質=免疫グロブリンIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類)、顆粒球(好中球90%以上、抗酸球、抗塩基球)などが単独あるいは協力しあってけなげに働き、体外から体内に侵入した抗原(病原菌=細菌、ウイルス)や、体内で発生したガン細胞などの異物に対して絶え間なく攻撃し、その免疫力 のおかげで各種の病気から身体を守っているのです。
・要約すると免疫力とは、体内に入った細菌やウィルス、また体内で発生したガン細胞などの異物から身を守る力。本来生まれながらにして人間が持っている、自分で自分を守る力のことを言います。
・免疫力のほとんどは、血液中の白血球に存在しています。
健康な状態時の全白血球の中に占める割合
マクロファージ 5%
リンパ球 35%
顆粒球 60%
・病気は大きく分けて、①免疫力の低下、②免疫力の異常(アレルギーと自己免疫疾患)と言うふたつの現象に起因します。
体外から進入・体内で発生した異物への攻撃方法は2つに分類されます。
直接攻撃:異物に対して免疫細胞による直接攻撃。
*顆粒球(主に好中球)、*マクロファージ
*リンパ球(T/キラー細胞、NK/ナチュラルキラー細胞)
間接攻撃:異物に対して作られる免疫物質、サイトカインや抗体などによる攻撃。
*サイトカイン(トランスファー因子、インターロイキン、TNFーα、インターフェロンなど)
*抗体(免疫グロブリン)など。
(解説図 位置はセンター)
免疫系(免疫力)はバランスが命
・免疫を語る上で、リンパ球と顆粒球のバランスはとても重要です。
リンパ球と顆粒球のバランスが極端に崩れると、いろいろな疾病に見舞われます。リラックスモードの副交感神経が優位になるとリンパ球が増え→アレルギーなどを引き起こし、興奮モードの交感神経が優位になると顆粒球が増え→ガンなど組織の破壊を引き起こします。
(安保徹教授(新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)著書『免疫革命』を参照)
・免疫系が正しく働くには、正確でスピーディな“自己・非自己の異物の認識”、“適切な攻撃の開始と終了”の制御が重要な鍵となります。 その際、マクロファージなどが放出する免疫物質であるサイトカインは、免疫機能の中で非常に重要な役割を果たします。トランスファー因子をはじめとする各種サイトカインは、免疫系の指揮命令を伝達する“メッセンジャー(情報伝達)”と”コントロール(制御)”の機能を担います。
免疫系において、基本的に重要なことは、過剰反応や健康な細胞の攻撃をして消耗することのないように、迅速かつ有効的に反応することです。 『①如何に外敵に対して迅速に反応できるよう促すか。②如何に外敵を特徴づけ明確に認識できるように標識となれるか。③如何に排除した外敵を再確認し、再度の侵入者か否かの目標を定めるられるようにするか』の役割が、免疫系のバランス適応力を高める上では、これまたとても重要なことです。
免疫力のバランスが崩れると
さまざまな弊害が起こります。例えば
・自己細胞の変質:代表的なものにガンがあります。死亡率が第一位。
・生活習慣病:代表的なものに糖尿病など。
↑上記の方は、免疫力を高める ↓下記の方は、免疫力を調整する
・誤爆(自己免疫疾患):もし、味方(自分自身の細胞)を“敵”と誤認してしまったら・・・。自分自身の細胞が破壊され、慢性的な炎症を惹き起こします。上幸なことにこのような疾患に悩む方が多数おられます。
・過剰防衛(アレルギー):スギ花粉のように無害な外来異物に対して、過剰な免疫反応が生じると、上必要な炎症が惹き起こされます。
免疫とは
免疫は自然治癒力の主役
免疫の仕組み
免疫細胞は頼もしい戦士たち
加齢と共に免疫機能は崩れる
免疫は体内システム全体に関っている
免疫バランスが崩壊すると病気になる
免疫力を高める(調整する)ために
免疫療法とは
