この学びにどれほど長い年月と忍耐力が注ぎ込まれているかを知ればこそ、私は父から学んだすべての正確さに対して深い敬意を抱くものです。「はしがき」でほのめかしたとおり、ここで語られている内容に当てはまるかもしれない数多くのものごとを、私自身実際に目や耳で確かめてきました。私の聞いた内容には、子どものときには不可能だったり存在しなかったものがたくさん含まれていて、なかにはつい五年前までそうだったことさえありますが、その多くがいまでは実現していたり、最近の研究でわかってきたりしています。私は父から学んだすべての正確さに対して深い敬意を抱くものです。【目次へ】 幼児の超能力 ピアスの「マジカル・チャイルド」
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続折々の記 2021④
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 06 】05/02
ドッツ法、フラッシュカード法 ドーマンメソッド
語部(カタリベ)の実証 アンダーウッドの「一万年の旅路」より
09 05 (水) 最新脳科学が明らかにしてきた無限の想像力の開発
ピアス、ドーマン、アンダーウッド
語部(カタリベ)の記憶法………私がこれは本当だったんだ !! と驚いたのは、どこの国にも伝承されてきた語部の記憶は本当のことだと知った時だった。 それは、私がアメリカ原住民のアンダーウッドさんが書いた 「一万年の旅路」 のはしがきを読んだ時でした。 そこには徹底的に “Windowあそび (私が勝手につけた遊びの方法)”を通しての記憶術が克明に記されていたのです。 一万年にわたる歴史の伝承を語部という大切な役目を負って、よくまた記憶できたものかと、驚きはもとよりその心根に強靭な能力にホトホト感心したのです。
これとは別に、しかも同様な手口の見たものをそのまま網膜に残す方法で、慣れてくると、いとも簡単に記憶してい驚くべき方法………数にかかわる “ドッツ法” を発見したグレン・ドーマンさん。 その方法によった教育を受けた子供が、しかも5~6才の子どもが風呂に入りながら四則交じりの計算の答えを、いとも簡単に答えられるようになるという、子どものときにこの教育を受けない大人では真似ができる人はいないと思います。 しかもドーマンさんは知能の遅れている子供さんを、何とかしたいといろいろ工夫しているうちに見つけたようです。 今ではドーマン法と言って、親が小さい子供の数学の基礎を身に着けるために、この方法を取り入れている人もあります。
さて、ピアスさんは何に貢献したのか。 このことはちょっと難しいけれども、「マジカル・チャイルド育児法」 という本を読んでみないと分かりません。 一言でいえば、赤ちゃんは素晴らしい能力を持って生まれてきている、ということをいろいろ調べて本にしている方です。 アンダーウッドさんのもの凄い記憶の力も、ドーマンさんの、子どもの数処理の驚くべき能力の発見も、こうしたさまざまの人たちのデータを収集処理し系統立てて子どもの素晴らしい創造力を世の中に知らしてくれた恩人です。 私の0歳教育という考え方の土台になっている、中核になっているものです。
マジカル・チャイルド育児法
まず序文を読んでみましょう。
本書のテーマを追求しているうちに、私は子どもの心や人間の知性について現行の一般的理解とはまったく正反対の立場に行きついてしまい、そのギャップを埋めるのにとまどった。問題は知能の成長をつかさどる成長プラン、すなわちわれわれが無視し、損傷を与え、時には破壊することさえもある遺伝的な暗号である。
<心/脳>は驚くべき能力を発揮するよう設計されている。が、その発達は、幼児や子どもが本当にあるがままの世界についての知識を組み立てられるかどうか、にかかっている。
子どもたちがこの基盤を構築できないのは、われわれが不安にみちた世界観を知らず知らずのうちに子どもたちに押し付けてしまっているからである(そういう世界観が知らないうちに我々に押し付けられてきたように)。幼児期というのは、子どもを内部から駆りたてる生物プランに基づいた衝動と、外部から子どもに押しつける大人たちの不安に基づく意図とが相争う戦場だからである。
自然は人間の子どもが他のいかなる種より長期間、保護者に依存するよう定めた。こういう長期の依存やテンポの遅い成長速度の背後に隠された意図を尊重したなら、大人の基準で実用性や価値にとらわれることなく、みずから世界を認識し、それに応答するであろう。子どもに、そういう自然な世界観を発展させることが許されたなら、論理的成熟によって、想像を絶するような実用性や価値や能力がはぐくまれるであろう。事実、テクノロジーを持たない文化圏に属する子供たちは、長期間でないにせよ、われわれ西洋人の常識をはるかに超えた諸能力をひんぱんに示している。
当初、私はここ数年来私の中で明らかになったことに基づき、生物プランの簡単な概要を描くにとどめるつもりだった。しかし、素材が素材だけに、それだけで済ませるわけにはいかなくなった。次々と重要な問題に突きあたったのだ。
今日、すべての産業国家において、幼児自閉症や脳障害が驚くべき勢いで増え、子どもの自殺が年々増加し、ますます多くの親たちが幼児や小さな子供を虐待して死にいたらしめ、学校教育がますます非生産的で有害なものになり、維持するのさえ危険で困難な状況になりつつあるのは何が間違っているのだろうか?
