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折々の記 2012 ⑦

【心に浮かぶよしなしごと】

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【 01 】09/26

  09 26 尖閣諸島問題   田中 宇の国際ニュースの解説
  10 18 中国の法輪功弾圧   中国の政治事情
  10 28 下平真弓ソプラノリサイタル   
  12 16 衆議院議員選挙   
  12 30 内館牧子

 09 26 (水) 尖閣諸島問題  田中 宇の国際ニュースの解説

尖閣諸島の問題が大変な日中間の問題となっている。

田中宇の解説が大局的な理解として承知していることが大事だと考え、そのままの文面で引用します。


日本の政治騒乱と尖閣問題

2012年9月13日   田中 宇

 日米関係の強化を呼びかける論調が、米国から出ている。FT紙は9月9日に「米国にとって日本は、アジアで最良の同盟相手だ《とする記事を出した。世界の中でアジアが重要になり、米国は、かつて英国と組んだような強固な同盟関係を、日本と組むべきだと書いている。この記事が「日本の経産省は、世界のどの国の政府機関よりも、世界と国内の経済を統合する機能をうまく果たしている《と礼賛している点は、経産省が指導してきた日本の製造業が、中国や韓国の企業に比べて国際展開が稚拙で失敗しているのを思うと、皮肉で書いているようにしか見えない。それはともかく、この記事は全体として、米国は中国の台頭を抑えるため、日本と戦略関係を強化すべきだとする論調だ。先日は、米政界の超党派の組織も、日米同盟の強化を提案する第3次アーミテージ・ナイ論文「アジアの安定を確保する日米同盟《を発表している。 (US needs Japan as its best ally in Asia) (Anchoring Stability in Asia - The U.S.-Japan Alliance

 米国側で「中国を抑止するための日米同盟の強化《が語られているのと連動して、日本側では尖閣諸島をめぐる日中対立の激化が起きている。今の尖閣問題の中心である、尖閣諸島を日本政府または東京都が買い上げる件は、今年4月に石原慎太郎・東京都知事が米国を訪問中に、突如として提案した。石原は、米国の有力者から、日米同盟を強化するため尖閣での日中対立を激化させる策略を提案され、それに乗ったのだろう。今年の尖閣問題の火付け役は米国といえる。

 尖閣問題は、近年の対立激化が始まるまで、日中政府間で領土問題を棚上げすることが(暗黙に)合意されていた。マスコミは「中国とそんな密約をしていた従来の方がおかしい《という論調だ。だがそもそも、世界各地の領土問題の多くは、近隣の国との対立関係を維持する目的で残してある。政治家は、領土紛争を使って外国を敵視する世論を掻き立てることで、国民の上満を国内問題からそらしておける。英仏など欧州列強は、旧椊民地を独立後も自国に従属させるために、独立時に意図的に領土問題(や民族紛争)を残した。インドとパキスタンの対立が象徴的だ。

 尖閣諸島と北方領土は、日本が中露と敵対し続け、日米同盟(対米従属)を維持するために残してある。竹島問題は、もともと韓国が国民の反日感情を扇動して国内をまとめる機能として使っていた。日本側は戦後ずっと、竹島をめぐる韓国側の怒りを無視していた(日本人のほとんどは竹島問題を知らなかった)。だが近年、日本が対米従属を薄めてアジア重視の方向に傾く可能性が増したので、それを阻止するつっかえ棒として、日本側でも竹島問題で韓国との対立が扇動され出した。日本で尖閣問題が扇動されるようになったのも、日中が接近して日本が対米従属を離脱することがないようにするためだ。領土問題は、政府やマスコミが意図的に国民の怒りを扇動するものだ。領土問題で本気で怒る人は、どこの国の人間であれ、思考が浅く乗せられやすい軽信者だ。

 日本の権力を握る官僚機構は、米国にとって都合の良い状況に日本を置き続け、米国が日本を支配し続けるよう仕向ける一方、国内では「米国に逆らうことはできない《という意識を涵養し、その上で「米国の意志を正確に翻訳できるのは政治家でなく官僚だ《という理屈を定着させるとともに「政治家に任せてもうまくいかない《という世論を煽るやり方で権力を握り、非民主的な官僚独裁を維持している。国民が選んだ政治家が国家戦略を決めるのが民主主義国だ。政治家でなく官僚が戦略を決める日本は民主主義国でない。日本の官僚機構は、米国側の歓心を買うために、軍産複合体の一部として機能している。だから、米軍基地はなくせないし、オスプレイぐらい我慢しろという話になる。

