ピーちゃん1
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かわむら けいこ
ピーちゃんの日誌
その一
代変わりはしていますが、
三十年以上飼っているセキセイインコの日記を
今日からつけることにしました。
人さまがどう思うかは気にせずに・・
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そのまえに 現在四羽のセキセイインコが、わが家のペットです。昔から犬も猫も飼ってみましたが、犬は主人の顔色ばかり見るのがいじらしくていらいらしてくるし、猫はよその家へどんどん泥足で入っていって帰ってきません。 最後に、一番手のかからない小鳥がいい、との結論になりました。そこで、ブンチョウ、ジュゥシマツ、ベニスズメといろいろ飼ってみたのですが、みな寿命が短くて、かわいそうな想いをたびたびしました。ようやく、暑さ寒さにも強く、長生きなセキセイインコに落ちついたのです。 今、シロちゃんだけが健康状態が最悪なのです。もともと寒がりなのか、冬になると、二三年前から膨れていたのが、最近とくにひどくて、私の経験からすると、老衰だと思うのですが、「よくもっているなあ」という感じです。以前別のインコが病気になった時獣医さんに診てもらったことがありますが、頂いたお薬を飲ますとかえって身をねじらせて苦しんで死んでしまったことが忘れられなくて、弱ってもみんな寄りそっている方が幸せなんだと思い、諦めることにしました。 このシロちゃんとキコちゃんはもともと、近所に住んでいる主人の年老いた叔母にあげたものです。数年前に、二人いた息子に先立たれ、本当に力を落としていたとき、 「なにかペットでも飼ってみたら・・・」 と勧めて、ペットショップで手乗り用の雛を二羽買って来て叔母にあげたのです。しかし、ペットを飼ったことのない叔母はとまどって、 「やっぱり桂子さん飼って。」 と返してきました。しかたなく私が引きとって育てました。シロちゃんは、買った時もうだいぶ羽根が生え揃っていて、飼育用の箱をよじ登り、そのへんを歩き回っていたので、成鳥になっても手に乗りません。キコちゃんの方は、赤裸にまだ開いてない毛がまばらに生えていている状態でした。小鳥の嫌いな人なら見るのも嫌でしょう。そのお陰で、今でも肩に乗せると、しばらく私の肩を嘴でこずいてみたり、髪の毛を噛んでみたりします。 ソラちゃんも工事現場で拾うまでは手乗りで育っていたのでしょう、手には乗りませんが、時々私に喋りかけて、相手をすると頭を上下に振って、ぴちょ、ぴちゅ、ぴっちょと繰りかえし、懐かしそうにお話をします。こういうセキセイインコを幼い時から一羽で飼うと、やがてお話インコになるのでしょうが、二羽以上で飼うと、鳥同士でお喋りをして、飼い主の言葉を覚えないと聞いています。 最後のモドちゃんですが、この子はわが家で生まれて唯一残ったセキセイインコです。モドちゃんのお母さんはセキセイインコにしては普通の鳥より一回り大きく、これも全身黄色で尻尾の方に少し白い羽根がまじっていました。キーちゃんと呼んでいました。いかにも母親らしく、私でも甘えたくなるような大らかで優しい風貌のセキセイインコでした。肩に留まらせると他の鳥よりおとなしくゆったりくつろいで留まっているので、時々創作おりがみをしている主人の肩に留まらせたりしました。彼女はちょっと油断をすると下に敷いてある新聞紙をくちゃくちゃにして、そこへ卵を生んでしまうので、ペット屋さんで木の巣箱を買ってきて籠に入れると、早速中へ入ってごそごそしているうちに卵を三つ、四つ抱いているのです。大切に、大切に抱いていた卵ですが、ある時、一個をぽんと放り出したことがあります。私は大変と巣箱の下の戸を持ち上げて、キーお母さんを刺激しないようにそろそろ返して上げました。が、またまた返しても返しても放り出すのです。お終いに観念したのか全部抱いて孵しました。その中の一羽がモドちゃんです。キー母さんによく似てやっばり優しい顔をしています。 .:*:・’゜★゜’・:*:.。.:*:・’゜☆゜’・:*:.。.:*:・’゜★゜’・:*:.。 2001年11月 平成13年 十一月 いよいよ冬の足音がそこまで迫ってきたのか、冷え込む朝が増えてきました。