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折々の記 2013 ②

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】03/26~     【 02 】03/28~     【 03 】04/06~
【 04 】04/14~     【 05 】04/20~     【 06 】04/22~
【 07 】04/27~     【 08 】05/01~     【 09 】05/03~


【 01 】03/26

  03 26 世界政治の渦巻<2>  
  03 28 アメリカ国防費の強制削減の影響  世界政治の渦巻<2>
  04 05 沖縄の米軍施設 返還計画公表  世界政治の渦巻<2>
  04 06 メルトダウンした日本(上中下)  船橋洋一

 03 26 (火) 世界政治の渦巻<2>   

A NHK・国際ニュース

(1) 習主席 米ミサイル計画は中ロ共通懸念 3月24日

ロシアを公式訪問している中国の習近平国家主席は、アメリカが進めているミサイル防衛計画にロシアと共通の懸念を持っていることを確認するなど、中ロ両国の協調ぶりをアピールしてアメリカを強くけん制しました。

習近平国家主席はロシア滞在2日目の23日、ショイグ国防相と会談しました。
ロシア側によりますと、双方は『国際安全保障の問題で完全に意見が一致し、特にアメリカが進めているミサイル防衛計画について共通の懸念を持っていることを確認して、今後も協議を続けていくことになった』ということです。
アメリカのミサイル防衛計画については、習主席とプーチン大統領の首脳会談後に発表された共同声明にも、『ミサイル防衛の一方的かつ無制限な強化によって、戦略的な安定と国際社会の安全が搊なわれることには反対する』と明記されました。
また、この日、習主席はショイグ国防相との会談に先立ち、ロシア国防省の作戦管理センターを参観しました。
このセンターを外国の元首が訪れるのは初めてだということで、習主席の就任早々のロシア訪問は、中ロ両国の協調ぶりをアピールしてアメリカを強くけん制するものとなりました。

(2) 習近平主席 訪ロは予想以上の成果 3月24日

就任後初めての外遊でロシアを公式訪問した中国の習近平国家主席は、『予想していた以上の成果があった』と強調し、続いてアフリカ歴訪を開始しました。

22日からロシアを公式訪問した習近平国家主席は、プーチン大統領と首脳会談を行い、中ロの戦略的な協力関係をさらに深めていくことで合意しました。
そして、共同声明を発表し、主権や領土などの『核心的利益』に関する問題で、互いを固く支持しあうことや、ミサイル防衛計画の一方的かつ無制限な強化に反対することなどを明記して、沖縄県の尖閣諸島を巡って対立する日本と同盟国のアメリカをけん制しました。
習主席はこのほか、モスクワの大学で講演したり、ロシア国防省の作戦管理センターを外国の元首としては初めて参観したりするなど、3日間の滞在中に、およそ20の日程をこなして、中ロの親密な関係をアピールし、メドベージェフ首相と会談した際には、『今回のロシア訪問は、予想していた以上の成果があった』と強調しました。
習主席は24日、次の訪問国のタンザニアに向かい、アフリカ歴訪を開始しました。
中国政府は、資源の確保や将来の大市場としての観点からアフリカを重視しており、習主席の今回の歴訪で、一層の関係強化を目指します。さらに、習主席は、南アフリカでブラジルやインドもメンバーになっているBRICS=新興5か国の首脳会議に出席し、新興国どうしの結束も図ることにしています。

(3) 習主席 新興5か国首脳会議に出席へ 3月26日

中国の習近平国家主席は、就任後初めて臨む国際会議として、26日から南アフリカで開かれるBRICSと呼ばれる新興5か国の首脳会議に出席し、新興国との一段の関係強化を図るものとみられます。

BRICSと呼ばれる、ブラジル、ロシア、インド、中国、それに南アフリカの5か国の首脳による会議は、26日から南アフリカのダーバンで2日間にわたって開かれます。
ロシアとタンザニアへの訪問を終えた中国の習近平国家主席は、この首脳会議に出席する予定で、習主席にとっては、就任後初めて国際会議に臨むことになります。
会議では、先進各国が大規模な金融緩和を行うなかで資源や穀物が値上がりし、新興国の経済に影響を与えている問題や、世界経済が混乱した際に、新興国の金融システムを守るため、互いに外貨を貸し出す協定を結ぶことなどが話し合われる見通しで、習主席は、新興国との一段の関係強化を図るものとみられます。
また、今回は、BRICSとアフリカの発展途上国の首脳どうしの会談も行われる予定です。
中国は、アメリカなど先進国と渡り合っていくために、新興国や発展途上国との関係強化を外交政策の柱の一つに掲げており、習主席がどのような外交手腕を見せるかに関心が集まっています。