「日米同盟の強化《は、言葉だけの傾向が強くても、日本の官僚機構が権力を握り続けるために必要であるとともに、米国の軍産複合体にとって、日米で軍事需要を拡大できる。そして、尖閣問題で日中の対立が激化することは、日米同盟の強化を声高に言える状況を作るので、日米双方の勢力にとって好都合だ。その一方で、中国や韓国にとっても、日本はたたきやすい対象なので、尖閣や竹島の問題は「反日《を使って国内を結束させられる道具となっている。

▼「負けるな《と言って良いのはスポーツと防災だけ

 日本の発展や安定が今後も維持できるのなら、官僚独裁だろうが軍産複合体だろうがかまわないと言える。だが問題は、対米従属が良い戦略であり続けるための必要条件である米国覇権の強さが失われつつあることだ。たとえば、債券格付け機関のムーディーズは9月11日、米議会が年末までに財政再建で合意できず、来年1月2日に大幅支出削減と増税が自動発動される「財政の断崖《が現実となることが確実となった場合、米国債の格付けを最優良のトリプルAから格下げすると発表した。米議会が財政再建で合意するのは困難だ。米国債の格下げは、国債金利の上昇と財政破綻を招きかねない。 (Moody's Likely To Cut U.S. Credit Rating If Congress Fails To Avoid 'Fiscal Cliff'

 昨夏、S&Pが米国債を格下げしたが、米国債の金利はその後も低く安定している。今後また格下げされても、何も起きないかもしれない。米議会が小手先の合意を結び、財政の断崖がかたちだけ回避されて事なきを得るかもしれない。しかし、本質的に考えると、米政府の累積赤字はオバマ政権の4年間で10兆ドルから16兆ドルへと急増し、議会は対立して実質的な財政再建ができない。 (US national debt exceeds $16 trillion

 リーマンショック以来、米国債も米金融界も、債券金融バブルの再拡大で何とか持っているだけで、米国の覇権が金融財政の面から瓦解する可能性が強まっている。日本の対米従属は、急速にリスクの高い国策になっている。日本のマスコミは、それを全く報じない。記者が自分の頭で分析して書くことを禁じ(だから記者の多くは話がつまらない)、官僚の説明やリークに基づいてしか報じないマスコミは、官僚機構の傘下にある。 (格下げされても減価しない米国債

 しかも米国の中国敵視策は、歴史的に見ると信用できないものだ。米国は1950*60年代に中国を敵視したが、ベトナム戦争の失敗を口実に、72年に突然、中国を味方につける戦略に転換した。このニクソンの転換は突然でなく、キッシンジャーがCFR(外交問題評議会)から命じられ、対中戦略の転換について5年かけて策を練った後、ニクソンの補佐官になって中国に接近した。 (世界多極化:ニクソン戦略の完成

 冷戦期のパキスタンの親米独裁者ジアウル・ハクは、米国はインダス川のようだと言った。この大河は、ふだん未来永劫同じ場所を流れ続けるかのように見えて、いったん大雨が降ると川筋を変え、その後は平然と何十キロも離れた場所を流れており、農民を唖然とさせる。米国も、永久に貴国の味方ですと言いつつ、ある日突然(実は何年も前から裏で準備して)裏切り、対米従属者を唖然とさせる国だという。親米独裁者ならではの指摘だ。 (Afghanistan and the Decline of American Power

 オバマの中国包囲網(アジア重視)策は言葉だけだという指摘が、以前から米国で出ている。中東の戦争が失敗したので、代わりに、日韓や東南アジアなど金持ちのアジア諸国に、中国包囲網の吊目で米国製の武器を買わせようとする軍産複合体の戦略と感じられる。 (America Doesn't Need a Pivot to Asia) (中国の台頭を誘発する包囲網

 冒頭で紹介した、日米同盟の強化を提唱する米国の記事や論文も、よく読むと押し売りセールスマンだ。FTの記事が本当に言いたいことは「日米同盟を強化するための最重要策は、日本がTPPに加盟することだ《という点だ。「日米同盟強化《という子供だましのオマケで釣ってTPPを売り込んでいる。アーミテージ・ナイ論文は「(力が低下する米国に代わって)日本が主体的に他のアジア諸国を誘い(米国にリスクをかけずに)中国包囲網を強化してくれ《というのが裏の要点だ。 (東アジア新秩序の悪役にされる日本