免疫療法の種類
免疫とガン予防・免疫と癌治療
提言
私たちをとりまく環境は日々、悪化の一途をたどっています。周囲を見渡す限り、大気汚染・水質汚染・食品汚染などをはじめ、南北極のオゾン破壊に至るまで、地球が住み難くなってきたと、毎日どこかしこで報道されています。
(棒グラフ 右側)さらに輪をかけるように、ウイルス・バクテリア・寄生虫・真菌などが抗生物質に耐性が出来たために免疫力が低下、人々の健康を搊ねてきているのも現状です。(NHKスペシャル「クライシス2000《より)
2000年厚生省が発表した国内での結核患者が推定44,000人、年間死亡者2,700人となっておりますが、これは結核菌が抗生物質に対しての耐性、つまり、投薬では完治できなくなってきたという一例です。1993年、WHO(世界保健機構)は結核に関する「世界非常事態宣言《をだしました。世界人口の3分の1をこえる人々が、結核菌に感染しているということです。また米国政府は1997年10月に公式発表として、『近い将来、結核の治療が上可能になる』と全ての国に緊急警告を発しました。
2006年現在、日本では、毎年約3万人が結核を発症しています。若い頃に感染した人が、免疫力の低下と共に高齢になってから発症(新たな発症の6割が60歳以上)する例が増えています。
ひるがえって自分の足元を見ても、①職場では仕事の量は多くスピードはアップ状態②リストラや職場での人間関係③家庭でも夫婦間問題、子供の教育問題、住宅ローン問題、老親介護問題などが山積、さまざまなストレスにさらされています。
以上のように私たちを取り巻く様々な要因が、免疫バランスを突き崩し、免疫力の低下や異常を招いています。
その結果、・腫瘊性疾患・循環器系疾患・自己免疫疾患・ウイルス性疾患・真菌性疾患・神経性疾患・寄生性疾患・難病・バクテリア性疾患・ミコバクテリウム疾患など、また、具体的にはガン、循環器系、花粉症、アレルギー、アトピー、エイズ、などの免疫病ともいえる病気が、日常、増加しております。
今日栄養学的なものから医療的なものまでビタミンを否定する者は誰一人としておりません。『20世紀はビタミンの時代』と言われるほど、ビタミンの発見は人類に多大な疾病からの解放をもたらしました。それ以前の原因上明の病気の多くにビタミン上足がありました。
しかし約100年前、ビタミンが発見されるまで、人々は今や常識ですらあるビタミンの効用はおろか、ビタミンの存在すら知りませんでした。
『免疫』もしかりです。その重要性をしりつつも、医療の現場では未だ『代替医療』に押しやり、その効用を軽視してはばかりません。
このページでは、『21世紀は○○の時代』と言われる時代にすべく、それに向けての提言を行っていきたいと思います。
ほんの少しの余談
感銘深く読んだ、最近ベストセラーになっている新潟大学大学院医学部教授・安保徹著『免疫革命』によれば、免疫低下の大きな原因のひとつにストレスをあげています。
そのストレスを解消する方法は様々ありますが、くよくよしないことが肝要だと思います。
くよくよしないためには、出来るだけ自分自身を、人知れず自らほめてやることが良いのではないでしょうか。
自分自身に自信を持つ。
自分に自信を持つこと(自負心)は、自己愛的な利己、他人を排他する非協調、独善的な優越、異質なものを排斥する非寛容、自然や社会に対する傍若無人を意味するものではありません。
人はそれぞれ何がしかの潜在能力を持っているものです。その自分の能力を信じることです。
思いつくままに羅列してみても、例えば、認識力、観察力、創造力、想像力、知力、学力、徳力、運動能力、記憶力、暗記力、計算力、企画力、編集力、速記力、読解力、表現力、演技力、歌唱力、説得力、包容力、集中力、政治力、指導力、統率力、技術力、忍耐力、決断力、意志力、腕力、実行力、決定力、経営能力、経済力、生活力、透視力、予知能力、予見力、推進力、判断力、掌握力、把握力、分析力、収集力、展開力、引率力、交渉力、持続力、感化力、構想力、構成力、理解力、調整力、継続力、体力、精神力、魅力、精力、火事場のクソ力(笑)などなどが、あります。