今朝のピーちゃんたちのご機嫌はいかがかと三枚掛けの覆いを、「おっはー」と言いながら捲りますと、よかった、よかった。シロちゃんは何とか元気で落鳥せず、大きな餌入れの中で、膨れてもそもそ動きました。コンビのキコちゃん、モドちゃんは一つのブランコにおしくらまんじゆうして寝ています。シロちゃんはそれからやっと留まり木に移り、また丸まっています。最近コンビのキコちゃん共々シロちゃんの面倒を引き受けたモドちゃんが、側へ寄っていって母親のような仕種で頭をこちょこちょしたり、自分の身体で温めたりを繰り返しています。やはりキー母さんの血は争えぬもので、弱っているシロちゃんが不憫でならないのでしょう。 まだ薄暗いので五時ごろかなと目が覚めて、そのまま寝ていたらピーちゃんたちのひそひそ話が聞こえてきます。電気を点けるともう六時過ぎていました。シロちゃんは大丈夫かなと、「おっはー、ピーちゃん!」と毛布と布と夏布団の三枚組を捲って見ると、今日は餌箱の中に、シロちゃんに寄り添ってモドちゃんが寝ていました。そのせいかいつもより元気で、留まり木に移り昨日の萎びた白菜をちょっと食べたり、下に置いてある塩土をかじったりしています。それが終わるとまた丸まって寝てしまいました。モドちゃんは相変らずシロちゃんの頭をこちょこちょしたり寄り添って温めたりしています。下の部屋より二階の方が暖かいと思って、最近雨の日、寒い日は二階の廊下に隅において外が見えるようにカーテンを開けています。 明け方から大分冷え込こんでいます。昨晩は風邪薬を飲んで寝たのにうつうつと眠りが浅く嫌な夢を見てしまいました。一羽の小鳥が籠の中で止り木から落ち、下にへたり込んだまま死に掛けているのです。我が家の鳥たちではなく白と黒のブンチョウのようでした。恐る恐るシロちゃんは元気かなと覆いを取る時いつもより一枚少なかったことに気がつきました。毛布と夏蒲団は掛かっていたのですが、布を忘れていました。いつもの冬はそんなに掛けないのですが、今年はシロちゃんがいかにも寒そうに膨れているため、寒がりの自分に引き比べどんどん覆いが増えていったのです。もうこう寒くなっては減らすわけにはまいりません。なんとかモドちゃんの介護のおかげか、もぞもぞしています。元気なときはとても食いしん坊の鳥で、他の鳥をつつっいて追っ払ってでも一番に餌を食べていたのですが、ここのところ嫌そうに二三粒啄ばむだけです。時々モドちゃんが舟漕ぎのように首を振って、親鳥が雛に与えるような、ねばねばを口移しに与えているので、もう普通の餌はあまりたべてないのかと思っているとまたちょこちょこ食べるのです。餌箱の中で寝ているので夜中でもお腹が空いたら食べているのかもしれません。 朝、比較的暖かく、覆いを取るとシロちゃんは一羽で寝ていて、すぐ留まり木に飛び移りました。それからまた膨れています。モドちゃんとキコちゃんは仲良しコンビで狭いブランコに頭と尻尾を互い違いにして寝ています。大分冷え込みがきついなあと思われる朝は、モドちゃんがシロちゃんに寄り添って寝てあげているので、こんな小さな頭でそんな思いやりが湧くのかとちょっと疑問に思います。モドちゃんとキコちゃんはブランコに二羽で乗ったものの、降りるのが大変なんです。どちらから降りるかしばらく二羽ともあっちを見たりこっちを見たりしています。飛ぶにも羽根が開かないほど、ぎゅうずめなんです。とうとうキコちゃんは羽根を広げられないまま、ドタッとお水の入れ物の側に飛び降り、最後にやっと羽根を広げたので大切な大切な羽根の先の方がちょっと折れ曲がって大急ぎで修正しています。こんな朝の出来事でも大きな鳥籠に馴れていたピーちゃんたちは気の毒です。長い間住んでいた大きな籠の底が先日割れてしまって、今では小さな籠に四羽が移されてしまいました。大母さんもだんだん年を取ってきて、大きな籠をあっちこっちへ持って行くのがしんどくなってきたのです。 今朝がたテレビが大阪は十二度、京都は六度と報じています。ところが最高気温は一緒なのです。同じ関西で最低気温がこうも違うものかと思いました。ピーちゃんの声が聞こえましたので、起きているかと覆いを取ってみるとシロちゃんは一羽で寒さのせいか餌箱の中で首を肩につっこんだままじっとしています。他のピーちゃんたちには気の毒ですが、七時過ぎだったので、もう一度覆いをかけ寝てもらいました。八時に覆いを取るとシロちゃんの側にモドちゃんが寄り添っています。