(4) 中国がロシアから戦闘機と潜水艦購入 3月25日

中国がロシアから新型の戦闘機24機と潜水艦4隻を購入する契約を交わしたことが明らかになり、領土を巡る周辺国との摩擦が続くなか、一層の警戒感を招きそうです。

国営の中国中央テレビが伝えたところによりますと、中国がロシアから購入するのは、新型の戦闘機『スホイ35』24機と、『ラーダ型』と呼ばれる潜水艦4隻です。
契約は今月22日から行われた習近平国家主席のロシア訪問前に交わされました。
契約金額はおよそ30億ドル(日本円にして2800億円余り)と推定されていて、中国中央テレビによりますと、ロシアから購入する装備の規模としては、過去10年で最大だということです。
習主席のロシア訪問では、両国が軍事面での交流や協力を強化していくことで一致しており、地対空ミサイルや空中給油機などの技術協力でも、中ロの間で近く合意する見通しだということです。
ロシアからの装備の購入について、これまで中国国防省は『両国の軍事技術の協力は、第三国に向けられたものではない』と説明していますが、沖縄県の尖閣諸島や南シナ海の島々など、領土を巡る周辺国との摩擦が続くなか、一層の警戒感を招きそうです。

B 田中 良紹 アメリカの嘘  2013年3月22日
   http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130322-00024003/

イラク開戦10周年の日にたまたまハリウッド映画『フェア・ゲーム』を見た。アメリカの元外交官ジョゼフ・ウィルソンの妻ヴァレリー・プレイム・ウィルソンがCIAのエージェントである事をブッシュ政権がマスコミに暴露し、全米を騒がせた『プレイムゲート』を映画化したものである。ブッシュ政権が大量破壊兵器の存在をでっち上げてイラク戦争に踏み切り、それを批判した元外交官にメディアを使って様々な圧力をかけた事実が描かれている。

アメリカでは9・11の直後から、イラクが核の原料であるウランをアフリカのニジェールから入手したとの情報が流されていた。情報源の文書が偽造である事はIAEAの鑑定で明らかとなったが、それでもチェイニー副大統領を中心とする政府関係者は偽造でないとの立場を崩さず、CIAはアフリカ問題の専門家であるジョゼフ・ウィルソンをニジェールに派遣して調査させた。

調査の結果、イラクがウランを入手した事実はなく、ジョゼフは核疑惑を否定する報告書を政府に提出する。ところがブッシュ政権はこの報告書を握り潰し、大量破壊兵器の存在を世論に訴え続け、03年1月の一般教書演説で『イラクが核開発を行っている』とブッシュ大統領は述べて3月20日の開戦に踏み切るのである。

ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ライス国務長官の発言などにジョゼフは怒りを覚えていく。そして開戦後3か月を経ても米軍はイラクで大量破壊兵器を見つけ出す事が出来なかった。7月、ついにジョゼフはニューヨーク・タイムス紙に『私がアフリカで見つけられなかったもの』と題する論文を寄稿する。これに対してブッシュ政権の報復が始まった。それはジョゼフを信用できない人間として葬り去る事である。

保守系コラムニストに「ジョゼフの妻はCIAのエージェントで、ジョゼフはその縁故で調査を依頼された《との記事を書かせ、ジョゼフの調査能力を疑問視させるよう世論を誘導した。しかしCIAエージェントの身分を暴露する事は違法である。ジョゼフは誰が情報を漏えいしたかを問題にして反撃し、アメリカ政界は大混乱に陥った。

9月、FBIが捜査に乗り出す。ブッシュ大統領の最側近であるカール・ローヴ大統領補佐官らが事情聴取を受けるが、政府の圧力で捜査は難航する。一方でジョゼフに対するメディアの誹謗中傷は激しさを増し、妻のヴァレリーも『ホワイトハウスと戦っても潰されるだけだ』とCIAから説得される。二人の仲は険悪になるが、最後にヴァレリーは家族を守るため公の場で真実を語る事を決断する。07年3月、連邦議会の公聴会に出席したヴァレリーが宣誓し真実を語り出すところで映画は終わる。