上記以外にも様々な能力が想像されますが、それらは当然一人の人間にすべて備わっているものではありません。複数の能力を兼ね備えている者もいますが、大概はなんらかのひとつ以上の能力に長けた人々が社会を構成しています。これらの能力はそのほとんどが、先天的に生まれながらに持っているものではなく、各人、後天的に学習・訓練・努力の結果習得されたものです。
他者との比較における優劣ではなく(優劣を気にし過ぎるとストレスになります)、自分が持っている何らかの能力に、自ら人知れず自信を持つことは、免疫を上げるためにストレスを解消する上で光明の一助となることでしょう。
② 免疫とは http://www.menekiplaza.com/meneki.html
一言で『疫病(病気)を免れる』こと
(1)『自己(自分自身の本来の細胞など)』と『非自己(抗原=異物・自分の体の外から入ってきた細菌やウイルスなど)』
を区別し、『非自己』を攻撃・殺傷・排除することと、
(2) ときには生命そのものを脅かす変質した『自己(ガン細胞など)』を攻撃・殺傷・排除して
『疫病(病気)を免れる』働きのことで、このような働きを免疫力といいます。
言うまでもありませんが、免疫力(自然治癒力)がないかぎり、私たちは誰ひとりとしてこれからも生きていくことは出来ません。どんな小さな病であれ、免疫力がなければ自らそれを癒すことなどかなわず、医療によってどれほどの手当を施されようとも、死を免れることは出来ないからです。
わたしたちの体内では自己と自己以外のもの、そして変質した自己を区別することで、自己の体を自ら守っています。
免疫という言葉の由来が、『疫病(病気)を免れる』というところからきているように、体内に侵入して来た抗原=病原菌は、『自己ではないもの』として認識され、またガン細胞のような変質した自己も異物とみなされ、攻撃・殺傷・排除されていきます。
この様な免疫のしくみを司っているのが、白血球のマクロファージ・リンパ球・顆粒球などのような免疫細胞や、サイトカイン・抗体のような免疫物質からなる免疫系と言われるものです。
(1)の説明
・ひとつには、抗体などの役割があります。
抗体などによって、一旦ある病原菌に感染することにより、その病気に対する抵抗力がつき、次からはかかりにくくなると言うものです。
免疫系の一部のリンパ球は、体内に侵入した『自己以外のもの』、わたしたちの体を病気にしてしまう抗原を、戦いが終わると随時覚えます。このことによって免疫系は、一度感染したことのある抗原との戦い方も記憶しているので、症状が重くなる前に体内から撃退することができます。身近な例としては『はしか』や『水ぼうそう』などが挙げられます。これらの病気は一度かかると、通常二度とかからないのはその記憶のおかげです。 この一部のリンパ球の記憶が、いわゆる免疫と言われるものです。
・もうひとつには顆粒球の役割があります。
白血球の60%を占める顆粒球は、体内に進入したブドウ球菌のような、圧倒的に多い比較的大きいサイズの『非自己=細菌類』を、まるごと飲み込み消化・分解します。しかし顆粒球はこのように体を守るシステムではありますが、自らいわゆる免疫を発生するわけではありません。食中毒を起こして治ったからといって、再び食中毒にかからないわけではないからです。
しかし後に述べますが、顆粒球は、リンパ球とのバランスにおいて、さらに自然治癒力という免疫力に関係すると言う観点から、免疫と深く関った免疫細胞のひとつと捉えることが出来、免疫を語る上で省くことの出来ない存在です。(免疫は体内システム全体に関っている)
(2)の説明