それからシロちゃんも起き出して留まり木に移りました。が、膨れて元気はありません。夕方水入れの下にシロちゃんが蹲っているのでとうとうと、どっきりしましたがシロちゃん」と声を掛けるとごそごそして下に落ちている餌を啄ばんだので、やれやれです。 今日も明け方冷えて覆いを取るまで心配していましたが、餌箱にシロちゃんが座り込んだ上に、モドちゃんが雛を抱えるようにお腹の下に入れて座っていました。雛にしては大きすぎてほとんどはみ出していましたが…・そのままじっとしていたので、もう一度三十分寝かせました。 モドちゃんは特別大きな真っ黒な目をしています。それに引きかえキコちゃんの目は小っこくて、モドちゃんの四分の一ほどしかありません。大きな目のモドちゃんも可愛いですが、小っこい目のキコちゃん、「そんなちいさな目で何でも見えるんだね。」と笑えてきます。シロちゃんとソラちゃんの目は普通の大きさです。 もう起きようかなと寝床でうつら、うつらしている頃ピーちゃんたちのひそひそ話が聞こえてきます。覆いが掛かっていてももう夜明けだと分かるのでしょう。今日もシロちゃんはモドちゃんに暖めてもらって寝ていました。起き出したモドちゃんが留まり木に飛び移ると、その後を追ってシロちゃんが飛び移り、身体をモドちゃんに摺り寄せて行きます。また別の所へ移ると親の後を慕う子供のように飛び移って擦り寄って行きます。今の所キコちゃんは仲良しのモドちゃんと一緒に寝られなくて一羽で寂しく悠々とブランコ一人じめです。でもモドちゃんもキコちゃんのことも大変気になって色々やさしく宥めるのですが、少しご機嫌が悪く、前のようにスムースにキスやお話が進まないのです。ちょっと話すとチュンと突つかれるのです。シロちゃんを横にくっ付けたまま根気よく優しくキコちゃんにぴよろ、ぴよろぴよろと言っているうちに、キコちゃんのご機嫌が少しづつ良くなってくるのです。 今年は紅葉の色づきが早い分だけ朝晩の冷え込みが厳しいようです。覆いを取るとやはりモドちゃんがシロちゃんと一緒に寝ていました。留まり木に移った二羽は早速親子のように、シロちゃんがモドちゃんの顔を見上げモドちゃんはシロちゃんの頭や目元や口元をこちょ、こちよ毛繕いしています。長い間六羽いた中のボスの存在でいた鳥と思えない姿に、大げさですが、なんだか栄枯盛衰の平家物語の冒頭の句が出て来たりします。実は六羽いた頃は籠が二つあったのです。小さい方にはソラちゃんとロラちゃんが住んでいました。ロラちゃんは小鳥屋さんで見たときもう成鳥で手乗りに育ててなかったので、人を見るとばたばた逃げ回っていましたが、身体や羽根の色会いが深いブルーからコバルトブルーへ、そして顔のあたりが黄色と何とも美しかったので思わず飼ってしまったのです。その名の由来はオーロラのロラを取ってロラちゃんなのです。その子がある日突然死んでしまったので、ソラちゃんを大きな籠に移して籠を一つにしました。その頃元気だったシロちゃんにはミドリちゃんという最愛の妻がいて、新米のソラちゃんがミドリちゃんにちょっかいを出した時、シロちゃんとソラちゃんの大喧嘩があったのです。するどい爪をお互いの身体に突き立てて嘴で噛みつき床の上を毛だらけにして転がり廻りました。しかしシロちゃんは決して負けませんでした。 お天気のよい日が続きますが、今朝も冷えこみが厳しくテレビが日中は暖かいと報じています。シロちゃんは少し寒さに慣れたのか羽根の締りがよくなってきました。昨日は自分から進んで餌を食べていました。その後はやはり膨れて留まっています。やはり三か月前に奥さんのミドリちゃんを事故で亡くしたことも原因かもしれません。ミドリちゃんはとてもおっとりとした奥さんでしたが一つ困った癖がありました。餌を入れる扉が上下に開くのですが、この扉を嘴で持ち上げては落とすのを常に繰り返していたのです。これはミドリちゃんが人間の言葉で喋らないと分からないことですが、本当は扉を開けて大空へ飛んで行きたかったのかもしれません。ある日お天気がよいので表に鳥籠を出していた時、チャイムが鳴って知らない人が、「鳥が外に出ていますよ」と知らせてくれました。慌てて出てみるとなんとミドリちゃんが籠の外に出ているではありませんか。彼女は手乗りでないので掴まえようとすると逃げるのは分かりきっていますので、籠に留まらせたまま、玄関から入れようとしましたら、もう一歩というところで飛んでしまったのです。