私はこれらの問題のどれ一つとってみても、個別的には解決できないことに気づいた。
また、子どもたちが大人の世界の緊張を単に反映しているにすぎないし考えるのは、重大な過ちであることもわかった。
むしろ、事実はその逆かもしれないのである。問題なのは、子どもの心や人間の知性の本性であり、<心/脳>の発達を左右する地球システムとの生物的なつながりである。この問題が明らかにされ、修正されない限り、われわれの抱える問題は増えていく一方であろう。
以下省略
これは、8頁もある序文の冒頭で述べられたものです。 私は赤線をした部分まで読みすすんだとき、目が釘付けになりました。 釘付けの言葉は何を意味するか。 文章とは思考が断ちきられ、自分が過去に記憶した細胞内へ迷いこみ釘付けに関係する記憶を引き出して整理し統合し始めるのです。
前に読んだことがあるのに、本の中身はあちこち淡い覚えになっているのです。 ホログラムとか<心/脳/体>とかマトリックスなどその他チョコチョコ記憶しているが、潜在記憶というのもあるのだろうか。
話は脱線しますが、昭和28年二つ目の学校へ転勤になった折、二年生の国語を一年間担当することになった。 4月になってもまだ国語の教科書が配布されなかった。 そこでどうしたかというと、平家物語の冒頭、祇園精舎の一節をガリ版印刷して三クラスへ配って勉強を始めたことがありました。
どうして平家物語を選んだのか今でもわからない。 当時は担任が選ぶことになっていた。 生徒はぼつぼつ80才になるのに、よく記憶している。 釘付けというのはそのことを繰り返しあれこれ考えることだと言えるようです。 授業は祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり………で始まりました。
釘付けの続きとなるが、
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の禄山、これらは皆、旧主先皇の政にも従はず、楽しみを極め、諫めをも思ひ入れず、天下の乱れんことを悟らずして、民間の愁ふるところを知らざつしかば、久しからずして、亡じにし者どもなり。
近く本朝をうかがふに、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、これらはおごれる心もたけきことも、皆とりどりにこそありしかども、間近くは六波羅の入道前太政大臣平朝臣清盛公と申しし人のありさま、伝え承るこそ、心も詞も及ばれね。
「諸行無常の響き」とは
諸行無常 諸行は無常なり
是生滅法 是れ生滅を法となす
生滅滅巳 生滅にして滅し巳らば
寂滅為楽 寂滅して楽となる
となるが、お釈迦様の考えの中核になるものと思っております。 その後も仏教についてはいろいろと考えたりしました。
なぜ平家物語を生徒の教材にしたのか、今でも自分で決めたのに理由については誰にも話すことはなかった。 ただ、潜在意識というものがそうしたのかもしれない。 例えば朝顔を洗ったのはどこの家でも昔は戸外でしたから、洗顔後東に向かって合掌しているのを見て知っていた。 青年期に達していたころ、自分で困ったことがあった時、父親はただ黙って見守っていてくれた。 そうした経験や見聞を私は体験していた。
こうしたことが、子どもの大脳の中に潜在記憶として整理総括されていたのかもしれない。 自分の中に仏性らしいところが潜在していたのかもしれないのです。
長々と脱線しましたが、釘付けということは大事なことだと今では考え、位置づけるようにしています。 これは終括を迎えての留意事項と考えてもいいのではないかと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