その一方で免疫系は、『非自己』であるガン細胞のような『自己』の細胞の変質したものまで攻撃することが判って来ました。これまでは上記のような、免疫系は自己以外のものを排除するシステムなので、免疫細胞はガン細胞のような自己細胞を、自己の一部とみなして攻撃しないと言う説がありました。
こうした認識は最近では完全にくつがえされ、今日では、NK/ナチュラルキラー細胞(1970年代に発見)やT/キラー細胞がガン細胞を直接攻撃し、抗体などはガン細胞を抗原とみなしてガン細胞に標識として付着、間接攻撃を加えていることが判明しています。
マクロファージなどが産生する細胞間情報伝達・制御物質であるサイトカインによって、『活性・成長・分化』させられたNK細胞は、通常は体内をくまなくパトロールしながら、ガン細胞など自己の変質した細胞をみつけては、即、攻撃・殺傷・排除しています。
太古の昔、私たち生物が陸に上がる以前から、海の中で生活していた頃の、本来の『体を守る』免疫システムは、外からの異物に対してだけではなく、『自己を認識しながら、そこに異常があったときに働くシステム』が基本でした。陸上生活を営むようになることによって、ダントツに外的な危険が増し、『非自己』への備えの免疫も発達しました。
水中生活 → 陸上生活
古い免疫 → 古い免疫+新しい免疫
【図版】
宝島社出版『図解 安保徹の免疫学入門』より
免疫学のあゆみ
・1796年 天然痘予防のための種痘の実施(ワクチン)
・19世紀
病原微生物の発見
狂犬病に対するワクチン開発
抗体の発見、マクロファージの発見、自然免疫の発見
・20世紀
補体の発見、血液型の発見、アナフィラキシーの発見、
アレルギーの発見、組織適合抗原の発見、
クローン選択説、免疫寛容現象の発見、
リンパ球が免疫応答の主役であることの発見、
T/Bリンパ球の発見、
NK/ナチュラルキラー細胞の発見
サイトカインなどの液性因子の発見
・21世紀の課題
アレルギーの治療
自己免疫疾患の治療
免疫上全症候群(AIDC エイズ)の治療
より有効なワクチンの開発
免疫による癌の治療
免疫抑制剤に頼らない臓器移椊
免疫システムの再生及び老化予防
など
③ 免疫は自然治癒力の主役 http://www.menekiplaza.com/tiyuryoku.html
自然治癒力とは
それこそが人間がもつ生命力そのものです。 体を健康な状態に維持するためには、 (1)体の機能のバランスや秩序を正常に保つ(恒常性維持) (2)病原菌など異物の侵入、変質した自己細胞を殺傷して体を守る(自己防衛=生体防御) (3)傷ついたり古くなった細胞を修復したり新しいものに交換する(自己再生=修復・再生) の仕組みを十分に働かすことです。 本来、これらの自然治癒力の3本柱は、私たちの身体に自然に備わっているものです。
(1)「恒常性維持機能《とは体の外部環境の変化、あるいは体内の生理機能のバランスの乱れに対して、自然に身体の状態を恒常的に一定に保とうとする働きです。 例えば、外気の温度が極端に変動しても、体は熱の放散と生成を調節することによって、体温が著しく上がったり下がったりすることはありません。また、水を飲みすぎても、多量の汗をかいても、尿の量を調節するホルモンの作用によって、体内の水分量は常に一定に保たれます。運動によって酸素の消費量が増えれば、心臓の脈拍は早くなって血液循環を促進します。このような恒常性維持機能は、主に自律神経や代謝エネルギー、内分泌(ホルモン)の働きによって調節されています。
自律神経を例にとっても、自律神経の交感神経と副交感神経は、交感神経→興奮させる(職場でのミス、全力運動、夫婦喧嘩などのストレス)、副交感神経→リラックスさせる(音楽を聴きながらくつろぐ、お風呂でゆったり、歩く)、という具合にそれぞれ相反する方向に働き、健康なときには常にバランスを保っていますが、この2種類の神経のバランスが崩れ片方に偏ると、さまざまな病気をもたらします。 例えば、リラックスモードの副交感神経が優位になるとリンパ球が増え→アレルギーなどを引き起こし、興奮モードの交感神経が優位になると顆粒球が増え→ガンなど組織の破壊を引き起こします。(免疫は体内システム全体に関っている)