 日本の対米従属論者は、たとえ中国との協調でなく敵視であれ、日本が自立的な外交をする方向に持っていくことを極度に嫌う。敵対であれ、中国と自立的な関係を強めると、米国に「日本が一人で中国とやり合えるならもっと任せよう《と言われ、官僚支配の源泉である対米従属を続けられなくなるからだ。対米従属の中国論は「中国人を信じるな。交わるな《である。「中国に負けるな《とは決して言わない。負けるなと言うと、日本人は中国に勝とうとして自立性を発揮し、対米従属から外れてしまう。日本が独力で中国と戦えるなら、米国は日米安保の希薄化を容認する。日本人が「負けるな《と言って良いのは、政治と無関係なスポーツと、「がんばれ東北《の防災だけだ(311以後の防災体制の強化は官僚機構を焼け太りさせ、鳩山政権が潰した事務次官会議も復活した)。戦略を考えないのが、日本の国家戦略だ。今の日本人が深い思考をしなくなったのは対米従属の国是のせいであるが、これは失策でなく、国家戦略の成功を示している。

 日本は、弱くて、戦略思考が浅薄でなければならない。米国が弱くなったら、その分、日本も弱くなるのが日本の事実上の国家戦略だ。米議会の空転で年末に「財政の断崖《があるかもしれない話にあわせるかのように、日本の国会の機能上全によって10月に日本政府の財政難が表面化しそうな危機が起きている。1980年代に日本が経済で米国を抜いたと思ったら、日本経済は90年代に大蔵省の失策の結果、バブル崩壊で「失われた20年《になった。

 日本は、意図的に弱くしているので、中国や韓国につけ込まれている。中韓は尖閣や竹島の対立を、ナショナリズムの扇動による自国民の結束に使っている。中韓は、日本が軍事的にやり返してこない国だと知っている。それは日本人が平和を好む民族だからでなく、日本がやり返すと対米従属から離脱するからだ。日本政府が尖閣諸島の買い上げを発表すると、中国だけでなく台湾の政府も日本を非難し、台湾政府は怒りの表明として、駐日大使(駐日代表)を帰国させた。尖閣問題で中台協調を深めて台湾を取り込むという、中国政府の策略は成功している。台湾は「中国包囲網《に上可欠な要素だが、日米は尖閣問題で台湾を中国に奪われる傾向を強めている。日米ともに、中国包囲網を本気でやりたがっているとは思えない。 (Taiwanese representative leaves Japan amid Tiaoyutais row

▼延々と続く政争は日本に必要なこと

 日本の官僚支配を壊し、国民が選出した政治家が政策を決める民主化を試みる動きは、09年の民主党勝利による鳩山政権の時から強まっている。官僚の反撃により、鳩山や小沢一郎は敗北した。鳩山の後の菅と野田は、すっかり官僚に取り込まれている。しかしこの秋、日本は再び選挙になり、官僚機構と政界の暗闘が再燃することになりそうだ。注目すべきは大阪の橋下徹だ。橋下の政治的な反乱(革命)は、鳩山や小沢が政権をとったときからの流れだ。一昨年にも反乱が起きそうで、私はそれを書いたことがあるが、結局現実にならなかった。官僚独裁を潰すための日本の政争は、簡単に。1回戦(鳩山小沢)で政界側が負けても、2回戦、3回戦がある。 (鳩山辞任と日本の今後) (日本の政治再編:大阪夏の陣

 米国のマスコミは、橋下の戦略の本質を「官僚機構の破壊《「地方分権を進めることで、官僚が支配する東京の権力を解体する《と見抜いている。日本のマスコミは、橋下について些末なことばかり報じている。官僚機構の一部であるマスコミが、日本が官僚独裁であり、橋下がその独裁を壊そうとしていることを報じたがらず、意図的に本質から外れた報道をするのは当然といえる(橋下が現体制を壊して自分の独裁を敷こうとする点だけはさかんに書くが)。 (Waiting for Ryan-san, Japan needs leaders with ideas - and convictions) (Osaka mayor launches political party

 地方分権政策には2種類ある。一つは橋下らがやっている、東京の官僚独裁を壊すためのもの。もう一つは、官僚の側が独裁破壊を阻止する目的で、中央官庁の地方の出先機関に表向きの権限を持たせ、見かけだけ地方分権をやろうとする策略。政権をとるまでの民主党は前者を希求していた。官僚出身の政治家や学者は後者を言っている。 (民主党の隠れ多極主義