この序文は、ピアスの本の初版が昭和59年4月1日とあるから30年も前ということになります。 ピアスが考えていた内容はそれより前になるのですから、驚くじゃありませんか。 人は住んでいる社会体制に順応していると、その社会体制を是とする認識になる可能性が大きいのです。 だから理想社会を目指していた青春時代のエネルギーはだんだんと老化してしまいやすい。 日本の現代社会を民主主義社会であると認識している人は、理想を求めるエネルギーを失っていくかぎり、過ちをおかすことになるのです。 それをピアスは社会情勢の予言として警告していたのです。
人は大人になってくると自分が過ごした過去を是認し、その意識で子供に接していくのが過ちの過程ともなるのです。 釘付けになって立ちどまり、あれこれ考えていて、事の重大さに愕然としたのです。
ずっと前のことになりますが、私がピアスの Magical Child を読み取ったものが ここ をプッシュするとありますので、実際の子育ての仕事につかれたらご覧ください。
ついでに、「いじめは心の姿」という提言の中で、子どもは周囲の環境からすべてを吸収して自分を築きあげるのが原則だという考え方で、親子の在り方についての意見をまとめたものがありますから暇があったら、参考にみてください。
ドーマン・メソッド育児法
ピアスの考えは、子供の大脳の発達は素晴らしいということと、子供は環境次第によって自分をどのようにも創っていくものだということが一番元になっていると思います。
ドーマンさんは障害児の教育に携わっていた人で、その中からビッテとは違った子どもへのアプローチを見つけだした方でした。 肉体的に障害を受けた子どもも、基本的に普通児と同じように大脳の素晴らしい能力を備えており、指導方法によって自分の能力をどのようにでも高めうるということをみんなに知らしてくれています。
大脳の研究は急速に進歩し、その成果をだれでも共有できる時代になってきております。 ピアスが指摘しているように、大人の大脳の働きによって子供を教育していく方法はその改善を迫られています。 その観点からドーマンメソッドの内容をだれでもよく理解する必要があります。
試みに「ドーマンの著書」で Google検索すると、次のように出てきます。
Amazon.co.jp: グレン・ドーマン: 本
https://www.amazon.co.jp/本-グレン・ドーマン/s?ie...1...27%3Aグレン・ドーマン
1988/10. グレン ドーマン、 人間能力開発研究所 ... 親こそ最良の医師―ドーマン博士はいかにして脳障害児を治療したか (サイマル・リポート). 1974/1 ... ドーマン博士の幼児開発法―幼児は読む能力をもっている 2歳からはじめよう (1971年). 1971. グレン= ...
赤ちゃんの知性を何倍にもするには (gentle revolution) | グレン ドーマン ...
https://www.amazon.co.jp/...gentle-revolution-グレン-ドーマン/dp/4925228005
Amazonでグレン ドーマン, ジャネット ドーマン, 人間能力開発研究所, 前野 律の赤ちゃんの知性を何倍にもするには (gentle revolution)。アマゾンならポイント還元本が多数。グレン ドーマン, ジャネット ドーマン, 人間能力開発研究所, 前野 律作品ほか、お急ぎ便 ...
赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか (gentle revolution) | グレン ...
https://www.amazon.co.jp/...gentle-revolution-グレン-ドーマン/dp/492522803X
Amazonでグレン ドーマン, ブルース ヘイギー, ダグラス ドーマン, 人間能力開発研究所, 前野 律の赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか (gentle revolution)。アマゾンならポイント還元本が多数。グレン ドーマン, ブルース ヘイギー, ダグラス ドーマン, 人間能力 ...