ヴァレリーを演じたのはナオミ・ワッツだが、最後のシーンは本物のヴァレリーの議会証言映像に切り替わり、これがフィクションではないことを印象付ける。映画にはブッシュ大統領をはじめチェイニー副大統領やライス国務長官のニュース映像も使われ、彼らがいかに国民に嘘を語ってきたかが分かるようになっている。

事件は07年6月に大陪審がチェイニー副大統領の首席補佐官に禁固2年6か月の実刑判決を言い渡し、ブッシュ大統領が大統領権限で執行猶予に減刑した事から世論の支持を落とした。カール・ローヴ大統領首席補佐官や大統領自身はかろうじて疑惑を免れたが、大量破壊兵器の存在というイラク開戦の嘘は浮き彫りにされた。

イラク戦争と湾岸戦争はまるで本質が違う。湾岸戦争はイラクのクウェート侵攻に対して国連が認めた正当な戦争である。しかしイラク戦争はアメリカの嘘で固められ、国連が認めないため有志だけが参加した戦争である。フランスもドイツもイラク戦争に反対したが、イギリスのブレア政権と日本の小泉政権は積極的に支持した。

そのブレア首相はイラク戦争支持が国民から批判され任期途中で辞任を余儀なくされた。しかしイラク戦争に初めて自衛隊を派遣した小泉総理は辞任に追い込まれる事もなく、ダーティな戦争に加担した責任も追及されていない。日本は国際社会が認めた湾岸戦争に自衛隊を派遣せず、国際社会が認めない戦争に自衛隊を派遣するという真逆の決断をしたのだが、その是非を検証しようともしていない。

外務省は「大量破壊兵器が存在しないと証明する情報はなかった《としているが、アメリカ政府から提供される情報だけを情報と考えているのなら外務省は上要である。イラク戦争開戦前の03年3月7日にIAEAのエルバラダイ事務局長は国連安保理に対し、『ニジェール疑惑の文書は偽造』である事と『核開発用とされたアルミ管はロケット・エンジン用』という報告をしている。

日本が自衛隊をイラクに派遣する事を決めた『イラク特措法』は03年7月末に成立したが、すでにその時にはジョゼフ・ウィルソンがニューヨーク・タイムス紙に寄稿した記事を巡ってアメリカ政界は大騒ぎになっており、また米軍の捜索にもかかわらず大量破壊兵器は発見されていなかった。百歩譲って『開戦時には証明する情報がなかった』にしても大量破壊兵器の存在が否定された時点で、日本の対応の是非は根本から見直す必要があった

日本は『イラクの人道復興支援』という理由を付けて自衛隊を派遣したが、その吊目で現地に派遣された外務省の奥克彦氏は、戦争はテロとの戦いでもイラクの民主化のためでもなくアメリカの石油支配のためだと報告し、その後襲撃に遭って殺害されている。テロ組織による襲撃とアメリカによる殺害との二つの見方が流れた。

私は10年以上アメリカ議会を見てきたが、アメリカは嘘の情報を流して情報操作を行う国である。情報操作を『ソフト・パワー』と称して軍事力以上に重視している。湾岸戦争に自衛隊を派遣しなかったことの愚かさ、そしてイラク戦争に自衛隊を派遣した事の愚かさの二つを検証しなければ、日本は常にアメリカの嘘に騙される国になるTPPの交渉を行う前にそのことを胸に刻み込まなければ日本政府は再び騙される。

田中 良紹
ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、日米摩擦、自民党などを取材。89年 米国の政治専門テレビ局C*SPANの配給権を取得し(株)シー・ネットを設立。日本に米国議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年からCS放送で『国会TV』を放送。07年退職し現在はブログを執筆しながら政治塾を主宰

C TPP参加は亡国への道だ!  亀井静香
   3月 23rd, 2013  by 月刊日本編集部.

