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折々の記 2010 B

【心に浮かぶよしなしごと】

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世界はどう動いているか


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台湾の選挙と独立
 【2004年12月27日】 理想的には「台湾独立」だが、現実的には「現状維持」であるという、理想と現実を区別して考える現実主義的な意識が台湾の人々の中にあり、そのため民進党など与党緑色連合の支持者のかなりの部分が「台湾独立」を声高に掲げすぎる陳水扁と李登輝のやり方を敬遠し、12月11日の立法院選挙で投票を棄権した。これに対し、国民党の支持者は党本部から必ず投票せよと動員をかけられて従った結果、国民党が意外に健闘する結果となった。

中国による隠然とした香港支配
 【2004年12月8日】 昨年夏に香港の首長である董建華・行政長官のやり方に反対する市民が50万人規模の反政府デモを繰り広げ、野党の「民主党」など民主諸派の力が強くなってから、今年9月の議会(立法会)選挙で民主党がふるわず、その半面で親中国派の「民主建港連盟」が議席を伸ばす結果に終わるまでの1年半の流れを見ると、香港社会において親中国派が巧妙に民意を取り込んでいることが感じられる。

ウクライナ民主主義の戦いのウソ
 【2004年11月30日】 アメリカがウクライナの選挙で野党陣営を支援し、ユーシェンコを勝たせるために支持組織に政治活動の訓練を施してきたことは、以前から知られていた。アメリカは、2000年にユーゴスラビアで野党勢力を結集させてミロシェビッチ大統領を追い落とし、昨年11月には似た手法でグルジアのサーカシビリ政権を誕生させた。今年10月にはベラルーシの議会選挙でも同じ展開を試みたが、野党諸勢力間の結束が得られず失敗した。アメリカにとって今回のウクライナ選挙は「選挙を使って旧ソ連系諸国の政権を転覆する作戦」として4回目となる。

ドルの自滅
 【2004年11月26日】 ドル安を止めるためには、アメリカの財政赤字と経常赤字という「双子の赤字」を減らすことが必要だが、これは非常に難しい。赤字を減らせないアメリカはいずれ破綻するという予測は、昨年末あたりから、あちこちの記事で見かけるようになっており、その「いずれ」がいつなのか、という時間の問題になっている感がある。そして「ドル下落」と「イラク戦争」という「双子の自滅」が、アメリカを危機に瀕する状態にさせている。

潜水艦侵入問題と日中関係
 【2004年11月19日】 日本がこれまで東シナ海における中国の侵犯行為を黙認する傾向があったのは、日本政府が中国に気兼ねしすぎていたからだ、という見方もあるが、私はむしろ、日本政府はこれまで中国を敵視する必要がなかったのが、ここに来て仮想敵を新たに設定する必要が持ち上がり、そのために中国に対する敵視が強められたのだと考える。仮想敵を必要とする原因を作ったのは、日本に対するアメリカの軍事的な関与が変化していることである。

パウエル辞任の背景
 【2004年11月17日】 ブレアの中東和平提案をブッシュが事実上断ったことにより、アメリカとヨーロッパとの関係は、最終的に改善しない方向で固まった観がある。欧米間に協調関係の復活することは当面ないと確定したため、ブッシュ政権の中枢で唯一、協調関係を復活させる試みを担当していたパウエルは、自分の役割は終わったと考えて辞表を提出したのだろう。

アラファトの「死」
 【2004年11月10日】 アメリカ政府内で中東和平を進めたがってきたパウエル国務長官から、和平に抵抗してきたイスラエルのシャロン、そしてシャロンの仇敵であるガザのハマスと、そのライバルであるダハランまでが、9月にこぞってアラファトに「辞めてほしい」「消えてほしい」と表明していた。推理小説的に言うと、これらの全員に殺意があったことになる。

ブッシュ再選の意味
 【2004年11月7日】 EUやロシア、中国、インド、ブラジルなどの大国にとっては、ブッシュが再選されてアメリカが自滅する可能性が高まったことは、自国の覇権を拡大するチャンスである。反対に、強いアメリカの傘の下にいることで覇権を求めずに安定を維持したいと戦後ずっと考えてきた日本にとっては、ブッシュの再選は国家的な危機につながりかねない。