でも少し肥満ぎみのミドリちゃんは大空に飛べず、お隣の駐車場の入口に飛んでいって、運悪く出てきた車に片羽根とお腹を少し轢かれてしまい即死でした。大母さんは大ショックでしばらくぼんやりしていました。シロちゃんはきっと籠の中から一部始終を見ていたに違いありません。 二三日前からシロちゃんは大分元気になって今日はひょっとしたら一羽で寝たのではないかと思っています。覆いを取った時はもう留まり木にとまっていて、膨れてはいますが羽根もきちんとまとまっているからです。羽根がだらりと下にさがってる場合は健康状態が相当悪いのです。冬になると御苑に下りてくるツグミは、おかしなことに、よく羽根をだらりとだらしなくぶら下げて木の枝に止まっていますが、病気の場合と違ってそれなりに羽根の先まで神経は行き届いているのです。またシロちゃんはほかの鳥と違って補助食品の塩土とか砂を人一倍食べます。以前獣医さんに、「鳥籠に砂を入れておかないと便に血が混じりますよ。」と言われ、ずっと入れているのですが、今日も朝起きるとすぐ下に置いてある塩土を食べていました。人間も年配になるにつれて何か身体によい物はないかと色々健康食品を取るのと一緒なのかもしれません。 今日はピーちゃんたちの最悪デーなのです。大母さんは大父さんと朝早くからバードウォッチングに出掛けてしまうので、外に出してもらえないのです。いつもの寝ているところで一日中我慢、我慢です。覆いを取ると、やはり餌入れの中でシロちゃんはモドちゃんに温めてもらって寝ていました。起こされるのが六時半と早かったので、すっかり寝こんでいたピーちゃんたちは大慌てで起きだし、留まり木に移りました。それでもおシャベリが四羽で出来るのですからなんとか一日を過ごしました。 大分シロちゃんの容体が安定してきたので安心して覆いを取れるようになりました。今日もモドちゃんが温めて二羽で寝ていました。起きるやモドちゃんはシロちゃんに顔をくっ付けて、頭をこちょこちょ喉首をこっちをこちょこちょ。シロちゃんは目をつむって気持ちよさそうにされるがままになっています。そうしながらキコちゃんのご機嫌を取らなければならないので、モドちゃんは大忙しです。そこで孤立しているソラちゃんは面白くありません。モドちゃんの気を引くためにつんつんと突っつきます。モドちゃん怒ってソラちゃんを追っぱらって撃退。だからモドちゃんは朝から右往左往まるでくるくる鼠のようです。 朝早くからピーちゃんの鳴き声がしています。今日は大分冷え込みが厳しいようです。覆いを取るとみんな寝なおしたのかぼーとして動きません。やはりシロちゃんはモドちゃんの庇護の元に寝ています。ガスストーブをつけ電灯を点けるとしばらくしてお喋りを始めましたが、シロちゃんだけはじっと膨れて化石のようです。 朝覆いを取るとなんとモドちゃんは一羽でブランコにいてシロちゃんも餌入れの中で一羽で寝ていました。朝になって暗がりをきっと移動したのだろうと思っていました。ところがしばらく動かなかったシロちゃんがモドちゃんの横へ行った時、モドちゃんが嫌そうにつんつんとつついているのです。それでもシロちゃんはモドちゃんの側へ寄っていきますが知らん顔をしています。 キコちゃんにも知らん顔です。ひょっとしてモドちゃんは見た目はわかりませんが風邪でも引いて気分が悪いのかもしれません。昼頃籠を覗いてみましたらやっぱりモドちゃんはシロちゃんを脇にくっつけていました。 暖かかった数日が終わって平年並の寒さが戻って来ました。「おはよう、おっはー」と覆いを取ると二羽の身体がすっぽり入る大きな餌箱のなかにシロちゃんとモドちゃんが一緒に寝ていました。冷え込みが大分厳しいのでシロちゃんの体調が心配でしたが留まり木に止まるとすぐ珍しく羽づくろいを始めました。いつも朝はモドちゃんに頭と口のあたりだけ遣ってもらっているのですが、今朝は首も届く範囲でこちょこちょ羽根の下からお腹、下足の先、そして丁寧に尻尾の先まで嘴で三、四回もしごいています。この尻尾の先までしごく姿は、鳥の仕草のなかでも羽ばたきに並んで最も優雅で惚れぼれする動作だと私は思っています。六月頃渡って来るサンコウチョウの雄は一メートル位の尾羽根を嘴でしごいているのを見たことがあります。湾曲になった長い羽根がするすると嘴を通って元に戻るのを木の間隠れの日差し越しに見ました。 