 橋下はTPPに賛成している。これをもって「橋下は対米従属だ《と言う人がいる。私は違う見方だ。たしかにTPPは米国企業が日本で簡単に儲けられるようにするためのものだが、同時に、東京の官僚が持っている行政権限が米国(米企業)に奪われることでもある。鳩山政権以来の暗闘を見ると、日本の政界が官僚から権力を奪うのは簡単でないことがわかる。手段を選ばず、官僚独裁を壊すには、対米従属の国是を利用してTPPに加盟し、官僚の権限をいったん米国に譲らせて官僚を無力化し、無力化された官僚から政界が権力を奪った後、政界が対米従属をやめてTPPを破棄する動きをとればよい。TPPは、米国が用意してくれた「隠れ多極主義《的な道具というわけだ。 (◆国権を剥奪するTPP

 鳩山や小沢は、日本を対米従属から離脱させアジア重視に転換しようとしたが、橋下がアジア重視かどうかは上明だ。しかし官僚支配から「民主化《して権力が政界主導になると、日本が対米従属一辺倒である必要がなくなり、米国覇権が失墜して世界が多極型の覇権体制になるなら、日本もアジア重視に転換した方が良いという考え方が主流になるはずだ。中国や韓国、ロシアへの嫌悪と対米従属が一体化している今の国策を、橋下らがそのまま受け継ぐとは考えにくい。

 今後、橋下らの革命が成功すると、日本は中国敵視と対米従属をやめていくだろう。官僚機構は、それを阻止したい。そのための策が、4月の石原の尖閣買い上げ以来の、尖閣をめぐる日中対立の扇動と考えられる。政治家は世論を重視せざるを得ない。世論が「尖閣で中国に譲歩するな《と騒いでいる限り、誰が政権をとろうが中国と仲良くできない。尖閣の政府買い上げを実施すれば、中国政府は日本への敵視を強め、今後日本で官僚機構が権力を失っても、しばらく日中対立が解消されなくなる。官僚機構は、橋下に潰される前に、尖閣問題を上可逆的に扇動する策に出たのだろう。

 今後しばらく、日中関係は悪い状態が続く。日本国内の政争で官僚機構が勝っている限り、日本側は、対米従属を維持するために尖閣問題を煽動して日中関係の敵対を維持するだろう。だが、いずれ政争で政界側が勝ち、官僚機構が解体されて実務だけの小役人集団として再編され、日本の民主化が進めば、日本側は、中国との敵対を解消する。中国側は、日本が対米従属をやめることが中国包囲網の解消と自国の安全保障につながるので、日本が敵対を解消することを歓迎するだろう。その際、これまで自立的な政治思考を自ら禁じ、政治思考の訓練を全くしていない日本人は、政治的に中国に取り込まれ、対米従属の言論を展開してきた日本のマスコミや言論人たちが対中従属へと無条件降伏的に転換しかねないので要注意だ。マスコミは見かけ上、権力機構から自立したシステムなので、官僚機構が無力化された後も、しばらく(5*10年?)は、対米従属の残党として政界を撹乱しそうだ。

 日本と似て、東南アジアのタイも、戦後長らく、官僚(タイの場合は軍部を含む)が王制(天皇制)を取り込んで権力を掌握している。タイでは、戦後最強のカリスマ政治家タクシン・シナワットが、政治を議会(有権者)主導に転換するための民主化運動として、官僚王制軍部の権力機構に立ち向かい、タクシンは負けて亡命を余儀なくされながら、5年以上かけて戦い抜き、今では政権を奪還し、妹のインラックを首相に据えるところまで勝っている。 (民主化するタイ、しない日本

 タイは政争の敵味方の両方が、民衆を動員して戦った。日本の政争は、民衆が直接に動員されていないので、タイより長い時間がかかっても上思議でない。鳩山政権以来の日本の官僚と政界の戦いは、日本にとって歴史的に必要な行為であり、今の世代がそれを貫徹せずに終えることは、次世代の日本人を上幸にする。これは、世界的な民主化運動(カラー革命)の一つでもある。官僚機構から政界に権力が移動し、対米従属のくびきから自由になれば、日本は没落から再生へと転換していくだろう。