ドーマン法の本を読んで | 手と心をかける幼児教育
https://ameblo.jp/nyakko3/entry-11430143235.html
2012/12/18 - グレン・ドーマンの著書を3冊読みました。 といっても「子どもの知能は限りなく」と「赤ちゃんの知性を何倍にもするには」の本は被っている部分も多いので、読み飛ばした部分も多いです。 元々、私のフラッシュカードの印象は、あまり良いもの ...
グレン・ドーマン おすすめランキング (25作品) - ブクログ
https://booklog.jp/author/グレン・ドーマン
... のおすすめランキングです。グレン・ドーマンのおすすめランキング、人気・レビュー数ランキング、新刊情報、Kindleストア等の電子書籍の対応状況をチェック! ... ドーマン先生の著書は希望に溢れているので、ぜひすべて読破したい。 親が子供に読みを教える ...
ドーマン博士の著書との出会い | Infinity Family Program
infinity-little-einstein.com/archives/1034
ブログを書き始めた最初の頃、幼児教育書、育児書、 早期教育、幼児英語、能力開発に関する本などを読みあさったお話をしたと思います。 その中で、私が一番感動を覚え共感したのはドーマン博士の本でした。 脳障害児教育で、大変有名な方ですので、皆さん ...
グレン・ドーマン – 人間能力開発研究所
iahp.jp/about-glenn-doman
50年以上にわたって、2万を超える家族と密に接してきたのに加え、グレン・ドーマンは、 「親こそ最良の医師」 をはじめ、親が自分の子どもに家庭で教える 方法を説いた「穏やかな革命シリーズ」と名付けられた一連の著書および教材をつうじて、何100万もの ...
ドーマン研究所―脳障害児のプログラム
www.doman.co.jp/wtdprog.html
家庭で子どもに何かをしたいという方は、グレン・ドーマンが乳幼児の能力開発について書いたその他の書籍も参考にして「自家製プログラム」を作り、働きかけを始めることができます。 グレン・ドーマンの著書は他にも6冊がドーマン研究所から出版されています。
Money Eater(金食い虫)との生活:ドーマン方式
moneyeater.lolipop.jp/doman.html
自宅でがんばったドーマン方式. グレン・ドーマン博士の著書「子供の知能は限りなく」を読んだのは、 娘が生まれてまもなくのこと。 ガツンと頭をなぐられたような衝撃。 「これだ!私の使命はこれだ!」 すやすやと眠る娘のかたわらで、2冊・3冊とドーマン方式の本 ...
グレン・ドーマン著書一覧 |「赤ちゃんに算数を教える・読みを教える」
kawaiino.com/ikujisho07_gurendoman.html
ビッテ式家庭保育園や七田教育研究社などの早期教育の参考となっているアメリカの「グレン・ドーマン博士」の著書のご案内しています。「赤ちゃんに算数をどう教えるか」「赤ちゃんに読みをどう教えるか」「赤ちゃんにの運動能力をどう優秀にするか」など。
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グレンドーマン
生年月日: 1919年8月26日 生まれ: アメリカ合衆国
死 亡: 2013年5月18日 学歴: ペンシルベニア大学 (1940年卒)
設立組織: 人間能力開発研究所
私が現在所有しているのは、「子どもの知能は限りなく」「幼児は算数を学びたがっている」「親こそ最良の教師」の三冊です。 ドーマンの特徴はフラッシュカードとドッツカードの利用といえます。 ドッツカードとしては七田真の「ドッツの効果的教え方」を持っています。
ドーマンメソッドの概要理解でしたら<http://park19.wakwak.com/~yoshimo/moto.82.html>を開けば、上記三冊は知ることができます。 また「ドッツの効果的教え方」のコピーでしたら<http://park19.wakwak.com/~yoshimo/moto.100.html>と<http://park19.wakwak.com/~yoshimo/moto.112.html>を開いて、コピーしてください。