台湾を見捨てるアメリカ
 【2004年11月2日】 アメリカの次期政権は、台湾問題に対する政策を変える可能性が高い。中台の関係者は「アメリカは今後、台中双方にはっきりものを言う『双方向明晰化』の傾向を強め、中国には台湾を武力侵攻するな、台湾には独立傾向を強めるなと、従来よりはっきりした口調で要求するようになるだろう」と分析している。明晰化は台湾にとって危険であり、アメリカに見捨てられることになりかねない。

岐路に立つアメリカの世界戦略
 【2004年10月27日】 ブッシュが再選された場合、アメリカは中東をさらなる混乱に陥れつつ自滅する「ハードランディング」の道をたどって世界は一気に多極化する。ケリーが大統領になったら、ヨーロッパとの協調関係が模索されつつも、協調体制は完全には復活できないまま、世界はゆっくり多極化し、アメリカの縮小にやや歯止めがかけられる「ソフトランディング」の道をたどる可能性が大きい。

アフガニスタン民主化の茶番
 【2004年10月19日】 アフガニスタン政局の動きを詳しく見ると、大統領選挙で大規模な不正が行われた疑惑が感じられる。アメリカ政府は何とかカルザイを勝たせたいと考え、選挙前、アメリカの駐アフガニスタン大使であるザルメイ・カリルザドが、すべての有力な対立候補に「立候補を取り下げれば、次期政権の閣僚ポストや州知事職を渡す」と提案して回った。事前の有権者登録の際、2回以上登録した有権者もかなりいた。有権者登録したアフガン人は1050万人と発表されたが、複数回登録した人を除いた実数は500万−700万人にすぎなかった。

CIAの反乱
 【2004年10月15日】 アメリカの諜報機関CIAの上層部に、11月の大統領選挙におけるブッシュの再選を阻止しようとする勢力がいる。彼らはブッシュ政権のイメージを悪化させ、その分CIAのイメージをアップさせるように計算された匿名の情報をマスコミに漏らして記事を書かせている。この反乱は米議会上院とホワイトハウスがCIAを解体しようとするのを防ぐために行われている。CIA解体はアメリカの戦力を弱体化させる「自滅作戦」に見える。

中国人民元がドルを抜く日
 【2004年10月12日】 最近G7が再び人民元切り上げ圧力を中国にかけている背景には、世界経済を消費面から牽引してきたアメリカ経済の消費力がもはや限界に達しつつある状況がある。その一方で、中国の大都市では中産階級と呼べる集団が育っている。この層に世界からの輸入品を買ってもらい、アメリカに代わって消費面でも中国が世界経済の牽引役になれば良い。それには人民元を切り上げて中国人が輸入品を安く買えるようにすることが必要だ、というのがG7の考えである。

不正が横行するアメリカ大統領選挙
 【2004年10月8日】 アメリカでは2000年の大統領選挙後、欠陥投票システムとして批判された旧式の「バタフライ方式」などから脱し、電子式の投票機を全米で導入するための立法措置が行われて政府予算が組まれ、電子化が促進された。ところが実は、電子式には旧式よりもひどい不正疑惑の問題があることが分かり、今では多くの選挙区が「旧式を使い続ける方がましだ」と考え、電子化を見合わせている。フロリダなどいくつかの州では、共和党系の当局が民主党支持が多い黒人の有権者に投票させないように威圧するケースも増えている。

ロシア学校占拠事件とチェチェン紛争
 【2004年10月1日】 チェチェンの人々は、アラブ諸国からイスラム主義者がやってきて独立運動を支援してくれることをあまり歓迎していない。イスラム主義者は地元の人々に対し、スーフィの廟にお参りするなとか、外出する女性に髪をすっぽりおおうヘジャブを着用させろなどと強要し、嫌がられている。だが、一部のイスラム主義過激派がテロなど紛争の扇情によって、チェチェンだけでなくカフカス地方全体を不安定にする恐れがある。それはアメリカのタカ派が望むところでもあった。

ロシア学校占拠事件とプーチンの独裁
 【2004年9月28日】 プーチンは確かに独裁者で報道の自由を規制しているが、プーチンが弱体化し、ロシアが再び混乱して喜ぶのは、オリガルヒやネオコンである。自由や民主主義、人権などを標榜する勢力に賛同して独裁政権を倒す戦争を許した結果、大混乱を招いてしまったことを、私たちはすでにイラクで経験したはずだ。欧米人や日本人が「独裁政治を倒せ」と叫ぶことはロシアを安定させることにはつながらず、英米の好戦的な勢力による巧妙な破壊作戦の一端を知らないうちに担いでいることになりかねない。