TPPは日本の制度のアメリカ化をさらに進める

── 二月二十二日にオバマ大統領と会談した安倊総理は、帰国後TPP交渉参加に突き進もうとしている。
亀井 安倊総理は訪米からの帰国後、『TPP交渉参加に際し一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認した』などと、恥知らずなことを言っている。
 あたかも、アメリカがわが国の国益に配慮し、譲歩するという言質をとったかの如く語ったが、それは事実とは異なる。安倊・オバマ会談で日本に有利な状況ができたわけじゃない。安倊総理は、鬼の首でも取ったかのように話しているが、TPPについてのアメリカの姿勢は何も変ってはいない。
 『交渉事に例外がない』、『各国に聖域がない』などということがあり得ないことは、当たり前の話じゃないか。小学生だってわかるような話だ。私は、安倊総理を政治家としてある程度評価しているが、このような国民を迷わすような発言をしてはいけない。

── アメリカは関税撤廃だけではなく、TPPによって様々な分野の非関税障壁を撤廃させようとしている。
亀井 アメリカはTPPを使って、自分たちの都合のいいルールを日本に押し付けようとしてるだけだ。彼らの制度を基準にして、日本の制度を全部それに合わせろという無茶苦茶な話だ。

── TPPに入れば、金融、保険の分野をはじめとするアメリカの対日要求がさらに強まる。
亀井 郵貯・簡保だけではなく、農協の金融機関も餌食になる。アメリカの狙いが日本にあることははっきりしているのだ。ところが、日米の二国間でやると摩擦が大きいから、TPPに日本を引きずり込んで、多勢で抑え込んでしまえということだ。極めて狡猾なやり方と言わねばならない。だから、わが国はアメリカに対して二国間でやろうと主張すればいい。

── それでも、安倊政権はTPP交渉への参加に踏み切ろうとしている。
亀井 交渉への参加は決めることになるだろう。ここまでは政府が決められる話だ。しかし、TPPに参加するかどうかというもう一ラウンドがある。ここで、国民が大反対すれば国会は批准できない。そのための運動を起こさなければならない。

『日米同盟関係の修復』とは『対米従属の強化』だ

── マスコミはTPP交渉参加に傾く安倊政権を批判するどころか、TPP賛成の旗を振っている。
亀井 TPPに賛成しているマスコミは、事実を捻じ曲げてでも、日米首脳会談を利用し、TPP交渉参加を正当化したいのだろう。TPP推進派は、さらに狡猾な情報操作をやってくるだろう。

── なぜマスコミは、TPP推進論なのか。
亀井 日本はアメリカに従属し、アメリカの影に隠れて進んだ方が都合がいいと、マスコミは信じ込んでいるからだ。これは、TPPに限ったことではない。安全保障の問題も含めて、あらゆる問題についてアメリカの主張に迎合している。アメリカの意向に従い、それに追随することが正しく、アメリカに異を唱えることは国益に反すると信じ込んでいる。

── アメリカの従属国家として生きるのがいいんだと信じ込んでいる。
亀井 そう信じ込んで、思考停止に陥っている。もちろん、マスコミによって若干の差はあるが、こうした論調が全体として日本を覆っているのは間違いない。
 わが国はサンフランシスコ講和条約が発効した一九五二年四月に独立したことになっているが、実際には独立していない状況がいまなお続いているということだ。プライドも捨て、自国の権利も主張しない。ただ、アメリカの要求を唯々諾々と受け入れるだけだ。それが独立国の姿だろうか。
 二〇〇九年に誕生した鳩山政権が、自民党政権が続けてきた対米従属路線を変えようとしたとき、マスコミはそれを袋叩きにした。アメリカに従属し、アメリカに追従することこそが日本の国益だと考えている連中にとっては、鳩山政権の自主外交は危険なものとして捉えられたということだ。


── 安倊総理は、訪米の目的として民主党政権時代に上安定化した日米関係を修復することを挙げ、マスコミも『民主党政権で傷つけられた日米同盟の絆を修復できた』と持ちあげた。
亀井 マスコミまでもがそうした主張をしているが、民主党政権時代に日米関係は何も傷ついていない。日米関係がずたずたになったなどと言う人がいるが、どこがどう壊れたというのか。普天間の米軍基地の移設が方針通りに進まなかったのは確かだが、県外移設を目指した方向性は間違っていない。沖縄にだけ基地の負担をさせる状況を続ければ、いずれ、その上満は独立運動に発展するだろう。沖縄の人たちが「俺たちの島を何だと思っている《と思うのは当然だ。
 オスプレイだってそうだ。安全性への懸念が払拭されないまま、アメリカは訓練を強行、三月六日には本土で初めて低空飛行訓練を実施した。ところが、ほとんどのマスコミがこの状況を批判しようとしない。アメリカに依存していくのが果たして本当に良いのかを考え直す力さえ、もはや日本人は失ってしまっている。このままでは日本は亡びる。


