6.区画整理区域除外地

 区画整理事業の当初の事業計画区域は、東は小海線、西は千曲川堤防、北は国道141号線バイパス、南は水上町(一部除外)に囲まれた一部佐太夫町、中込新町、平賀新町、地籍を含む橋場地区全域であった。
 また、国道254号線の小海線富岡踏切については地下横断による立体交差の予定であった。
 ところが、説明段階から富岡踏切両側に位置する中込新町区の一部の人達から反対運動が起きてしまった。
 反対理由は「減歩そのものが不法である」ということと「踏切の立体交差に対する立地の不満」であった。市長自ら説得に当ったし、区画整理推進委員会としても協力を懇願したが、結局翻意させることはできなかった。
 やむを得ず、この地域は区画整理区域から除外されることになり、事業計画面積は30.75haと決まった。(45ページ参照)
 この決定は、その地域の人達にとっても、また区画整理事業全体の立場から見ても大きな禍根を残すことになった。この地域の人達からすれば、すぐ隣までは区画整理が行なわれ俳水施設や下水道まで完備しており快適な環境下で生活している。それに比べ自分達は、全く取り残されてしまい、旧態依然とした悪い環境の中で生活しなければならない。これでは余りにも格差が大きすぎる。何とかして…という声は、当然にして起きてきた。
 数年前、この地域は大雨の都度床下浸水という被害を受けることになってしまった。もちろん今は排水路をつくって被害が出ないようにしてあるが、当時はそれがなかったため、既に完成していた区画道路の排水が集中的にこの地域へ流れ込んだための出来事であった。
 一方国道254号線の小海線富岡踏切の立体交差計画は、この両側の地域が除外されたことから、当面手がつけられないことになってしまった。この国道 254号線は、佐久市から首都圏へ直結する主要幹線道路で交通量も多く、中込商店街にとってはお客様の流入道路でもある訳である。これが改修できずにわずか6mそこそこの狭い道路で平面交差している。そのうえ、中込駅の客車入れ替作業のため1日に50〜60回も遮断機が降りてしまうため、交通渋滞の原因にもなり、折角の区画整理事業の効果を半減させてしまっている。何とか反対地域を説得して区画整理事業に引き続き早期に改修して欲しいと、商店街としても、区画整理堆進委員会としても陳情を重ねてきた。陳情は市議会で採訳されたものの地元との話し合いがつかず、そのままの姿で今日に至っている。
 この富岡踏切に通じる橋場中央線(野沢橋−富岡踏切)の区画整理区域内道路は、同踏切が立体交差するという前提で巾員22mで既に整備され、いつでも対応できるようになっている。市では地元関係者と既に10数回の話し合いを持ち、ようやく「沿道型区画整理事業」という手法で改修できる見通しになったと聞いているが、一日も早い事業実施を切望している。


      除外地と接続部分


小海線富岡踏切付近       


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