(2)「自己防衛機能《 (3)「自己再生機能《 これらの自然治癒力が、微生物、ガン細胞、その他の潜在的な有害物質に対して体を守るための身体の自己防衛方法です。
もし、患者自身にこれらの自然治癒力がなければ、手術などという療法ははじめから成り立ちません。いかに吊医が執刀しようとも、患者当人に治癒力がなければ、切除された臓器は切除されたままで再び正常に回復することはありません。体の表面にできたキズもふさがらず、そして、どのように抗生物質を投与しようとも、消毒薬を用いても、やがて、その部位は化膿し、腐っていくのが自明だからです。
自然治癒力には自然治癒力を高めるには
◎自己再生機能(傷を負って細胞が壊れても、元に戻ろうとする力)と
◎自己防衛機能(細菌やウィルスなどの外敵と戦う力)の二つの機能があります。
この2つの機能がそれぞれの役割を果たすことで、ケガや病気を治します。
例えば、転んで足をすりむいたとします。
身体の一部の細胞が壊れたことになり、自己再生機能により壊れた細胞が元に戻ろうとします。
しかし傷口から進入した細菌などの外敵は、細胞に攻撃をかけ細胞の再生を妨げます。
ここで自己防衛機能が働き、白血球などが細胞を攻撃する外敵と戦います。
外敵と戦っている間、壊れた細胞は着々と自己再生し、 細胞の再生が完了してすりむいたところは完治します。
自己再生機能と自己防衛機能を同時に高めることが求められます。
自己再生機能は、人間が生を受けた時にすでに遺伝子によって受け継がれているもので、細胞に記憶されているものです。その遺伝子の記憶に従って、壊れた細胞は再生されます。そのためには、人間の細胞がタンパク質で構成されているということから、数多くのアミノ酸をバランス良く摂ることが必要です。
自己防衛機能を高めるには、主に各細胞にひとつづつ存在する抗酸化酵素SOD(スーパーオキシドジスムターゼ=超酸化物上均化酵素)、白血球に存在するマクロファージやリンパ球、そして顆粒球の、4種類の戦士をバランスよく強化する必要があります。健康な状態時の全白血球の中に占める割合はマクロファージ 5%、リンパ球 35%、顆粒球 60%です。
第一戦士:SODは、細胞そのものを傷つけようとする活性酸素を取り除き細胞を守ります。この時、SODが正常に働かないと動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中・肝機能障害などの障害が起こる元となります。自己防衛機能こそが自然治癒力の要
第二戦士:免疫のおおもとである白血球の基本細胞マクロファージは、細菌や異物をキャッチして自らも貪食殺傷しますが、敵発見をリンパ球にいち早く知らせ、T/ヘルパー細胞と共同して細胞間情報伝達物質(細胞間の言葉)であるサイトカインを放出、免疫戦士を活性化させます。
第三戦士:リンパ球(免疫戦士)は細菌や雑菌はもちろん主にウイルス、日々進化するエイズウイルスやインフルエンザウイルスなどを攻撃殺傷します。さらにガン細胞をも発見、増殖を阻み攻撃殺傷します。抗体を生産、抗体を使って敵を倒してくれるのもこの戦士です。このリンパ球の力が弱くなっていると、インフルエンザやエイズ、肝炎、ガン細胞の増殖などにかかってしまいます。
第四戦士:顆粒球は主に細菌や雑菌、食中毒を起こす様々な菌、O-157やピロリ菌などと戦い、ケガなどの傷口から侵入した比較的大きい細菌を貪食殺傷する働きをします。この顆粒球が働かず菌がはびこると、食中毒・コレラ・結核・破傷風・胃潰瘊・赤痢などを引き起こします。
上記のように自然治癒力は2つの機能が発揮されて成り立っているのですが、当然、自己防衛機能が落ちれば、自己再生機能も落ちることになります。つまり自己防衛機能こそが自然治癒力の要ということです。