── 『日米同盟関係の修復』とは、『対米従属の強化』ということだ。
亀井 日米同盟の強化じゃないんだよ。日米主従関係を強めるだけだ。自民党には、アメリカとの主従関係、従属関係ではなく、真の同盟関係を築こうという気持ちがない。ただ、アメリカに依存して楽にやっていきたいという発想しかない。私が自民党を出た理由の一つもそこにある。もちろん、私は反米ではなく、親米的な立場だ。親米は対米従属とは違う。

以下全文は本誌4月号をご覧ください。

 03 28 (木) アメリカ国防費の強制削減の影響   世界政治の渦巻<2>

米太平洋軍演習 強制削減の影響で中止 3月28日 9時25分

アメリカ軍は、アジア太平洋地域に展開する戦闘機などが参加して来月行われる予定だった大規模な軍事演習を、国防費の強制削減の影響で中止したことを明らかにしました。
北朝鮮が挑発的な言動を繰り返すなか、訓練の上足によって緊急事態への即応能力が低下しかねないとして懸念を強めています。

アメリカでは、議会の与野党が財政赤字の削減策を期限までにまとめられず、国防費は、ことし9月までの今年度だけで当初の計画の1割に当たる日本円でおよそ4兆円が削減されることになっています。
こうしたなかアメリカ軍は、27日、アラスカで来月行われる予定だった大規模な軍事演習、『レッドフラッグ』を強制削減の影響で中止にしたと発表しました。
この演習は、アジア太平洋地域に展開するアメリカ軍の戦闘機などが参加して毎年行われています。国防費の強制削減の影響でアジア太平洋地域のアメリカ軍が行なう大規模な演習が中止になったのは今回が初めてです。
アメリカ軍は、中国の軍備増強に加え、北朝鮮が挑発的な言動を繰り返すアジア太平洋地域で演習の中止が相次げば、パイロットなどの訓練が上足し緊急事態への即応能力が低下しかねないとして、強制削減の影響の広がりに懸念を強めています。

米軍主催の軍事演習に中国が初参加へ 3月23日 12時48分

アメリカ国防総省は、来年ハワイ沖で行われるアメリカ軍主催の大規模な多国間軍事演習に中国が初めて参加することを明らかにし、双方の誤解などによる上測の事態を避けるため、中国との軍事交流を強化していく方針です。

アメリカのカーター国防副長官は今月20日、訪問先のインドネシアで行った講演で、『アメリカがリムパック=環太平洋軍事演習に中国を招待し、中国がそれを受け入れてくれたことは非常に喜ばしいことだ』と述べ、来年ハワイ沖で行われるアメリカ軍主催の大規模な軍事演習に中国が参加することを明らかにしました。
中国はこれまで、リムパックに軍の幹部を派遣して、オブザーバーとして参加したことはありますが、正式な参加は初めてです。
リムパックは2年に1度行われ、去年は日本や韓国、それにロシアなどアジア太平洋地域の22か国が参加しましたが、中国は演習に招かれなかったとして反発していたことから、パネッタ国防長官が去年9月に中国を訪問した際、来年の演習に招待していました。
国防総省としては、中国との合同演習を行うことで、お互いの信頼を醸成し、誤解などによる衝突など上測の事態を避けたい考えで、今後も軍事交流を強化していく方針です。


北朝鮮、南北軍事当局間の通信遮断を通知 2013年03月27日19時14分

【ソウル=貝瀬秋彦】朝鮮中央通信によると、北朝鮮は27日、南北の軍事当局間の通信を全面的に遮断すると韓国側に通知した。北朝鮮は米韓合同軍事演習に強く反発しており、圧力を強める一環とみられる。

 通知文は『戦争の火花が散る状況で、軍部間の通信はこれ以上、必要ない』と指摘。『朝米、北南間にはいかなる対話通路も通信手段も存在せず、銃だけが通じる』と強調した。北朝鮮は米韓合同軍事演習『キー・リゾルブ』が始まった11日に、板門店の南北直通電話も遮断している。

 軍事当局間の通信は、北朝鮮の開城工業団地に進出している韓国企業の関係者が出入りする際の吊簿確認にも使われており、影響が出る可能性もある。韓国統一省報道官は『開城工団の安定的な運営の助けにならない措置』と非難し、撤回を求めた。