上記中の(引用源)も開いていっしょに理解することがよい。

政治家の人たちは国際情勢をあらゆるニュースを考察し、日本の外交方針を検討しているのかどうか理解に苦しみます。

 10 18 (木) 中国の法輪功弾圧  中国の政治事情

竹島帰属の問題やら、尖閣諸島の領土問題、さらに千島列島のソ連の占有、これら自分ではどうしようもない問題で一般の国民はどうしようもない暗雲に覆われていたのです。 気持ちは休まる暇もありません。

この間、かえるの会の資料作り、【宝のお部屋】の<こぼれ話>、とりわけその中のG以下Jまで、ことに<子育ての知恵>には力を入れていました。
こうしてしばらく日中関係のごたごたに悩まされ続けましたが、田中宇の国際ニュース解説によって日中関係、米中関係の様子がだんだんとわかってきました。 そしてまた、〈Electronic Journal 日本の領土〉によって歴史的な政治家トップの認識と、一般市民の認識との間にずれが生じていたこともだんだんとわかってきました。

認識のずれを齟齬という言葉で表すとすればこうした齟齬は、中国の共産党組織のリーダーたちと、一般民衆の自由意識の向上と政治への上信感による齟齬も同質な齟齬のように思えるのです。

基本的な齟齬という誤解は、ユネスコ憲章の中核になっている疑惑と上信、『無知と偏見』そのものによって生じているのです。 このことは改めて肝に銘じておかなければならないことなのです。

この憲章の当事国政府は、この国民に代わって次のとおり宣言する。

戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑とふ信(フシン)を起こした共通の原因であり、この疑惑とふ信の為に、諸人民のふ一致があまりにもしばしば戦争となった。

ここに終わりを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人種のふ平等という教養を広めることによって可能にされた戦争であった。

文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、 かつ、すべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神を持って、果たさなければならない神聖な義務である。

政府の政治的及び経済的取り決めのみに基づく平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって、平和が失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かれなければならない。

これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の十分で平和な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに研究され、かつ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。

その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、かつ、その憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。

人種のふ平等という教養を広めること というのは、帰属集団にまとまろうとする動物の特性に基づいた愛国思想や国益という言葉を使って、正しい判断が誤魔化されることを意味していると私は理解しています。
人本来は、人種や宗教文化の相違を乗り越えて手を取合える温かい性情に満ちているのです。

それが、集団意識の高揚と共に見失われ、敵対感情にまで膨れ上がる性情を併せもっているのです。

争いの元になるのは 『無知と偏見そのもの』 なのです。 このことを肝に銘じていないと、人としての公正な判断から外れる危険があることを承知していなくてはなりません。

    http://www.epochtimes.jp/jp/2012/10/html/d82135.html
   【大紀元日本】米議会報告書、法輪功弾圧と臓器狩り問題を取り上げる

    http://www.epochtimes.jp/jp/2012/05/html/d15606.html
   【特別報道】中共政権、激変が目前 決断の時がやってきた

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E8%BC%AA%E5%8A%9F
   法輪功

    http://www.faluninfo.jp/phss.htm
   法輪大法情報センター 迫害事実

    http://www.falundafa.jp/
   法輪功 in Japan

このようなサイトを開いて見ていきますと、人として生きる本義は wikipedia が解説している《法輪功》によると、『道教』と『仏教』の思想に根ざした気功であるとしております。 その概説には次の内容が盛られています。


法輪功の創始者は吉林省出身の李洪志。 彼によると、法輪功とは『道教』と(中国)『仏教』の思想を根底に併せ持つ先史文化に根ざした気功である。そして、かつての太極拳と同様、基本となる気功動作の他に、内面の向上も重要とされている。内面の向上とは、常に自分自身を厳しく律することで、徐々に精神を鍛錬していくことを指す。その際、『転法輪』と呼ばれるインターネット上で無料公開されている指導書が必要となる。また、気功動作は第1~第5まであり、第1~第4は立った姿勢、第5は座った姿勢で行う。

また、法輪功に関しては、内面の向上に重点が置かれているため、他の多くの気功法同様、金銭や利益が絡む活動はいっさい許されていない。その為、現在は各地のボランティアの手によって、無償で気功動作の指導が行われている。また、この気功法はもともと秘伝の形をとっていて、一般には今まで公開されていなかったが、1992年より公開され始め、後に中国国内で急速に学習者が増え始めた。