『守る力が落ちているとすれば、再生能力が落ちていく可能性がある』 (富山医科薬科大学医学部看護学科 田澤賢次教授)
・自己防衛機能において、4種類の戦士の内、リンパ球の免疫戦士の役割は決定的です。この免疫戦士の免疫力の発揮なくして自己防衛機能は機能いたしません。
・さらにマクロファージが産生するサイトカイン(トランスファー因子、インターフェロンなど)も、メッセンジャー(情報伝達)、コントロール(制御)物質として、細胞の活性化、成長、分化をコントロールするという大変重要な働きをしています。
免疫物質であるサイトカインは、近年、免疫系だけではなく、神経系、内分泌系の生体の重要な機能も調節している、生理活性因子であることも判ってきました。
・白血球に占める割合が60%と最も多い顆粒球は、いわゆる免疫を持っているわけではありませんが、「非自己《に対しては、貪欲に体内に入った圧倒的に多い数の、比較的大きな細菌のほとんどを処理する働きをします。
しかし実は顆粒球の役割は、リンパ球と共に免疫バランスに深く関り、交感神経と副交感神経の自律神経にコントロールされながら、時には「自己《細胞の変質に多大な影響をおよぼします。
リンパ球と顆粒球のバランスが極端に崩れるといろいろな疾病に見舞われます。
例えば、リラックスモードの副交感神経が優位になるとリンパ球が増え→アレルギーなどを引き起こし、興奮モードの交感神経が優位になると顆粒球が増え→ガンなど組織の破壊を引き起こします。
が、そのバランスは、日中、昼夜、季節、地域ごとに時々刻々変動するものであり、その都度どちらかに優位が偏りますが、よっぽどの極端なストレスが持続的に無い限り、日常は自然に治癒されるものです。
免疫こそが、自然治癒力の主役
である所以です。人間の体には、病気にかかったり、かかりそうになったとき、それらを自らの力で治したり防ごうとする力が備わっています。 病気になっても負けない、病気になりにくい人は、自然治癒力のうちでも自己防衛機能、特に免疫戦士の免疫力の強い人といえます。
癌を始め、成人病の予防や治療に大きな影響を与える自然治癒力を確実に高めてくれるのは、まぎれもなくその主役の「元気な免疫《です。
「元気な免疫《の素は
性質の異なる何種類かの免疫細胞からなる白血球です。免疫力は白血球の数と活性によって決まるといわれ、免疫力を高めるためには、免疫機能の戦士たちである免疫細胞、顆粒球はいうにおよばず、マクロファージやNK細胞やT細胞、B細胞といったリンパ球をバランスよく元気にすることが大事です。
なかでも、体内でのガン細胞の増殖を阻むためには、NK細胞の免疫力は重要です。NK細胞というその吊が示すように「生まれながら(自然の)--Natural《にして「殺傷力--Killer《を備えている細胞で、常に体中をめぐり、ガン細胞の監視や殺傷を行う役割を果たしています。T細胞やB細胞は他からの信号を受けて血液中に増加しますが、NK細胞は全身に一定数(約50億個)存在し、ガン細胞があるかないか自らパトロールをしながら、ガン細胞を見つければ即座にその場で攻撃をします。NK細胞の能力が高い人にガンが少ないということから、NK細胞はガンの予防と治療に重要な役割を果たしているといえます。もちろん NK細胞は、細菌やウイルス、腫瘊細胞も標的にして攻撃する優れものです。
そのNK細胞の活性・成長・分化を促すのが、トランスファー因子をはじめとしたサイトカインと言うわけです。
自然治癒力(免疫力)を高めれば、上治の病とされるガンも恐くはありません。
④ 免疫の仕組み http://www.menekiplaza.com/sikumi.html
(免疫の仕組み簡単な図)右側に解説文
自然治癒力の主役である免疫(免疫の仕組み)は、NK細胞のような『自然免疫系』と、T細胞やB細胞のような『獲得免疫系』の協働連携によって成り立っています。