テロ戦争のずさんさの裏にあるもの
 【2004年9月14日】 テロ戦争に対する米政府の対応を見ていると、テロ戦争をなるべく長く続けたい意図が感じられる。「アメリカの言うことを聞かなければ、悪の帝国ソ連の味方とみなす」という善悪二元論でアメリカが世界に対する支配を40年間続けたのが「冷戦」だったと考えることができるが、911後のテロ戦争はこれの「ソ連」を「アルカイダ」に変えただけの構造になっている。だが、米当局のあまりにずさんなやり方を見ていると、米政府はもっとスマートにテロ戦争の永続化を演出できるはずなのに、なぜわざと失敗してばれるような事態に陥るのか、という新たな疑問が湧いてきた。

石油利権とイラク戦争
 【2004年9月7日】 「ネオコンはイラク侵攻によって何がしたかったのか」という謎に対して私が最近考えた仮説は、ネオコンはアメリカの石油利権をイスラエルに委譲させる下地を作るために、イラク戦争を計画したのではないか、ということである。イスラエルは米軍内に入り込み、すでにイラク統治にかなり参画している。アメリカが占領の泥沼に耐えかねてイラクから撤退したら、その後はイスラエルの影響力が強まる可能性がある。アメリカの覇権が縮小する過程で、イスラエルが隠然とアメリカの中東での石油利権を奪取できる好機が訪れる。

イスラエル・スパイ事件の奇妙
 【2004年9月3日】 この事件が不可解なのは、米政府内では現在、イスラエルと親しい関係にあるネオコン勢力が中東に関する外交政策を取り仕切っており、イスラエル側はアメリカの対イラン政策の全容を簡単に聞き出すことができるはずなのに、なぜわざわざ国防総省の中級幹部に「スパイ」をさせて機密文書をもらわねばならないのか、という点である。

対立を演出する中国の政治
 【2004年8月24日】 中国共産党は、内部での「胡錦涛・江沢民」の対立と、外部との「中国・台湾・アメリカ」という三角対立の2つを演じている。一触即発のように見える台中関係の深層には(1)アメリカは中国が求める「一つの中国」を支持し、台湾独立を許さない、(2)中国は台湾を威嚇しても良いが、実際に軍事侵攻してはならない、(3)台湾はアメリカに現状維持を守ってもらう代わりに、アメリカから武器を買わねばならない、という三者の了解事項がありそうだ。

自立を求められる日本
 【2004年8月17日】 最近感じられ始めたことは、アメリカは日本にも、自国を牽制する「非米同盟」諸国の一つになってほしいと考えているのではないか、ということである。日本はアメリカのくびきから自らを解き放ち、日本らしい独自の外交戦略を実行してほしい、というのがパウエルやアーミテージの「憲法9条を捨てよ」という発言の真意ではないか。

台湾の外交攻勢とアジア
 【2004年8月11日】 東南アジアと並んで、陳水扁政権の台湾は日本にも外交攻勢をかけている。日米安保体制を、中国を仮想敵とした防衛同盟として再編してもらい、米台関係の基本を定めたアメリカの「台湾関係法」と連携させることで、台湾・アメリカ・日本の3国防衛同盟へと発展させることが目標だ。日本の上層部では、戦後の繁栄の基礎となった日米安保体制を今後も維持したいという考え方が強く、台湾側はそこを狙っている。だがアメリカが中国を仮想敵と考えていないため、この考え方には無理がある。

中国の勃興と台湾
 【2004年8月2日】 中国の中枢からは「武力で台湾を併合することも辞さない」といった言説がよく聞こえてくる。だが私が見るところ、中国はそんなことをできる状態にない。今の中国にとって最も大事なことは、世界における立場を強化することと、国内の政情を安定させることであるが、台湾への侵攻はその両方を破滅させかねない。

キリストの再臨とアメリカの政治
 【2004年7月21日】 聖書に書いてあるキリストの再臨を実現するには、イスラエルが建国されてイラクまでを領土にし、エルサレムのアルアクサ・モスクを壊す必要がある。イスラム教徒が激怒してイスラエル敵視を強めるのは最終戦争への動きとして歓迎される。イスラエルの核武装、中東和平の破棄、キリスト・ユダヤ連合とイスラム世界とのテロ戦争の激化、シリアやイラン、サウジアラビアの政権転覆なども支持される。

