大脱走(3)
左岸は比較的安全なのだが、右岸は要注意。ミニピンがセッターに噛み殺されたのも右岸だ。猫も跋扈(ばっこ)する。それよりなにより、カンボーが時折徘徊するのだ。気ままな一人旅とはいえ、ぼくは注意を怠らなかった。

(何事も首を突っ込みすぎてはいけない)
片道800メートルほどのプロムナードから上がれば、もうそこは中央公園の入り口だ。だが、喜んで走ってはいけない。右からカーブしてくる車もあるからだ。

赤い矢印に惑わされずに、左のゲートへ進んだ。
だらだら坂を登って広場に出た。
だれもいなかった。
GWでみんな出かけているのだろうか。

だれもいないことをいいことに・・・

こんなことや・・・

こ〜んなこともした。
意味が分からない?
童心に返る、ということだ。もしお母さんがいたらすぐ止めさせられてしまう。一人で来てよかった。

奥の小さい広場にも行ってみた。
そこもだれもいなかった。
ふっと、寂しくなった。
ホームシックがぼくを襲った。

絢爛豪華に咲き乱れるバラも、なぜか侘びしく感じた。
帰ろう!
帰るんだ!
ぼくは家族と離れてはいけないんだ!

もっと遊んでいったらいいのにと、引き止めるバラに別れを告げた。
行きはよいよい、帰りは恐い、ってか。