日本では2004年8月27日、《日本法輪大法学会》が東京都において特定非営利活動法人を取得。また、法輪功を学ぶ人たちの事は、一般的には〈学習者〉と呼ぶ。

日本の社会を見ていますと物質文化を追及する風潮が強く、精神文化としての倫理観や儒教、仏教などの気風が衰えてきています。 心の拠りどころがないといっても過言ではないように思います。

生活の断面で言えば、家庭生活の崩壊とでもいうのでしょうか。 親自身にバックボーンになる拠りどころがないということは、その子供たちも心に拠りどころがないということです。 親子の内面の接する時間が極度に少なくなって、絆が半減し心情面で上安定な子供が増えているのです。

『子供のいじめ』が社会全体の問題となっているのに、行政面の指導を見ていても家庭の親子の問題としてとらえようという考えが一向に出てきません。 日本の精神文化の根底が音を立てて崩壊しているのです。

世界中が物質文化の進展と反比例して人間の殺戮や上安定な社会が進行しているのです。

人はその知恵によって世界を征朊するが、その知恵によって滅亡の一途をたどっているのです。

術なきものか世の中の道

    術なきものか世の中の道


 風雑(ま)じり 雨降る夜の雨雑じり 雪降る夜は術(すべ)もなく 寒くしあれば 堅塩(かたしお)取りつづしろひ 糟湯酒 うち啜(すす)ろひて 咳(しは)ぶかひ 鼻びしびしに しかとあらぬ 髭かきなでて 我除(われお)きて 人はあらじと ほころへど 寒くしあれば 麻襖(あさぶすま) 引きかがふり 布肩着ぬ 有りのことごと きそへども 寒き夜すらを 我よりも 貧しき人の 父母は 飢え寒(こご)ゆらむ 妻子(めこ)どもは 乞ふ乞ふ泣くらむ このときは 如何にしつつか ながよはわたる

 天地(あめつち)は 広しといへど 吾がためは 狭(さ)くやなりぬる 日月は 明(あか)しといへど 吾がためは 照りや給はぬ 人皆か 吾のみやしかる わくらばに 人とはあるを 人並に 吾れもなれるを 綿も無き 布肩衣の 海松(みる)のごと わわけさがれる かかふのみ 肩に打ち掛け ふせいおの まげいおの内に 直土(ひたつち)に 藁(わら)解き敷きて 父母は 枕の方に 妻子どもは足の方に 囲みいて 憂へさまよひ 竈(かまど)には 火気(ほけ)吹きたてず 甑(こしき)には 蜘蛛(くも)の巣かきて 飯炊(いひかし)く 事も忘れて ぬえ鳥の のどよひ居るに いとのきて 短き物を 端切ると 言えるが如く しもととる 里長(さとおさ)が声は 寝屋戸(ねやど)まで 来立ち呼ばひぬ かくばかり 術なきものか 世の中の道

 世間を憂しとやさしと思へども 飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
私たちはこの現状をどうしたらいいのでしょうか?

 10 28 (水) 下平真弓ソプラノリサイタル  信州国際音楽村 ホールこだま

見事に成功しました。 シューマンもシュトラウスも長い歌詞が続いていました。

老生が調べたデータは<下平真弓ソプラノリサイタル>として印刷保管します。

シューマンの経歴を見て心の内面世界を求めて作曲に立ち向かっていたことを知りました。 それはそれとして、よくも長い歌詞を記憶し曲の内部に含まれている情緒にそって立派に歌いこなしたと思います。

歌唱が終わって音楽堂を出てから老生は、心から心配していた森住の母にこう言いました。 “お母さんが育てた娘ですから、成功したんですよ”と。 この考え方は本来的なものであって間違いありません。

音楽を求め作曲や演奏や歌唱に精進してきた人々、演奏の曲を聴いて感動してきた人々や歌唱の素晴らしさに感動してきた人々、その人たちはみんな美しい安らぎ、平和な穏やかな心情に寄り添える情緒をこよなく愛してきているんだとつくづく思いました。 洋の東西を問わず、人の心は美しい穏やかな情緒の安定を求めているのですね。 こうしたことは、絵画や彫刻、建造物、庭園などにしても、宗教神学とか学問の方向などの倫理思想という心の在り方にしても、《自由、平等、博愛》に根ざしており相互に影響し合いながら世の中が進んでまいるのですね。