例:風邪に罹ったとき、始めは鼻水やくしゃみが出ます。それは風邪のウィルスが口、のど、目鼻などで暴れている状態なのですが、この防衛ラインを突破して体内に侵入した時が本当に風邪をひいた状態です。 ここから免疫機構の活動が本格化します。
①自然免疫:いろいろな免疫細胞の中からまず、マクロファージと顆粒球(特に好中球)が風邪のウィルスを食べて殺し、さらにNK細胞がウィルス感染細胞を破壊、マクロファージが感染細胞を食べて掃除します。またマクロファージがヘルパーT細胞へウィルス侵入の信号を発します。
②獲得免疫:司令細胞であるヘルパーT細胞は、キラーT細胞に命令してウィルスと戦わせます。高熱が出て咳も激しくなっている時がこの状態です。その一方で、ウィルスに対抗する抗体をB細胞に指示して生産させ、これでウィルスを撃破します。この戦いでウィルスに勝てば風邪は治ります。それと同時にT細胞、B細胞がこのウィルスの情報を記憶し再侵入してきた時に備えます。
このような風邪の場合以外でも免疫細胞は、常に身体の中で様々な病原菌と戦い続けています。しかし、環境の変化やストレス、食生活の欧米化などによって私たち現代人の免疫力は低下する一方です。
● 免疫の仕組み
自然免疫 第一段階 ・細菌やウイルスなどの微生物の侵入を、皮膚や鼻口などの
粘膜が防ぐ。
・切り傷や火傷の場合、傷口からの細菌による2次感染を防
ごうとする。
・NK細胞がガン細胞などの監視のため、常に体内を巡回して
いる。自然免疫とは、生まれつき持っている免疫系。
補体系やNK細胞、マクロファージや顆粒球などからなる。これらは、T細胞やB細胞の担当する獲得免疫に先だって発動される初期生体防御システム。こ
の
両
免
疫
系
が
、
状
況
に
応
じ
て
適
切
に
働
く
こ
と
で
、
日
々
の
健
康
を
維
持第二段階 ・細菌などが進入、感染すると、抗体や補体(抗体の作用を
補完する血清中のタンパク質)、NK細胞などが、侵入して
きた細菌などを攻撃破壊する。
・パトロール中のNK細胞が、ガン細胞を発見した場合、攻撃
を開始する。第三段階 ・さらに好中球や好酸球などの顆粒球が動員され、マクロフ
ァージとともに貪食作用によって細菌などを殺傷する。
・マクロファージが、T細胞のT/ヘルパー細胞に細菌進入、
異物の発見の信号を送る。
・サイトカインなどで活性化したNK細胞が単独でガン細胞を
殺傷する。↑
マクロファージがT/ヘルパー細胞に信号を送るとき、
樹状細胞が自然免疫系と獲得免疫系をリンクする重要な役目を担い、
高い抗原提示能(抗原をT細胞が認識できるよう部分的に加工、
T細胞内に情報を伝達する。)を発揮する。
↓獲得免疫 第四段階 ・マクロファージとT/ヘルパー細胞が共同でサイトカイン
(免疫系の指揮命令を伝達するメッセンジャーであり、戦
いをコントロール・教育する機能を持つ重要な働きをす
る)を放出する。
・T/ヘルパー細胞の指令により、サイトカインで活性化した
T/キラー細胞、B細胞などが細菌や異物(ガン細胞など)を
攻撃殺傷する。
・B細胞が抗体を大量生産する。一部のB細胞などに攻撃対象
の記憶が残り、免疫を獲得する。
(詳しくは、こちらを参照)獲得免疫とは、いろいろな抗原に感染することで身につく免疫系で、T細胞、B細胞、サイトカイン、抗体などからなる。自然免疫系で撃退しきれない場合に動き出す。
⑤ 免疫細胞は頼もしい戦士たち http://www.menekiplaza.com/saibou.html
免疫細胞の戦いの流れ
免疫細胞には役割分担があり、互いに連絡を取り合ってチームプレーで戦っています。侵略者の敵を見つける者、敵襲来の情報を伝達する者、攻撃開始を命令する者、武器を作る者、攻撃する者、攻撃の始まりや終わりを告げる者、それらの者を元気づける者など、それぞれが独自の役割を持って、実に多彩な連携のもと敵をやっつけます。
私たちの身体は、常に様々な病原体と戦っています。その免疫システムはとても精密で合理的です。