「華氏911」とイスラエル
 【2004年7月16日】 マイケル・ムーア監督の映画「華氏911」に象徴される、サウジアラビアを過度に非難する論調は、真剣に受け止めない方がいい。サウジ王室とブッシュ家、中道派、石油業界とが談合して儲けてきたのは事実だが、それはこのテーマの話全体の半分にすぎない。残りの半分にはイスラエルとネオコンがあり、全体像としてイスラエルとサウジアラビアとの米政界での勢力争いがある。話の半分にだけ人々の注目を集めることで、残りの半分を見えなくする仕掛けがある。

国連に選挙監視団の派遣を頼むアメリカ 【2004年7月8日】

狂牛病とアメリカ
 【2004年7月6日】 アメリカの牛肉業界団体と大手4社の生産者は、日本向けの牛だけに狂牛病検査を認めると米国内の消費者も検査を求め、すべての牛を検査しなければならなくなるとして検査に反対している。アメリカ農務省は彼らを意を受けて、できるだけ検査を行わない戦略を採り、検査をやりたいという一部の生産者に対して「今年秋には日本政府と折り合いをつけ、検査を実施せずに対日輸出が再開できる。もう少し辛抱すれば、検査なしで日本に輸出できるようになる」と説得している。

日露関係強化は世界多極化の一環 【2004年7月2日】

ネオコンは中道派の別働隊だった?
 【2004年6月19日】 ネオコンはビルダーバーグ会議の意を受けてアメリカの政権中枢に送り込まれ、計画通りにアメリカをイラク戦争の泥沼に引きずり込んだ可能性がある。ネオコンと中道派は対立しているように振る舞ってきたが、実は両者は役割分担していただけではないか、ということだ。ネオコンと中道派が一体のものだったとすれば、彼らの目指すものは何なのか。私が見るところでは、それは「世界を多極的なシステムに転換する」ことだったと思われる。

アジアから出て行くアメリカ
 【2004年6月15日】 朝鮮半島をめぐる昨今の動きは、北東アジア全域にとって、第二次大戦以来の大きな動きの始まりである。冊封体制の復活という意味では、アヘン戦争以来の大きな動きになる。日本にとっても大変動になることは、ほぼ間違いない。日本は明治維新の際は他のアジア諸国より先見の明があったが、今の日本は見たいものしか見ない傾向が強く、失敗する可能性が増している。

スペイン列車テロは当局の自作自演の可能性 【2004年6月13日】

北朝鮮をめぐるアメリカの詭弁作戦
 【2004年6月11日】 北朝鮮が核兵器を持っている可能性はある。北朝鮮はアメリカからの核攻撃に備え、全国に巨大な地下豪を持っている。そうした地下施設に核兵器が隠されてしまえば、査察団に見つけられる可能性は低い。だがその一方で「見つけられる可能性が低いのだから、査察などやっても無駄で、先制攻撃した方がいい」というネオコンの主張が通ってイラク侵攻が挙行された結果、アメリカは大失敗を喫した。イラクは侵攻ではなく、査察と外交で問題を解決すべきだったが、同じことは北朝鮮に対しても言える。

在韓米軍撤収と南北の接近
 【2004年6月8日】 韓国は北朝鮮と接近する一方でアメリカとの距離を置き、その分中国と親密になっていく傾向を強めている。韓国の世論は、中国よりアメリカを脅威とみなす傾向が強まっており、経済でも韓国製品の対米輸出より対中輸出が多くなるなど、中国との関係が深まっている。韓国と中国が東アジアの「非米同盟」の中核になり、そこに北朝鮮やロシアが入る展開になる可能性が大きい。

EUの覇権は拡大するか
 【2004年6月1日】 イラク戦争の泥沼に陥ってアメリカが自滅的に覇権を弱めたのと反比例するかたちでドイツが外交力に自信をつけ、フランスと組んでEUの覇権拡大を模索するようになった。だが、キプロス統合の失敗でトルコのEU加盟が揺らぎ、独仏の先行にEU内の批判も増えた結果、覇権拡大は当分ゆっくりしか進みそうもない。

石油大国サウジアラビアの反撃
 【2004年5月28日】 国民の反米感情と、アメリカからの非難の板ばさみになったサウジアラビア王室は、親米的なスタンスを離れ、アメリカが困っても石油価格を下げない方針に転換した。原油価格の高騰分は政府収入増につながり、それを国民の生活向上に回すことで、反政府感情をなだめることができる。サウジの石油高騰戦略はこうしたナショナリズムに基づいたものだと思われる。