以上でドーマンメソッドの概略説明を終わります。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ドーマンメソッドの学習形態の一つは、「フラッシュカード」を利用したものとかきましたが、この形態は大脳記憶の方法で区分すれば、「パターン認識」ということになります。
このパターン認識についてはソニーの井深大(マサル)さんは1971年に「幼稚園では遅すぎる」を出版しています。 教育へ向かったのは勿論科学技術の進歩のためはあるのでしょうが、おそらくは「早教育と天才」や‘ドーマンの著書’を読まれていたと思います。
0歳(教育の最適時期) 0歳からの母親作戦 あと半分の教育
幼稚園では遅すぎる 子育て母育て 0歳児の驚異
赤ちゃんばんざい! (パート1) 赤ちゃんばんざい! (パート2)
井深大さんを書評していた一文に、こんなのもあります。
著者が一貫して訴えていることは、教育は「幼稚園どころか、3歳でも遅すぎる」ということである。 だが、5歳から始めるのと同じ内容の教育を1歳の赤ちゃんから行うべきだと主張しているわけではない。 その歳に応じた育て方があるというのだ。 0歳から2歳までの時期は有無をいわせず繰り返し覚えさせる時期で、3、4歳はその子の興味に訴え、納得させながら教えていく時期に当たる。 とりわけ、さまざまな刺激を何ら抵抗なく受け入れ、脳細胞に焼き付けていく0歳から2歳までを著者は「パターン時代」と呼び、幼児教育上重要な時期と説く。
井深大さんのパターン認識を一項目にするかどうか迷ったが、ドーマンメソッドの項に含めます。
一万年の旅路
私の0歳教育で考えている出生後のパターン認識の中核にしたい方法の一つは、アンダーウッドさんの「Window遊び」です。
記憶された知識の伝承をしてきた歴史の語部、その伝承方法を開示してくれたポーラ・アンダーウッドさんの記憶術。 それを知った時の驚きと喜びは忘れることはないでしょう。
次はいま持っている「一万年の旅路」の裏表紙内側への書き込みです。
2014/03/27 アマゾンより着本この本は友美と優にも送るつもりでいる。
この前購入した本は下平涼羽に読むことをすすめ贈呈した。 口承史として驚くのは、この本が0歳教育そのものの方法が冒頭に書かれていたことでした。
このサイトを開いた方々も、是非ともここに書かれているポーラさんの言葉を0歳教育の基本的理解として、ヨ~ク聞きとってください。
こうしたお話の大脳へのインプット法は、井深大さんの本「0歳」(副題=教育の最適時期)では「パターン教育」という言葉で繰り返し説明されています。 そして、驚いたのは日本でも太安万侶や稗田阿礼などの語部(カタリベ)がいて、古事記や日本書紀が編纂されていたことでした。
「一万年の旅路」の序文としての Paula Underwood さんの “はじめに” には 語部(カタリベ) としての基本的方法そのものが、ものの見事に書かれています。
0歳教育を進めていく際の、心構えとしては昔の記憶手法を理解しておくことも大事な心掛けであります。
一万年の旅路
著者 ポーラ・アンダーウッド
・(表帯書) 一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路
人類ははるか一万年前ベーリング陸橋を越え、アジアから北米へ渡った
イロコイ族の血をひく女性が未来の世代へ贈る
・(裏帯書) この本をはじめて手にしたときも、それから二年半ほどたって邦訳を
終えた今も、不思議な胸騒ぎがする。ひょっとしたら途方もないもの
に出会っているのではないかという驚きと、ありうるはずがないという
疑い――その二つが入り混じって、なぜか心臓が高鳴るのだ。
・表紙カバー裏書き(表紙裏)