ここの所大お母さんは早起きになってしまって今日なんかは五時頃目が覚め、しかたがないので五時半には起きてしまいました。そのせいで朝食が終わったのが七時過ぎ、すぐピーちゃんを起こしたのですが朝早かったのと寒さで固まってしまって一言も喋らずじっとしたままなので、もう一度覆いを掛けて寝させました。シロちゃんはやはりモドちゃんと餌箱のなかでくっついて寝ていました。 朝からどーんとした曇り空なのでピーちゃんたちは比較的暖かい二階の廊下に行きました。相変らずシロちゃんは膨れたまま眠っています。レタスをプレゼントするといつも一番に飛んで来て沢山食べるシロちゃんは知らん顔して膨れて止まっています。もう食べないのかと見ていると、ふと目を開けて他のピーちゃんたちを押しのけて一口食べて元の所へ戻って膨れて寝ています。やっぱり相当具合が悪いようです。 ピーちゃんたちは今日は朝からモドちゃんの取りあいをしています。このところシロちゃんといつも夜は一緒に寝ているモドちゃんですが、本当はキコちゃんと大の仲良しなのです。覆いを取るとすぐモドちゃんはキコちゃんところへ行ってピヨロピヨロと優しく話し掛け、キコちゃんもそれに答えて嘴でねばねばを上げたりしていましたら、具合が悪くて寝ているものだと思っていたシロちゃんがパッと飛んで来て、キコちゃんを撥ね退けて自分の膨れた頭をモドちゃんの口元に持って行きます。「早く頭の毛繕いをして」と言わぬばかりです。抛りだされたキコちゃんは反対側にいるソラちゃんとモドちゃんの間に割りこみモドちゃんの気を引きます。ソラちゃんはやっぱり孤立しているのです。シロちゃんはよぼよぼになっても親分なのです。 2001年12月 平成13年 十二月 今日は覆いを取ると珍しく一羽でシロちゃんがブランコに乗っていました。昨晩寝る前にシロちゃんが餌を積極的に大分食べていましたから一時よりは元気になったのでしょうか。ここ二三日暖かい日が続いているせいかもしれません。元気な時はブランコが大好きで、亡くなった奥さんのミドリちゃんと狭いブランコで仲良く二羽で寝ていたのです。ブランコは皆大好きなので二個ぶら下げてあるのですが、どうしたことかいつのまにか二個が一ケ所に固まってて、二個のブランコを陣んどってシロちゃんとミドリちゃんが寝ているのが当たり前のようでした。二個のブランコが別々に使われることはあまり見たことがありません。このブランコ問題は我が家のミステりーの一つなのです。 今日は大母さんが朝早くからお仕事に出掛けてしまい、起こしてくれたのは大父さんです。ピーちゃんたちはだいたい春、秋のお天気のよい日には表に出してもらえて自動車や人や時にはお祭りが御池通りを通るのが見られ、またこぼした粟や黍をたべに雀のチュンコがくるので退屈しないのです。しかしシロちゃんの具合が悪くなってからは日の当たる午前中出してもらって、後は二階の廊下の隅です。今日は大父さんなので下の廊下で一日を過ごしました。 「オッハー」と覆いを取ると今日はびっくり。モドちゃんとキコちゃんが別々のブランコに乗っていました。昨晩から乗っていたのか、今朝乗ったのか、はたまた夜中なのかミステリーです。最近ブランコは一つに固まらないように籠の鋼線を利用してばらばらにぶら下っているのです。止まる所は木製のとプラスチック製があり、後者は青色です。シロちゃんはやはり寒いのかもぞもぞ一羽で餌箱にいましたが、キコちゃんのすぐ下の留まり木に飛びました。それを見てモドちゃんも慌ててシロちゃんの横へ飛び移りシロちゃんの頭をこちょこちょ、ブランコのキコちゃんの嘴をこちょこちょ。大サービスを始めました。モドちゃんも時々自由に伸びのび大好きなブランコで寝たいのでしょう。 今朝覆いを取るとやはりシロちゃんとモドちゃんが一緒に寝ていました。いつもと違うところはシロちゃんの方が先に起きて留まり木に飛び移りました。やはり少し寒さに慣れて来たのでしょうか。お天気があまりよくないので今日は二階の廊下の隅で我慢です。寝る前に好物のレタスをプレゼント。シロちゃんも少々食べました。 いつもの年より暖かかった今年も今日から例年並の予想どうりぐっと冷えこんできました。覆いを取るとキコちゃんだけブランコに乗って寝ていました。キコちゃんも思いおこしてみればシロちゃんと一緒に家へ来たのですから大分お年寄りなんです。今朝キコちゃんは少し膨れていました。