世界から人材を集めなくなったアメリカ
 【2004年5月25日】 アメリカは移民の貢献によって発展してきた国で、科学技術の分野では特にその傾向が強い。第2次大戦後、世界で最も豊かな国となったアメリカは、豊かな研究環境が世界から科学者を集め、彼らの研究成果でアメリカがさらに豊かになるという好循環になった。産業技術だけでなく軍事技術の発展にも外国出身の学者や技術者の貢献が大きい。それだけに、米政府がテロ対策を理由にビザの発給を制限していることは、アメリカの科学技術研究を窒息させかねない。

だまされた単独覇権主義
 【2004年5月18日】 あと1年ぐらいイラク占領が続くと、アメリカは外交的にますます孤立し、軍事的に無駄な消耗が進む。米政府が撤退を拒んで頑張るほど、アメリカは弱体化し、その分相対的にEUや中国、ロシアの力が強く見えるようになり、国際協調主義者が望んでいる「国家間の均衡状態」が実現する。もしかすると、ネオコンは実は国際協調主義者なのに、単独覇権主義者のふりをしてタカ派の中に入り込んだのかもしれない。

The Fall of Boeing and Japan's Airline Industry 「ボーイングの凋落と日本の可能性」の「Japan Focus」による英訳。

サウジアラビアがユーロ化を破棄、ドル回帰を宣言 【2004年5月17日、短信】

韓国語版のサイト(間島通信)ができました

イラク虐待写真をめぐる権力闘争
 【2004年5月11日】 上院議員やネオコンの中には、米兵による虐待写真の暴露をテコに、兵力増強に反対していたラムズフェルド国防長官を辞任に追い込み、後任の国防長官には兵力増強や徴兵制復活に賛成する人物を据えようと考えたのではないかと思われる。タカ派のラムズフェルドが辞めたらイラク情勢は良くなると考えがちだが、全く逆になる恐れがある。

ブッシュ再選のために食い止められたイラク総攻撃
 【2004年5月8日】 911後に急速に肥大化した国防総省は、CIAの諜報担当としての権限と、国務省の外交権限を奪取しようと画策し、かなり成功していた。だが、再選の邪魔になるとしてブッシュ大統領がイラクの泥沼化を嫌い、米軍のファルージャ総攻撃を止めたがったことを利用して、CIAと国務省は巻き返しにかかり、ネオコンによって冷や飯を食わされていた国連とも組んで、国防総省からイラク再建の主導権を奪い返した。

コーカサス安定化作戦
 【2004年4月29日】 イラクやパレスチナの情勢を見ると、中東は今後長期にわたって混乱し続けると予想されるが、中東の外側にあるコーカサスやバルカン半島、トルコ、北アフリカなどの地域に対するアメリカの外交政策は、安定を重視する中道派の管轄下にあり、彼らの「ユーラシア安定化策」の一つに、グルジアの政権転覆があったと思われる。グルジアの政変を演出することに手を貸したジョージ・ソロスとベーカー元国務長官は、タカ派を嫌う中道派という点で一致している。

イラク駐留各国軍の危機
 【2004年4月20日】 イラク南部のバスラに駐留するイギリス軍の司令官は、シーア派聖職者が占領軍に撤退を要求したら、市民15万人がイギリス軍に撤退を求めるだろうが、それを鎮圧しようとすると一般市民を虐殺することになるので、撤退するしかないという。イギリスでさえ撤退する状況下で、日本が「自衛隊は撤退しない」と言い続けるのは難しい。米軍がナジャフに突入したら、イラクに駐留する各国の間に一気に撤退の機運が強まるだろう。

日本・インド・中国で「アジア版NATO」? 【2004年4月20日、短信】

毎年5回ずつ戦争ができるようになる米軍 【2004年4月19日、短信】

拘束されているサダム・フセインはニセモノ? 【2004年4月14日、短信】

米イラク統治の崩壊
 【2004年4月13日】 米軍がファルージャやシーア派の各都市で蜂起した旧式の武器しか持っていないイラク人を鎮圧できなかったことは、フセイン政権を倒して以来「世界最強の無敵の軍隊」と恐れられていた米軍が、実はそんなに強くないのだということを、イラクや中東各国の人々に感じさせた。これは、ファルージャの武装住民やサドル師を「英雄」に仕立てる結果となっている。