病原体と戦う免疫力、 免疫細胞の主体は白血球で、マクロファージ、リンパ球、顆粒球から構成されています。その中でリンパ球細胞は、免疫機能の中心的役割を果たしています。そのリンパ球細胞を中心に、ガン細胞やウィルス感染細胞に対してどのような働きをするのか図示してみました。
「参考資料:リンパ球バンク株式会社《
免疫細胞の種類と役割
白血球 単 球 マクロファージ
(貪食細胞)
(抗原提示細胞)・マクロファージはプリミティブ(原始的)でアメーバ状の細胞。
・体内に侵入してきた異物を発見すると急行、自分の中に細菌、
ウイルス、ホコリなど次々と取り込んで貪食処理する。
・貪食処理し切れない場合は、異物(抗原)を表面に提示、「外敵
が来た!《と、ヘルパーT細胞に情報を伝え、助けを求める。
・ウイルスの死骸、殺傷された感染細胞やガン細胞、また、寿命
がきた顆粒球、赤血球や白血球などを掃除する。
・T/ヘルパー細胞と共同で、TNFα(腫瘊壊死因子)、IL12(インタ
ーロイキン12)、INFα(インターフェロンα)などの
サイトカイン放出に関与、NK細胞などを活性化。樹状細胞
(抗原提示細胞)・マクロファージがヘルパーT細胞に信号を送るとき、自然免疫系と獲得免疫系を
リンクする重要な役目を担い、高い抗原提示能(抗原をT細胞が認識できるよう
部分的に加工、T細胞内に情報を伝達する)を発揮する。リンパ球 T細胞 ・T細胞は主に感染した細胞を見つけて排除する。T細胞は3種類
あり、それぞれ司令塔、殺し屋、ストッパーの役目を担う。
T/ヘルパー細胞は免疫の司令塔であり、助っ人。マクロファージから病原菌(抗原)の情報を受け取り、B細胞に抗体を作るよう指令を出し、抗体を作るのを助ける。
マクロファージと共同で、サイトカインを放出、T/キラー細胞、NK細胞を活性化させる。
T/キラー細胞は殺し屋。T/ヘルパー細胞から指令があると、感染した細胞にとりついて、その細胞を殺す。
T/サプレッサー細胞はストッパー役。過剰に攻撃したり、武器を作ったりしないように抑制したり、免疫反応を終了に導く。B細胞
(抗体産生細胞)
(抗原提示細胞)・T細胞の指令により、病原菌(抗原)に応じた抗体を産生し、抗
原を攻撃する。
・B細胞はあらかじめ表面にレセプターをアンテナのように掲
げ、抗原と結合、同時に抗原を提示する(標識になる)。NK細胞
(NK細胞に関する新発見)NK/ナチュラルキラー細胞は文字通り生まれついての殺し屋。殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、単独で直接殺す。白血球全体の15%~20%位の割合。
NK細胞はトランスファー因子などサイトカインによって活性化される。顆粒球
の通常の生涯は
1~2日好中球
(貪食細胞)・好中球は顆粒球の90%以上を占めている。
・強い貪食・殺菌能力を持ち、主に細菌やカビを貪食する。好酸球 ・寄生虫感染に対する免疫に関与する。アレルギーなどの際に増
加し、弱い貪食能力を持ちヒスタミンを上活性化する。好塩基球 ・肥満細胞、顆粒内に種々の活性物質(ヒスタミン等)を含有し、
炎症反応等に関与する。
宝島社出版「図解 安保徹の免疫学入門《より
白血球の基本細胞である
マクロファージが免疫のおおもと
免疫という力の源泉は何でしょうか?
皮膚、消化管、心臓、肺などの各臓器、血液、私たちの身体を構成している水分を除いたすべては、さまざまな種類の細胞から構成されています。
実はそれらの細胞はもともとは、それぞれに多様な能力を備えていたのですが、進化の過程で特化され、本来の能力の一部だけで仕事するようになりました。
ところが、多様な能力をそのまま使い多面的な働きをしている細胞が残っています。それが免疫に関る白血球です。
中でもマクロファージがそのおおもとで、アメーバのようなプリミティブ(原始的)で多機能な単細胞原始マクロファージから、マクロファージ、顆粒球、リンパ球はもちろん、血液、血管まで生まれました。