アメリカ大陸に住む、インディアンとも呼ばれるネイティヴ・アメリカンの人々はその昔ベーリング海峡が陸続きだったころ、すなわちベーリング陸橋を渡り、アジア大陸からアメリカ大陸へやってきたモンゴロイドの子孫だという説が定着しつつある。・表紙カバー裏書き(裏表紙裏)
「一万年の旅路」は、ネイティヴ・アメリカンのイロコイ族に伝わる口承史であり、物語ははるか一万年以上も前、一族が長らく定住していたアジアの地を旅立つところから始まる。彼らがベーリング陸橋を越え北米大陸に渡り、五大湖のほとりに定住の地を見つけるまでの出来事が綿密に描写されており、定説を裏付ける証言となっている。
イロコイの血をひく著者ポーラ・アンダーウッドは、この遺産を継承し、それを次世代に引き継ぐ責任を自ら負い、ネイティヴ・アメリカンの知恵を人類共有の財産とするべく英訳出版に踏み切った。
Paula Underwood (著者近影)
“献辞”
あらゆる火の端に座り
辛抱強く一つひとつの歌を学んだ
すべての先人たち
これから歌う歌がおさめられたページを
一枚一枚、辛抱強くめくるであろう
すべての読者たち
それらすべての人びとへ
けれども、とりわけ私の祖父の祖父――
子どもたちの子どもたちの子どもたちが
なおも学べるよう
大いなる変化の時代に
自分の一族から歩み去った女へ
<古(イニシエ)の物語>によって
辛抱強く織り上げたこの書を
心からの感謝をこめて捧げます
“はしがき”
子どものころの父が、とてつもない長い距離を歩き、さまざまな難関を切り抜け、成功と失敗を繰り返しながらも、とにかくえんえんと生きながらえてきた一族について、果てしない歌を歌ってくれました。
私は父からそれらの歌を学びました。するとある日、私は何を知っているかと父が聞きます。
決まってるでしょ」私は言いました。
「何千年もずっと生きながらえてきた、ある一族の遠大な物語よ」
「本当かい?」父は問い返します。
「しかし、どうしてお前はそれを知っているとわかるんだね?」
私は長い間このことについて話し合い、会話や思索に耽りました。これこれの起こったことを知っていると言うたびに、父はその “知っている” というのはどんな意味かと問い返された私は、最後にこう答えました。
「私は父が顔をあげて歌ったのを知っている。私は父を知っている。これらが父の歌だと知っている。私はそれらの歌がとても正確だと思うけど、それは言葉の裏にある現実を感じるからだし、父がそういう務めをいいかげんにする人ではないように見えるからだし、その父親もきっとそういう人だったと思うからよ。
たぶん私も一生のあいだに、これらの言葉の正確さを自分で確かめに行くことになるのでしょう。でもそれまでは、私も父の務めを、父がその父から引き継いだように引き継ぎます。私はこれらの言葉を伝えていきます。それを英語に直すという余分な務めも引き受けます。いつも正確に、できれば美しく――。
でも、これ以上のことは言えないわ。
父が顔を上げて歌った。私はそれを聞いた、と」
……ポーラ・アンダーウッド
“はじめに”
これは古来の方法で伝えられた口承史です。
口承で受け継がれるほかの多くの伝統や歴史と同様、いつか自分がその責任を負うかもしれない話を聞かせてもらえるようになるだけでも、たくさんの試験と訓練が必要です。
物心がつくかつかないかのころから、父は私の記憶力を試し、鍛えました。
一番単純な例をあげると、私が見ていたものから別の方向へ体を向けられ、それまで何が見えていたかを言わされるというようなことをやりました。
これを何の前触れもなく何度も何度もやらされるうちに、人によっては、そのとき見ているすべてを頭に焼きつけると、その脳内写真のようなイメージを、たった今見ているように再現するコツが身についてきます。
<これが「ウインドウ遊び」そのものの真髄です>
ただし、これはけっして合格・不合格を決めるテストではなかったし、 うまくやらないといけないというプレッシャーをかけられたこともありませんでした。もし私がこの務めにふさわしい器でないとしたら、父はあえてそれを私の肩に預ける必要はなかったのです。けれど、それはただの遊びでもありませんでした。それは学びであり、生きるということをよりよく理解するための機会だったのです。