アメリカの世界破壊は政権交代しても続く?
 【2004年4月9日】 「ブッシュを大統領の座から引きおろせば世界は良くなる」という考え方が世界に広がっているが、アメリカ大統領選挙でブッシュの対抗馬になる民主党のケリー候補が打ち出したベネズエラのチャベス大統領への非難声明を見ると、ブッシュではなくケリーが大統領になったとしても、世界を故意に破壊しようとする今のアメリカの戦略はあまり変わらないかもしれない、と感じる。

音声訳のサイト(STUDIO-M)ができました

アメリカに出し抜かれて暴動を起こしたイラクのシーア派
 【2004年4月6日】 イラクの米占領軍政府(CPA)は昨年11月、イラク人の暫定評議会と政権移譲のやり方と日程について取り決めを結んだ。これは、新生イラクの建設がイラク人の総意に基づいて行われていることを世界に示すためだった。システーニ師らシーア派は、懐疑の目を持ちながらもその動きに参加した。だが、3月初旬まで続いた暫定憲法の制定作業は、結局のところ、シーア派が自分たちの権力を限定するのを了承するかたちになってしまった。アメリカにはめられたシーア派は、怒りを爆発させた。

ドイツで勃興する諜報機関 【2004年3月31日、短信】

スペイン列車テロの深層
 【2004年3月30日】 マドリードの列車テロで逮捕されたモロッコ青年たちについての報道を読むと、911の実行犯とされたモハマド・アッタらのイメージとだぶる。いずれも、サッカーやナイトクラブ、風俗店、ドライブ、飲酒、金儲けが好きな、不良っぽいふつうの青年で「イスラム原理主義者」らしさがない。

ヤシン暗殺の背景を考える 【2004年3月30日、短信】

世界を動かすスペインの政変
 【2004年3月23日】 スペインのテロとその後の政権交代は、世界の政治家にとって、1年前のイラク侵攻時には魅力的に見えた「単独覇権主義のアメリカにとにかく従う」という態度が、急速に「危険な賭け」に変質したことを示している。スペインの選挙結果を見てポーランドが急にアメリカから距離を置き、韓国も決まっていたイラク派兵の見直しに入った。小泉政権も世界の変化を感じているはずで、そろそろと軸足を移すような変質を試みるかもしれない。

ロシアの石油利権をめぐる戦い
 【2004年3月18日】 プーチンは首相時代、経済を支配するオリガルヒ(大富豪)に従順だと思われていた。ベレゾフスキーはプーチンのために資金を出して新政党を作り、大統領選挙で当選させた。だが権力を握ったプーチンは豹変し、KGBの諜報力を使ってオリガルヒたちを潰し、彼らが乗っ取っていた石油会社を再び国有化する方向に戻した。彼らの一部はアメリカに頼って抵抗を試み、ロスチャイルド家まで引っ張り出してきたが、なぜか肝心なときにアメリカは動いてくれなかった。

ロシア・ユダヤ人実業家の興亡
 【2004年3月9日】 ロシアのユダヤ人口は、混血者を含めても全人口の約3%しかいないのに、ロシアの7人の大富豪(オリガルヒ)のうち5人がユダヤ人である。アメリカのユダヤ系雑誌は「ロシアを動かす政治家や銀行家にはユダヤ人が多すぎる」と懸念した。オリガルヒは自分たちの財力や権力を拡大することにだけ熱心で、一般市民の生活が悪化するのを放置し、このままでは19世紀末にロシアで起きたユダヤ人虐殺が再来するのではないかという懸念だった。

カスピ海石油をめぐる覇権争い
 【2004年3月2日】 内陸の湖であるカスピ海の周辺で採れた石油を、大市場である欧米や極東までどのように運ぶかは、カスピ海油田の開発が本格化した1990年代初めから議論となっていた。ロシア主導の運搬ルートと、ロシア周辺の旧ソ連諸国をロシアと競える存在にしようとする欧米主導の運搬ルート、それに東から中央アジア諸国にアクセスしようとする中国主導の運搬ルートも加わり「石油のグレート・ゲーム」が展開されてきた。イラク戦争が泥沼化した影響で、覇権争いの情勢も変化している。