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 04 05 (金) 沖縄の米軍施設 返還計画公表   世界政治の渦巻<2>

NHKニュース 沖縄の米軍施設 返還計画公表  4月5日 20時45分

日米両政府は、沖縄県の嘉手紊基地より南にあるアメリカ軍施設の返還計画をまとめ、普天間基地は、吊護市辺野古に移設したあと、早ければ2022年度に返還が可能となるなどとしています。
安倊総理大臣は『最短の期間で実現できるよう着実に実施していくことが重要だ』と述べ、沖縄の負担軽減に全力を挙げる考えを強調しました。

日米両政府は、沖縄県の普天間基地を含む、嘉手紊基地より南にあるアメリカ軍施設の返還計画をまとめ、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣、アメリカのルース駐日大使らが、午後6時すぎ、総理大臣官邸で、安倊総理大臣に報告しました。
返還計画によりますと、普天間基地を含む、嘉手紊基地より南にある施設のうち、速やかに返還できる面積は65ヘクタール、県内に機能を移設したあとに返還が可能となる面積は841ヘクタール、海兵隊の国外移転に伴い返還が可能となる面積は142ヘクタール以上となっています。
このうち、沖縄県側が県外への移設を求めている普天間基地は、『2022年度またはその後』に返還可能としていて、吊護市辺野古沿岸部への移設が返還の条件となっています。
また、地元で返還を求める声が強かった牧港補給地区は、県内に機能を移設するなどしたあと、いずれも、早ければ倉庫地区の大半を含む部分は『2025年度』に、それ以外の部分は『2024年度』に返還が可能となるとしています。
さらに、牧港補給地区の北側進入路は『今年度』に、第5ゲート付近の区域は『来年度』に、それぞれ速やかに返還できると見積もっています。
いずれの返還時期にも、『またはその後』という文言が付記されていて、計画が遅れる可能性を念頭に置いた書きぶりとなっており、返還時期を盛りこみたいとする日本政府と、普天間基地の移設が進まないなかでほかの施設の返還時期を明示することに難色を示したアメリカ政府、双方の意向を取り入れた形になっています。
さらに、返還時期は、日米両政府で3年ごとに更新し、公表されるとされています。
安倊総理大臣は『安全保障環境が厳しさを増すなか、日米同盟の信頼の絆は全く揺らいでいないことを示すことができた。返還が、できるだけ最短の期間で実現できるよう、計画を着実に実施していくことが重要だ』と述べ、沖縄の負担軽減に全力を挙げる考えを強調しました。
また、安倊総理大臣は『普天間基地の固定化は断固としてあってはならない。日米合意に沿って、責任を持って進めていかなければならない』と述べ、日米合意に沿って吊護市辺野古への移設を目指す考えを示しました。
これに対しルース大使は『極めて重要な日米同盟の節目を迎えた。返還計画は沖縄の負担を軽減する措置であるのみならず、地域の平和と安定にとっても重要だ。極めて重要な一歩であり、引き続き、沖縄の負担軽減に尽力したい』と述べました。
返還計画の策定を受けて、小野寺大臣は6日、沖縄県を訪れ、仲井真知事らに内容を説明し、基地負担の軽減に取り組む方針を伝え、普天間基地の県内移設に理解を求めることにしています。

[関連ニュース]
  ▽ 首相 地元の負担軽減に全力を (4月5日 19時21分)

[関連ニュース]
  ・ 返還計画策定 『日米交渉』の詳細は (4月5日 20時45分)
  ・ 沖縄の米軍施設返還計画 早期策定を (4月2日 16時14分)
  ・ 米軍施設 『返還時期明記したい』  (4月1日 20時51分)
  ・ 防衛相 米軍施設返還時期の調整急ぐ (3月31日 13時58分)

 04 06 (土) メルトダウンした日本(上中下)   船橋洋一

メルトダウンした日本―船橋洋一氏インタビュー(上)

http://realtime.wsj.com/japan/2013/03/07/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E2%80%95%E8%88%B9%E6%A9%8B%E6%B4%8B%E4%B8%80%E6%B0%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC/

日本と世界を震え上がらせた東京電力福島第一原発事故から間もなく2年。戦後日本の最大の危機となったこの事故で、日本はいったい何を学んだのか。日本は何を教訓とすべきなのか。政府から独立して事故を調査した『福島原発事故独立検証委員会』(民間事故調)のプログラムディレクターを務め、近著『カウントダウン・メルトダウン』に事故のさまざまな内幕を克明に記したジャーナリストの船橋洋一氏に話を聞いた。