モドちゃんはシロちゃんと餌箱の中で寝ていました。 今朝はピーちゃんたちの大嫌いな雨です。ピーちゃんたちはお日様大好きさんです。真冬でも日向に出しますと一しきり大きな声で喋りまくります。でもとても寒い日はだんだん声が出なくなり寒そうに固まってしまいます。そんな日は大母さんが慌てて家の中へ入れてくれますが、大変忙しい日なんかは忘れられて、暗くなりかけて慌てて入れてくれることも多々ありました。でもシロちゃんの具合が悪くなってからはせいぜいお天気のよい日午前中二三時間ぐらいです。 ピーちゃんたちが朝起きると籠のお掃除を大母さんがやってくれます。下に敷いた新聞紙を新しいのに取り替え新しい餌を二つの餌箱に足してお水を替えてくれます。セキセイインコはあまり水を飲まないと聞いていますがシロちゃんだけは昔から水を替えた途端おいしそうに一口か二口飲みます。大母さんもお水を替えるかいがあるというものです。 このお水は御所の梨の木神社から汲んできたお水です。最近の水道水はカルキ臭があるので大父さんと大母さんが自転車で御所まで汲みに行っているのです。 今年一番の冷えこみのようで籠の覆いを取るのが怖かったので恐るおそる取りますと、シロちゃんご無事でモドちゃんと餌箱の中で寝ていました。餌も新しいのを入れると自分で食べているので少し寒さに慣れたのでしょう。お天気がよいので表に出すと皆ご機嫌で喋りまくっております。 昨日大お母さんの孫のあやかとひかりがやって来ました。自分の家にもサリーという名のセキセイインコがいるのですが、その子の使っている玩具を持って来て、ピーちゃんたちに貸してくれました。小さい五色のくすだまが縦に連なっていて、中に微かに鳴る鈴が入っています。あやかが籠に手を入れて玩具をぶら下げてくれましたが、ピーちゃんたちは迷惑そうに玩具の反対側に固まって知らん顔をしています。塩土でもブランコでも慣れるのに最低二三日はかかるようです。 大母さんの孫たちは昨日帰ってしまい、また静かな日常が帰ってきました。ピーちゃんたちにとってまだ慣れなくて目ざわりな玩具も持って帰ってくれました。孫たちが飼っているサリーちゃんは以前もう一羽の緑のセキセイインコと二羽クリスマスのブレゼントに買ってあげたものです。緑のセキセイインコはミルキーと名前をつけて貰ってサリーと一緒に可愛がっていましたが、突然死んでしまい孫たち一家は大ショック。泣きながら亡骸を近くの児童公園の片隅へ埋め「こんど生まれる時はお空を自由に飛べるように」。しばらくしてサリー一羽ではかわいそうと、飼った雛一羽がまたまた死んでしまいました。孫たちのお母さん「加奈子ママ」は雛の世話をしていたので、とても落胆して、「もう飼わない」と言っていましたが孫たちは小鳥屋さんの前を通ると「雛を買って」とせがむのです。 昨日から真冬に近い寒さが続いています。大父さんは前からピーちゃんたちの写真を撮りたいと言っていましたので、シロちゃんをまず撮ることにしました。もともと雛から飼った子なので外に出して写すことにして、そっと掴まえました。手のひらに乗せてみると、籠に帰りたいのか弱々しい飛びかたで籠に飛び移ろうとして下に落ちてしまいます。また手のひらに乗せて片方の手で覆って温めてやりますと気持ちよさそうにじっとしています。やはり寒いのでしょう。覆っている手を離してもそのままじっとしているので、大父さんがデジカメでパチリ。キコちゃんはもともと手乗りのなので出して大母さんの肩でパチリ。モドちゃん、ソラちゃんは掴まるの大嫌いなので籠の中にいるのをパチリ。これで撮影会終わり。 テレビが今朝の冷え込みがまた今年に入って一番の最低気温を報じていました。近畿でも零下になる所もあり、大母さんは心配して昨晩寝る前に三枚覆いの横に座布団を三枚置きました。朝大丈夫かなと座布団と覆いを取ると、シロちゃんはなんとかモドちゃんと寝ていて起きるとすぐ留まり木に移りました。キコちゃんが餌をたべだすと慌てたようにキコちゃんを退けて自分が二三粒食べそのままの格好で居眠ってしまいました。子供がよく眠い時ご飯を食べながら居眠りますが、小鳥も同じなんだとおかしくなります。まだまだ食べる意欲は残っているのでほっとします。 今日のシロちゃんは両羽根をだらりと落して本当に具合が悪そうです。それでも下の餌箱に降りて二三粒食べて居眠ってしまいました。