イランの生き残り戦略
 【2004年2月24日】 アメリカがイラクのシーア派やクルド人に言うことを聞かせたければ、イランに頼むのが得策だが、イランの対イラク政策を握っているのはホメイニ師以来の保守派勢力である。改革派は、外交的な権限を持っていない。大統領選挙で時間がないブッシュ政権は、イランの政権転覆を待って改革派と交渉するだけの余裕がない。保守派政権を容認した上で、イラクの安定化に協力してもらうしかない。

中国人民元と「アメリカ以後」
 【2004年2月17日】 アメリカは、中国に対して「アジアの覇権国にしてあげるから」という交換条件をつけて、アジア諸国が躊躇した「アジア通貨バスケット」(ACB)の構想を、中国に推進させようとしているのかもしれない。中国がACBを自国通貨の相場の決定に使えば、他のアジア諸国にも同様の傾向が広まり、自然とアジアの基軸通貨はドルからACBに変わっていく。日本でも円ドル為替のみに固執する状態は変わるだろう。

イスラエル・タカ派の反攻
 【2004年2月12日】 中道派がイスラエルをEUに加盟させて問題を解決しようとしているのに対し、タカ派は、ハマスやヒズボラといったパレスチナの原理主義的な過激派をわざと力づけることで、穏健派のパレスチナ自治政府を相対的に弱体化させ、パレスチナ人を内部分裂させ内戦に陥らせて、EUや中道派がパスレチナ人国家を作れないようにしようと動いている。

イスラエル・パレスチナのEU加盟
 【2004年2月10日】 イスラエルとパレスチナが和平を成功させ、パレスチナ人国家が誕生したあかつきには、イスラエルとパレスチナの両方がEUに加盟できるという、新たな中東和平のメカニズムが出てきた。EUに加盟すれば、イスラエル国家の存続はEUによって守られる。これは、これまでのイスラエルが採ってきた「アメリカの政界で影響力を拡大し、アメリカに守ってもらう」という戦略の代わりになるものだ。

見えてきたイラク復興の道筋
 【2004年2月6日】 国連がイラク復興を主導する動きが明確になってきたのと平行して、「イラクの分割」が現実のこととして姿を現し始めている。新しい動きのひとつは、イラクの憲法の中に大統領を3人にする権力形態が盛り込まれそうなことで、これは少数派に転落しつつあるスンニ派の不満を和らげる目的で、多数派であるシーア派が容認した方策だと思われる。

核兵器をばらまいたのは誰か
 【2004年1月27日】 北朝鮮やパキスタンがかかわった核兵器のブラックマーケットの存在は、遅くとも1998年には米当局によって把握されていたはずだが、闇取引はその後もほとんど規制されずに続いた。ところが、昨年末のIAEAのリビア査察によって闇市場が「発見」され、イランもIAEAの調査に協力する姿勢を見せ、パキスタンの大統領やIAEAの事務局長が「闇取引を根絶するまで戦う」と表明している。この動きの背景には、何らかの国際的な政治的意図があると感じられる。

消えた単独覇権主義
 【2004年1月22日】 パウエル国務長官は「協調の戦略」という論文をフォーリンアフェアーズに発表した。これの論文が驚きなのは「ブッシュ政権は、単独覇権主義ではないし、軍事偏重でもない。先制攻撃を特別に重視したこともない」「大統領は最初から一貫してNATOや国連、その他の同盟国との関係を大切にする協調重視の戦略をとってきた」と宣言している点だ。

イスラエルの清算
 【2004年1月13日】 イスラエルのシャロン政権が、パレスチナ問題の「清算」を急いで始めている。入植地を拡大する「攻め」の方向から、すでに作った入植地を隔離壁によって「守る」方向に戦略転換した。シャロンは「入植運動の父」と称賛されてきたのに、自分についてきた入植者たちを切り捨てても方針転換しようとしている。そうせざるを得ないのは、アメリカ中枢の勢力争いが「中道派」の勝利でかたがつき、中東各地で危機回避の方向で事態が急進展していることと関係がありそうだ。

アメリカによる世界経済支配の終焉
 【2004年1月8日】 タイのタクシン首相はIMFのやり方と正反対の政策を打ち、IMFから借りた金を前倒しして返し「わが国は、二度と国際金融資本の餌食になることはない」と宣言した。だが、彼は反米主義ではなく、イラクにも派兵した。タクシンは、アメリカが経済による世界支配の戦略を捨て、「テロ戦争」など軍事による世界支配に切り替えたことをいち早く察知し、国策を変更したのだった。

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