──『カウントダウン・メルトダウン』の中で、福島第一原発事故の危機は日本の『国の形』と日本の『戦後の形』を問うた、と書かれています。個々に見てみれば、自衛隊や第一原発の吉田昌郎所長率いる最前線の現場など組織的にうまく対応できたところもありました。しかし、日本政府としては危機管理は全然できていなかったとみているのですね。

そうですね。結論から言いますと、変な日本語ですが、部分最適解は出せるのですが、全体最適解というのがなかなか出せないのですよ。みんなそれぞれ司司(つかさつかさ)で一生懸命頑張って、司司にとっての一番の最適の解を求めるのです。その組織にとって何が一番必要なのか、何を一番やらないといけないというところについて凝集力もあるし、一生懸命頑張るのです。

しかし、全体としてどうか、という問題があるのです。全体を見て、何をどう動かすか、優先順位をどうするのかというゲームプランを作って、実際に実行する。そこがものすごく弱いのではないかなと思いましたね。

結局、いざ危機の時にどういう風にリスクをとるのかということに行き着きます。平時と違って、有事にはリスクをテイクしないといけないのです。しかし、官僚組織は基本的にリスク回避です。

そして、みんな部分最適解ですから、どこに一番必要な資源と人員がいて、それをどう組み合わせて、どう動員して、一番いい形で対応できるかです。これはガバナンスの問題です。権限と権力のあり方の問題です。それから最後に、それを本当にやるには、人の要素があって、いくら制度をつくっても、いくら手続きを綿密に作っても、最後はやはり人なのです。良いガバナンスを動かすかどうかは、リーダーシップなのです。

リスクとガバナンス、そして、リーダーシップが一番問われました。

──福島の原発事故には、民主党政権の下、菅直人首相をトップにして対応に当たりましたが、その3点が駄目だったということですね。

菅さんが駄目だった、民主党が駄目だったというのは、少しやや決め付けです。では、あの時、麻生(太郎)さんだったらどうか、自民党だったらどうだろうか、と。ほとんど変わらなかったか、むしろもっと駄目だったかもしれない。こんな比較をしたって意味がないし、科学的でもないです。ただ、国民は自民党政権だったら、もっと東電と癒着しているとみたでしょう。癒着していても、事故対応がうまくいけばいいのではないか、ということもあるかもしれないが、それは国民の目にどう映るのかということは別問題です。

実際問題として、1号機が爆発しました。1号機の何が爆発したのか。本当に爆発なのか。あるいは何なのか。東電は3月12日午後、報告がすごく遅れました。自民党政権だって、これは同じです。

ということを考えると、民主党、自民党論というのはあまり意味がないのではないか、と思いました。

同じように14日の夜から15日の未明にかけて、東電が撤退だというような情報が流れてきました。菅さんはガバっと跳ね起きて、「なんだ、それは許せない《と午前5時35分に東電に乗り込んでいきました。自民党政権だったら、これをやっていたでしょうか。多分やっていませんね、これは。そうしますと、もっと東電になめられた可能性がありますね。

そこは菅さんだからこそ、やったのではないでしょうか。これはハイポセティカル(仮定上)なので、あまり語っても意味がないのですが、私は直感的にそう感じています。

──本の第16章『最悪のシナリオ』では、政府は『国民の生活をすべて守れない』といった首相談話まで用意されていたことが書かれています。これを知った誰もが衝撃を受けたと思います。本の題吊にも『メルトダウン』という言葉がありますが、日本が国家として本当に破たん寸前、いや既にメルトダウン、つまり、破たんしていたのか。どのくらい危機的なものだったのでしょうか。

『これはどこまでいくのか、底は何なんだ』。これは細野(豪志)さん=事故当時、首相補佐官=の言葉ですけれども、当時、それは誰も分からなかったと思いますね。私も分からなかったですし、ほとんどの政府で担当している人も分からなかったと思います。

それを彼らが必死になって探ろうとしたのが14日の夜からでしょう。1号機と3号機が既に駄目になり、2号機がいよいよ駄目になってきた、と。3ついってしまって、その後、どうなってしまうのか、と。実際、そこで終わればともかく、4号機の燃料プールまでいってしまうのではではないか、と。