それを見てモドちゃんが彼の側へ降り、突ついて起こしてから再び上の留まり木に戻りますと、シロちゃんもなんとか金網を伝ってモドちゃんの側にくっつきました。シロちゃんはだいぶバランスが悪くよたよたしています。最近はなるべく暖かくしてストーブの近くに置いてありますが、あまり暖めると他のピーちゃんたちが過保護になってしまうので難しいことです。 昨晩九時頃何か大母さんが気になってピーちゃん達の覆いを持ち上げて籠を覗くとシロちゃんが下に蹲っていました。モドちゃんはここまでになるとどうしょうもないのか留まり木に止まっています。慌てて両手で暖めますと少し動きますがもう手の施しようがありません。二時間ほど暖めたりお水を上げたりしましたが微かに息をしているだけなので、アンカを「中」と「強」の間にしてその上に平たい箱を置き柔らかい紙でくるんで寝かせました。朝一番に覗いて見ましたらまだ温かく羽根もふんわりしてきっと夜明けに息を引き取ったのでしょう。飼った時からひ弱そうな優しい面差しのシロちゃんでしたが、死に顔もとてもきれいで、きっとお空の天使になったことでしょう。少し息のある間にお別れにみんなの所へ連れていったのですが、みんなはふしぎそうに首を傾けました。今朝モドちゃんは餌箱の中で一羽で寝ていました。きっと口がきけたら、「シロちゃんどうしたの?」と問いかけたかもしれません。キコちゃんはブランコでソラちゃんは留まり木でそれぞれ一羽づつで寝ていました。起きてしばらくすると、昔のようにモドちゃんとキコちゃんが仲よくお喋りを始めましたが、それをソラちゃんが「やきもち」なのかつんつん突っつきにいきます。昼過ぎ大母さんはシロちゃんのお葬式をしました。庭の羊歯の下の連れ合いだったミドリちゃんのお墓の横に柔らかいテッシュで包んでそっと埋めてあげました。その上に丸いおはぎのような石を置き、大好きだった御所のお水と粟や稗の餌を撒きました。そしてお線香と蝋燭を立てて、「よい所へ行ってね、いつか大母さんも行くからね。」とぶつぶつ言いました。 今日は起こしてもらうのが大変遅く、ピーちゃんたちは覆いの三枚重ねの中でも朝の気配がするのでしょうか、ぴちゃぴちゅとお話を始めています。きっと暗がりでも餌を食べているのかもしれません。今朝は珍しくキコちゃんが膨れています。シロちゃんと同じ年なので寒さに気をつけないとと大母さんは決心しました。 今朝はまた一段と寒く世界的温暖化現象なんて嘘のようです。シロちゃんが死んでからはピーちゃん達は高齢化にもかかわらず、一羽づつばらばらに寝ているようですので昨晩は寒さに備えて覆いの下にアンカを入れてもらいました。覆いを取るとブランコにモドちゃんだけ乗っています。全員羽根はぴしりとしまっています。アンカのおかげかな。 今朝天気予報が今年一番の寒さを予報しています。日中も気温があまり上がらず十度前後と例年より低めとのことです。ビーちゃん達を起こすと早速キコちゃんとモドちゃんが楽しくお喋りを始めました。ソラちゃんはとても羨ましそうに手前の留まり木で見ていましたが辛抱しきれなくなってモドちゃんの横へ飛びました。それでも果てしなく楽しいお喋りが続くものですからモドちゃんをつんと突つきました。「私も仲間に入れて」と言っているようです。モドちゃんはいかにも迷惑そうにつんと突つき返しキコちゃんとまた果てしなく喋り続けています。 今朝はキコちゃんとモドちゃんがブランコで寝ていました。ソラちゃんがブランコに乗りたいのならもう一つぶら下げてもいいかと狭い籠を眺めながら大母さんは思案中です。一しきりキコちゃんとモドちゃんのお喋りがすんだ後、またモドちゃんがソラちゃんに少しきつい調子で喋りながら時々つんつん突つきます。その姿は子供になにかお説教をしているお母さんのようです。ソラちゃんもしばらくは我慢して聞いていますが、腹が立ってくるのかモドちゃんよりきつめのつんつんつんをお返しするのです。 昨晩大母さんは黄色いブランコを一個プラスしました。これで三個。プランコで寝たかったらピーちゃんはみんな寝られると大母さんは安心。楽しみに「オッハー」と覆いを取ると新しい黄色いブランコで眠っていたのはキコちゃん、前からの青いブランコはモドちゃんそして木のブランコは空いたまま。ソラちゃんはブランコで寝たくないのか、それとも色が気にいらないのかな。 覆いを取ると大変大変。ピーちゃんたち水難の朝です。