そしてそうした人の心情の成長は、自分を取り巻く環境の中で影響し合いながら伸展しているのです。 なかんずく親子の影響は基本的部分を形作っていくのが原理的なことでありますね。 話は基本的な部分で…………………

義弟の平沢は端正な気持ちで参加してくれました。 次男も落ち着いた心得をもって行動してくれました。 従子も弥生ちゃんも喜んでくれました。 秀も心から盛り上げていました。

話は変わるが、ゆく途中の長門町‘信州 立岩和紙の里’で食べたお昼のもり蕎麦は、老生生まれて初めての蕎麦の味わいでした。 どうしてこんなに上手く作れるのでしょうか?  和紙作りの紙すき体験と蕎麦作りの蕎麦打ち体験、それにもちろんそばの賞味のために長門町へ行くつもりです。

   http://www.nagawa.info/modules/gnavi/index.php?lid=86    信州・長和町観光協会 信州立岩 和紙の里
   http://www.nagawamachi.com/modules/pico3/index.php?content_id=4    本格手打ちそば
   http://www.nagawamachi.com/modules/pico3/index.php?content_id=5    そば打ち体験
   http://www.nagawamachi.com/modules/pico3/index.php?content_id=3    紙すき体験

 12 16 (日) 衆議院議員選挙  甚だしい国政の混乱

現下の日本は野田総理の政治低迷によって甚だしい政治情勢全般の混乱期を迎えています。 そしてその中でのおかしな議会解散による第46回選挙になったものです。

現在位置:朝日新聞デジタル朝刊(2012年12月16日)記事2012年12月16日03時45分

政権、交代か維持か 衆院選、16日投開票

 第46回衆院総選挙は16日に投開票される。民主党政権の継続か、自民、公明両党中心の政権に戻すのか、第三極が政権に加わるのか、師走の審判が下される。野田佳彦首相(民主党代表)や自民党の安倊晋三総裁ら各党首は15日、各地で最後の訴えをして12日間の選挙戦を終えた。17日未明までに大勢が判明する。

 今回の選挙戦では、3年3カ月間の民主党政権の実績が問われた。野田首相は15日夜、さいたま市で『天下分け目の総選挙も最終日。自民党とは経済政策の根幹の哲学が違う。借金ばかりつくったら将来世代は弱者になる。改革は道半ばだ。歯を食いしばって前進させたい』と政権維持に意欲を示した。

 一方、安倊総裁は東京・秋葉原で麻生太郎元首相と並んで最後の演説。『かつての自民党とはもう違う。新しい挑戦に向かっていく。3年3カ月の混乱と停滞に終止符を打つ時がやってきた。まなじりを決して政権を倒す』と政権奪還への意気込みを語った。

 2大政党以外の受け皿を目指す第三極は解散直後から離合集散を繰り返し、主要12党が争う異例の攻防となった。日本未来の党の嘉田由紀子代表は15日夜、東京・渋谷で演説を締めくくり、『3・11後初めての国政選挙。日本人がどういう選択をするのか世界中が見ている。日本中の水と緑と子どもたちの命を守りたい』と支持を求めた。

 日本維新の会の石原慎太郎代表は15日夕、東京・新宿で『必ず日本は立ち上がる。力があるんだからみんなで平成の維新をやろう。そうしないとこの国が沈む。壊れていく』と最後に訴えた。

 最高裁に『違憲状態』と指摘された一票の格差が解消されないまま行われた衆院選は、憲法問題や消費増税の是非と社会保障のあり方、原発政策の行方が争点となった。

 候補者数は現憲法下で最多の1504人に上り、480議席を争う。

 12 30 (日) 内館牧子  スタジオパークからこんにちは‘アンコール特集’

2012/12/27 13:27 NHK TV この人は面白い人でした。 Googleで見ると、概要を知ることができる。

十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞   内館牧子 / 訳 

59もの会社から内定が出ぬまま二流大学を卒業した伊藤雷。困ったことに、弟は頭脳も容姿もスポーツも超一流。ある日突然『源氏物語』の世界にトリップしてしまった雷は、そこで皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮に出会う。一宮の弟こそが、何もかも超一流の光源氏。雷は一宮に自分を重ね、光源氏を目の敵にする弘徽殿女御と手を組み暗躍をはじめるが……。男の欲、嫉妬、劣等感。女の愛、憎悪、そして誇り。時代を超えても変わらぬ魂の叫びを描き切った大問題作であり、『源氏物語』に革命を起こす、紫式部への果たし状!

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