この歴史のかなりの部分を学ぶ能力が私にあるというおよその脈がつかめたとき、父はほんの断片を語り聞かせ始めました。映画館でやる「次週の予告」のように、食欲をそそるに足る程度のものです。物語り全体を学ぶには、まずほかにいくつか必要なことがありました。たとえば、完璧な注意力をもって耳を傾けること、ひとつのことに一昼夜意識を集中して目を覚ましていること、歌や詩などほかのものごとを暗記すること、理解力などがあります。
右のような領域のそれぞれに私が多少の能力を持ち合わせていると納得できたとき、父は歴史の全体を聞かせ始めました。一時に少しずつ、なおも理解を試しながらです。私がどこかの一節を憶えたと思うと、聞かせてもらったのとは別な形でそれを“語り返す”ように促されました。そこから二つのことを教えられました。一つは、自分が何かを憶えたなどとせっかちに思い込んではいけないこと。もう一つは、何かを聞くのと、それを理解するのとは二つの別のステップだということです。
最後にようやく、一つの部分を丸ごと父に向かって語り返す勇気ができたとき、また新しいことを学ばされました。三つの違った形で三回、どれも父が語ってくれたのとは別の形で語り返すように求められたのです。
つまり、私はどんな現代語でも語りなおせるくらい完璧な理解を示さなければならなかったわけです。でも単に面白がられるので語り手にそれぐらいの理解が必要なのです。はなく本当に理解してもらうためには、語り手にそれぐらいの理解が必要なんです。父が指摘したように、言葉というのは変化していきます。父の母親が好んで音読したシェークスピアの言葉を解する人は、あまり多くありませんでした。歴史がそれほど眠ってしまったのでは価値がなくなります。
シェークスピアの言葉を解する人
後述のとおり著者が子ども時代に暮らしたのはロサンジェルス郊外で、シェークスピア時代の古典英語に通じた人が少なかったとしても不思議はない。
イロコイ連邦彼女はその学びを携えて西のイリノイ州へ移り、そこで私の祖父に伝えました。祖父はそれを、ネブラスカ州の農場で私の父に教えました。そして私が意欲満々でこの責任を引き受けたのは、父がロサンゼェルスに手づくりした家ででした。それにともなって、これら<古(イニシエ)の学び>から献身の何たるかを学び、アメリカ合衆国というもっと大きな“国”の言葉である英語に書き下ろす新しい責任も受け入れたのです。
イロコイ連邦(Iroquois Confederacy)は別名「シックス・ネーションズ」のとおり、カナダ国境に近いニューヨーク州北部のオンタリオ湖南岸に沿って点在する近い六つの部族(先住民の部族的・地域的まとまりを「ネーション=国」と呼ぶ場合がある)の連合体で、東から西へホモーク、オナイダ、オノンダーガ、カユーガ、セネカ、タスカローラの順に並ぶ。タスカローラを除く五部族で結成されたのが十~十一世紀に遡ると言われ、十八世紀はじめにタスカローラ族が加盟して現在にいたる。本書の主役である<一族>にも由来の一端をもつかもしれない世界最古の実質的な直接民主制によって平和で平等な社会を営み、十八世紀のアメリカ合衆国建国と憲法制定に大きな影響を及ぼした。その当時の相互協定にもとづいて、いまなお原則的には合衆国から独立しており、独自のパスポートも発行する。くわしくは星川淳著『環太平洋インナーネット紀行』(NTT出版)第3章を参照のこと。
一つの新しい世代
読者を含む現世代をさすものと思われ、後述の通り彼女が学びを授かった人から数えて七世代目にあたる。
アメリカ合衆国書き言葉というリニアル(直線的)な形に変換することは、今から二百年近く前、私の祖父の祖母と、彼女に学びを授けた<古きものごとの守り手>とのあいだで取り決められたものです。その<古(イニシエ)の守り手>が七世代後に向けて語れるよう図るという特別な責任は、そこで託されて以来、私まで代々引き継がれてきました。
United States の訳語としては「合衆国」のほうが正確だと考えるので、本書でもこの表記を使う。
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