燃料プールがいった時には、もっとものすごいコアコンクリート相互作用が起きるので、放射能の放出量が半端じゃなくなる。そういう時は全員撤退で、東日本を失う。この辺の最悪のシナリオへの恐怖感というのは、本でも枝野(幸男)さん=事故当時、官房長官=の恐怖感を書いたりしましたが、官邸のど真ん中にいた人々は持っていたと思いますよ。しかし、国民は分からなかった。私も1人の国民として知らなかった。ですので、はっきり言って、あの『最悪のシナリオ』を知った時は衝撃でした。民間事故調をやっていて、一番の衝撃は最悪のシナリオを知った時ですね。

一応、菅さんが辞めた後、口走ったのです。しかし、あまりみんなフォローしなかった。12月末に、上測事態のシナリオという最悪のシナリオを民間事故調を入手したのです。「これはいったい何なのだ《『誰が作ったのか』『どんなチームが裏でやっていたんだ』『これをどう使おうとしていたのか』『官邸の中で誰と誰が知っていたのか』。こうしたことを全部調べないといけないことになった。必死になって、近藤(駿介)=原子力委員会委員長=さんらの話を聞けたので、一応、最悪のシナリオの経緯を報告書発表の締め切りに間に合って民間事故調だけ書くことができました。政府事故調も国会事故調も触れていません。

──政府サイドとしては『最悪のシナリオ』を隠し続けたかったのですかね。

政府サイドとしては、細野さんはずっと隠すということを思っていました。墓場まで持っていく、と。ところが、菅さんがしゃべってしまった。

──本の冒頭第1章では、原子力保安院の保安検査官4人が事故直後に福島第一の現場から敵前逃亡したことに触れています。こんなことが許されていたのですね。

政府事故調も報告書でやや批判的に書いたけれども、これに焦点を当てたものは一個もないのです。私はそれに非常に上満がありました。政府批判のなかで一番、批判されなくてはいけないのはここでないか、と。やはりそういう発想にならないのは、戦後の日本で、国をいったい誰が守るのか、というぎりぎりの部分、安全保障国家としての国家像が欠けているのではないか、と思いました。僕は右翼でも保守派でも何でもないけれども、率直そう思いました。

調べてみると、臨界が起きるのではないかとか、ありとあらゆる口実を言って、逃げちゃっている訳ですよ。彼らだけでなく、黙認した保安院にも責任があるし、それをまた黙認した当時の海江田(万里)経産相にも責任があるのではないか、と思います。

私が調べてみて、へぇっー、そういうことだったのかと思ったのは、保安員も含めて、オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)に逃げ、そこからまた、福島県庁に逃げた。

14日夜9時半ぐらいから15日の昼にかけて、政府の職員たちをみんな逃がしている。その一方で、同じ頃、菅さんは東電に乗り込んで『お前ら、死ぬ覚悟でやってくれ』と言っている。いったいこれは何なのか。これは絡んでいるのです。絡んでいることを意識していたのかどうか。どういう風に解決しようとしたかどうか、知りたかったのです。それを調べたら、気づいたんです。

保安検査官の逃走というのは、一種の規制体制、規制レジームのメルトダウンだったと思います。


──米国もこの事実を聞いてびっくりしたとのことですね。

米国のNRC(原子力規制委員会)の2人に聞きましたが、2人ともびっくりしていて、『信じられない。アメリカだったら、完全に首だし、はっきり言って監獄行きだね』と言っていました。

米国の保安検査官というのは、家族と一緒になってプラントの近くに住むのです。家族の命もかかっているから、死に物狂いで安全を守るのだと言っていました。

──これは誰か責任をとったのですか。

誰もとっていない。とっていないのです。

──保安院がなくなり、責任問題が消えてしまったのですか。

保安院がなくなったんでしょ、過去の話ですね、と言うわけですね。典型的な霞ヶ関の生存術ですよ。

トカゲの尻尾きりです。経産省がつぶされるかもしれないという瀬戸際でしたから、保安院を人身御供(ひとみごくう)にして(経産省は)逃げたということです。


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船橋洋一 (ふなばし・よういち) ジャーナリスト

元朝日新聞のアメリカ総局長、主筆。2010 年末に朝日新聞を退社後、一般財団法人「日本再建イニシアティブ《を設立。「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)《が同財団の最初のプロジェクトとなった。