なにかの拍子に水入れがひっくり返ったのか床がべちゃべちゃなのです。アンカを差しこんでおいたので少しは暖かかったかもしれませんが、きっと覆いの中で湿度が高くて嫌だったのではないでしようか。床の新聞紙を変えるのを今朝だけは嬉しそうに眺めていました。あまりインコは水を飲まないと言いますが、御所のお水を入れると、大慌てでモドちゃんとソラちゃんが一口づづおいしそうに飲みました。 昨日午前中お日さまが表に当たっていたのでピーちゃんたちを出していると、通りかかったおじさんが籠を覗きこんで、「おや一羽たりませんな、確か四羽いたのとちがいますか?」と大母さんに尋ねました。以前は一日中出していたものですから通りすがりの親子づれや若いお姉さんがピーちゃんの相手をしては通り過ぎて行きました。楽しみに覗いてくださっている方もあるのですね。今朝早く大母さんはピーちゃんにアンカを入れ忘れたのを思い出して途中で起きてきて入れてくれました。 やはりモドちゃんとキコちゃんは大の仲よしでシロちゃんが昇天した後はぴちゃぴちゅとお話しています。寒いときは二羽くっついて止まっていることもあります。そんな時ふと覗きこむとソラちゃんが何か物言いたげに首を傾げて大母さんの顔を見るのです。「誰か相棒を探して・ ・ ・」と言っているようです。 朝とても寒かったので大母さんはピーちゃんたちを起こすのがかわいそうでとうとう九時過ぎまで寝かせてしまいました。そのせいでキコちゃんはお腹がぺこぺこなのか起きるとすぐ餌箱に飛び移りぱくぱく食べました。でもモドちゃんとソラちゃんは知らん顔しています。暗がりでも食べているのでしょうか? 今朝大母さんはピーちゃんたちの顔をつくづく眺めながら頬っぺのところに付いている涙形の模様のふしぎについて考えました。キコちゃんとモドちゃんには白い涙形があり、ソラちゃんには紫色の涙形。その上ソラちゃんにはぽつぽつと嘴のしたにも二つずつ小さな紫の涙が付いているのです。これは永遠の謎でしょうか? 氷の張りそうな冷え込みでピーちゃんどうかな。と大母さんが覆いを取りアンカを片付けようとしてびっくり!暖かいはずのアンカが冷たいではありませんか。差し込みの所を見ると、暗がりで差し込んだため片一方しか凹の中に差し込めてなかったのです。一応ピーちゃんたちの羽根はぴしっと締っていましたのでやれやれです。 朝から寒くておまけに雨でピーちゃんたちの一番大嫌いな一日です。 二三日前からピーちゃんたちの餌の入れ方が変わりました。餌には皮を被った餌と剥き餌があります。小鳥屋のおじさんは皮を被っている餌の方が小鳥が丈夫に育つと言いますが、皮を散らかすので飼い主は剥き餌を選ぶ人が多いと教えてくれました。大母さんは考えて皮被りと剥き餌を混ぜて入れていました。が、よく散らかします。お気に入りの餌を選り食いしているのかもしれません。長い間そうしてきましたが、餌箱が二つあるのでそれぞれ分けて入れることにしたのです。今朝籠の掃除をしましたら餌があまり下に落ちてなかったので分けて入れたのがよかったようです。 今日は珍しくキコちゃんとモドちゃんが一緒にブランコに乗っていました。木のブランコです。空色のブランコがゆれていてソラちゃんがその下にいましたから、ソラちゃんが乗っていて覆いを取ると同時に降りたのではないかと思います。大母さんは覆いを取った時ソラちゃんがブランコで寝ているのを見たことがありません。ソラちゃんはブランコで寝ているのを見られるのが嫌なのでしょうか。 今年ももう僅か、大母さんはここのところ大掃除にお買い物に忙しいのです。でもピーちゃんたちには年末もお正月も関係ありません。朝からお日さまが出ていて表に出してもらえるのが最高の日なのです。今日も最高、表で「ピチクリ、ピチョピチョ」お喋り大会です。 人間界は大晦日とやらで大母さんもきりきり舞いの忙しさです。ピーちゃんたちは表にお日さまが当たるまで二階の廊下の隅っこで、お日さまが当たりだすといくら忙しくても大母さんは二階からピーちゃんの籠をよいしょよいしょと下ろしてきて表に出してくれました。昼過ぎ、表のお日さまが翳るとまたよいしょよいしょと二階へ連れていってくれました。 .:*:・’゜★゜’・:*:.。.:*:・’゜☆゜’・:*:.。.:*:・’゜★゜’・:*:.。 |
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